*共感を呼ぶ一言

 

オビ=ワンたちは、ジェダイテンプルの親交大使として、その場に臨んでいた。

「我々ジェダイの性質は、戦場の英雄と捉えられがちですが、決してそんなことはありません」

子供たちを相手にオビ=ワンは大真面目に演説をぶっている。しかし、いまひとつ、子供たちの反応がよくない。困ったオビ=ワンは、ちらりと隣に立つアナキンに目をやり、すると、ひらめいたことがあった。

「私たちジェダイは、とても平和を愛しています。決して戦争を望む存在ではありません。戦争は物事を複雑にします。複雑化の一例としては、歴史の暗記年号が増えるということがありますが……」

子供達は拍手でオビ=ワンを迎え入れた。

 

 

*お腹が減った

 

降り立ったこの星は食料に乏しかった。

「アナキン、ちょっとした算数の問題をしよう。お前、いくつりんごを持っている?」

「3つです」

「私が一つくれと言ったら、いくつになる?」

「3つです」

にべもないアナキンの返答に、オビ=ワンは、がっくりと肩を落とした。はぁっと、ため息をつく。

「マスター・クワイガン。私はあなたから託された大事な子供を導き間違えました。どう許しを請えばいいのか……」

「あなたが最初から、下さいとお願いできてたら、きっと弟子の性根は曲がらなかったと思いますよ」

「ああ、マスター・クワイガン。我が弟子は、とうとうあなたのことまで非難しはじめました。どうしてこの子はこう……」

さめざめとオビ=ワンは泣き真似を始める。

「オビ=ワン。りんごをあげたら、黙っていてくれますか?」

「3つくれたら黙っててやる」

 

 

*……え?

 

作戦中の行動が問題視されたアナキンはとあるマスターの部屋へと呼び出しを受けた。やっと放免されると、心配顔のオビ=ワンが立っていた。

「どうだった。アナキン?」

アナキンはオビ=ワンに優しく語りかけた。

「大丈夫。彼女は好みじゃありません」

 

 

*恥ずかしくって

 

近頃では、アナキンもずいぶん落ち着いてきたらしい。しかし、まだオビ=ワンは、アナキンのマスターとしてテンプルに顔を出さなければならない時、偽名を使っているらしい。

 

 

     あっ、そうだ。

 

アナキンは、別惑星で出席した会議の報告書を提出しておらず、至急提出するよう急かされてしまった。しかし、会議は随分前のことであり、キーボードを前にいくら唸ってみたところで、何も思い出せない。長い間、白い画面を見つめていたアナキンに、ひらめきが訪れた。

「諸事情により会議は中止」

アナキンの顔は晴ればれとしていた。