その目の

 

時に、ジェダイたちは、辺境の惑星で起こる反乱を治めるために派遣された。

現政府が、コルサントの議会に議席を持ち、また、新たに立とうする政府との意志の疎通が難しければ、ジェダイの登場となる。

今回、オビ=ワンと、その弟子は、湿地帯に潜む、反乱分子の討伐のため、長い露営を余儀なくされた。

若きジェダイたちを含む、兵士たちの隊が、多くの虫や、地の理をよく知る反乱分子たちに、悩まされた二月ののち、政府は、反乱を鎮圧した。

多くの王城兵士が、生死をかけて闘ったと誇らしげに語るその惑星から、やっと汚れた身体をコンサルトに移し、師弟は、家へと帰り着いた。

 

 

オビ=ワンが、アナキンを見ようとしなかった。

それは、水の多いあの惑星にいた頃からだった。

戦いになれば、オビ=ワンの背中を守るのは、アナキンの役目だった。

しかし、若きジェダイマスターの目が、アナキンを認めるのは、その間だけだった。

声は掛け合った。

将校たちと一緒だったとは言え、同じ露営で眠りもした。

しかし、オビ=ワン・ケノービの目は、頑ななまでに、弟子の顔を見ようとしなかった。

 

アナキンは、ソファーに腰を下ろし、提出する書類をまとめようとしているオビ=ワンの後ろに立った。

若いジェダイナイトは、スクリーンに映されている文字を追い、小さく苦笑した。

簡潔にして、明瞭。しかし、オビ=ワンの書く報告書には、余分な記述が一つもない。

「マスター。あの星では、ジェダイの師弟は、あまり仲のいいものではないらしいと噂が広まったと、そこに書き加えて置いてください」

オビ=ワンが、びくりと肩をすくめた。

「マスター。あなたのような将軍と口を利きたがる兵士は少ないでしょうけれど、俺は、ずいぶん彼らと親しくなったんです。俺、だいぶ同情されましたよ。彼らの軍隊は、割合、規律がぬるかったですからね。まぁ、それが、今回、あれほど反乱が長引いた原因だと思いますけど、彼らからすれば、たった二人のチームである俺たちが、戦闘の場意外で、殆ど目を合わせないもんだから、お前は、信頼されていないのかと」

アナキンの操縦技術は大したものだった。

スピーダーの開発において、遅れをとっていた辺境惑星の兵士にとって、その旧型で、出来るはずもない恐ろしい切り込みをかけるアナキンの存在は、尊敬の対象だった。

アナキンの顔にある傷も、兵士の心には、訴えるものがある。

「あなたは、まだ伝説を上塗りしましたね。ジェダイは謎めいているって。あなたが、向こうでの後半戦、全く俺を見ようともしないから、彼らは、全くそう思い込んでましたよ」

オビ=ワンが、手を止めた。

「嫌味を言われると分かっていた」

オビ=ワンは、まだ、アナキンを振り返ろうとはしなかった。

「わかってた。……だが、どうしょうもなかったんだ。アナキン」

師匠の声は、思い詰めていると言ってよかった。

アナキンは、そういえば、このマスターが特定の人を見なかった日々が、前にもあったと思い出した。

 

それは、かなり昔の話だった。

アナキンが、アニーと呼ばれ、また、オビ=ワンの師であるクワイ=ガン・ジンが存命だったころの話だ。

クワイ=ガン・ジンという新しい保護者を得、その時の、アナキンは、保護者の関心を一心に自分に引きたかった。

オビ=ワンが邪魔だった。

だから、アナキンは、言ったのだ。

「ねぇ、オビ=ワン。あなた、クワイ=ガン・ジンのことが好きなの? あなた、屑鉄店の向かいにあった酒屋のレディたちと同じ目をして、あの人のこと見てるね」

オビ=ワンが傷つけばいいと、そのために発せられた言葉は、果たして、年若いクワイ=ガン・ジンのパダワンの心を抉った。

オビ=ワンは、その存在を知らず、そこまでの意味だと捕らえられなかったが、アナキンの言う酒屋のレディとは、客も取る酌婦のことだ。

それでも、オビ=ワンは、少年が、あさましい目つきで師を見つめていると言ったことが分かった。

オビ=ワンは、不器用なまでに、クワイ=ガン・ジンと視線を合わせなくなった。

アナキンがほくそ笑むほど、それはてきめんだった。

だが、アナキンのもくろみも、敗れ去った。

クワイ=ガン・ジンは、幼いパワダン候補などより、大事なパダワンの異変にばかり心を砕いたのだ。

アナキンが、咎められることはなかった。

だが、その代わり、優しくしてくれていたオビ=ワンからも、クワイ=ガン・ジンからも、しばらく捨て置かれた。

あれで、その後のオビ=ワンと、クワイ=ガン・ジンがどうなったのか、アナキンは知らない。

オビ=ワンは、クワイ=ガン・ジン関する限り、あの時以外に、アナキンにその柔らかな心を触らせようとしない。

 

 

オビ=ワンが、アナキンに目を閉じるように言った。

アナキンは、訳がわからなかったが、マスターの命じるままに、目を瞑った。

「パダワン。絶対に目を開けないでくれ」

オビ=ワンの気配が側にあるのを感じながら、アナキンは、師匠が何をするのか待った。

オビ=ワンは、そっと背後を振り返り、弟子の長い腕に触った。

まず、ライトセイバーを握る硬い弟子の掌に唇を押し当てた。

「アナキン。何度も、助けてくれてありがとう」

「マスター? くすぐったいんですが」

アナキンは、感謝の言葉が照れくさく、手を引っ込めながら、目を開けようとした。

オビ=ワンの声が、それを止めた。

オビ=ワンが、ソファーの上で膝立ちになる。

弟子の身体を腕の抱き込んだ師匠は、開けた唇のまま、アナキンの酷薄な唇を塞いだ。

「マスター……?」

アナキンが、オビ=ワンにこういった風に触れるのは、あの水ばかりの惑星に旅立つ前の夜のことだったから、その接触は、実に、二月振りだった。

オビ=ワンは、じゃれかかるように、何度もアナキンの唇をついばむ。

柔らかで温かい肉が、アナキンの唇を噛んだ。

「マスター。目を開けてもいいですか?」

アナキンの唇をなめらかな舌で舐める師匠に、弟子は、その身体を抱き返そうとした。

「まだ、瞑っていてくれ。そのまま、付いてきて欲しい」

オビ=ワンは、柔らかい髭を擦りつけて、アナキンの耳に囁いた。

そして、ソファーを周り、目を閉じたままの弟子の手を引いたのだ。

アナキンは、オビ=ワンの行動の訳がわからなかった。

「マスター?」

「お願いだ。目は瞑ったままで」

廊下を進む、オビ=ワンの声は、小さかった。

慣れた家の中だ。

そして、ジェダイは、フォースの力がある。

目を瞑ったくらいでは、アナキンの足取りは変わらなかった。

だいたいオビ=ワンの目指している方角も分かる。

ドアが開く、軽い空気の振動が、アナキンの顔に掛かった。

ジェダイマスターは、自分の自室へと弟子を連れ込んだ。

そのまま、弟子をベッドへと導いていく。

弟子は、肉体を求められていた。

それに、若いジェダイナイトは文句などなかった。

ようやく帰ることのできた二人の空間で、アナキンの方が、オビ=ワンを求めていた。

だが、師匠があくまで自分を見ないので、時期を伺っていただけなのだ。

「マスター。目を開けてもいいですか?」

アナキンは、師匠が、どうしてパダワンの目をいつまでも瞑らせたままにしておくのか。それだけが分からず焦れていた。

「もう少しだけ……ああ、もう、いい。アナキン」

少しアナキンから離れた位置で、オビ=ワンの声がした。

目を開けたアナキンが見たものは、目隠しをしたオビ=ワンだった。

「マスター?」

アナキンは、今日何度目か、オビ=ワンに問いかけた。

「お前の気が乗らないかもしれないが、今日は、こうして」

視覚を塞いだことなど、多少の動きには問題のないオビ=ワンは、アナキンに近づいた。

間違うことなく、アナキンの頬に触れ、斜めに傾げた顔を近づける。

オビ=ワンの舌が、アナキンを求めた。

アナキンは、濡れたオビ=ワンの舌に舌を絡ませながら、師匠の顔に触った。

「マスター。どうして、目隠しなんですか?」

「……んっ……」

オビ=ワンは返事を返さず、話そうとするアナキンの口内をまさぐろうと、深く舌を伸ばした。

師匠の舌が、アナキンの歯の裏を辿る。

アナキンは、オビ=ワンに応えてやりながら、白い布で顔の上半分をほぼ、隠してしまった師匠の頬を撫でた。

「そんなに俺と目を合わせたくないの?」

「……っ……」

「セックスはしたいのに?」

アナキンは、強く師匠の顔を掴んだ。

口の蝶番を強く押され、オビ=ワンは、小さなうめき声を上げた。

開いたままの口で、オビ=ワンが濡れた唇を離した。

口から零れた唾液で、箔を付けるため伸ばしている髭まで濡れていた。

オビ=ワンの手が、許しを求めるようにアナキンの手を撫でた。

アナキンはしょうがなく力を緩めた。

「なんだって、言うんですか。マスター」

「アナキンは、こういう私が嫌なんだろう?」

目が見えていないというのに、オビ=ワンはまさしくアナキンと視線を交わす位置に顔を上げていた。

「アナキン、私は、お前に嫌われたくないんだ。だから」

「全く、理解出来ませんが?」

アナキンの冷たい問いかけに、オビ=ワンが顔を伏せた。

師は、それ以上説明しようとしない。

アナキンは、せいぜい大きくため息をついた。

「わかりました。マスター。では、今日のマスターがこういうプレイをお望みだ。と、いうことで納得しましょう」

アナキンは、師匠の顎を掴んで、激しく唇を奪った。

「ただし、あなたの思い通りというのは、腹立たしいので少しばかり我慢していただきますよ?」

言うが早いか、アナキンは、オビ=ワンの額に手を当て、そこにフォースをたたき込んだ。

がくりと、オビ=ワンの膝が砕けた。

「……何を! アナキン」

オビ=ワンの腰を支えたアナキンは、慌てたオビ=ワンの髪を撫でた。

「しばらく、本当に目が見えませんよ。俺だけあなたの目が見れないのに、あなたは、フォースでしっかり俺の存在を掴んでるなんて、不公平でしょ? だから、マスターあなたも、本当に俺のこと見えなくなってください。ほら、俺の気配、わかんなくなりましたね。ここですよ。マスター。あなたが、キスしたい唇はここ」

オビ=ワンの指を取り、アナキンは、自分の唇に触れさせた。

今までの余裕もなく、オビ=ワンの指が、確かめるようにアナキンの唇に触れた。

アナキンは、師匠の震える指をちろりと舐めた。

「マスター。キスしたかったら、口を開けて」

これほどの目に合わされながら、オビ=ワンは口を開いた。

アナキンは、オビ=ワンの身体を抱き込んで、ベッドに押し倒しながら、唇をむさぼった。

自分の身体以外より、外には一ミリたりとも、気配を探ることが出来なくなったオビ=ワンは、ベッドまでの浮遊感ですら、身体を硬くした。

柔らかなベッドの感触に、やっと安心して身体の力をぬく師匠に、アナキンは苦笑した。

「あなたに、怪我なんてさせません」

そうして、また、激しくオビ=ワンの唇を求めた。

師匠も飢えたように舌を伸ばす。

アナキンの肩を掴み、そこから辿ってオビ=ワンの手が、アナキンの服を脱がそうとした。

留め紐の位置が分からなくて、手が、せわしなくアナキンをまさぐる。

唇の恥から唾液を零れさせながらのキスを続けたままのオビ=ワンが、間違えて、アナキンの股間へと手を滑らせた。

オビ=ワンの手の中に、下衣を盛り上げている弟子の熱い固まりが収まった。

オビ=ワンは、一層熱心に、キスを始めた。

師の手が、弟子のペニスを布越しになで回す。

「そこは、あとで。今は、ここ」

アナキンは、そこに留まってしまいそうなオビ=ワンの手を離して、留め紐の位置を師匠に教えた。

オビ=ワンは、しばらくためらった。

それを、弟子は、物足りなさのためだと理解したが、師は、そろそろとアナキンの留め紐を解いた。

「アナキン……」

オビ=ワンの唇は、殆どアナキンの肌から離れなかった。

それは、アナキンに、不意に目が見えなくなるということは、こういうことなのか。と、納得させるに足るものだった。

オビ=ワンは、唇を離したら、アナキンが分からなくなると言わんばかりに、アナキンの顔中を唇で辿った。

それだけでは物足りないのか、首に唇を滑らせ、紐が解かれて、むき出しになった弟子の良く締まった体にもキスを続けた。

オビ=ワンは、アナキンの身体を抱きしめながら、弟子の身体の下に潜り込んでしまった。

アナキンは、白い布が、オビ=ワンの前髪を押し上げているのを見つめながら、師が、自分の腹に何度も口付けを贈るのを楽しんだ。

「マスター。髭がくすぐったいです」

アナキンは小さく笑った。

だが、事実、アナキンに微笑みを浮かばせたのは、オビ=ワンの髭の存在ではなく、切ないまでにアナキンを求め、自分の鼻が押しつぶされるのも構わず、口付けを続ける師の存在だった。

オビ=ワンが、アナキンの背中のあり方を確かめるように、指先で辿った。

アナキンは、腰を抱き込んでいる師匠をそのままにさせて、下衣を緩めた。

高ぶったペニスを手に掴み、師の唇に押しつけた。

オビ=ワンが、びくりと動きを止めた。

鼻をうごめかせ、それが何かを探っていた。

「マスター。ごちそうです。口を開けて」

アナキンは、ペニスの先端からこぼれでいる滑りを師の唇に塗り広げた。

柔らかい唇が開かれる。

アナキンの腰を抱き、すがりつく形になっているオビ=ワンは、弟子のペニスを口内深くへ招き入れた。

「気持ちいいです。マスター」

アナキンは、オビ=ワンを褒めた。

オビ=ワンの口内は、熱く湿って、アナキンを締め付けた。

興奮しているのか、鼻声を上げて、アナキンのペニスにむしゃぶりついている師匠は、見えている肌がピンク色に染まっていた。

「そう。上手。マスター」

「……んっんん……んん……んぅんん」

久しぶりの口腔性交に、アナキンが師匠の喉を突き上げると、師は、咽せながらも、弟子のペニスを離そうとはしなかった。

オビ=ワンの喉は、自分の口から零れた唾液で濡れていた。

それは、襟さえも濡らした。

だが、ジェダイマスターは、やめる気などなかった。

「マスター。かわいい」

アナキンは、見えないオビ=ワンの目を残念に思いながら、自分の下腹部に必死に吸い付く師の髪を撫でた。

そして、いつまでも、そうしていそうなオビ=ワンの口から、ペニスを取り上げた。

師匠は嫌がって、アナキンの腹に顔を擦りつけた。

「アナキン。……もっとしたい」

「ちょっと顔を隠してると思って、大胆なことで」

アナキンは、ペニスを求めて、腹へとキスを繰り返す師匠を引っ張り上げた。

アナキンの前に座らされた師匠は、顔中を濡らしていた。

鼻の上も、目隠しした布さえも、濡れていた。

オビ=ワンが見えないことを補おうと、何もかもを使って、アナキンを求めていたせいだ。

「まだ、顔見せないつもりですか? マスター」

「……まだ、嫌だ……」

オビ=ワンは、俯いた。

「マスター。俺の顔、こっち」

アナキンは、師匠の顔を上げさせ、自分に向けさせた。

アナキンは、唇の形だけでも、その顔が師匠だとはっきりと分かった。

だが、顔のない相手とするのは、それほど楽しいものではない。

「布、外しましょ。マスター、もう、いいでしょ?」

「……嫌だ」

唇だけでも、いやらしく高ぶっていると分かる顔をしながら、オビ=ワンは、頑なだった。

アナキンは、オビ=ワンの服に手を掛けた。

気配のつかめないオビ=ワンが身体を竦ませる。

アナキンは、ごく事務的に師匠へと声を掛けた。

「脱がせてます。目隠し、取ってもいいって、心変わりしたら言ってください」

小さく立ちあがった乳首が、アナキンの視界に入り、濡れて硬くなったペニスが、さらけ出されても、オビ=ワンは心変わりを伝えなかった。

アナキンは、白い目隠し布だけを身に付けた師匠を眺めた。

オビ=ワンは、アナキンの肌が遠くなったことに不安を覚え、手を伸ばし、アナキンを探した。

「目隠し、外しましょう? マスター」

アナキンの声は、ほぼ、命令形だった。

見当違いの方向へと手を伸ばし、膝をついたオビ=ワンは、首を振らない。

憮然と師匠に近づいたアナキンは、オビ=ワンの頭を掴み、うつぶせにしてベッドに押しつけた。

耳に唇をよせて弟子は囁く。

「俺、顔のない相手なんて、嫌なんです。目隠し、取らないんだったら、あなたの顔を見なくてもすむ体位にしますよ」

「……アナキン」

オビ=ワンは、アナキンの条件に頷いた。

弟子は、強情な師匠にため息を一つ付き、うつぶせに伏せる白い師匠の尻の前に移動した。

「マスター。何が気に入らないのか知りませんけどね。大変失礼な態度ですよ。そういうの」

「……すまない……」

アナキンの手が遠慮なしにオビ=ワンの尻を開いた。

大きく開いた尻の間に鼻を突っ込み、舌を伸ばした。

窄まり、ひくひくとしているオビ=ワンの窪みに、弟子は舌を突っ込んだ。

気配の分からないオビ=ワンは、いきなり触れたアナキンの舌に、小さな悲鳴を上げた。

アナキンは、長い指で、師匠の尻肉を掴み、決して閉じられないようにした。

舌で、師匠のくぼみを押し広げた。

毛の生えた尻の穴を弟子に舐められ、オビ=ワンは、何度も息を吐き出した。

弟子の長い指が、唾液の滑りを借りて、オビ=ワンの中を広げていく。

肉を押し分け入ってくる硬い指に、オビ=ワンは、思わず尻に力を入れた。

「力を抜いて。マスター」

機嫌の悪くなっているアナキンは、もう分かっているオビ=ワンのいい部分を指先で押した。

ここを押されて、オビ=ワンが力を抜くことなど出来ない。

「……んんっ!!」

オビ=ワンの背中が汗を浮かべて仰け反った。

そこばかりを刺激する弟子の指に、身をよじり、尻が逃げ出そうと前にいざった。

「マスター。俺は、力を抜いてください。とお願いしましたよ」

アナキンは、力強く師の尻を掴み上げ、離さなかった。

オビ=ワンの色づいた尻の穴は、きつくアナキンの指を締め付けている。

「マスター。もう、入れてもいいんですか?」

無理は承知で、アナキンは、指を強引に抜き差しした。

絡んでくる肉の中で、強引に指を動かす。

オビ=ワンの手が、きつくシーツを掴んでいた。

アナキンからは、そこしか見えない髭の中の口は、きつく噛みしめられていた。

「マスター。入れちゃいますよ」

アナキンは、オビ=ワンを脅した。

「俺の顔一回も見ないで、このまま後ろからやられちゃって平気ですか?」

アナキンは、刺激に慣れ、少し緩み出したオビ=ワンの尻の中の指をぐるりと回した。

いきなり肛口を大きく開かされ、オビ=ワンの背がまた反り返った。

だが、オビ=ワンにも快感はあるのだ。

ペニスからは、ぽたぽたと雫が零れ、膝が動く膝がぐちゃぐちゃと作ったシーツの皺を濡らしていた。

返事を返さない師匠の強情さに焦れたアナキンは、本当にオビ=ワンの背中に覆い被さった。

「わかりました。被害者ぶりたいんですね。今日のマスターは」

アナキンは、久し振りの性交が、全くオビ=ワンの独りよがりで勧められることに激しく苛立った。

少し緩んだだけの窄まりに、強引にペニスの先端をあてがい、ぐいっと腰を突き入れる。

「ぅうっ!……んん……」

苦しさに、そこだけは見えるオビ=ワンの口が呻き声を上げた。

しかし、弟子の長い指は、オビ=ワンの腰を掴んで逃がさなかった。

アナキンは、師匠の肉を押し広げて入った先端をもっと奥へと押し入れた。

しかし、肉が引きつれ、全部が入らない。

「……んんんっ!!」

オビ=ワンの首が苦しげに振られ、シーツに目隠しの布が擦れていた。

目の辺りが、微かに濡れていた。

「手加減して欲しいですか? マスター」

アナキンは、そう言ったが、オビ=ワンが、何とか衝撃をやり過ごし、小さな息を吐きだしたところで、残っていたペニスの全長を全て、師匠の腹の中に押し込んだ。

「ア・アナキン!」

オビ=ワンが、叫んだ。

「そう、俺だって、分かってます? マスター。あなたが、セックスしてる相手が、俺だって、ちゃんと分かってます? マスター」

アナキンも痛みに堪えるように顔を顰めていた。

「ねぇ、マスター。何が気に入らなくって、俺の顔を見てくれないんですか?」

オビ=ワンの弟子は、悔しそうな声を出し、師匠の背中を抱いた。

ペニスがずるりとオビ=ワンの中で動いた。

「……ぅうっ……」

その衝撃に、師匠は、喘いだ。

後ろを、満足のいく重量にふさがれるのは、二月振りなのだ。

腹を重苦しく苦しめる痛みにも甘い痺れが混じる。

「ねぇ、マスター。顔を見せてください。俺、誰かわかんない相手、抱いてるの、すごく嫌です」

アナキンの手が、オビ=ワンの目隠しの結び目に手を掛けた。

オビ=ワンの手が伸びた。

「やめてくれ!……アナキン……嫌なんだ。」

頼りないオビ=ワンの声が、アナキンの苛立ちを限界まで押し上げた。

「何が嫌なんですか!!」

これでも、アナキンは、ずいぶんとオビ=ワンに優しくしたつもりだった。

任地では、オビ=ワンの立場を慮り、いくら視線を外されようが不平を唱えず、勿論、ジェダイらしく、師匠に指一本触れなかった。

そして、このセックスにおいても、できるだけ、オビ=ワンの態度を遊びだと受け入れようとした。

若いジェダイナイトには、もう、我慢が出来なかった。

愛する人との久し振りのセックスなのだ。

どうして、目を合わせ、その中に愛情を確認してはならないのか。

オビ=ワンの肩を押さえ付けるようにして、まだ、硬く肉を噛む師匠の尻を串刺しにした。

師匠が、大きな声を上げても、やめなかった。

肛虐ばかりを師匠に科した。

訳が分からなくなったオビ=ワンが泣き声を上げても、早いストロークで、尻を抉った。

そして、盛り上がったオビ=ワンの尻に、精液を塗りたくり、弟子は、師匠から、目隠しをはぎ取った。

 

 

尻の間から、弟子の精液を溢れさえている師匠は、真っ赤に泣きはらした目をしていた。

「マスター。俺を怒らせたら、こうなるってわかってたでしょ?」

アナキンは、重くなっている師匠の睫に、少しの後悔を感じ、唇を噛んだ。

「これでも、俺、ずいぶん、我慢しました」

「分かってる。……悪かった。アナキン」

不機嫌に言い捨てる弟子を見上げ、オビ=ワンは、腕を上げた。

オビ=ワンの腕は、きつかった性交に軋んだが、師匠は、突き出された弟子の唇を撫でた。

「……悪かった。アナキン。私は、お前に、みっともない顔を見せたくなかったんだ」

アナキンは、触れてきた手を両手で捕まえ、口づけた。

「みっともない? マスター。あなた、今のあなたも、かなりみっともないことになっています」

「分かってる。……すまないな。パダワン」

オビ=ワンは、笑い、その振動で感じた身体の奥にある痛みに、顔を顰めた。

あり得なかったが、突き破られそうだった腹の皮までが酷く痛むような気がした。

その位、オビ=ワンの弟子の肛虐はすざまじかった。

アナキンが、謝罪のためか、オビ=ワンの手への口付けを繰り返していた。

「マスター、あなた、今の格好分かってます? 尻は俺のでべたべたで、前は、ご自分ので漏らしたんじゃないかってくらい濡れてる。おまけに、泣きはらした目をして、それで、もっとみっともない状態があるとでも?」

「でも、アニー。お前、私がこんな状態になってるのなら、嫌いにならないだろう?」

オビ=ワンは、アナキンに近寄ろうとした。

動きに、身体中が痛んだ。

緩んで締まった後ろの穴から、弟子の精液が流れ出る。

「何のことをおっしゃっていられますか? マスター」

「言い訳だよ」

オビ=ワンは、苦労して、アナキンの膝の上に頭を乗せた。

アナキンの手が、目隠しで癖のついたオビ=ワンの顔を撫でた。

念入りに、目の辺りを触っていく。

「訳がわかりません。マスターが俺を傷づけた理由をはっきり言ってください」

「おいおい。傷ついたのは、私の方だ」

オビ=ワンのからあふれ出す精液には、血の色が混じっている。

「いいえ、俺です」

アナキンは、はっきりと言った。

 

あの美しい水をたたえた惑星で、オビ=ワンは、「女のように欲しがった目」を自分がしている自覚があった。

少しも治まらない反乱に、一番焦れていたのは、オビ=ワンだ。

同衾を許した相手が側にいながら、決して交渉を持つことが出来なかった。

オビ=ワンは、側に立つ、若いジェダイナイトが欲しかった。

幼かったパダワン候補が、軽蔑の視線を向けたあの時の目を自分がしている自覚があった。

あの時は、自覚のない欲望のまま、クワイ=ガン・ジンを見つめていただけだったが、今のオビ=ワンは、肉欲の下に、自分のパダワンを視姦した。

 

オビ=ワンは、体液の匂いをさせる弟子のペニスに唇を寄せた。

「お前に、嫌われたくなかったんだ」

オビ=ワンの舌が、アナキンのペニスを舐める。

アナキンが顔を顰めた。

「……まだ、したいんですか? マスター。俺、本当にマスターのこと嫌いになりますよ?」

「もう、いいよ。さすがに、ちょっとばかり疲れた」

オビ=ワンは、弟子をしっかりと見上げ、緩やかな笑いを浮かべた。

 

 

END

 

 

してして、オビ(笑)