レゴボロBOX 〜裂け谷編〜 26〜30
*酒の魔力
「ボロミアは、少し忘れっぽいようですね。そこがかわいらしいんですが」
レゴラスは、アラゴルン相手に、のろけ混じりの話をしていた。
アラゴルンが、レゴラスを見やった。
「まぁ、そうだな」
アラゴルンは、遠くの席で酒を酌み交わしているボロミアを見ながらにやりとした。
「昨夜の酒席では、彼の恋人が私でなく、レゴラスだということを何度も思い出させてやらなければならなかったから、確かに少し、忘れっぽいようだな」
*誰のせいだ?
レゴラスは、エルロンドにため息混じりに告げた。
「ボロミアは、私を疲れさせるのです」
エルロンドは、年若いエルフをじろりと睨んだ。
「それほど疲れるならば、王子よ、ボロミアを追い回すのを止めればいいのだ」
*年齢考察
レゴラスは、アラゴルンに聞いた。
「どうしてアルウェンと一緒になりたいと思ったんです?」
アラゴルンは、酒を傾けながら感慨深げに答えた。
「とうとう、お前もそれが不思議だと思う歳になったんだな」
闇の森のエルフは、二千を三百年ほど過ぎて生きていた。
*ああいえば、こういう。
ボロミアは、困った顔で、アラゴルンに断っていた。
「あの……、貴殿もご存じだと思うが、私は、もう、レゴラスと……。だから、貴殿の望みを聞き入れることはできないのだ。だが、これからも、兄弟のように付き合って行けたら……」
アラゴルンは、満足そうに頷いた。
「わかった。ボロミアの意見を受け容れよう。では、今晩から一緒に寝ようではないか。仲の良い兄弟というものは寝台を分け合い、語りあって眠るものだ」
アラゴルンは慌てるボロミアの手を引いて歩き出した。
*ありがとう
耳を噛むようにしながら、甘い声でレゴラスが囁いた。
「ボロミア、あなたが私を愛しているとわかった時はいつ?」
寝台の上でしどけない格好をみせていたボロミアは、居住まいを正すと、レゴラスの目を見つめ真顔で答えた。
「あれは、この谷の主人と、その従者が、お前のことを、どうしようもない馬鹿で、エルフとしての知性も魅力も持ってないとこけ下ろしていた時だ。あの時、私は猛烈に腹が立ったんだ……」
疲れちゃいました?もう一つあるんです(笑)
17.6.4