スイートリリィ4
尻は、すっかり柔らかくなった。
二人は、きつく肌を押し付け合い、お互いの汗で濡れている。
ユアンが、ちらりとベッドの下へと視線を流した。
鞄の中から、バイブが覗いている。
「ショーン。かわいこちゃん、ちょっと待てる?」
汗で前髪の張り付いたショーンの額にユアンは、キスをする。
「ちょっとアレが取りたい」
ユアンの視線を追って、ショーンがベッドの下へと視線を向けた。
「……ユアン」
この場においてもまだ、戸惑った声を出すかわいい年上は、ユアンの指を十分に楽しんでいるはずなのに、バイブからは顔を逸らす。
ユアンは、ショーンの中の指をわざと入れ替え、両方の中指にした。
他の指で、尻の肉を思い切り開いて、入れた中指も、大きく開く。
ショーンの中は、解すという目的以上に、ユアンと夢中になって弄り合っており、そんな動きにも穴は、平気で快楽を拾った。
できた隙間から入り込む冷たい空気に、内壁がびくりと震え、ショーンは、小さな声を上げる。
「っぁっ!」
「よし。全然平気でアレがはいるな」
「ユアン!」
「いいだろ。アレ。ショーン。俺のくそったれたな恋人からのプレゼント。何思い詰めてんのか知らないけどな。浮気防止に使ってくれって、二本もプレゼントよ。この、ユアン様にだせ? 信じられないだろ?」
ユアンは、そう吐き捨てたが、ショーンには、何をどう信じられないのかはよく分からなかった。
ただ、鞄から覗くバイブはそれなりに太く、ショーンは、腕を放して、それを取ろうとするユアンに、ためらいがちなストップをかけた。
「俺、いまのままでも十分……」
「は? 何、言ってんの。人がわざわざ太い方をショーンに貸してやろうって思ってるのに!」
ユアンは、両手に握りしめたバイブを振り回しながら、抗議した。
「全然使ってないぞ。あいつが勝手に、このバックに詰め込んだんだ。言うに事欠いて、辛くなったら、浮気なんてしないで、これを使ってくれなんて、あのど腐れ頭! ……まぁ、ショーンと遊べるから、いいけどな」
ユアンの切り替えの良さは、ショーンを驚かせるほどだ。
散々怒っていたかと思うと、いきなり態度を軟化させて、自分の手に持ったバイブをショーンの腹へと押し当てる。
「……いや、だから、俺は……」
ショーンの抗議も受け付けず、ユアンは、自分のものとそのバイブを並べ、比べながら、ショーンのペニスを刺激した。
「俺のと比べると、少しミニマム? ショーンは、ナマの方をご希望だろうけど、まぁ、そんなことすると、あんたの恋人が俺のこと刺しにくると嫌だしね」
それどころか、ユアンは、ショーンの手に、細い方のバイブを押しつけた。
「こっちを俺に入れてくれ、ショーン。あの坊主め、バイブの使い道がこんな楽しいショーンとのセックスだって知ったら、きっと泣きやがるぞ」
「ユアン……」
ショーンは、ペニスを押し上げ、その下の袋を擽るバイブの刺激に気を取られながらも、ユアンの顔をじっと見つめる。
ショーンには、気がかりなことがあった。
ユアンは、随分陽気だが、それは、たしかに、陽気な奴なのだが、だか、どこか上っ調子過ぎた。
ショーンは、ユアンの肩を撫でる。
「なぁ、ユアン、恋人と喧嘩したんだったら、仲直りしろよ。お前ずっと気にしてるんだろう?」
ショーンは、ユアンの状態を心配していた。
「ユアン、仲直りは早くしたほうがいい」
「ショーン!!」
突然、ユアンが大声を出した。
「ショーン、ショーンは、なんてかわいい奴なんだ! こんなかわいい奴に出会えて俺は幸せだ。これはもう、精々可愛がってやらないとな。ああ! 神様、ショーンと俺をセックスさせてくれてありがとう!!」
ユアンが、一目で嘘だとわかる笑顔を貼り付けて、がばりとショーンを押し倒す。
ショーンは、もがいた。
「ユアンっ! お前、人の話を!」
「なんだよ。うるさいな……」
ユアンの目が、きつくショーンを睨む。
「ユアン、お前、俺の話、全く真面目に受け取ってないだろ!」
ユアンは、ショーンの抗議など受け付けず、着々とショーンの足を押し開く。
開いた太腿の間に身体で閉じられないよう邪魔をし、ユアンは、色づいたショーンの肛門の上に、バイブの先を押し当てた。
「……当たり前だろ? なんで俺から折れなきゃならない。人の荷物に、勝手にあんな馬鹿馬鹿しいモン詰め込んだコチコチ頭が、泣きながら土下座してきて当然。はい、ショーン、息を吐いて」
シリコンのどこか硬さを感じさせる先端が、ショーンの穴を押し開いていく。
ぐりぐりと押し上げられるバイブの感触に、ショーンが大きな声を出した。
「ユアンっ!」
「おおっ! いい感じ。そう、ショーンのスケベ穴が、おいしい、おいしいってバイブ飲み込んでるぞ。がっついてんなぁ。そんなにうまい?」
「……っ……」
ショーンのうすく生えた陰毛の皮膚は、赤く色づいた粘膜がめくれ上がるのに、捩れていた。
ユアンは、ぽっこりとした先端を飲み込み、大きく口を開いた穴を眺めて、にやにやと笑う。
ショーンの抗議が始まる前に、ユアンは、ぐいっとバイブを押し込んだ。
大きく硬いものをいきなり飲み込まされ、ショーンの背中が反り返る。
「……っぅぁあっ!」
強引にユアンがバイブを押し込み、それは、ずずっと、奥まで埋め込まれた。
「これで根本までだ。ショーン。足りてる? あんたの恋人って、どんくらいのサイズ?」
ユアンは、バイブを小刻みに動かす。
ショーンの足の指が、丸まった。
太腿が、ぎゅっとユアンを締め付ける。
ショーンの目は、すっかりと潤み、きつくユアンを睨み付けていた。
「……っぅっは……んんっ……」
甘く漏れる声とは別次元で、ショーンは、ユアンを許さない。
緑の目は、ユアンを責め立てた。
それは、ユアンに背筋がぞくぞくとするようなサディスティックな快感を与える。
「かわいいなぁ。ほんと、ショーンは」
ユアンは、伸び上がって、ショーンの上に覆い被さった。
ぷいっと横を向き、キスを避けた年上にくすりと笑う。
「ショーン、……ショーンの怠け者」
ユアンは、ショーンに手を重ね、年上の俳優が掴んだままだったバイブを握った。
「自分だけ、楽しんで俺にはサービスしてくれない気なのか?」
ユアンは、セックスの継続を望んだ。
恋人との仲を心配するショーンの助言には全く従う気がない。
ショーンは、自分に刺さったままのバイブを気にしながらも、ユアンを押しのけ、覆い被さった。
入れられたパイブの快感に赤く染まった頬のショーンが、ユアンの足を大きく開く。
ユアンは、ぺろりと唇を舐めた。
緊張が顔にあるというのに、声だけはおどけてみせる。
「ショーン、優しくしてね」
くしゃりと腰をくねったユアンの足を持ち上げ、ショーンは、その尻を張った。
「この意地っ張りめ!」
張りのある尻は、いい音をさせた。
ユアンが、びっくりしたように大きく目を見開く。
「ショーンっ!」
「ユアン、いいんだな!本当に入れるぞ!」
ショーンは、眇めた目で、ユアンを見下ろし、バイブをユアンにあてがった。
ユアンは、眉をつり上げている。
「入れてくれって、言ってるだろ!」
ユアンが怒鳴る。
「どこまで強がる気だ。自分一人じゃ、さみしくって、恋人に貰ったバイブも使えないようなお嬢ちゃんなくせに。……そんなに緊張するな。息を吐け」
ユアンの尻孔は、威勢のいい言葉を裏切り、きゅっと締まってしまっている。
本当に、ユアンは、それほどの経験がないようだった。
つまり、ユアンは、これまでそんなことを思ったことがなかったというのに、その若い恋人とか言う奴に、全てを許したのだ。
そこまで思う相手との不仲など、きっと、会えないのがさみしくて拗ねていると、正直にこのスコットランド人が恋人に打ち明けさえすれば全てが解決する。
「息を吐けって言ってるんだ。ユアン」
「ショーンっ!」
機嫌を悪くして、起きあがろうとしたユアンの足を抱え込んで、ショーンは、ユアンの中へとバイブを押し込んだ。
ジェルでぬめる尻孔は、なんとかバイブの先端を飲み込んだ。
ユアンが大きく胸を反らして、喘ぐ。
「ゆっくり息を吐いて」
ショーンの助言に、ユアンは、激しく繰り返していた浅い息を、なんとか切り替えようとした。
舌がせわしなく、唇を舐める。
ユアンの目が、落ちつきなく天井を彷徨い、ショーンは、思わずくすりと笑った。
「ユアン、どう? 久し振りに後ろを埋められる感じは? 思わず彼を思い出して、泣きそうだろ」
ユアンの身体は、緊張に硬くなっていた。
ぷいっとユアンは、顔を背けた。
「そんなはずが……」
まるで、子供のように拗ねたような口調だ。
しかし、そこで、ユアンが、顔を覆った。
「……ショーン……」
情けない涙声が聞こえてきて、あまりのユアンの素直さに、ショーンは、感動を覚えた。
これでは、ユアンを嫌いになれる者などいない。
ショーンは、ユアンの髪を撫でた。
ユアンが、胸を喘がせ、しゃくり上げる。
「……ショーン……」
やはり、ユアンは、恋人が恋しくてしょうがなかったのだ。
その寂しさが、こんな遊びを思いつかせた。
「……お嬢ちゃん、せめて気持ちよくしてやろうか?」
ショーンは、ユアンの手の甲にいくつものキスを贈った。
「喧嘩別れしたのか? どうせ、ユアン、お前が強がったんだろう。坊主っていうんだから、相手は、若いんだな。だったら、お前が、考えてやらないと」
「何、ショーン、あんたあのど腐れ坊主の肩を持つ気かよ?」
ユアンが涙声で毒づく。
ユアンは、ショーンに泣き顔を見られることにもてらいを見せなかった。
噛み付くように、涙に濡れた目で、ショーンを睨む。
しかし、ショーンは、ユアンの視線に平然と対峙した。
「いいや、肩は持たない。ただ、もっと上手くやれよ。って」
ユアンと同じように、バイブを尻に嵌め、浅く息を繰り返しているショーンの笑顔は、ユアンを諭すというものではなかった。
それよりも、もっとずっと性質の悪い、言うならば、そそのかすような悪魔の笑い。
「バイブなんかで満足できるなんて、思わせとくなって言ってるんだよ。ユアン。ユアンの相手、若いんだろう? だったら、もっと」
そこで、ショーンは、誘うように笑う。
「彼に火を付け、情熱的にさせる方法なんて、いくらでもあるだろう?」
ショーンの唇が、濡れているユアンの睫にキスを与える。
柔らかく擽って、ショーンは、ユアンの拗ねたような顔に笑いかけると、そっと耳を噛んだ。
「相手を飛行機に乗せるのなんて、ベッドに入る前のたった一本の電話でできることだ」
耳元で、低音に囁かれ、ユアンの腰に痺れが走った。
思わず、尻の間に挟んだバイブをきゅっと締め付ける。
「……っんっ!」
ユアンの腰が、ぴくんと跳ね上がった。
ショーンの手が、ユアンの尻孔から覗くバイブの先をゆっくりと撫でた。
「かき回して欲しいのか? お嬢ちゃん」
「……ショーン、あんた、思ってたよりずっと性質悪ぃ……」
思わず、ユアンは、ショーンの首に縋り付いた。
ショーンは、自分も嵌めたままのバイブの快感に、頬を赤くしながら、ユアンのバイブをゆっくりと引きずり出す。
ユアンの腰が揺れた。
「……んんっ……んっ……ん」
「気持ちいいんだろう? ユアン。こうされるのは、気持ちいいよな。喧嘩なんかしているより、ずっと気持ちがいい……」
ショーンは、ユアンを首に縋りつかせたまま、その耳に甘く囁いた。
「ユアン、その坊主に、言ってやれよ。犯ってくれって。お前のこと考えると、疼いてしょうがないんだって」
「……ショーン、あんた、そんなこと……」
ユアンは、はぁはぁと、息を漏らしながら、バイブを動かすショーンの腕に足を絡めた。
夜中の電話で、この声に、そんなことを囁かれる夜を想像した。
そんなことされたら、ユアンだってたまらない。
「……ショーン、あんたそんなこと言うんだ……」
しかし、ショーンは、にやりと笑った。
「まさか! 俺はそんなこと言わない」
ショーンは、うそぶく。
「この俺が、そんなはしたない真似するわけないだろ」
しらっとしたショーンの顔は、ユアンの激怒を誘った。
「ショーンっ!」
「ユアン、お前、下品な台詞はすっかりお得意なんだから、出し惜しみせず、若いのを楽しませてやれよ」
ショーンの手は、あくまで、初心者のユアンを気遣い、ゆっくりとバイブを抜き差しする。
「なぁ、お嬢ちゃん、ここがすっかりさみしくなって、バイブなんか満足できるようになる前に、手を打っとけ」
ショーンが、むすっとしたユアンの頬にキスをする。
そのキスは、愛情に溢れていた。
優しくからかうキスが、ユアンの両頬へとされる。
ショーンは、ユアンの頬に残っていた涙を舐め取った。
「うん? ユアン、彼のこと、好きなんだろう?」
甘くからかわれ、ユアンは、自分の上に覆い被さるショーンを押しのけ、ベッドの上に押し倒した。
「俺は、下品な台詞だけが、お得意ってわけじゃないのをショーンに対して証明しないといけないらしいな!」
少し拗ねたような顔のユアンが、じゃれ掛かるようにショーンの顔にキスの雨を降らせた。
ショーンが、嫌がって避けても、ユアンはやめない。
「このまま、ショーンに主導権を取られて堪るか!」
ユアンが、ごそごそと、ショーンの身体の上を移動し、半分ほど抜け落ちてしまったショーンのバイブを握った。
そこで、ユアンは、的はずれな感想を口にする。
「すっげー。ショーン、あんたの恋人って、やっぱ、果報者。あれだけ動いて、抜けないってのは、凄いな。一体どれだけ、欲張りなわけ? それとも、締める訓練でもさせられた?」
ショーンが顔を赤くして目を逸らした。
ユアンは、にんまりと笑う。
ショーンは、どうやら、恋人の話を持ち出されるのが、苦手だ。
嫌な顔をするわけではない。
それどころか、表情に切なさが混じる。
一体、ショーンは、どれほどのことをさせられてきたのか。
聞き出してみたい誘惑にユアンは駆られる。
どれほど、この英国人は愛されているのか。
「やっぱ、……させられたんだ」
機嫌良く笑うユアンは、ショーンのバイブを押し込んだ。
ショーンのペニスが、ひくりと動いた。
足が、シーツを蹴る。
ユアンは、ショーンのペニスを口に含んだ。
口内一杯にくわえ、舌で、根本から、舐め上げた。
「俺のお口だって、捨てたモンじゃないのさ。楽しんでよね。プリンセス」
「……っんんっ……ん」
ショーンは、前と後ろ、両方を愛撫され、腰がずくりと熱くなるのを感じた。
大きく開かされた後ろの穴を擦り上げられるのがたまらない。
欲しくて、つい、締め付けてしまう。
ユアンは、ショーンのペニスに舌を這わせながら、笑った。
「両方ともなんて、俺たちだから、楽しめるお楽しみって感じだな」
「ユアン……」
それを、遠回しな請求だと気付いたショーンは、目を潤ませたまま、ユアンを誘った。
「ユアン、こっちに……」
勿論、ユアンは頷き、自分のペニスをショーンに差し出す。
ショーンは、ユアンのペニスに小さなキスをして、フェラを始めた。
「なぁ、ショーン……」
殆ど抜け落ちる寸前のバイブが、ユアンの尻の穴を拡げていた。
ショーンは、それを掴み、ゆっくりとユアンの中へと押し込む。
そこが、バイブを喜んでいるのに、そっと中で、回転をくわえる。
「……んんっ……っぁ……」
ユアンの腰ががくがくと揺れた。
「んっ、ん!」
ユアンは、そこを、質量のあるもので擦られるのは、本当に久し振りだった。
熱すぎて持てあますような、不可解な快感がそこにはあり、重苦しさを越えてしまえば、その切なさが、ユアンを苦しめた。
ペニスだけでは、感じられない、身体の奥底からこみ上げてくるような熱い快感。
今は、生身ではないけれど、あの時と似たものを優しいショーンのセックスは与えてくれる。
あの時、年下のくせに、生意気にもこちらを気遣うような目をして見下ろしてくる視線の主は、ユアンの太腿を抱き上げ、何度も名前を呼ぶ。
そのかすれた声が、ユアンは好きだ。
大丈夫かと、聞かれるたびに、ユアンは、笑ってやるのだ。「お前こそ、大丈夫なのか?」と。
手が届けば、額に浮かんだ汗をぬぐってやる。
ヘイデンは、愛しそうに、何度も、ユアンの指先にキスをする。
「ユアン……」
思わず、与えられる快感にばかり夢中になっていたユアンを、ショーンが呼んだ。
ユアンは、全てを忘れそうになる自分の快感を押さえ込み、ショーンの中のバイブを力強く動かした。
「っぁっ! ああっ!……あぁぁっ!」
ショーンが、あまりの刺激に、バイブを放り出し、ユアンの足に縋り付いた。
鼻先を、ユアンのペニスに擦りつける。
ユアンは、続けざまに、ショーンの中を突き上げた。
「こんくらい? ショーン、あんたの恋人って、もっと激しいんだろ?」
「ああっ! ……あ、っ!……ああっぁ、あ!」
ショーンが馬鹿みたいに、頭を振る。
金色の髪が、ぱたぱたとユアンの腰を打ち、ユアンは、もっとショーンを追いつめた。
「ショーン、スイッチ入れるからな」
根元まで、バイブを押し込み、ユアンは、バイブレーション機能をオンにした。
ショーンの足が、引きつったようにびくびくと動いた。
「ぁぁあっ! あっ! あっ! っん!」
こんな奥を、こんな力強く、刺激されては、ショーンはひとたまりもなかった。
やさしくて、すこし意地わるな笑いを浮かべた目が、こういうショーンを見守っていたことがあった。
もう、嫌だ。と、訴えても、あの手は、バイブを抜こうとするショーンを許しはしなかった。
挿れてくれと、頼んでも、もう少しかわいい姿をみせてくれと甘くささやいて、誤魔化す。
いくらでも、キスをして、「楽しんでいるか?」と、ショーンの体中を甘く蕩す。
奥を熱く刺激されて、ショーンは、その声が聞こえた気がした。
「ショーン、愛しているよ」と、いうヴィゴの声が。
ショーンは、もう、いくらも、自分が我慢ができないことを自覚して、ユアンのペニスを強引に攻めた。
ユアンは、まだ、後ろだけを集中的に嬲ったところでそれだけで気持ちよくいかせるというのは、難しそうだ。
ショーンは、ソフトに後ろのバイブを動かしながら、ペニスを吸い上げる。
喉の奥まで使って、締め上げる。
「ああっ! ショーンっ!……っはっん……んんっ!」
ユアンが懸命に、ショーンのペニスへと舌を伸ばす。
ショーンも、ユアンのペニスを吸い上げながら、バイブを小刻みに、バイブを動かし続けた。
「んんっ!!……んんっ!……あ!」
ユアンの腰が跳ね上がる。
……精液が、ショーンの口の中に広がった。
苦いそれを、ショーンは、何も考えず、いつも通り、喉の奥へと流し込んだ。
ユアンは激しく胸を喘がす。
その息が、ショーンのペニスを刺激していた。
「んっ……ん」
ショーンは、後ろからこみ上げる快感に身をまかせた。
つぶさに、快感にのたうつショーンの様子を観察している、芸術家の視線を想像した。
それだけで、ショーンは、いける。
だが、とっさに、今日の相手が、ユアンなのだと思い出し、ショーンはペニスの先を押さえた。
「……んんっ!……んっ!……あっ!」
あふれ出るものを手の中にうけとめる。
ショーンの身体が、激しく震えた。
そして、次第に弛緩していく。
ユアンの舌が、ショーンの手を舐めた。
「……ごめん。俺も、ショーンの咥えといてやるべきだったな」
快感の余韻に、大きな目を潤ませているユアンが、申し訳なさそうに、ショーンの顔を眺める。
ショーンは、照れくさそうに笑って、ユアンに頼んだ。
「バイブのスイッチを……」
「もういいのか? ほんとに? 満足した?」
もう、ユアンは、年上をからかう顔で、大きく口を開けて、笑う。
ショーンは、顔を顰めて、自分の手を伸ばした。
ユアンが慌てたように、スイッチを切る。
「ごめ……」
「……ユアン、お前、そういうへらず口ばかり叩いているから喧嘩になるんだ」
ショーンは、尻にバイブを刺したままの間抜けな格好で、ユアンに説教をした。
「違うね。ショーンの恋人みたいに、あいつに包容力がないからさ」
同じ格好のユアンは、あくまで、自分の意見を曲げない。
二人は、しばらく睨み合い、そして、吹き出した。
ユアンの目に頑なさはない。これは、特筆すべき美点だ。
ショーンは、くすりと笑った。
「……ユアン……」
「ショーン、満足してくれた?」
「ユアン、お前は?」
プリンセス達は、額をくっつけるようにして、くすくす笑い、ぐちゃぐちゃになったベッドの中で、いちゃいちゃと抱き合う。
END
途中、寄り道もしましたが、百合ちゃんズのいちゃいちゃ、無事終了(ホッ)
よかったvちゃんと気持ちよくなってくれてv