レゴボロBOX 旅の途中編 21〜23
*セット
珍しく宿屋に泊まった夜だった。
ホビット達は、人間用のベッドに二人ずつ、一緒になって眠っていた。
「なんだか、上、騒がしくない?」
フロドが目を擦りながら、サムを起こした。
サムは、すぐさま目を覚まし、忍ばせてあったフライパンを握った。
「ピピン、メリー」
警戒したフロドが、いびきをかいている二人も揺り起こす。
「あの音……」
二人は、目を擦ると、大きなあくびをした。
「うん?……ああ、平気、平気、あれ、アラゴルンの剣をレゴラスが引きずってる音だよ」
耳を澄ましていたメリーと、ピピンはまた布団に潜り込む。
サムが、二人を睨み付けた。
「なんで、剣を引きずるだけで、あんな音がするんですだ」
「だって、アラゴルンがくっついてるもん。しょうがないんじゃない?」
*誘ってますか?
旅の休憩中だった。
暖かい日差しに、ホビットたちは、ついうとうとと昼寝をしていた。
剣を研ぐ、アラゴルンと、それに話しかけるギムリ。
魔法使いは、少し遠い岩の上で、パイプを吹かしていた。
そして、ボロミアと、レゴラスがどこにいるかというと、皆から近い木の木陰だ。
照れ屋のボロミアは、あまりにせっかちなレゴラスに制止の声を掛けた。
「だめだ。レゴラス。すぐ近くに皆がいるんだ。それ以上何かしたら、大声を出すぞ」
ボロミアの頬は、すっかりバラ色に染まり、濡れた唇が薄く開いて、甘い息を吐き出していた。
ボロミアは、キスだけでもう、とろとろだ。
レゴラスは、にやにやして可愛い人をからかった。
「皆がいるところでなんて、ボロミア、あなたは、はずかしくって大声なんてだせないくせに」
レゴラスの手が、ボロミアの上着を緩め始めた。
ボロミアは、くやしそうに「そうだな」と、言ったが、次の瞬間とてもいいことを思いついた顔をした。
「じゃぁ、レゴラス、もっと誰もいない場所に行こう」
*作戦
女連れの旅の一行と出会った時、サムが、ボロミアの腕を引いた。
「ボロミアの旦那。申し訳ありませんが、しばらく私と一緒に隠れていてください」
「なんでだ?」
ボロミアには、理由が分からなかった。
行き会ったのは、人だった。
邪悪なサウロンの手先に出会ったわけでもないのに、隠れろと言われる訳が全くボロミアにはわからない。
「サム、お前、フロドはいいのか? あいつ、向こうに近づいていっているぞ」
レゴラスと、フロドの二人が、商人らしい旅人たちに近づいていた。
いつもだったら、フロドの警護を怠らないサムが、頷いた。
「平気です。それも、手なんです。俺たち、路銀が心許なくなってきたんでさ」
交渉がまとまったのか、レゴラスと、フロドが笑顔で戻ってきた。
旅人たちもゆっくり馬車を進める。
「もういいですよ。ボロミアの旦那」
サムが、物陰へと押し込めていたボロミアを引っ張り出した。
レゴラスが笑顔で駆け寄った。
「やったよ。ボロミア、アラゴルンの作った痩せ薬、すごく高く売れたよ!」
ボロミーは、デブじゃないかもしれません。
でも、私にとっては、そうであって欲しいんですv(笑)