エデンの箱庭 2
「マスター!!」
オビ=ワン・ケノービは、まるで力無いパダワンのように叫んだ。
オビ=ワンの足に絡んだものは、植物の蔦だった。
それがまるで意志を持ったかのように、うねり、絡みつく。
「マスター!! マスター!!」
オビ=ワンは、まるで何もできない幼いパダワンのように、ひたすらクワイ=ガンの助けを求めた。
足首を、ぎりぎりと緑の蔦が締め付ける。
他の蔦も、音を立てながら地を這い、オビ=ワンに、忍び寄った。
「マスター!!」
だが、オビ=ワンは、自分の立場に気付いて、ライトセイバーに手を伸ばした。
もう、オビ=ワンは、クワイ=ガンの後を付いて回ったパワダンではないのだ。
「うわっ!!」
しかし、一瞬のうちに、オビ=ワンの身体をはい上がり、巻き付いた蔦は、器用にその先端をライトセイバーへと巻き付け、遠くへと放り投げた。
植物はぎりぎりとオビ=ワンの手首を締め上げる。
オビ=ワンは、為すすべもなく、蔦に引きずられ、四肢を拘束された。
その間にもすざまじい早さで、蔦は、オビ=ワンの身体を這い上がった。
植物の青臭い匂いが、オビ=ワンの鼻を刺した。
見れば、クワイ=ガンも同じように、拘束されている。
クワイ=ガンは、蔦をむしり取ろうと、激しい抵抗を見せていた。
「マスター!!」
「オビ=ワン、待っていろ。必ず助けてやる!」
しかし、オビ=ワンをひきずる蔦の力は強かった。
オビ=ワンがどれほど、地面に爪を立てようと、蔦は、ずるずるとオビ=ワンの身体を引きずる。
とうとうオビ=ワンは、蔦に引きずられ、先ほどから、その匂いをさせていた、池の上へと吊り下げられた。
蔦に、どれほどの知能があるのか、手首を高く釣り上げられた姿勢は、自重が、手首にばかり掛かり、オビ=ワンを苦しめる。
体中に、絡みついた蔦は、苦しいばかりにオビ=ワンを締め上げる。
身動きは取れなかった。
脅えるオビ=ワンの視界に、蔦に拘束されたクワイ=ガンが無理矢理引きずられてきた。
「離せっ!」
「マスターっ! マスターっ!」
「オビ=ワンっ!」
オビ=ワンがもがけば、もがく程、蔦の拘束が強まる。
蔦は、その根元に尖ったトゲを持ち、あまりに抵抗するオビ=ワンを、トゲで攻撃するようになった。
オビ=ワンのチュニックが裂けた。
トゲは、ひっかき傷を作り、オビ=ワンの肌から、赤い血を流す。
「オビ=ワンっ!!」
クワイ=ガンが、解けぬ拘束に悔しそうに顔を歪めた。
血をすった植物は、獰猛になったのか、オビ=ワンへの攻撃をやめようとはしない。
蔦が、オビ=ワンの身体をむち打った。
ぴしりっと、音を立て、トゲがオビ=ワンのチュニックを引き裂いていく。
肌色がますます大きくなった。
オビ=ワンの胸は、ほぼ丸見えだ。
「……マスター!!……」
どこが本体なのか、蔦は、本数を増し、オビ=ワンの身体に絡みついた。
肌を這う、蔦の気持ちの悪さに、オビ=ワンは、吐き気を覚えた。
「……っうっ……」
それは、蔦だった。
ごく何処にでもある蔦のはずだった。
それなのに、肌を晒したオビ=ワンに、新たに絡みつきだした緑の蔦は、ぬめぬめと滑り、まるで肉でも詰まったように、柔らかな弾力を有していた。
太さも今までに比べ、格段に太い。
それが、抱きしめでもするように、オビ=ワンの胸に絡みつく。
すると、胸と足と、オビ=ワン肌を晒したトゲのある蔦は、仕事を終えたとばかりに、するすると引いていった。
その蔦が残ったのは、オビ=ワンの四肢を拘束する部分のみだ。
オビ=ワンの足には、トゲが、刺さっていた。
新たに現れたうねうねと動く、気味の悪い触手は、まるでオビ=ワンを嬲るように、オビ=ワンの肌を擦った。
太さの違う様々な触手が、オビ=ワンの身体の上を這い回る。
細い触手が、まるで愛撫のようにオビ=ワンの乳首に絡みついた。
「……っく、……離せっ!」
オビ=ワンは、身体を振って逃げようともがいた。
しかし、からみつき、拘束する触手に、身動きが取れない。
細い触手たちは、うねうねとオビ=ワンの胸に絡みつき、胸毛を濡らし、乳首を硬く立たせようとした。
濡れた緑の触手は痛いばかりの方法を用いない。
やわやわとオビ=ワンの胸を撫で、小さく立ちあがった乳首には、その先端で、押しつぶすような真似までした。
「嫌だっ! やめろ!」
刺激に、オビ=ワンの乳首は、腫れ上がったように立ち上がってしまっている。
そこに、新たに触手が絡みつき、くびりだすようにしてオビ=ワンの胸肉を集めた。
女性の乳房のようなふくらみが、できあがり、オビ=ワンは、真っ赤になった。
全ては、足下で拘束されているクワイ=ガンに見られている。
「マスター!! 見ないでくださいっ!」
オビ=ワンの声には、涙が混じった。
拘束された触手に乳首を弄られている。
「オビ=ワンっ!」
クワイ=ガンが必死にもがいた。
しかし、クワイ=ガンを締め付ける蔦は、決してジェダイを離そうとはしない。
オビ=ワンに絡みついていた太い触手が、足を這った。
触手は、意志を持ったように、オビ=ワンの太腿を撫で上げていく。
「いややゃぁぁっ!」
それが、片方だけ破られ肌を晒しているオビ=ワンの太腿を濡らしていった。
触手は、破られた布の間から、ぞわぞわとオビ=ワンの中へと進入する。
「嫌だっ! マスター! マスター!」
まるで生き物のようにのたうちながら進む触手の柔らかくも不気味な感触は、オビ=ワンの奥へ奥へとはい上がっていった。
足を閉じて抵抗しようにも、蔦は、きつくオビ=ワンを締め上げる。
反対に大きく足を開かされたオビ=ワンの足の付け根にまで、触手は絡みついていた。
オビ=ワンの股間で、触手がうねうねと動く。
触手は、うなだれるオビ=ワンのペニスに絡み、無理矢理にそこを勃たせようとした。
他の触手も、もぞもぞと同じ道を辿り、オビ=ワンの股間に近づこうとする。
入り込んだ触手の量に、オビ=ワンの股間を覆っていた僅かな布が破れた。
オビ=ワンの身体に残るのは、引き裂かれ、腕や、足を覆う衣装のなれの果てだけだ。
蛇のように、ぬめる触手がオビ=ワンに絡みつく。
触手は、それぞれが、様々な動きをした。
オビ=ワンの尻を撫で上げあげるモノ。
その間にある道に気付き、盛り上がった尻の肉の間に潜り込もうとするもの。
細い触手は、睾丸にも絡みついた。
それは、痛いほど小さな丸いものを締め上げ、オビ=ワンを呻かせた。
オビ=ワンのペニスに巻き付き、尿道から入り込もうとするものもある。
オビ=ワンは、必死になって暴れた。
「やめろっ! やめろっ! やめてくれっ!!」
乳首に絡みつく触手は、オビ=ワンの絞り出された乳房を優しく撫で擦った。
脇や、関節、皮膚が柔らかく刺激に弱い部分にも触手は無遠慮に触れていく。
オビ=ワンの身体は、触手から分泌される液体で、ぬとぬとと光った。
オビ=ワンの股の間を這い回り、陰毛を濡らしていた触手が、肛門の窄まりを押し上げた。
触手からの分泌液を、まるで愛撫するように、そこに塗り拡げていく。
「いややぁぁあぁっ!!」
オビ=ワンが、激しい悲鳴を上げる。
ペニスに絡みついていた細い触手が、尿道口にごぼりと潜り込んだ。
「痛っ!!! 痛っっぁいいいぃ!! 痛いっっ!」
オビ=ワン首へと絡みついていた触手が、顔を這っていった。
開いた口の中に潜り込もうとする。
オビ=ワンの顔は、涙でぐしょぐしょだった。
必死に閉じた口を、触手の滑りが押し開こうとする。
ぐううっ、と、オビ=ワンの喉がなった。
噛みしめられた歯へと押しつけられた触手から分泌される液体に、オビ=ワンの胃がせり上がった。
尿道の中の触手は、ゆっくりと奥へと進む。
狭い尿道を押し広げられる苦しさに、オビ=ワンは、また、強く歯を食いしばる。
肛門に、分泌液を擦りつけていた触手が、オビ=ワンの尻を開き始めた。
もぞりと、窄まりを触手が開き、オビ=ワンの赤い粘膜を晒す。
オビ=ワンは、気が狂いそうだった。
尿道の、触手は、オビ=ワンの前立腺を刺激しながら、奥へ、膀胱へと進んでいた。
直腸内には、触手の先端が入り込み始めている。
口の中は、吐き気がする触手によって、閉じられもしなかった。
口からは、唾液と、得体のしれない分泌液があふれ出た。
涙など、とうに垂れ流し状態だ。
「……っぅ……んんぅ……」
オビ=ワンは、口の中を蹂躙する触手を噛み切ろうとした。
しかし、それは弾力があり、歯では噛み切れない。
オビ=ワンの反抗に気を悪くしたのか、触手は、喉の奥にずるりと入り込んだ。
オビ=ワンは、息ができない。
「……んんっ……ん!!!!」
だが、その苦しさにもがく身体に、触手は、更に追い打ちを掛ける。
オビ=ワンの尻へと潜り込んだ触手は、そこでもぞもぞと動き出した。
ぶるぶると震え、オビ=ワンの腸内を犯すその一本は、ごつごつとしたイボで、その身を覆った。
イボは、オビ=ワンの腸壁を擦りあげた。
ごつごつとしたイボが、オビ=ワンの内壁を刺激する。
「んんっ!!! っっぅん!……ぁっ……んんっ!」
膀胱まで達した尿道の触手は、オビ=ワンに排泄を促した。
しかし、触手は、前立腺を刺激するように、そこまでは後退するのだが、それ以上には、抜け出ようとしない。
触手は、強い尿意を与えながらも栓をするように、腫れ上がった膀胱の中をさらに、刺激する。
オビ=ワンに、かかる苦痛はすざまじかった。
あまりの苦痛に、五感は焼き切れ、微かに感じることのできる快感へと、思わずオビ=ワンを縋らした。
「……ぁぁあっんっ! んっ、あっ!!」
喉を塞いでいた触手が、後退した。
入り込んできた空気を吸い上げる前に、オビ=ワンは、吐いた。
痙攣する背中をぞわぞわと触手が這い回り、まだえずくオビ=ワンの口の中へと触手が入り込む。
触手は、オビ=ワンの舌に絡んだ。
強制的にディープなキスを求められ、オビ=ワンは、首を振って逃げようとした。
「いやっ……いやっ!!……」
首が触手によって締め上げられる。
オビ=ワンの尻へと潜り込んだ触手は、狭いそこを、大きく拡げていた。
最初の震えで、多くのイボを持った触手は、身震いする度に、そこで、質量を増していった。
長大なものが、オビ=ワンの尻の中で蠢く。
イボに、尻の中から前立腺を刺激され、オビ=ワンのペニスが重量を増した。
「……っぁうぁあぁっ!!」
オビ=ワンのペニスは、尿道内を這い回る触手に前立腺を刺激され、とうに勃ちあがっていた。
尿道を取り巻く様に位置する前立腺を刺激されれば、勃起を止められはしない。
激しい排尿感も、それを押し上げた。
尿道を塞ぐ、触手のせいで、オビ=ワンが漏らすことはなかった。
だが、ぬるりと抜け出る触手は、分泌液とは違う白濁したもので濡れ始めていた。
強制的に求められているキスで、口の塞ぐこともできないオビ=ワンの口からは、あえぎが漏れる。
「っはっ……んんっ、んんっ!!」
身体の全てを、無理矢理に蹂躙され、オビ=ワンにはもう、為すすべもなかった。
尻を穿つ触手が、ずぶりとオビ=ワンを犯す。
「……ぁぁああっ……んんっぁあっ……あっ!」
涙に濡れるオビ=ワンの眼下には、もがき続けるクワイ=ガンがいる。
「……マスター!……マ……」
触手が、オビ=ワンの口を塞ぐ。
それどころか、触手は、太い触手によって一杯にふさがれたオビ=ワンの尻の穴が、クワイ=ガンからよく見えるよう、オビ=ワンの足を持ち上げた。
子供がおしっこをさせられるような格好にオビ=ワンは、固定される。
大きく開かされた股の間では、太い触手がオビ=ワンの尻の穴を抉っていた。
ペニスは、何本もの触手で締め上げられている。
そしてその中の一本は、ペニスの中を犯している。
「……マス……ター……」
かすれるオビ=ワンの声が、クワイ=ガンを求めた。
尻を穿つ触手の動きが早くなっていた。
ずるりと、オビ=ワンのペニスから、触手が抜けた。
尿道を擦りあげ、後退していく触手の感覚は、激しい性感をオビ=ワンに与えた。
強く触手に拘束されているというのに、オビ=ワンの背が反り返った。
清廉潔白なジェダイは、触手に拘束された姿のまま、顔を赤くして、息を詰める。
「……んんっ、あっ、あっ、あっ!」
オビ=ワンのペニスが、精液を吹き出した。
激しい勢いでと、飛ぶそれは、長い時間、吹き出し続けた。
精液をまき散らしたペニスは、だが、それだけではすまず、続いて緩んでしまった尿道口から、尿を零す。
池の水を黄色い液体が打った。
「……んぅっ……んんっ……ん……」
快感に震えるオビ=ワンの身体に嗚咽の波も混じった。
「マスター……見ないで……」
尻の中では、まだ、触手が蠢いていた。
ぞろり擦りあげられるのに、オビ=ワンの腰が揺れる。
オビ=ワンは、触手に犯され、意識が朦朧となりながらも、現状の異常さを把握しようとした。
尻を触手に犯されるオビ=ワンは、自分がフォースを使おうとしていなかったことに気付いていた。
この星は、確かに、フォースを歪めはする。
しかし、使えぬはずはなかった。
それは、クワイ=ガンも同様のはずで。
「……んんっ! っはぁ!」
オビ=ワンの尻の中を一杯に開いている触手が、もぞもぞと蠢く。
痛いほど強引に奥へと入り込み、そして、ゆっくりと、内壁をそのイボで抉りながら、後退を繰り返す。
「……んっ! んっ! ……っはぁ!」
クワイ=ガンが死して以来、ずっと埋められることのなかったオビ=ワンの後ろは、切ないほどの快感をそこに得ていた。
「んっ! んっ! んっ!」
知らぬ間に、オビ=ワンは、もっと触手に犯されたいとばかりに、尻を付きだしている。
しかし、オビ=ワンは、その快感を何とか押しやり、自分の中でわき上がったある一つの仮説が必死にしがみついた。
乳首に絡む触手が、立ちあがった肉芽を括るように締め上げる。
するりと締め付けを弱め、嬲るようにやわやわと撫でる。
「……んんっ、んんっ!」
何故、この触手に、ジェダイであるオビ=ワンが適わないのか。
何故、クワイ=ガンは、もがくばかりで、オビ=ワンを助けようとしないのか。
何故、この触手は、性的にオビ=ワンを辱めるばかりで、命を取ろうとしないのか。
ペニスに絡んだ触手は、絞りあげるように、オビ=ワンのペニスに絡んでいた。
粘液で濡れた触手の表面に刺激され、オビ=ワンのペニスは、硬直している。
「……っんん、あふっ……」
オビ=ワンの口からは、大きな声が出た。
オビ=ワンは、見つけた答えに、いたたまれないほどの羞恥を感じた。
枯れるほど泣いたというのに、まだ、涙がこぼれ落ちた。
触手がオビ=ワンの尻を奥深くまで、犯す。
……なぜ、こうまでオビ=ワンがこの悪夢から逃れられないのか。
それは、すべて、オビ=ワンの望みだからだ。
クワイ=ガンは、言った。
この星の有り様は、すべてオビ=ワンの望み通りだと。
オビ=ワンは、唇を噛む。
ずぶずぶとオビ=ワンを犯す触手が、身体を揺する。
更に、触手は、オビ=ワンの足に絡みつき、広がった穴の中に、新しく細い触手を送り込み始めた。
きつく、拡げられ、内側を擦りあげられる感覚に、オビ=ワンの喉が反り返る。
「……ぅあっ、んっぁ……ぁぁあっ……んっ!!!」
オビ=ワンは、もう会えるはずがないと思っていた師に出会えて、嬉しかった。
その腕で抱いて欲しかった。
しかし、昔と違う自分を恥じるあまり、身体を差し出す勇気がなかった。
その証拠に、あんなにキスを繰り返したというのに、クワイ=ガンは、抱きしめるだけで、オビ=ワンを手放した。
あれほど、オビ=ワンを可愛がることに熱心だった師が。
「……んっ、ぁあっ……ん!……」
オビ=ワンは、抱いて欲しかった。
しかし、師がみせるかもしれない落胆に、オビ=ワンは震える。
欲望と、羞恥が、オビ=ワンの心を縛った。
迷う心が、不気味な怪物を生みだした。
怪物は、オビ=ワンの迷いのままに、苦痛と快楽を同時に与える。
「ぅはぅ……あっ……ん……」
ジェダイであるオビ=ワンが、こんな触手ごときから逃れられぬはずがないのだ。
だが、オビ=ワンは、この怪物から、クワイ=ガンのよって助けられたかった。
師に守って欲しかった。
しかし、ここにも、オビ=ワンの迷いがある。
もう、二度と、オビ=ワンは、クワイ=ガンの顔が苦痛に歪むさまを見たくはなかった。
オビ=ワンは、助けてほしいと望みつつ、決して、師をこの窮地へと巻き込みたくはなかった。
オビ=ワンを助けようともがくクワイ=ガンを拘束し、そこに縫い止めているのは、オビ=ワンだ。
「はぁぁあっ……んっ! あっ、あぁぁっ!」
ここにある全てはオビ=ワンの望みだ。
オビ=ワンにとって、この結論は、耐え難かった。
どれほど、自分が恥知らずであるのかと、オビ=ワンは、唇を噛んだ。
触手に愛撫され、高まった身体は、二度目の射精を欲求している。
「……マスターっ! マスター!!」
涙声で、囚われ人を呼ぶ、オビ=ワンの眼下で、動きがあった。
クワイ=ガンに巻き付いていた蔦が、ライトセイバーの光によって切り捨てられた。
クワイ=ガンは、平然とうねる触手を切り捨てていく。
「オビ=ワンっ!」
ばしゃばしゃと池の中に飛び込んだクワイ=ガンは、高く飛び、オビ=ワンに絡みつく、触手を切った。
触手は、クワイ=ガンの振るうライトセイバーに容易く切り捨てられた。
ボチャ、ボチャと音を立て、植物は池へと落ちていく。
あれほど凶暴だと感じたものの、あっけない幕切れだ。
「オビ=ワンっ!」
「……マスター……」
オビ=ワンは、呆然とその光景を見守った。
オビ=ワンが作り出しているイリュージョンであれば、それはあり得ない光景だった。
もう、オビ=ワンは、師に会わせる顔もなかった。
オビ=ワンは、自分の欲望と引き替えに、どれほどの侮辱を師に与えているのだろうと、舌でも噛み切り立ちほどだった。
クワイ=ガンのライトセイバーが触れるたび、容易に触手は焼き切れていく。
尻を穿っていた太い触手が斬りつけられ、ひくひくと動くと、ずるりと抜けた。
手足を縛っていたトゲのある蔦も切れた。
ずるずると後退していく触手に、オビ=ワンの身体が、ふわりと浮く。
汚れたオビ=ワンの身体を、クワイ=ガンは難なく受け止めた。
師の腕は、揺るぎなくオビ=ワンを抱きしめる。
「大丈夫か? オビ=ワン」
クワイ=ガンは、心配そうにオビ=ワンを見つめた。
ビワンは、優しいその視線が痛くて、顔を背けた。
クワイ=ガンは小さく笑った。
「マスターヨーダの友人も、大概に意地が悪いが、オビ=ワン、お前も頑なだな」
クワイ=ガンは、オビ=ワンの汚れた顔に額を寄せた。
「どうして、そんなにこの私に助けて欲しくないんだ。パダワンよ。触手が、そんなに気にいったのか?」
クワイ=ガンの口元には、からかうような微笑がある。
クワイ=ガンは、オビ=ワンをわき上がる池の水で軽く流し、その身体を抱き上げたまま陸へと向かった。
「マスター……?」
オビ=ワンは、クワイ=ガンの腕の中で全くわからぬ今の状況をなんとか掴もうとした。
このクワイ=ガンは、今までと違う。
オビ=ワンの求めるイリュージョンであるならば、ここにいる男は、あり得ない動きばかりをした。
オビ=ワンの中にあったこの悲劇の結末は、こうではなかった。
散々触手に嬲られた身体は、そのうちうち捨てられる。
汚れた身体で、オビ=ワンは、池に落ちる。
それをまだ、拘束されたままのクワイ=ガンが見ているのだ。
その時に、初めて、オビ=ワンが、師に絡んだ蔦を解く。
オビ=ワンは、師に許しを請い、師は、それを許す。
決してクワイ=ガンを傷つけたくないオビ=ワンのため、師は、弟子を助けることなどできない。
オビ=ワンは、信じられない思いで、師を呼んだ。
「マスター……」
「その声で呼ばれるのが好きだよ。オビ=ワン」
クワイ=ガンは、オビ=ワンの唇を塞いだ。
手が、むき出しのままのオビ=ワンのペニスに絡みつく。
そこは、まだ、触手に嬲られ勃ったままで、クワイ=ガンの手淫に、あっけなくもオビ=ワンは、声を上げた。
「……ああっ! いやっ……っぅん……マスター」
太腿をすり寄せるオビ=ワンの足を割り、クワイ=ガンは、恥じらう弟子の顔をとっくりと眺める。
「何が嫌だ? パダワン。こんなにぬるぬるにしておいて」
「ああっ、嫌っ! 嫌です。マスター!!」
「すっかりいやらしい色になったな。オビ=ワン」
クワイ=ガンが、好色に笑う。
オビ=ワンは、あるひとつの可能性に気付いた。
オビ=ワンは、クワイ=ガンにしがみついた。
「マスター! マスター! マスター!!」
ここにいるのが、本物のクワイ=ガンだったら。
オビ=ワンの顔に涙が伝う。
「マスターっ!!」
オビ=ワンは、力の限り、クワイ=ガンを抱きしめた。
やはり、ここにいるのは、オビ=ワンが作り出したイリュージョンでなく、本物のクワイ=ガンだった。
オビ=ワンが、どんなに自分を恥、クワイ=ガンの手を拒んでも、師は、弟子を追い上げていく。
その意地の悪さは、彼以外にあり得なかった。
クワイ=ガンは、苦笑した。
「オビ=ワン、そんなに大きな声で呼ばなくとも、ちゃんと聞こえる」
クワイ=ガンは、弟子にしがみつかれたままでも、その足の間に腰を割り込ませることを怠らなかった。
「すっかりかわいらしく育って」
クワイ=ガンは、触手に蹂躙され続け、緩く開いたオビ=ワンの尻の穴へと指を入れた。
傷を確かめるように、クワイ=ガンの指が、粘膜を触っていく。
「私の弟子に、こんなにはしたない趣味があるとは思いもしなかった」
ついでに、クワイ=ガンは、オビ=ワンのいい部分を押し上げた。
びくりと、オビ=ワンの身体に痙攣が走る。
「……マスター!!」
「わかってくれるとありがたいのだが、この地に残った私のフォースなど大したものではないのだよ。それを、マスターヨーダの友人は、邪魔をする。おまけに、私の弟子も、自分で作り上げた偽のマスタークワイ=ガンに夢中で、その中へは欠片も私の進入を許さない。弟子は、触手相手によがり始める。それを、私の偽物に見せつけて、喜んでいる」
「マスター……」
オビ=ワンは、涙目のまま、クワイ=ガンを見上げた。
「本当に大馬鹿ものだ。お前は!」
クワイ=ガンに叱られ、オビ=ワンは身を縮こまらせた。
オビ=ワンの中の指が、意地悪く動く。
「だから、好きなんだがね。マイ・パダワン」
クワイ=ガンは笑って、オビ=ワンを抱きしめる。
「抱いて欲しかったんだろう? それなのに、私に抱かれるのが恥ずかしかったのか? マイ・パダワン」
クワイ=ガンは、弟子の耳を噛んだ。
「ずっと会ってなかったからか?……お前が年を取ったから?」
クワイ=ガンは、オビ=ワンの心を見抜いていた。
オビ=ワンは、真っ赤に顔を染める。
弟子は、泣き出しそうに顔を染めて、小さく頷いた。
クワイ=ガンの舌が、オビ=ワンの耳を舐めた。
「オビ=ワン。私のかわいいパダワンよ。触手相手に、あんな格好をする方が、ずっと恥ずかしいと思うのは、私が年寄りだからだろうか?」
クワイ=ガンの性質の悪いところは、まるでと変わっていなかった。
オビ=ワンの瞑った目から、涙が盛り上がった。
「……いいえ、いいえ……。私が馬鹿なのです」
「そうだとも。お前は、馬鹿だ。こんなに身体を傷つけさせて。お前に、お前の作りだした私ときたら、なんて間抜けなんだ。お前の足下で、ただひたすら、眺めているだけだ」
「それは……」
「ああ、分かっている。私の傷つくところなど、見たくなかったんだな。本当に、かわいらしいパダワンめ」
オビ=ワンの足をクワイ=ガンは、持ち上げた。
触手に開かれ、分泌液でぬめる部分へと前を緩めたクワイ=ガンが、ペニスをあてがう。
「お前があんまりいじましいから、私は、触手相手に嫉妬するはめになった」
クワイ=ガンの大きなモノが、オビ=ワンの尻孔を穿った。
ずぶりと、埋められるそこに、オビ=ワンは、激しい歓喜の声を上げた。
「マスターっ! っっぁああぁっ!! マスター!!」
「最初から、そうやって、素直になればいいものを」
「……んんっ、あっ、……マスター」
オビ=ワンの足が、クワイ=ガンに絡みついた。
腸の中で、力強く動かされる師のペニスに、オビ=ワンは、涙を流す。
「触手の方が気持ちが良かったなんて、言うなよ。マイ・パダワン」
「いいえっ! マスター……マスターのほうが、ずっとっ!」
オビ=ワンは、激しく師を求めた。
「かわいらしいことを言う」
クワイ=ガンは、オビ=ワンの足を大きく開かせ、尻に、腰を打ち付けた。
師は、強引に弟子の舌を求め、上も下も、オビ=ワンの中を一杯に支配した。
「あっん! はぅっん……んんっ! んっ」
「何が、年を取っただ。こんな柔らかく、気持ちのいい尻をして」
クワイ=ガンが、オビ=ワンの尻肉を開き、奥深くへとペニスを埋める。
「胸だって、こんなにかわいらしく乳首を立たせて。吸って欲しいのか? マイ・パダワン?」
胸肉を掴まれ、オビ=ワンは、師の首に縋り付いた。
「お願い……マスター、吸って、吸って!」
散々触手にいたぶられたそこを、師は、舌で包み込むようにして、優しく吸い上げる。
「このかわいらしさで、私に身体を差し出そうとしないなど、そっちの方が業腹だ」
「ああっ! マスター!!」
オビ=ワンのペニスを、だらだらと、精液が伝った。
クワイ=ガンのローブに包まれ、オビ=ワンは、高く極めた性感の余韻でぼんやりとしていた。
「……オビ=ワン」
クワイ=ガンが、オビ=ワンの髪を撫でる。
「私が居なくなってから、つらいことが多いか?」
オビ=ワンは、師を見上げ、正直に告白した。
「……はい。マスター……」
もっとも浅ましい姿を師に見せつけたオビ=ワンには、もう隠し立てするようなことは残されていなかった。
「……マスターがお亡くなりになり、辛く、寂しいです。……日々の行方にも迷います。……でも、」
「ああ、マイ・パダワン、お前はよくやっている。ここに残る私など、ほんの小さなフォースの固まりに過ぎぬから、全てのことなどわからぬが、お前の顔をみるだけでも、十分よくやっているとわかる」
クワイ=ガンは、オビ=ワンの唇に褒美のような優しいキスを与えた。
「……マスター」
オビ=ワンが甘えたように、もっと師にキスを求める。
クワイ=ガンは、顔を寄せた。
与えられた唇に、オビ=ワンは、いくつもの口付けをした。
ほおっておくと、きりなく、オビ=ワンは、師の唇を求める。
クワイ=ガンは、苦笑した。
「オビ=ワン。お前、任務を果たす気はあるか?」
クワイ=ガンのローブに包まるオビ=ワンは、返事をためらった。
「……マスター」
オビ=ワンは、任務を果たすことによって、この星を立ち去らなければならないのが嫌だった。
クワイ=ガンの側にいたかった。
もう少し長く、この腕に抱かれていたい。
クワイ=ガンは、オビ=ワンの髭を擽った。
「私は、たしかに、お前が作り上げたイリュージョンではない。だが、生きているというわけでもないんだ。名誉あるジェダイマスターが、いつまでも、過去の亡霊と遊んでいるわけにもいかないだろう?」
「マスター……」
オビ=ワンの目に、涙が盛り上がる。
オビ=ワンは、クワイ=ガンにしがみついた。
「もっと早く素直になればよかった。どんな姿であれ、もっとあなたに愛して欲しいとねだればよかった」
「足りなかったか? マイ・パダワン」
クワイ=ガンが、からかうように、オビ=ワンの目をのぞき込み、笑う。
オビ=ワンは、赤くなり目を伏せた。
「私は、十分に満足させて貰ったよ。パダワン。お前の、あれほどねじれた愛情を見せられて、嬉しかった。ジェダイとしてはあるまじき事だろうが、あれほどの執着をもってお前に愛されている自分を嬉しく思う。お前は、本当にかわいい」
そして、クワイ=ガンはわざわざ伏せられていたオビ=ワンの顔をおこさせ、付け足した。
「触手に犯されるお前も、いやらしくて、すっかり満足させて貰った。生きているうちに、お前が前もああして犯して欲しがっていたことに気付いてやればよかったな」
クワイ=ガンは笑い、満足とともに萎えているオビ=ワンのペニスを掴んだ。
尿道口に、爪を立てる。
「ここを犯されて、とても感じていたな。オビ=ワン。いつから、そういう興味を?」
オビ=ワンは、慌てて腰をよじった。
「いいえ、いいえ。私は、そんなことを望んだりしません」
「ほう、では、あれは、誰の望みだ? 失禁するところを私に見せつけて、悶えていたのは、お前じゃないのか?」
クワイ=ガンのからかいに、オビ=ワンは顔を真っ赤にし、大きな声を出した。
「マスター!!」
クワイ=ガンは、その顔を捕まえ、唇を塞いだ。
「オビ=ワン。愛しているよ」
「マスター……」
クワイ=ガンに連れられ、ヨーダの友人を求め歩いたオビ=ワンがのぞき込んだ岩穴の奥には、赤子が眠っていた。
赤子は本当に生まれ落ちたばかりの様子で、息をしているのかすら危ぶまれるほど小さかった。
「彼が……?」
さすがのオビ=ワンにも、この姿の赤子が、ヨーダの友人だというのは信じられなかった。
赤子は、頼りないほどに小さい。
それは、薄い胸を上下させ、すやすやと寝息を立てている。
「そう、彼が、マスターヨーダの古い友達」
クワイ=ガンはくすりと笑った。
「当てが外れただろう。パダワン。お前、あのいやらしい自分の姿の半分は、彼の意地悪のせいだと、罪をなすりつけようとしていたな」
オビ=ワンは顔を赤くした。
「そんな……」
「彼は、ずっと眠っている。何も知らない。この地を踏んだ人間の心を鏡のように映し出す。だが、今回は、彼のできる最高に意地の悪い真似をした。彼は、自分の友がやって来ず、私ばかりがお前の来訪に喜んだものだから、この地では、使いづらいフォースを更に使い辛くし、私がお前を迎えようとするのを邪魔した」
クワイ=ガンは、オビ=ワンを抱きしめ、赤子の側へと近づいた。
クワイ=ガンの口元には、楽しげな笑み。
「邪魔した罰に、彼にお前と私の仲をみせつけてやろう。オビ=ワン、マスターヨーダからの伝言は?」
「……会い……たかった……と……」
キスで口を利くのを邪魔されているオビ=ワンの発音は不明瞭だ。
クワイ=ガンは、笑った。
「ワンパターンだな。マスターヨーダは」
赤子は、身じろぎ一つしなかった。
しかし、星を覆っていた安らかな緑の呼吸が、なくなった。
空気が乾いた。
遠くにしていた鳥の声もない。
星は、そこかしこに溢れていたオビ=ワンのイリュージョンを閉め出した。
クワイ=ガンは眉を動かした。
「帰れと、言うことらしいぞ。オビ=ワン」
キスをやめたクワイ=ガンは、困ったように笑った。
岩穴の中手を引いてオビ=ワンを赤子の前から連れ出す。
足早に歩く、師に、自業自得とはいえ、随分なセックスを味わったばかりのオビ=ワンは付いていくのがやっとだった。
何故、そんなに急ぐのか、と、オビ=ワンは縺れる足で付いていきながら、師の背中に問いかけた。
振り返った師は、頭を掻く。
「オビ=ワン、私は、殆どが、お前の作り上げたイリュージョンの力で出来上がっている。……つまりな、オビ=ワン、お前を覆っているローブも実は、偽物だということだ。急がないと、お前、裸で、船まで走ることになるぞ」
オビ=ワンは、それを想像し、真っ赤になった。
慌ただしい別れには、もう、涙など介在することがなかった。
クワイ=ガンは、痛みに歩みの遅いオビ=ワンを抱き上げ、宇宙船まで、走る。走る。走る。
オビ=ワンが、勝手に思いつめ、触手などという怪物を産みだし、師を侮辱したことをわびる隙もない。
「マスター!」
無事、船に辿りついたオビ=ワンは、慌ただしく最後のキスを求めた。
船の入り口へとオビ=ワンを下ろしたクワイ=ガンは、肩で息をしている。
「愛している。……私のパダワン。……しかし……その柔らかい身体がその重さなのは……これはもう、仕方がないことなのだな」
暗に昔に比べて肉が付いたと、ほのめかす師は、一つ大きなため息をつくと、しかし、お気に入りの柔らかい身体を抱きしめた。
「マスター!!」
赤子の温情は、師弟にキスまでを許した。
師弟は、ありったけの愛情を込めて、唇を吸い合う。
キスの最中にも、クワイ=ガンの気配が消えはじめ、そのフォースは、また、元通り、バラバラに砕け、星の記憶となっていく。
オビ=ワンの目に涙が盛り上がった。
しかし、クワイ=ガンは、最後まで、性質悪くオビ=ワンをからかった。
「そのいやらしい身体を、見せびらかすのは程々にな。パダワン」
オビ=ワンを覆っていたクワイ=ガンのローブが消えかけていた。
丸裸のオビ=ワンは、恥ずかしさのあまり、船の入り口で、しゃがみ込んだ。
END