愛のバレンタイン A

 

その日のアラゴルン医師はやたらと落ち着きがなかった。

診察時間は短いが、仕事だけは確かなアラゴルンだったが、気になることがあるのか、やたらと間違いを犯す。

「エルロンド?ああ、痔の薬を出しといてくれ」

「えっ?先生、エルロンドさんは、頭痛だとおっしゃられて」

「あれ?頭だったっけ?でも、禿薬は専門外だからなぁ」

心ここにあらずというアラゴルン医師は、次の患者である、サルマンの眉を思い切り顰めさせていた。

しかし、サルマンの顰め面にも気付かず、アラゴルンは、自分の机の引き出しばかりを気にしている。

サルマン老人は、席を蹴って立ち上がりかけた。

ミニスカの太腿も初々しいボロミアナースが、おろおろと手を貸す。

「ゆっくりと動いてください。サルマンさん。ガンダルフ老も、今日そうやって、いきなり立ち上がろうとして、血圧が上がってししまわれて・・・」

「うるさい!このにやけ面をなんとかしておけ!」

「すみません。すみません」

繰り返し頭を下げるボロミアナースは、スカート丈が短すぎるだけに、頭を下げるとむっちりとしたお尻が見えそうになっていた。

サルマンの怒声など聞こえてもいないアラゴルンは、見えそうで見えないその後姿に、目じりを思い切り下げていた。

アラゴルンが選びに選んだだけあって、ナースの制服は、ボロミアの体に必要以上にフィットしていた。

思わず抱きしめたくなるような柔らかな筋肉で構成されたボロミアの体が、ナース服からこぼれそうになっている。

「いや、君のせいじゃない。君の仕事ぶりにはいつも感心しているんだ」

しきりに謝るボロミアナースから杖を渡され、機嫌を直したサルマンがドアを出て、その日の午前中は、患者が切れた。

 

「・・・先生」

ボロミアナースは、愛らしい唇を尖らせ、サルマンを見送ったドアのところで振り返った。

「先生。今日は、どうなさったんですか?患者さんが困ってらっしゃいますよ」

「ボロミア。やっと、二人きりだね」

しかし、にやけきったアラゴルンは、ボロミアナースを舐めるように見つめた。

今日のボロミアナースは、アラゴルンが、他の全ての制服をクリーニングに出してしまったため、ピンクのナース服だった。

揃いのガーターストッキングも用意されており、否応なしに履いているのはピンクだ。

すこし油断気味の白い体に食い込むガーターのラインがいやらしい。

「先生!」

「ボロミア、どうせお昼の休憩中だ。いいじゃないか」

「・・・先生」

この先に待ち構えていることに震えるボロミアの声は、アラゴルンをそそっただけだった。

アラゴルンは、ミニスカの太腿をもじもじとさせている可愛いナースを招き寄せた。

「こっちにおいで」

アラゴルンはボロミアのきれいな形の爪を口に含み、上目遣いに所作なげにしているナースを見上げた。

「今日は、この中も、ピンクなんだよね?」

もう、アラゴルンの手は、ボロミアナースの大きなお尻を撫で回している。

尻の肉は、指の沈み込む柔らかさで、アラゴルンの顔は緩みっぱなしだった。

「ダメです。先生。まだ、お昼・・・」

「今日は、バレンタインなんだよ。お昼まで待っていた私を褒めて欲しいな」

いきなり、アラゴルンは、ボロミアのスカートをめくり上げた。

ボロミアは、真っ赤だ。

震えながら、立っている。

アラゴルンは、律儀なボロミアが、約束を果たしてくれているのにとても満足した。

すけすけピンクのパンティーが、ボロミアの大事な部分を隠していた。

いや、実を言えば、隠せていなかった。

この日のために、アラゴルンがプレゼントしたパンティーは、とても小さく、医師の視線で興奮してしまったボロミアのものがちょこんと頭を出していた。

「かわいいナースさん。こっちも、約束どおり、用意してくれたのかな?」

アラゴルンは、自分でスカートの裾を持っているようにとボロミアに言いつけると、ずっと気にしていた机の引き出しを開けた。

中にはごくシンプルな包み紙に包まれたものが入っていた。

ボロミアは、それから、視線を外したまま、絶対に見ようとしない。

アラゴルンはびりびりと包み紙をはがした。

不器用に作られた手作りチョコに、アラゴルンは、満ち足りたため息を漏らした。

「頑張って作ってくれたんだね」

そこには、ぼこぼことあちこちに穴の開いた棒状のチョコレートが入っていた。

滑らかな形とは言いがたかったが、アラゴルンが注文しただけの大きさはクリアーしていた。

つまり、アラゴルンのものと同じだけの大きさと太さを有していた。

「さぁ、ボロミア、私の膝の上においで」

ボロミアの口にそのチョコレートを咥えさせ、舐めさせたアラゴルンは、ナースの白い尻を開いた。

チョコレートは、とろとろと溶けながら、ボロミアの体の中に埋没していく。

「おいしいだろう?」

「・・・あっああん・・・先生」

 

ゴンドール医院。

休診日は、木曜日と、日曜日のみでしたが、本日は、医師、業務放棄のため、午後からは休診とさせていただきます。

 

 

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