雨の降る泉

 

「みつけた」

野伏の注意深さを、さらに上回る慎重さでアラゴルンの背後に立ったレゴラスは、いきなり斬りつけられないよう、まず、痩せた背中に声をかけた。

アラゴルンは、驚いたように身じろぎし、一瞬をおいて、振り返る。

「…レゴラス」

野伏の青色の目が眇められる。

「雨が来るんだろう。どうして、ここへ?」

レゴラスは、アラゴルンの細くとがった顎が、捕らえられるほど近くに立ち、雲が覆う空を見上げ、それから、冷たそうな色をした泉をみつめた。

アラゴルンは、レゴラスの透明なブルーの目を見つめ、軽く息を吐き出すと、小さく首を振る。

「こんな時でないと、時間がとれない」

「サムが食事をどうするのかって、聞いていたぞ」

「私は、いいよ」

アラゴルンは、レゴラスに背を向けた。

そして、薄暗い空を写す、泉へと近づく。

レゴラスは、アラゴルンの、ぎりぎりまで絞り込まれた、しかし、必要な筋力を有する背中をじっと見つめる。

「レゴラス?君は、食事に行けばいい。俺も体を洗ったら、すぐ戻る」

アラゴルンはマントに手をかけ、一枚脱ぎ、二枚脱いでも立ち去ろうとしないレゴラスに、不審な目を向ける。

「もうすぐ雨が降ってくる。レゴラス、濡れるから、早く皆のところに戻ったほうがいい」

夕暮れ時の空に、すごい勢いで雨雲が広がろうとしていた。アラゴルンの忠告どおり、早めに行程を切り上げ、今晩のねぐらを確保した一行は、ひさしぶりに、ゆっくりと取れる夕食にほっとしているはずだ。

「私も雨に濡れたいんだと、言ったら?」

アラゴルンは、はっきりとレゴラスを振り返った。

「私は、雨に濡れたいわけじゃない。自分の体を洗う時間など、全くとれないから、仕方なく、ここにいるだけなんだ」

「きっと、すぐ濡れて汚れちゃうと思うけど」

「それでも、たまにはきれいにしたい」

「そうだね、アラゴルンは、確かにちょっと汚れすぎだ」

ほっといてもらおう。アラゴルンは、レゴラスに背を向け、水浴びのための準備を続行する。

岩の上に、何枚もの汚れた衣服が重ねられ、最後に、美しいネックレスが恭しく置かれる。

「本当に、すぐ降り出すぞ」

アラゴルンは、面倒くさそうに、泉へと体を沈めた。

レゴラスは、アラゴルンが背を向けた一瞬に、自分の衣服へと素早く手をかけ、その場に脱ぎ捨てると、またたく間にアラゴルンへと近づいた。

「ねぇ?洗ってあげようか」

泉の奥深くへと、逃げようとするアラゴルンの腕を掴んで、その場にとどまらせる。

アラゴルンは、かすかに頬を赤くして、レゴラスの輝くような白い体から目をそらした。

アラゴルンのとまどいを知っていて、レゴラスは、泉の水を掬うと、彼の髪へとかける。

「遠慮しないでよ。アラゴルンの髪を触るのも久しぶりだ」

レゴラスは、自分のものとはまるで感触のちがう、ところどころ、固まったアラゴルンの髪に泉の水をかけ、なんども指で梳いていく。

「アラゴルン。かわいそうに」

アラゴルンの堅く握り締められた手を捕まえ、傷づいた皮膚から優しく泥を洗い落とす。

白くて、弓を握るのが信じられないような柔らかい手が、傷口をいとおしむ。

アラゴルンは、誘う、魅惑的なエルフの微笑みに負けたように、レゴラスの頭をかき抱いて、ピンク色をした唇に吸い付いた。

レゴラスの、奇跡のように美しい形をした唇が、笑う形に引き伸ばされる。

「どう?久しぶりに、触りたくなった?」

レゴラスは、幼子のように必死に唇と求めるアラゴルンの髪を撫で、耳の後ろへと、指を這わせた。

耳たぶを掴み、何度か軽くつねる。

もう一つの手は、あまり傷のない、アラゴルンの背中をなぞる。

アラゴルンの背中は、ほかの部分にくらべて圧倒的に傷が少ない。

「…レゴラス」

アラゴルンは、せわしなくレゴラスの体を探った。

細い腰を掴み、腿を撫で、真っ白な腹に触れる。

手が動くたび、水が音を立てた。腰の辺りに纏わる水面が揺れ動き、くすぐったい。

「アラゴルン」

ピンクの唇と、赤い舌が、アラゴルンの頬を舐めた。白い指が伸ばされて、アラゴルンの顔にかかった、濡れた髪を払っていく。

ピンク色をした唇が、口付けした、荒れた唇を撫でていく。

アラゴルンは、レゴラスの金の髪へと指を入れた。レゴラスの髪は、美しく、神々しくさえあり、アラゴルンは、抱きしめて、その中へ、鼻を埋める。

「いい匂いだ」

「エルフの特徴だね。…いたらな気分になると、どうしても体から匂いが消せない」

アラゴルンの鼻には、確かに普段は感じられない、わずかな匂いが、甘やかに香る。

「…いい匂いだ」

アラゴルンは、ため息のように呟いた。

「アラゴルンが、気にいってくれればいい。私たちは、古い種族だからね、どうしたって人間より獣にちかい」

レゴラスは、肩に埋められたアラゴルンの小さな頭を、何度も撫でる。

きつく腰を押し付けてくる、アラゴルンの引き締まった尻を、指先に捕らえる。

「アラゴルン、今日は、この前みたいに途中で止めるのはなしだ」

「オークがやって来ても?」

「そう。サムがフライパンを叩いて呼びにきても」

レゴラスは、濡れた舌を伸ばしてアラゴルンの唇を割った。

 

「あっ、あっ…アラゴルン」

レゴラスは、泉の中へと張り出していた岩へと押し付けられていた。

レゴラスの細い腰を掴んで、アラゴルンは懸命に腰を押し付けている。

「いい……いいよう。アラゴルン」

レゴラスの桜色をした爪が、岩にたてられ、気づいたアラゴルンは、その手を上から包み込む。

その手のざらついた感触に、レゴラスの白い背中が、アラゴルンの腕の中で震えた。

アラゴルンは、細い指を手の中にくるみ込み、引き寄せて、爪の先へと口付ける。

「レゴラス。君の大事な手が傷つく」

「…うん…でも、いい」

レゴラスは、赤くなった目尻のまま、アラゴルンを振り返った。

唇は唾液に濡れ、ますます赤みを増し、息は、絶え絶えと漏れている。

「ねぇ、ねぇ。もっと、もっと、ちょうだい。ねぇ、アラゴルン」

金の髪に包まれた小さな白い顔が、アラゴルンを誘惑する。

アラゴルンは、舌を伸ばした。口付けを続けながら、つながっている部分に手を伸ばして、広がった皮膚を撫でる。

「ひうっ」

レゴラスが敏感に反応するのを、絡めた舌で存分に味わった。

そのまま指でさらに広げて、深いところへ、硬いものを飲み込ませる。口の中にあるレゴラスの柔らかい舌が、ぴくぴくと震える。

何度も前後に動かすと、あたたかい肉が、アラゴルンを離すまいと絡みつく。

泉の冷たさなど、感じはしなかった。

レゴラスの鼻から、甘やかな声が、漏れる。

レゴラスの小さな尻は、アラゴルンに向かって突き出されている。

アラゴルンは、それを両手で掴んで、何度も揺さぶる。

「あん、アラゴルン、アラゴルンっ」

レゴラスは、身を捩って振り返り、アラゴルンの舌を求めた。

濡れたアラゴルンの舌が、レゴラスに向かって伸ばされる。

ふたりは、舌先を触れ合わせた。温かい体温に引き寄せられるように、しっかりと唇を重ね合わせる。

レゴラスが、辛そうな声を漏らすのに、アラゴルンは、彼を抱きしめ、反転させると、岩に背中が乗るよう、位置を変えた。

レゴラスの深くまで、アラゴルンが入り込む。

アラゴルンを、抱きしめることができるようになったレゴラスは、とても優しい顔をして、アラゴルンの背中へと手を回した。

白い手と、足が、アラゴルンの浅黒い背中で印象的に蠢く。

金の髪に包まれた美しい顔が、快感に歪められ、アラゴルンに縋るよう、肩へと埋められる。

「レゴラス。君のがきつくて、食いちぎられそうだ」

アラゴルンは、顔を歪めて呟いた。

「…生意気な口を利くじゃないか。まだ、十分幼いくせに」

レゴラスは、吐息の間に、あでやかに笑った。

「小さいエステルの話を、私は、たくさん聞いているのだよ。君は、まだ、私に、そんな口を利けるほど、年をとっちゃいないだろう?」

アラゴルンは、困った顔をして眉をしかめた。

「いつも、言うだろう。人間にとって、私は、十分年を経ている。君に、どんな風に見えているのか分からないが、私は、大人なんだ」

「知ってるよ。だから、君と楽しむんだ。君も、私の体を楽しんでいるだろう」

甘い声を零しながら、レゴラスは、きつくアラゴルンを締めた。

熱い粘膜が、アラゴルンに、うめきを漏らさせる。細やかな煽動がアラゴルンの気を逸らせる。

レゴラスの内部は、アラゴルンに落ち着きを無くさせるのに、十分だった。

こんなにも、なめらかに、気持ちよく、蠢く感触を他で得たことがない。

ほんのわずかに気を許せば、レゴラスの冷たく見下す目を味わうことは、間違いなかった。

レゴラスは、そこだけでなく、濡れた唇で、柔らかい指で、アラゴルンの体を煽り、下腹部へと熱を集める。

その上、絡めた細い足で、アラゴルンが腰を離そうとするのを許さない。

アラゴルンは、きつくレゴラスを抱きしめた。

手の中の宝石を、抱きしめずには、いられない。

レゴラスは、優しく微笑んだ。

 

アラゴルンは、レゴラスの胸へと吸い付いた。

レゴラスの白い胸に、薄く色づくものが、アラゴルンに弄られるときを待って、いじらしく立ち上がっている。

口に含んで、優しくねぶった。

レゴラスの口から、色づく声が漏れ落ちる。

アラゴルンは、貪欲に周りの白い肉も求めた

レゴラスの腕が、アラゴルンの頭を抱きしめる。

もっとだと、求められているのがわかった。

アラゴルンは、熱心に胸へと吸い付く。

「レゴラス…」

「うん…いい。いいよ。アラゴルン。もっとして。もっときつく吸って」

レゴラスは、手を伸ばして、アラゴルンの胸を探った。

「ほら、アラゴルンも、気持ちいい?」

アラゴルンは、レゴラスの悪戯な指から、身をよじった。

レゴラスは、浅くなる挿入に、絡めた足で、骨ばったアラゴルンの腰を引き寄せる。

「アラゴルンはいや?」

花の唇が、アラゴルンにキスを求める。

アラゴルンは、白い手に絡め取られて、レゴラスの体へと抱きこまれた。

「わたしは、アラゴルンにされると、とっても気持ちがいいのに…」

アラゴルンは、レゴラスの要求どおり、彼の胸をきつく摘んだ。

 

レゴラスは、アラゴルンの髪へと指を差し入れた。

櫛どおりのよくなった巻き毛が、レゴラスの指へと絡みつく。

レゴラスは、その感触を楽しんだ。

口は、ひっきりなしに、アラゴルンの与える律動に声を漏らしていたが、まだ、そんなことを考える余裕がレゴラスにはあった。

勿論、アラゴルンよりもさらに、長く生きていたエルフは、そんなことを相手に悟らせてしまうほど無慈悲ではない。

そして、余計なことを考えているのは、レゴラスにとっても、ほんのわずかの部分でしかなかった。

その位、アラゴルンと肌を合わせるのは、気持ちがいい。

アラゴルンの腕が、レゴラスの体を抱きしめ、彼の口から、名を呼ばれる。

疼く部分をアラゴルンが、存分にかき乱していく。

アラゴルンのものが、奥を抉って、何度も出し入れされると、レゴラスは、腰に、我慢しきれない熱い高まりが生まれて、じっとしていられない。

もっと、たくさん味わいたくて、つつしみなど全て忘れて、腰へと足を絡めてしまう。

動きにくいと、何度、足を外されようが、繰り返す。

焦らされるのなんてたまらなかった。

もっと、アラゴルンを、味わいたかった。どんな恥知らずでもかまわない。

レゴラスは、アラゴルンの肩へと歯を立てた。

アラゴルンが、低いうめきをもらす。

反対側の肩にも、歯を立てた。そのまま、位置を変え、首に、耳にと歯をたてて、存分に、アラゴルンに、喘がせる。

「…あっ、レゴラス」

頭をかき抱いて、耳の後ろへと歯を立てたとき、アラゴルンは、はっきりと声を出した。

「アラゴルン…かわいい」

レゴラスは、甘い息を漏らすアラゴルンの、背中を抱きしめた。

アラゴルンも、レゴラスの背中に腕を回して、きつく抱く。

 

レゴラスの顔に、水滴が落ちてきた。

アラゴルンの髪からではない。ずっしりと水分を含んで重そうだった雲が、とうとうその重みに耐えられなくなったように、雨を降らせ出したのだ。

一粒、二粒、と、遠慮がちに降っていたのはそこまでで、すぐに、叩きつけるような激しさをみせる。

アラゴルンは、レゴラスを庇うように、彼の顔の上へと覆い被さった。

レゴラスは、アラゴルンの体を押し、彼の優しさを退けると、体を起こして、アレゴルンへとしがみつく。

「酷い雨だね」

レゴラスは、アラゴルンの耳の側でささやいた。

アラゴルンは、その感覚に、かすかに身じろいだ後、笑ってレゴラスを抱きしめる。

「それでも、中止はなしなんだろ?」

「勿論」

レゴラスは、すっかり濡れた顔を突き出し、アラゴルンにキスを求めた。

「このままじゃ、呼吸困難で水死しそうだ」

「死んでも、続行って言ったら?」

レゴラスは、挑戦的な目をしてアラゴルンをみつめた。

ブルーの目を覆う長いまつげに、水滴が、溜まっている。

「この、淫乱エルフ」

アラゴルンは、濡れたレゴラスの唇に続けざまに噛み付いた。

 

レゴラスが、岩に腰掛けた状態では、二人とも、雨に打たれるばかりで、十分な満足を得ることができなかったので、位置をかわることになった。

濡れ鼠になっている人間の上に、淫乱なエルフは、体に髪を張り付かせたまま跨る。

「あんっ、いい。アラゴルン…気持ちいいっ」

自ら体を開いて飲み込んでいくレゴラスが叫んでのけぞった。

白い顔を、雨が容赦なく叩いていく。

アラゴルンは、真っ白な尻に、指を食い込ませて、何度も上下させた。

人形のように、レゴラスの体が揺れる。

金の髪が、水滴を撒き散らす。

熱く、濡れて絡みつく場所は、ほんとうに、アラゴルンを食いちぎりそうなほど、きつくアラゴルンを求めていた。

反り返ってアラゴルンの腹を押すレゴラスの欲望も、奔放なエルフの現状をアラゴルンにつぶさに伝える。

細い体を抱きしめて、彼の甘い匂いを、鼻一杯に嗅ごうとすると、焦れたエルフが、腰を振った。

アラゴルンの腰に、桜色の爪を立て、怠けることを戒める。

アラゴルンは、レゴラスの細い腰を抱き上げて、深く、突き上げた。

レゴラスの口から、高い声が漏れる。

満足の甘さを含んだ叫びに、アラゴルンは、もっと、エルフを揺さぶってやる。

水滴を飛び散らせながら、レゴラスは、頭を振って喜んだ。

金の髪が、アラゴルンの体も叩く。

アラゴルンは、レゴラスを抱きしめ、彼の求めるままに、腰を動かした。

「…あっ…あん…あっ」

レゴラスは、アラゴルンの突き上げに、彼の腰の上で、狂ったように踊った。

レゴラスの尻が、アラゴルンの腰に当たり、何度も音を立てている。

レゴラスが、アラゴルンの体に縋りつくと、彼は、すっかり濡れていた。

勿論、レゴラスだって、ずぶ濡れで、体中、一点だって濡れていない部分はない。

それでも、二人は、熱い体を持て余していて、もっと、濡れることを望んでいる。

レゴラスは、アラゴルンの首に腕をまわして、息を求めた。

アラゴルンは、隙間無くレゴラスの要求を埋めていく。

ピンクの唇が細かく震えた。

レゴラスが、口付けの合間から、か細い声を漏らしている。

アラゴルンは、深く、レゴラスの奥を突き刺した。

レゴラスの包み込む感触に、アラゴルンの口から、殺しきれない声が漏れる。

二人は、共に高く極めた。

 

ゆるくなった息を、互いの皮膚越しに感じながら、二人は、頬を重ねていた。

ぐったりと重くなり、雨の冷たさを感じられるようになった体は、快感の余韻をのこしながら、ゆるやかに失速しはめている。

レゴラスは、アラゴルンの頬に、一つ口付けをおとし、彼の体から、身を離した。

一瞬、アラゴルンは淋しそうな顔をして、レゴラスを抱きしめようとしたが、諦めたように顔を伏せる。

レゴラスは、アラゴルンを抱きしめ、彼の髪へと口付けを与えた。

「こんなに降っていたのでは、泉で体を洗っても、すぐ、もとの木阿弥だな、アラゴルン」

レゴラスは、濡れて張り付く髪をかきあげた。

「だが、体を洗わないでいると、あんたたちが嫌がるだろ」

アラゴルンも、面倒くさそうに、張り付く髪を後ろへと払った。

「さて、そろそろ、もどろうか。サムが本当にフライパンをもって探しにくるかもしれない」

レゴラスは、岸へと向かって背中を向けた。

「いや、ホビットたちは、食事がすんでからしか、探しにこないから、まだ、当分、ここにはあらわれない」

アラゴルンは、白い背に張り付く金の髪を、後ろから強く抱きしめた。

「まだ、たりない?」

アラゴルンの腕の強さに驚きながら、レゴラスは、からかいを口に乗せる。

「いや、たまにあんたが私のことを思い出してくれるだけで、十分だ」

アラゴルンは、ほんの小さく呟いた。

レゴラスは、肩口にうずまったアラゴルンの髪を撫でる。

「いつでも、私は、アラゴルンのことを覚えているよ。ただ、旅の妨げにならないよう、気を使っているだけだ」

「レゴラスは、嘘がうまい」

アラゴルンは、レゴラスを無理やり振り向かせ、唇を塞いだ。

そして、突き放すと、自分から先に岸へと向かう。

 

激しい雨だったが、マントの下に置いた衣服に濡れた様子はなかった。

しかし、身に付けていくうちに、次第に、雨を含んで重くなっていく。

レゴラスも、同様のようだった。

二人は、急いで、身支度をして一行のもとへ帰る。

 

雨の中を、駈けるエルフが、アラゴルンを追い抜きざま、その白い顔を近づけた。

 

唇に、ほんのわずかな口付けを与えた。

 

                                                                END

 

                      

 

Vさん好きのお友達に、アラレゴとの希望を聞いて書いてみました。

百合っぽくという目標を掲げてまい進したんですが、…どうでしょう??

自分的には、後輩を仕込むレゴお姉―さまって、感じ。とか、思ってるんですが…。

ちなみに、お友達は、ピンクの靄のため、周りがすっかり見えなくなったと、評価してくれました。

それでも、最後まで読んでくれてありがとう。