薬の効能

 

オビ=ワン・ケノービは、机の上に置いた丸薬にため息をついた。

オビ=ワンは、この薬を飲んでみたい誘惑に駆られている。

薬は、濃い赤色だ。

これを勧めた人物は、にやりと笑ってオビ=ワンに薬を手渡した。

「ジェダイといえども、たまには、羽目を外すことはあるんだろう?」

オビ=ワンだって、羽目を外すことはある。

しかし、これは、どうなのだろう?

「とても、いい気分になれるんだ。なんでも、素直に楽しむことが出来るようになる」

彼の浮かべた笑みは、艶事の予感を含んで、色めいていた。

不安と、それを上回る好奇心で、オビ=ワンは、薬へと手を伸ばした。

そして、薬を飲み込んだ。

 

「……アナキン」

オビ=ワンは、弱々しい声で、ドアの外から弟子を呼んだ。

恐ろしい程の悪寒がオビ=ワンに襲いかかり、師は、歯の根が合わない程、震えていた。

顔は青ざめ、きつく自分を抱きしめた師の目には涙が浮かんでいた。

オビ=ワンは、その場に蹲り、丸まってしまいたい誘惑を振り切り、何とかもう一度、弟子に声を掛けた。

「……アナキン」

オビ=ワンの小さな声が聞こえたらしく、アナキンが部屋の中で動く音がした。

ドアを開けたアナキンは、オビ=ワンの顔色を見て、驚きの声を上げる。

「どうしたんですか! マスター!」

「……すまない。薬を間違えて飲んでしまったようなんだ。……酷く調子が悪い。悪いが、検査をしてくれないか?」

苦しそうに息をするオビ=ワンは、それでもなんとか、笑顔を作った。

「自分では、もう、機械を触ることもできなくて……」

自分の身体を抱くオビ=ワンの手は、震えていた。

いや、腕だけでなく、師の身体全部が震えていた。

アナキンは、がたがたと身体を震わすオビ=ワンを抱きしめ、慌てて部屋へと引き入れた。

どう扱われようと抵抗も出来ずにいる師匠をアナキンは、そのままベッドへと引きずっていく。

アナキンの手が、てきぱきと布団を剥いで、オビ=ワンを寝かせ、その首筋を撫でた。

「まだ、熱は出てないみたいですね?」

「……ああ、……とても寒い……」

オビ=ワンは、潤んだ目で、アナキンを見あげた。

アナキンは、とても心配そうな顔をしている。

師は、弟子に、布団を首もとまで引き上げられながら、芯まで凍えてろくな事の考えつかない頭で、自分のしでかした不始末を弟子の元へと持ち込まなければならなかったことを激しく後悔していた。

好奇心に駆られ、成分の検査すらしていない薬を口にするなど、ジェダイどころか、良識ある人間のするころではない。

しかし、どう、反省したところで、オビ=ワンには、自分では、対処のしようがなかった。

じっと耐えていれば、過ぎ去ってくれると希望がもてるほど、薬の作用は甘くなかった。

もう、オビ=ワンには、手足の感覚すらない。

「マスター、……マスター。返事をしてください。意識はありますか? 辛くても、目は閉じないでください。検査をするため、血液を抜きますよ」

アナキンは、白蝋のような顔色になっている師の腕に注射をするために、布団の中に手を入れ、その冷たさに、自分の心臓までも凍りそうになった。

オビ=ワンの目は閉じようとしている。

「マスター! マスター! ちゃんと返事をしてください!」

「……ア……ナキン」

いつもの健康的なピンクではなく、紫になった師の唇が開いた。

アナキンは、自分を奮い立たせるためにも、オビ=ワンの意識を確保するためにも怒鳴った。

「何を飲んだんですか! マスター!!」

「……薬入れにいれて置いた、赤い……」

「アレ?! 何をしてるんですか!! あなたが言ったんですよ。現地で貰ったものは、決して口にするなって!! マスターがズボラにも自分の常備薬と一緒にするから、俺、あなたに注意しましたよね!!」

師を怒鳴りつけながらも、アナキンは、手早くオビ=ワンの血を抜き、簡易検査機にセットした。

師に背中を向けたアナキンは、それでも、小さな安堵のため息をついた。

「……でも、あの星なら、住人は、ヒューマンタイプだ。それほど酷いことにはならないかもしれない……」

オビ=ワンは、心の底から自分を心配する弟子に、嘘をつく自分に、薄汚さを感じながらも好奇心に駆られて自分から口にしたのだという真実は打ち明けなかった。

「……悪い……頭が痛かったんだ……」

「……本当に、あなたはっ!」

アナキンは、必要以上にオビ=ワンを怒鳴りつけながらも、検査の結果が出るのが待ちきれず、いらいらと検査機を眺めた。

しかし、悠長に検査結果を待っていられる程、オビ=ワンの容態は良くない。

歯の根が合わないほど、師は、震えていた。

布団で暖めたところで、元々の師の体温が低いのだ。

オビ=ワンを包み込む空気自体が暖まらない。

アナキンは、師の布団を剥ぎ、その中に潜り込んだ。

しっかりとオビ=ワンを抱きしめる。

オビ=ワンは、アナキンの肌の暖かさを求めるようにすり寄った。

「ほんとに、あなたはっ!」

アナキンは怒りながらも、必死にオビ=ワンの肌を擦る。

しばらくアナキンがオビ=ワンと同衾していると、師の目がとろりと瞼を落とした。

「マスター? マスター?」

「……眠……い……」

オビ=ワンの言葉は不明瞭になっていた。

しかし、オビ=ワンの肌に色が戻ってきていた。

アナキンが抱きしめたおかげで、と、いうよりも、薬の劇的な効果が切れたのか、オビ=ワンの顔色が戻り始め、呼吸も穏やかなものに変わって来ている。

「マスター、気分は? もう平気なんですか?」

「……ア……ニ……悪……い。……眠い……」

手足に熱を帯び始めた師は、もう、殆ど眠ってしまっていた。

アナキンは、ほっとため息をついた。

オビ=ワンは、先ほどまでの容態の悪さを脱し、アナキンの胸に顔を埋め、眠り始めている。

「……よかった……」

アナキンは、瞼を閉じたオビ=ワンの額へと唇を押しつけた。

低体温が快復したからといって、抱きしめる身体からは、異常な高熱も感じない。

「本当に、よかった。……マスターってば……」

アナキンは、すっかりいつもの顔色で眠るオビ=ワンに、安心してその背を抱いていた。

 

 

オビ=ワン・ケノービは、弟子の腹に乗り上げていた。

師を見上げるアナキンの顔は、呆然としていた。

「マスター……?」

アナキンの驚きも当然だった。

さっきまで、オビ=ワンは、寒いと震え、弟子に散々心配されながら腕の中にくるまれていたのだ。

弟子は、血液検査の結果を待ちながら、容態の悪い師に布団を着せ掛け、少しでも暖めようとぴったりと師を抱きしめていた。

それでも、まだ、オビ=ワンの震えは止まらず、襟から覗く弟子の肌に頬を押しつけ、歯をかちかちと言わせていたのだ。

しかし、僅かの睡眠の後、すっかり持ち直したオビ=ワン・ケノービは、今度は、耐え難い衝動に翻弄された。

自分で、自分の高揚する気持ちが抑えられなかった。

「マスター? どうしたんです? どっかおかしいんですか?」

アナキンが、腰を太腿で挟むようにして、乗りあげている師を心配そうに見あげていた。

それはオビ=ワンにも認識できるのだが、だからと言って、身体を突き上げてくる興奮に逆らうことは出来なかった。

オビ=ワンは、淫らな気持ちのままアナキンの腰に乗り上げていた。

「……ア……ナキ……ン」

オビ=ワンの声がかすれていた。

師は、自分が上手くしゃべれないことがもどかしかった。

何かに突き動かされたように、オビ=ワンはもっと沢山のことがアナキンに話したかった。

それも、できれば淫たらなことを。

どうしてそういう欲求が突き上げてくるのかオビ=ワン自身にもよくわらからない。

そして、なぜか、口が上手く動かない。

開き気味の口から唾液が伝っていくのをオビ=ワンは感じたが、それをずっと気に懸けておくことが出来なかった。

オビ=ワンにも、自分の異常に対する怯えはあった。

だが、それよりも、身体が熱く火照っていた。

それをなんとかしたかった。

オビ=ワンは、乗り上げた鋼のような力強い弟子の身体を太腿で締め付けた。

擦れる布の感触ですら、気持ちがいい。

「っ………アナ……キン」

オビ=ワンの口からは、自然と甘い声が出た。

アナキンの目が師の顔をいぶかしそうに見あげている。

オビ=ワンは、自分がどうかしているのを感じた。

しかし、それがどうおかしいのか、明確にわからない。

思考がそこで留まらないのだ。

それよりも、ただ、ただ、身体が熱かった。

オビ=ワンは、腰の奥深くからこみ上げてくる甘く熱い高まりをどうにかしたくてしかたがなかった。

師は、弟子が欲しかった。

しかし、ジェダイナイトの地位を有する弟子に対して、このような振る舞いをすることは、いくら彼のマスターだったとは言え、許されるものではない。

わかっていたが、オビ=ワンには、やめることなどできなかった。

「……んっふ……ん……アナ……んんっ!」

オビ=ワンは、アナキンの劣情を誘うように、自分の尻を押しつけた。

師は、弟子が呆然と見あげることに、焦れ、苛立ちすら感じだ。

「んんっ!……んっ!」

オビ=ワンは、子供のようにむずかりながら、アナキンを求め、身体を押しつけた。

それでも、アナキンが見あげたままなので、オビ=ワンの手は、弟子の襟から中へと入った。

強引に襟元を割った師の手は、アナキンの胸を這い回った。

オビ=ワンは掌で、よく鍛えられた弟子の胸を愛撫する。

弟子の胸は、早鐘のように鳴っていた。

弟子の乳首を探り当てたオビ=ワンは、それを押しつぶす。

なぜ、アナキンが、自分に手を伸ばしてこないのか、そればかりが、オビ=ワンを苛立たせた。

それでも、霞がかかったようなオビ=ワンの脳裏にも、時に警告の光が点る。

自分がどんな恥知らずなことをしているのかと、羞恥がこみ上げる。

「あっ……」

自分がしようとしていることのあまりの浅ましさに、オビ=ワンは、羞恥のあまりいたたまれなくなった。

涙がこみ上げた。

弟子の目が見ていられない。

しかし、それもすぐに体内で膨らみ続ける欲求不満のフラストレーションに押しつぶされてしまうのだ。

恥ずかしさも、いたたまれなさもあるのだが、師は、それよりも、ずっとアナキンが欲しい。

身体のうずきがどうにも止まらないのだ。

オビ=ワンは、とうとうアナキンの手を取り、自分に引き寄せた。

師は、自分からアナキンの手を襟元から忍ばせる。

その動作が引き金だったように、アナキンが飛び起きた。

「……マスター!!」

アナキンは、嫌がるオビ=ワンを強引に引きはがすと、先程、容態が安定したことに、結果を確かめもしなかった検査器具に手を伸ばした。

弟子は、舌打ちした。

ぐらぐらと骨が抜けたように、ベッドの上に座り込んでいるオビ=ワンを捕まえ、アナキンは、師の目を大きく開かせる。

「やっ!」

小さな子であるかのように頭を振ってアナキンの手から逃れようとしたオビ=ワンの光彩が狭まり、目は、とろりと濡れきっていた。

「……何を飲んだんだ! マスターときたら!!」

その装置は、簡易型のため、出た数値が正確だとは言い難かったが、オビ=ワンの血液は、催淫剤でも盛られたとしか思えない数値が出ていた。

オビ=ワンは、安易にも頭痛薬と混ぜて保管していたようだが、どんな目的だったのか、あの星の住人は、オビ=ワンに淫たらな薬を渡していたのだ。

オビ=ワンは、大きく目見開かせたままのアナキンの指を嫌がって、逃げる。

「やっ! ……やっ!」

身体を大きく振った勢いで、師は、ベッドの上に倒れ込んでしまった。

 

 

「……っぁっ……」

自分を受け止めるシーツの感触すら、今のオビ=ワンには快感だった。

オビ=ワンは、シーツを擦る肌の感触に、目を細めた。

アナキンの視線が、自分を見つめているのかと思うと、それだけで、下腹がもぞもぞとした。

オビ=ワンは、自分の身体を撫でた。

先ほど、アナキンの手が一瞬だけ掠めた乳首の快感を求めて、師は、自分の胸へと手を這わす。

「……っぁん……」

それは、たまらない快感だった。

オビ=ワンは、自分の指で、挟み、こね回してしまう。

師は、その感触にある程度の満足を得たが、まだ、足りないと感じていた。

自分の熱とは別の熱が欲しい。

弟子の手がまだ、自分の側にあった。

オビ=ワンは、弟子の手を掴んだ。

自分に引き寄せ、指を舐ぶる。

硬く整った指先は、オビ=ワンに何故だか、陶酔を与え、師は、夢中になってアナキンの指を吸った。

チュウチュウと音を立て、オビ=ワンは、弟子の指を赤子のように吸い上げる。

それでも、時折、師にも、弟子の目が自分を冷たく見ていると気付ける雲間が訪れた。

オビ=ワンは、泣きたくなった。

しかし、口の中に含んだ指が心地よくて、どうしても舌を絡めてしまう。

それだけで足りなくて、自分で乳首を摘み上げてしまった。

まだ、足りなくて、自分で股間をなで回している自分の姿にぞっとした。

アナキンが、自分をどんな思いで見つめているのかと、身もだえるような羞恥があった。

しかし、薬の力にあらがえない。

薬だ。そう、あの薬……。

しかしそう思う意識すら、飢えの前に、霧散していってしまうのだ。

思うのは、どうして、アナキンが自分に手を伸ばしてくれないのか、ということ。

師は、ただ、ただ、弟子が欲しかった。

オビ=ワンは、弟子に向かって縋るような目を向けた。

 

アナキンは、放っておけば、自分一人でも始めかねないオビ=ワンを見下ろし、苦い顔をした。

「……マスター、やりたいんでしょ?」

「……っん……アナ……キン」

オビ=ワンは、幼児のように舌足らずにアナキンに返事を返した。

オビ=ワンの舌が、アナキンの指に絡み、吸い上げていた。

師は、アナキンが意地悪く喉の奥を触り、苦しくて涙目になろうとも、指を吸うことを辞めようとしない。

薬は、多分、他星人であるオビ=ワンには、効き過ぎているのだ。

過呼吸かと思うほど、激しく息をするオビ=ワンの口は開きっぱなしになった。

だらしなく開いた口から唾液を伝わせた顔は、馬鹿のように見えた。

それとも、セックスマニアか。

いや、もしかしたら、こうやって一時的に知性を奪い、好きなように扱うために用意された薬なのかもしれなかった。

愚かな師は、それも知らず、頭痛薬を間違え服用し。

だが、薬のせいだとは言え、オビ=ワン乱れた姿は、激しくアナキンを誘った。

普段は慎み深いオビ=ワンが、苛立ちながら自分から服を脱ぐ。

立ちあがった乳首をアナキンに見せつけ、そのまま這いずるとアナキンの腰に頬ずりをした。

興奮のあまり早い息をして、閉じきらない口からは、唾液を零し、オビ=ワンは、弟子の股間を汚していった。

オビ=ワンは、シーツへと自分の股間を擦りつけていた。

腰が、セックスの時のように、振り立てられていた。

しかも、アナキンがのってこないことに焦れ、癇癪を起こしたようにアナキンに手を挙げる。

オビ=ワンの手がアナキンの胸を打った。

「ア……ナキンっ!」

オビ=ワンは、回らない口が本当にもどかしかった。

師は、もっといやらしいことを言って、弟子を誘いたかった。

頭の中に渦巻くのは、硬く熱い弟子の肉棒で、自分の尻孔を突き上げられ、それで全てが一杯になっている瞬間。

早くそうなりたいのに、思うように言葉も出てこない。

「……アナ……キン」

オビ=ワンは弟子が欲しかった。

熱いペニスで、尻の穴を大きくひろげて欲しかった。

あの熱く硬いもので、力強く擦り上げられる心地よさ。

それ以外のことが考えられない。

オビ=ワンは、なぜか重く動きの悪い体を、懸命にアナキンにすり寄せた。

弟子の硬い生地で乳首が擦れると、そこが甘く疼いた。

師は、恥も外聞もなく、弟子の身体で盛った。

甘く、オビ=ワンの体臭がアナキンを誘い込もうとした。

「マスター……」

アナキンは、ため息をついた。

「マスター。あなた、本当に迷惑ですよ?」

アナキンは、オビ=ワンの腕を掴んでその口に噛み付くようなキスをした。

 

アナキンのペニスが、オビ=ワンの中を穿っていた。

あまりに何度も昇り詰めるオビ=ワンの様子に、アナキンは、動きを最小限にしていた。

それでも、師の腰はうねり、アナキンから快感を搾取することをやめようとはしない。

もう、オビ=ワンは、顔中を涙とよどで汚し、開いた口は、あえぎ以外には、弟子の名前しか呼びはしなかった。

アナキンは、吸って欲しくて押しつけてくる師の胸に舌を這わせ、赤く濡れている乳首を舐めた。

途端に、オビ=ワンの尻孔が締まる。

びくびくと締め付けてくる尻孔の様子に、アナキンは、オビ=ワンが激しく乳首で感じているのを読みとっていた。

「……っあっ! ……あんっ!……あっ」

自分の髪をかきむしりながら、オビ=ワンが激しく首を振る。

開きっぱなしの口からは、よだれが髭へと伝っていた。

それは、髪までも濡らしている。

アナキンは、緩く腰を突き上げながら、オビ=ワンの乳首を口に含み吸い上げた。

「……あああっ!……あっ!!」

腹の間に挟み込まれているオビ=ワンのペニスがぴくぴくと震えた。

下腹も、陰毛も、もう、ぐっしょりと濡れ、オビ=ワンのペニスは、透明になってしまった精液をだらだらと零し続けていた。

オビ=ワンは、乳首を吸って欲しいくせに、その刺激のあまりのきつさに、胸を隠そうと身をよじる。

アナキンは、師の指の間から見え隠れする乳首を舐めた。

「……やっ……んんっ!……アナ……キン!」

甘い声でオビ=ワンは鳴いていた。

オビ=ワンの大きく開かれた足には力が入り、きつく弟子を捕らえ離さない。

嫌々と、首をふるくせに、オビ=ワンの態度は、まるで逆だった。

アナキンから逃げようともがいている。

しかし、熟れた身体は、汗を光らせ、とろりとろけて、アナキンをくわえ込んだままなのだ。

「……してほしいくせに」

アナキンは、オビ=ワンの指が、乳首を隠しきらないのに、小さく笑っていた。

このままアナキンが長い間乳首を舐めてやらなければ、オビ=ワンは、自分で乳首を弄り出す。

これほど、師が、乳首を責められるのが好きなのだということをアナキンは、今日初めて気付いた。

オビ=ワンの指が、また、乳首を摘む。

 

オビ=ワンは、アナキンの視線を感じて、恥ずかしさに頬に血が上るのを感じていた。

自分の淫乱な態度が、アナキンにどう見えているのか、それが気に掛かる。

なのに、赤く腫れ上がったような乳首を摘み、揉むことをやめることはできなかった。

あの、薬……あの薬……が。

この言い訳は、もう、オビ=ワンの中でどれほど繰り返されただろう。

「……んんっ、あっ……」

意地悪く、アナキンが自分のことを見下ろしているのを感じながらも、オビ=ワンは、自分で自分の乳首を引っ張る。

爪の先で摘むと、痛みにも似たつんとした快感が、乳首から腰に向けて走った。

また、どくりとペニスから薄い精液があふれ出し、アナキンの腹を汚してしまう。

アナキンのペニスをくわえ込んでいる尻孔は、もう、弟子の形にぴったりと張り付いていた。

オビ=ワンは、尻を突き上げられ、乳首を吸われ、また、激しく身体を震わす。

「……も、……む……り。……も、だめ……アナ……キ……ン」

師の声は、とっくに掠れてしまっている。

しかし、アナキンは、オビ=ワンを離さなかった。

「じゃぁ、少し緩めてください。誰ですか?こんな物欲しそうに、きゅっと締め付けては離そうとしないのは」

アナキンは、すっかり湿った尻孔のなかを力強くペニスで抉りながら、反り返り突き出された師の胸を吸った。

「ああっ! ……んぁぁっ!!」

「わかってますか? 俺、少し怒ってるんですよ? こんな薬貰うなんて、マスター、あなた、自分が狙われていたって自覚がありますか?」

もう、いやいやとしか首を振ることができないオビ=ワンを、まだ、アナキンを追いつめる。

「俺以外の誰かの前で、あなたがこの薬を飲んでいたらと思うと、どのくらい俺が苛立つか、マスターあなた、わかりますか?」

「……あんっ!……んっ……んっぁんん!!」

今、オビ=ワンに分かるのは、弟子から与えられる快感だけだった。

欲しかったものが、十分に、いや、十分以上に与えられ、オビ=ワンは、開けた口から赤い舌を見せたまま、大きく仰け反っている。

汗でぬるつく足は、弟子の腰をきつく挟んでいた。

うなじには髪が張り付いている。

そこを弟子が噛む。

オビ=ワンは甘く叫ぶ。

「嫌っ、痛っ……」

泣く声も甘くて、アナキンは、ますます師を離さない。

師の腕も、アナキンの背を抱き離さない。

「ア……ナキンっ。んぁっ!!……んんっ、っぁ!……アナキンっ!」

薬が防備を取り去った今、オビ=ワンは、ただ、弟子を求めるだけの生き物だ。

 

 

ぐったりとベッドに倒れ込んでいるオビ=ワンをアナキンは、抱き締めていた。

調子よくセックスを楽しんでいたはずだったが、アナキンがオビ=ワンの発熱に気が付いた。

潤んだ目をして嵌められたペニスを引き抜かれるのを嫌がった師だったが、未知の薬をオビ=ワンが服用している以上、効能以外の容態の変化に、アナキンは注意を払う他ない。

汚れた師の身体をぬぐってやり、着せかけるものといえば、来ていた服が一番手近だったので、それを着せ、アナキンは、また、師を抱き締めながら横になっている。

発熱といっても大したことはないので、それなりの満足を得た後の師は、とても幸せそうな顔で、アナキンの胸に顔を埋めている。

「マスター、しゃべれますか?」

「……」

オビ=ワンは、実は、発熱した辺りから、すっかり意識を自分の手に取り戻していたが、まだしらを切っていた。

セックスの充足感で重くなった体を弟子に預け、甘えた声で、アナキンと、呼びかけては、顔を擦りつけている。

師が未だ、薬の支配下にあると思いこんでいるアナキンの手はオビ=ワンの背中を、頭を、優しく抱く。

師は、甘えた声でアナキンと呼びかけながら、頬をすり寄せる。

唇が繰り返したキスのせいで、赤くはれぼったくなっていた。

今は、服に隠された乳首は、赤く色づいてしまい、痛そうなほどだった。

アナキンは、まるでただの恋人を抱き締めるように、無造作に、師を引き寄せ、背中を撫でる。

「マスターは、用心深くない馬鹿ですけど、大好きですよ」

アナキンは、とろりとした目で、無防備に口を開けたままの、いわゆる薬がまだ効いたままのオビ=ワン・ケノービの額に口づける。

だがそれは、オビ=ワンが思っていたよりも、ずっと情熱的で、熱い唇だった。

アナキンの腕が、強くオビ=ワンを引き寄せる。

「……いっそ、このまま馬鹿のままだったらいいのに」

弟子は、強く師を抱き締めたまま、悲しいようなため息をつく。

「わかってますか?こんなに弱いとこ見せて……このまま俺だけのものにできれば……いいのに……」
 アナキンの声は、真実を含んで重い。

「……アナキン……」

 あらがえなかった好奇心から薬を飲んだ師は、強くアナキンを抱き締めた。

 

 

 

END

 

 

アヤコさんに絵を頂いて、有頂天になったのはいいけど、なぜか、上手く話が書けず、3週間近くもかかっちゃいました(汗)

ごめん。待たせすぎました。アヤコさん。

ホント、こんな素敵な絵をありがと〜〜v