少しだけ可愛く
帰ってきたオビ=ワンを迎えたアナキンは呆れた。
今日の朝、二日酔いで苦しんでいたというのに、元師匠は今晩だって、酔っ払って帰ってきた。
それも足取りは、おぼつかなく、顔はだらしなく緩み、無事この家までたどり着いたこと事態が奇跡だと言いたくなるほど、泥酔している。
「おい!アナキン!!」
酔っ払いは大抵大声を出すものだが、オビ=ワンも礼に漏れず、アナキンが抱きかかえるようにして運んでいるというのに、大声で怒鳴る。
「なぁ! アナキン!」
「……聞こえてますから、マスター」
アナキンの眉間に皺が寄っているというのに、酔っ払いは陽気だ。
元弟子によって引きずられるように運ばれることにも屈辱を感じることもなく、オビ=ワンは笑っている。
「ははは!!聞こえてるか。そうか、そうか。ところで、アナキン。マスターは、やめろといってるだろう!」
オビ=ワンは、つい最近、ナイトへと昇格したアナキンの背中をばんばんと叩いて、大口を開けて笑った。
アナキンは、酔っ払いの言葉を無視したまま、どさりとオビ=ワンをソファーへと投出し、その足元にかがんだ。
「マスター。足出して」
オビ=ワンのブーツを脱がせるために、アナキンはオビ=ワンの片足を掴む。
「だから、アナキン、もう、私は、お前の師匠じゃないと!」
何がおかしいのか、まだ笑っているオビ=ワンの足からブーツを抜き取りながら、アナキンは、思い切りため息をついて元師を見上げた。
「マスター。近頃ちょっと飲みすぎですよ?」
アナキンの肩をオビ=ワンが蹴った。
「飲みすぎ! この私が飲みすぎ! ははは。すばらしい!さすが、オビ=ワン・ケノービだ!」
「どの辺りが、さすがオビ=ワン・ケノービなんだか……」
呆れるアナキンを尻目に、機嫌のいい酔っ払いは、軽くなった両足をソファーの上へと引き上げ、ころりと横になってしまっている。
「私は、ここで寝る……」
酔っ払いは、全くもって自分勝手だ。
近頃毎晩遅い元師を心配し、わざわざ起きて待っていた元弟子に、ねぎらいの言葉を掛けるどころか、ただいますら言っていないというのに、もう、ごそごそと寝やすい位置を探している。
アナキンは、立ち上がった。
「風邪引きますよ? マスター」
「お前が掛けるものをもってきてくれば……」
もごもごと口を動かすオビ=ワンの瞼がもうくっつきそうになっていて、アナキンは、努力すること自体を諦めた。
オビ=ワンは、ソファーの上で丸まっている。
柔らかな髭で覆われた師匠の口元からは、くうくうと寝息が漏れており、アナキンは、仕方なく元師匠に掛けてやるものを取ってきてやるため、踵を返した。
だが。
「はくしょんっ!」
オビ=ワンは、自分のくしゃみに驚いて目が覚めた。
そして、寒さのあまり、ぶるりと震える。
「目が覚めましたか? マスター?」
アナキンは、鼻をすすり上げた師にくすりと笑った。
弟子に笑われ、思わずオビ=ワンは、鼻が垂れているのではないかと顔に触れようとして、信じられないことに自分の手がロープで括られているのに気付いた。
オビ=ワンは、呆然と弟子の顔を眺める。
「……これは一体……?」
信じられないのは、手のロープばかりでなく、オビ=ワンは、煌々と明かりの付く部屋の中で、下半身のみを剥き出しにしてソファーの上で寝ていた。元師は慌て、思わず身を起こしたが、酔いの冷め切っていない頭がふらつく。
オビ=ワンは、括られた両手をソファーに付き、自分の体を支える。
「水、飲みますか?」
弟子は、楽しげな目付きで、オビ=ワンに声をかけた。
アナキンは、テーブルに肘を付き、いつからそうしていたのか、楽しげにオビ=ワンを見つめていた。
オビ=ワンは、自分のあまりな惨状に呆然としながら、弟子に眉を寄せた。
「……アナキン、これは、何の冗談だ?」
「冗談ってぱかりでもないんですけど」
思わず声を荒げたオビ=ワンに対し、アナキンは、特別不機嫌そうな様子もなくコップの水を運ぶ。
弟子の様子が、あまりにも落ち着いていて、オビ=ワンは痛み出した頭を振ると、小さな声を出した。
「……もしかして、私が汚して、自分で脱いだのか? ……アナキン、お前に迷惑を掛けたか?」
オビ=ワンは、とぎれてしまっている記憶を辿ろうとしながら、何よりもまず弟子を疑ってしまった自分を恥じた。
括られた両手でアナキンの差し出したコップを受け取り、乾いている喉に流し込む。そうして、少し自分を落ち着けると、目を逸らし気味にしながら、オビ=ワンは元弟子に尋ねた。
「……私は、酔って暴れたのか? だから、アナキン、縛ったのか?」
近頃、オビ=ワンは、深酔いする自分の行動に自信が持てなかった。
その原因となっているのは、近頃ナイトとなった弟子の存在であり。
もしかしたら、とうとう自分が全てをぶちまけ、弟子に当ったのではないかと、オビ=ワンは自分のことを疑った。
アナキンは空になったコップを受け取ると、オビ=ワンの足元に膝を着いた。
床を見つめる師匠の視線を捕まえる。
「……ちょっと違います」
アナキンは、揺れるオビ=ワンのブルーを捕まえ、にこりと笑った。
では何故なのか、オビ=ワンは、訳がわからず、思わず弟子の瞳を見入った。
無防備に開いたオビ=ワンの口元では、髭が水で濡れていた。
アナキンは、師の顔を捕まえ、酒臭い口にそっと指で触れ、水滴を拭った。
「でも、俺、ちょっとばかり頭にきたんで」
言葉とはちぐはぐにアナキンはにっこりと笑っていた。
オビ=ワンは、思い出せない自分の行動に顔を顰めた。
「……私は、何をした?」
自分が何をしたのか、オビ=ワンには、まるで記憶が無かった。
だが、きっと何かをしたに違いなく、オビ=ワンは、弟子の顔の上に、何とか自分の罪状を見つけようと必死に探った。
しかし、アナキンは、笑うばかりだ。
「マスターは、特別何もしてませんよ。俺に掛けるものを持って来いって言ったくらいで、とても陽気にしてらっしゃいました」
「……だったら?」
では、どうして、自分が何の上掛けもなく、しかも下半身をむき出しにして、ソファーで眠ることになったのか、オビ=ワンは理由が思い当たらず、思わず弟子に顔を顰めてみせた。
弟子の手が、オビ=ワンの太ももに触れた。
「寒いでしょう?」
「……おい? アナキン?」
寒さに震える足に、アナキンの冷たい手が触れ、オビ=ワンは思わず足を引き寄せる。それは、寒さだけでなく、別の理由もあった。
こういう意味合いの接触が、二人の間では、このところ無かったのだ。
それは、オビ=ワンが意識して、そうしてきたのだが、しかし、師は、そのことが気になって飲み歩かずにはいられなかった。
弟子は、くすくすと楽しげに笑う。
「マスター、結構すぐ目を覚ましてくれたから、待ってる時間が少なく済んで助かりました」
「……アナキン、とりあえず、この手のロープを外して欲しいんだが」
あまりに楽しそうなアナキンが何を考えているのかをオビ=ワンは、理解することができず、だが、オビ=ワンは、全ての理由よりも先に、この不利な状況を脱する必要があると思い、アナキンに両手を差し出した。
アナキンは、ロープを解こうともせず、オビ=ワンの指先に口付ける。
「マスターが、怒って暴れるから、これは、外せません」
愛しむようなアナキンからの口付けに、オビ=ワンは、目を見開いた。
恥ずかしさがこみ上げ、オビ=ワンは、手を取り返す。
アナキンはおやおやと、肩をすくめた。
そして、オビ=ワンに聞いたのだ。
「マスター、下半身、いつもと違う気がしません?」
オビ=ワンは、下半身をむき出しにしている自分の醜態を取り繕うように、元師の威厳でアナキンにきつい口を利いた。
「……シャワーを浴びてくるから、そろそろ冗談をやめてくれ。アナキン」
アナキンは動じない。
「へぇ。そんなに履き心地は違いませんか?」
アナキンの手が、上着のみ着ているオビ=ワンの裾をめくった。
オビ=ワンは、思わず弟子を突き飛ばそうとした。しかし、師は自分の下半身が目に入り、固まった。オビ=ワンは、下半身をむき出しにしていただけではなかったのだ。
「おい!?」
あまりの事態に色を失ったオビ=ワンの顔とは違い、弟子は落ち着いたものだ。
「これ、あなたのお土産です」
「は!?」
思わずオビ=ワンはアナキンに聞き返した。
アナキンがめくった裾の下で、オビ=ワンの股間を覆っていたのは、女性ものの下着だった。勿論、師は、そんなものを履いた覚えはなく、しかも、それは、年若い少女が履くような、かわいらしいものであり、白い綿の布に、小さな赤いリボンが付いていた。
「!!」
オビ=ワンは、ロープで縛られている両手で必死になって股間を隠した。
丸裸にされているよりも、もっと恥ずかしかった。
かわいらしい下着が包むには、オビ=ワンの下半身は冒涜的過ぎた。
小さな下着は、臍を覆うどころか、股間のデルタ地帯を隠すことさえ出来ず、師の体を覆う金色の体毛が大いに溢れ出している。
「アナキン! お前、何てことを!」
オビ=ワンは、真っ赤になって叫ぶ。
「なんてことって、マスター、あなたが持って帰ってきたものなんですよ。履きたいのかと思ったんで、履かせてあげただけですよ」
アナキンは、諭すように元師に告げると、やんわりとオビ=ワンの手を押さえつけた。
そして、しばらくの師弟はにらみ合ったのだが、圧倒的な力によって、アナキンは、酔いの残るオビ=ワンの手を股間から引き剥がしてしまった。
「マスター、酔って帰ってきたから、少し胸元を緩めて差し上げようかと思いましてね。そしたら、そこにこんなかわいらしいものを隠し持っていらしゃるじゃないですか」
鈍く笑うアナキンの目は、オビ=ワンの下腹部を覆う小さな布を見つめていた。
「誰かのを持ち帰ったにしては、使った形跡もありませんでしたし、もしかして、こういうの履くのが趣味でしたか?」
真顔で問い詰める弟子に、羞恥のあまり、オビ=ワンは、アナキンに捕まえられていた手を取り戻すと、殴りかかろうとした。
「誰が!」
両腕を縛られ、バランスの悪いオビ=ワンを、アナキンは難なく抱き止める。
「誰がって、あなたがですよ。マスター」
真っ赤になった師の耳元でささやいたアナキンは、オビ=ワンの尻へと手を伸ばした。
「どうせなら、もっといいのを履けばいいのに。全然身体にフィットしてませんよ。ほら、マスター、尻が大きいのに、こんな小さいの履きたがるから、尻にゴムが食い込んでるじゃないですか」
生地の薄い安物の下着をアナキンの手の平がなぞっていった。
いやらしい弟子の手つきに、オビ=ワンは、暴れた。
「やめろ! 触るなアナキン!」
「……反抗的だな」
呟いたアナキンは、オビ=ワンの尻を、一つ、思い切り叩いた。
下着は、オビ=ワンの尻をほとんど覆いきれていないものだから、ナマの皮膚を叩くぴしゃり、という音が部屋に響く。
ジェダイとして鍛え上げられている弟子の殴打に、油断していた師は、思わず悲鳴を上げた。
反り返り強張った師の身体を抱いていたアナキンが、オビ=ワンの両手を繋ぐロープを握る。
「やっぱり、この程度じゃ、許せないな」
オビ=ワンは、アナキンにソファーの上から、床へと引きずり下ろされた。
酔いの残る師は、すぐさま反撃には移れない。
「何……?何を……?アナキン?」
高い位置から弟子に見下ろされ、オビ=ワンの声には、隠し切れない怯えが混じった。
笑顔を顔に貼り付けたアナキンの足が、師の腹を踏む。
「ねぇ、マスター。下着を胸に押し込まれるような、そんな酒の席って、どんななんでしょうね? 毎晩、毎晩、あなた何して遊んでるんですか?」
ソファーの足に括られ両手を引っ掛けられ、オビ=ワンは、床に転がされていた。
小さなリボンのついた下着で隠されているオビ=ワンの股間をアナキンの足が嬲っている。
残る酒に、感情の抑制が効かないオビ=ワンの目は、涙に潤んでいた。
「……もう、いやだ……。アナキン……やめてくれ」
アナキンの足の指が、しつこく下着の上から、オビ=ワンのペニスを撫でていた。
そのため、オビ=ワンのペニスは、師の気持ちとは関係なく大きくなりかけており、下着のゴムを引っ掛け、不自然な形に下着を押し上げていた。
清純な白の綿が濡れている。
「だって、マスター、こうやって弄って欲しかったんじゃないんですか?」
アナキンの足は、しつこく硬くなったオビ=ワンのペニスを踏んでいた。
「だから、わざわざ持って帰ってきたんでしょう?」
オビ=ワンの太ももが総毛だっていた。
緊張した足には力が入り、オビ=ワンは、股間を庇うように何度も身を捩り、身体を半身にして逃げようとする。
しかし、そのたび、アナキンが足で師の体をひっくり返すのだ。
「だめでしょう? 素直にならなきゃ」
アナキンに太ももを踏まれ、オビ=ワンは、かえるのように、股関節を大きく開かされた。
少女めいた小さな下着が覆える部分など高々しれていて、股の間では、下着から零れ出ている猥雑な陰毛がライトの光に照らされていた。
アナキンは、泣き出しそうに真っ赤になって息を詰まらせているオビ=ワンがもっとも血を集め、硬くしている部分を足先でいたぶる。
その部分は、アナキンの足の裏に生暖かく、硬い感触を与えているのだ。
「ほら、こうされるの気持ちいいんでしょう?」
アナキンは、踏み潰してしまわないだけの加減をしながら、オビ=ワンのペニスを弄っていた。
だが、加減されているなどとしらない師は恐がって身を捩る。
むき出しの太ももを摺り寄せ、オビ=ワンは、必死にアナキンから股間を隠そうとする。
「やめてくれ。アナキン!」
よじれた下腹に、小さな下着が食い込んでいた。そこは、少女めいた下着に似合わぬ体毛で覆われている。
「アナキンっ!……やめてくれっ!」
何度言おうが、聞き入れられぬ言葉を、涙声で訴えた師は、強く身を捩った。
しかし、その動きのせいで、とうとうオビ=ワンのカリ首がかわいらしい小さな下着のゴムから頭を出した。
下着から飛び出したペニスが邪魔な下着をずり下げる。
「はしたないことで」
半ばまで露出したオビ=ワンのペニスは、先を濡らして、ひくひくと揺れていた。
アナキンの目は、濡れて光る鈴口をじっと眺めた。
その目をアナキンは、赤く染まった師の顔へと移す。
「やめてほしいって、どの口開いて言ってます?」
笑顔のまま侮辱する弟子に、オビ=ワンは震えたまま、唇を噛んだ。
アナキンは、あえて濡れたカリ口には触れず、小さなリボンをつけた下着の上だけに足先で触れた。
師のペニスの根本を、アナキンは、指先でくすぐる。
オビ=ワンが、ペニスの付け根を弄られるのに感じるのを知っている弟子は、ゴムの食い込むそこにわざと足の親指を当て、揺すっていた。
「ここ、弄られるの好きですよね?マスター。それとも、今日は、ゴムが食い込んでるから、痛いですか?」
気持ちに反して、オビ=ワンのペニスは萎えなかった。
これほどの目に合わされているというのに、的確な弟子の愛撫に、オビ=ワンは高ぶってしまっているのだ。
それだけ長い関係が二人の間にはある。
アナキンは、オビ=ワンの様子に、目を細める。
「こんなかわいらしい下着のゴムが食い込んじゃうような恥ずかしいことされてても、弄られたいとこは、変わらないみたいですね」
「……嫌だ。やめてくれ。……アナキン……」
感じているペニスを晒しながらも、すすり上げるオビ=ワンは、また身を捩って逃げようとした。
恥辱に震える師の目からは、もう頬へと涙が伝っている。
「嫌っ、……嫌なんだ……アナキン……」
アナキンの足が、泣くオビ=ワンの腰を蹴った。
師がうめく。
これほど感じているくせに、陥落しない師にアナキンは苛立っているのだ。
しかし、アナキンは顔に張り付いた笑顔をやめようとはしない。
「じゃ、マスターの要望通り、こっち弄るのは、やめてあげます」
アナキンの足が、強引に師の体をひっくり返す。
両手を繋ぐロープには余裕がないため、オビ=ワンの腕がよじれることになる。
「マスターがこっちがいいって言うなら、しょうがない。こっちをしてあげますよ」
不恰好に床へと這いつくばったオビ=ワンの背中に、声ばかりは優しいアナキンの陰が落ちた。
盛り上がっているオビ=ワンの尻をアナキンの足がなで上げていく。
アナキンは、オビ=ワンの足を開かせ、股の間を足の甲で触れていった。
オビ=ワンがぶるりと、身体を震わせる。
「やらしいマスターだなぁ」
アナキンは、少女ものの下着に不似合いな膨らみを作っている師の玉の部分では、緩やかに足を動かし、バイブレーションを与え、そこから後ろの部分では、下着の中で密集している陰毛を掻くように、下着をなぞっていった。
「やっ、やめてくれ。アナキンっ」
足だけで嬲られているというのに、床に頬を押し付けているオビ=ワンは、項まで真っ赤になっていた。
わずかな襟元の乱れだけで、普段と変わりなく前の留められている上着の中で、発熱したように身体が熱くなっている。
オビ=ワンの身体は、汗のにおいをさせていた。
赤いリボンの付いた下着が汗でじっとりと濡れ始めている。
「俺、マスターにこんな趣味があるなんて、知りませんでした。この下着、そんなに気に入ってるんですか? かなり感じてますよね?」
アナキンの爪先は、下着に隠されたオビ=ワンの肛門に近づいていた。
安物らしい下着は、全くオビ=ワンの尻にフィットしていなくて、布に引きつれ皺を作りながらも、その盛り上がりにたるみを作っていた。
前がずり下がったため出来たその余裕を利用し、アナキンは、オビ=ワンの尻穴に爪先でぐりぐりと押した。
オビ=ワンが逃げようと尻を振る。
アナキンは、そんな師の様子を笑った。
「マスター、そんなに一生懸命になって、床に擦りつけてるなんて、恥ずかしいですよ」
アナキンに尻を踏みつけられているオビ=ワンが身を捩れば、自然とペニスが床を擦っているのだ。床がオビ=ワンの漏らした透明な液体で、光っている。
「違っ!」
はっとしたように、オビ=ワンの尻が止まった。
「違う!……違う……そんなんじゃ!……」
「へぇ、じゃぁ、なんでそんなに尻を振ってるんです?」
アナキンは、 濡れた目をして肩越しに振り返り、睨んできたオビ=ワンに微笑んだ。
「もっとして欲しいからですか?」
オビ=ワンは、叫んだ。
「違う!」
師の唇が屈辱に震えていた。
確かに、年若いアナキンのセックスは、独善的な傾向になりがちであった。
だが、ここまで支配的なやり方を二人は今までしてこなかったのだ。
いつもの二人は、もっと、あっさりとした、処理的な意味合いに近い触れあいをしてきた。
しかし、アナキンが、師を踏みつけにしたまま、優しげに見下ろしていた。
「へぇ。マスター、擦りたいわけじゃなかったんですか」
アナキンが、オビ=ワンの尻を蹴った。
「じゃ。もうちょっと尻を上げてもらえます? うちのマスターときたら、自分のペニスを床に擦りつけて盛っちゃうような恥ずかしい人なんですけど、素直じゃないもんですから違うって言うんですよ。でも、しないって言うんだったら、それ、出来ないように届かないようにしておく必要があるでしょ?」
尻を上げないオビ=ワンにアナキンは、オビ=ワンの股の間に足を入れると、無理やり四つん這いの形へと持ち上げた。
しかし、そんな形を取らされたくないオビ=ワンは、必死で抵抗する。
「やっぱ、床で擦りたいから、尻上げられないんですか? 認めるんなら、擦ってても許してあげますけど」
アナキンは、オビ=ワンをあやすような目付きで見下ろしていた。
「アナキン、やめろ!」
オビ=ワンが怒鳴る。
アナキンの顔に張り付いた笑顔がまた、笑いを浮かべた。
「マスター、俺、最初に怒ってるって言いましたよね?」
アナキンは、床に這いつくばったオビ=ワンの尻を踏みつけた。
「ねぇ、マスター。あなたがふらふらするのを許せるほど、俺の心が広くないの、ご存知だとばかり思ってたんですけどね」
オビ=ワンの尻の谷間には、尻タブに食い込んでいたはずのゴムが寄せられていた。
もう、下着は、オビ=ワンの尻を隠す役目を果たしていない。
糸のように寄せられた下着からは、尻の谷間を覆っていた陰毛がいやらしくはみ出していた。
はみ出しているのは、陰毛ばかりではない。
辛うじて、布の中に納まっていた袋も、片方下着から押し出されていた。
もう、下着は、股の間に食い込むだけで、その役目を全く放棄している。
前は、ペニスの付け根をゴムで押さえつけ、オビ=ワンを苦しめるだけだったし、剥き出しの尻山では、尻の盛り上がりに、ゴムの跡を赤くつけているだけだった。
尻の谷間に寄せた下着は、尻穴の窄みすら、隠せていない。
アナキンの足が、そこに親指をねじ込んでいる。
「マスター、どう? 感じます?」
尻穴の皺の中に、アナキンの親指の爪が突き刺さっていた。
オビ=ワンは、唇をかみ締めている。
「これじゃ、短すぎて、足りませんよね?」
弟子の足で、擬似セックスのように揺すり上げられながら、オビ=ワンは、声も泣く、涙を流していた。
もう、オビ=ワンは、自分に尊厳を感じられなかった。
アナキンの声がオビ=ワンの背中に振ってくる。
「ねぇ、マスター、どうしたんです? さっきまで、思い切りおっ勃たててたはずなのに、指入れたら、途端に萎えちゃって」
抵抗もせず、ただひたすらに泣くオビ=ワンの様子に、アナキンの足の動きがためらいがちになっていた。
爪先が、オビ=ワンの尻穴に寄った皺を弄る程度になっている。
「これじゃ、物足りない?」
師を辱めようという言葉は、相変わらずだったが、弟子は今までの勢いをなくし、オビ=ワンの様子を伺っていた。
指先が、感度のいい股の間の皮膚をなで上げ、オビ=ワンが堪えきれず、ぶるりと尻を振ると、安心したように、爪が尻穴を抉る。
しかし、師のペニスは、萎えたままだ。
「ねぇ、オビ=ワン。……もしかして、本気で嫌なんですか?」
アナキンの声が不思議そうに師に尋ね、オビ=ワンは、強く歯をかみ締めた。
唸るように声を漏らす。
「……あたり前だ……」
「本当に?」
アナキンは、いまだ、師を疑っていた。
見当外れの質問をオビ=ワンにぶつける。
「濡らしてないから、痛いってことですか?」
あまりに物のわからぬ弟子に、オビ=ワンの頬には更に涙が伝った。
「……違う」
「……じゃぁ、なんで?」
質問を繰り返し、未だに、指を抜こうとしないアナキンに、オビ=ワンは、心底、腹が立った。
「……お前は、私が、足の指を入れられて喜ぶとでも思ってるわけか!」
オビ=ワンは、泣きながら、怒鳴った。
しかし、間髪入れず、そのオビ=ワンの尻をアナキンが蹴ったのだ。
アナキンは、オビ=ワンに負けないだけの大声で怒鳴る。
「なんだよ! こういうのが、いいんだろうが!!」
「アナっ!?」
尻を蹴り上げられたオビ=ワンは、ソファーにぶつかった。
尻の痛みに顔を顰める間もなく、ぶつかった身体を庇うこともできずにいるオビ=ワンの身体をアナキンが踏みつける。
オビ=ワンは、自分の腕がソファーの足へと繋がれていることを真剣に呪った。
アナキンの目が、激しい怒りをにじませてオビ=ワンを睨みつけている。
「じゃぁ、答えてください。この今の二人の間にある冷却期間はなんなんですか! マスターは、俺がナイトになったのを機に、一体何をしようとしてたんです! 今までの肉体関係が自然解消でなくなれば、俺が喜ぶとでも思ったって言うつもりですか!」
アナキンは、萎えたオビ=ワンのペニスを思い切り踏みつけた。
弟子は、怒鳴り続ける。
「マスターって、実は、マゾでしょう! 俺を独り立ちさせて、寂しくなって飲み歩いて、それでそんな自分に酔ってるんですからね! ねっ、マスター、禁欲して、楽しいですか? この下着、どこで貰ったんです? こういういやらしいプレゼント貰っちゃうほど、酒場のあなたは、ガードがゆるゆるだったってことですよね!」
今までの張り付いたような笑顔とは打って変わった弟子の剣幕に、オビ=ワンは、情けなくも、ペニスを庇って身体を丸めたまま、唖然と弟子を見上げた。
なんと弟子は泣いていた。
ブレイドを切り落とし、立派なナイト姿でオビ=ワンに微笑んで見せたはずの弟子が、激情のままに、泣きながら怒鳴っている。
「こんなの全部、マスターのせいです!……俺は、マゾのマスターに、あった方法を取るしかないでしょう!」
アナキンの足が、力任せにオビ=ワンの腹を蹴る。
弟子の涙が、オビ=ワンの足に降ってくる。
痛む腹を庇い、呆然としながらも、思わずオビ=ワンは弟子の言葉に反論していた。
「……アナキン、それは、……嘘だ……」
オビ=ワンは、全ての非が師にあるという、アナキンの言い分が納得できなかった。
すると、アナキンは、力任せに、オビ=ワンの頬を張った。
「嘘なんかじゃありません! じゃぁ、マスターは、俺にどうしろって言うんですか!!」
オビ=ワンは、何度か、アナキンに頬を叩かれ、その合間に、涙の味のするキスをされ、いまだ、太ももに女物の下着を絡みつかせたままで、弟子のペニスに揺さぶられていた。
「マスター、……下着、誰に貰ったんですか?」
獣のように後ろからオビ=ワンの尻穴を穿っている弟子は、熱に浮かされたように、オビ=ワンを問い詰めていた。
オビ=ワンの尻穴は、大きく開かれ、弟子のペニスが出入りするたび、赤い粘膜がめくれ上がった。
白の下着は、オビ=ワンの尻穴を抉りやすくするため、端に寄せられていた。
しかし、小さなそれは、オビ=ワンとアナキンの体液で、ぬとぬと濡れている。
あまりにアナキンが深く突き上げるため、答えも返せず、喘いでいたオビ=ワンに、アナキンは焦れた。
「聞いてるんです。マスター、誰に貰ったの!」
「……っぅ、覚えて……ない……た…ぶん、ゲームの景品か、……なんかで……」
襟元の崩されたオビ=ワンの肩には、弟子の噛み跡が付いていた。
涙で睫を重くしているオビ=ワンは、苦しい息の合間に、答えを返した。
しかし、弟子は、納得しない。
「そんな下品な景品が出るような店で、飲んでたんですか、あなたは!」
新たな怒りを見つけたアナキンの手が、オビ=ワンの尻を打つ。
愛らしい下着が食い込む尻は、もう、真っ赤に腫れ上がっていた。
「何人で、飲んでたんです? あなたの隣に座っていたのは、男? 女?」
矢次早にアナキンは質問を重ねる。
叩かれるたび、オビ=ワンは痛くて涙が出るのだが、ペニスは、大きなままオビ=ワンの股の間で揺れていた。
アナキンは、怒りのままに、オビ=ワンを突き上げる。
「答えは? オビ=ワン。俺に隠しておかないとダメな関係の人だったんですか?」
アナキンの指は、オビ=ワンの腰に跡を残すほど食い込んでいた。
「本当に、飲んでいただけ? 寝てない?」
アナキンは、オビ=ワンを問い詰める。
「ねぇ……。マスター。俺のこと、独立させたら、遊び歩こうっていつから決めてたんです!」
答えないオビ=ワンの尻をアナキンが続けざまに打った。
オビ=ワンは痛みのあまり腰を捩った。
「……きめて……ない。あっ!ぁあっ……そん……なこと、……決めて……ない」
アナキンの手が止まった。
しかし、アナキンの歯が、また、オビ=ワンを噛んだ。
「オビ=ワン、あなたは、嘘つきだ!」
「……アナ……キン。やめ……っ」
色が変わるほど、強く噛まれたオビ=ワンは、アナキンから逃れようともがいた。
アナキンが、オビ=ワンの髪を掴む。思い切り揺さぶり、オビ=ワンに眩暈を起こさせると、アナキンは、師の頭を床へと押し付ける。
「あなたは、俺のこと好きなはずなのに、なんで、俺のこと遠ざけようとするんですか! 俺じゃ、物足りない? 俺のこと、疎ましくなったんですか!」
交接する尻穴は、ずっぽりとアナキンに犯されていた。
オビ=ワンも涙で顔を汚していたが、アナキンも、ぐしゃぐしゃに泣いていた。
アナキンは、容赦なくオビ=ワンを噛む。
「俺、マスターが、好きなんです。今まで、一回も言わなかったかもしれないけど、俺が、マスターのこと好きなのなんか、とっくにあなた、わかってたでしょう!!」
オビ=ワンのペニスから、精液が伝っていた。
アナキンが、泣くオビ=ワンをめちゃくちゃに揺すり上げる。
「ねぇ、マスター」
いまだ、ソファーに繋がれ、役にも立たない少女の下着を尻に纏わりつかせているオビ=ワンは、床に転がっていた。
オビ=ワンの尻穴からは、アナキンの精液が伝っている。
「マスター……。俺のこと、許してくれますか?」
弟子に背を向けて転がるオビ=ワンは、疲れ果てて、口も利きたくなかった。
オビ=ワンの身体で、痛まぬところはなかったのだ。
しかし、床に座り込んですすり上げていた弟子の足が、オビ=ワンの尻を蹴った。
「ねぇ、確かに、俺も、悪かったけど、マスターだって、勝手なことばかりして、俺を怒らすから悪いんですよ?……ねぇ、マスター。返事をしてください」
しつこく、アナキンの足は、オビ=ワンを蹴った。
「ねぇ、マスター……」
あまりに身勝手な弟子の言い分に、オビ=ワンは呆れてしまった。
繋がれている手首は、あざを作っているのだ。
尻は痛みに腫れあがっている。
強引に犯された身体は、間接のあちこちが痛い。
しかし、放っておけば、しつこく弟子の足は、オビ=ワンを蹴り、痛みに耐えながら、オビ=ワンは、ごろりと身体を返し、アナキンを見た。
「マスター……」
睨むような目をしたオビ=ワンが文句を言うより先に、弟子の目が、急に生気を取り戻した。
その目は、喜びを伝えている。
しかし、痛みを与えるばかりの不器用な弟子の目は、涙の残し、腫れており、その顔のどこにもナイトの威厳などありはしないのだった。
オビ=ワンは、この顔を今まで何度も見てきた。
「お前は、最悪だな……アナキン」
ナイトになったばかりのアナキンの髪は、ほんの少し伸びかけていた。それが、泣く弟子の顔に張り付いていた。
情けない子供のように。
「……でもな……アナキン、私は、お前が好きだよ」
思わず、オビ=ワンはため息と共に、自分の一番真実に近い気持ちをアナキンに伝えていた。
鼻をすすり上げる真摯にアナキンが答える。
「俺だって、マスターがマゾだって、好きです」
この二人は、とても不器用なのだ。
一生、誤解し合い、いがみ合い、そして、……愛し合う。
END
アナキンDVの人みたい。笑
まっ、正直言いますと、リボンの付いたパンツを帯に履かせたかっただけです。