僕の好きなマスター 3

 

「どうです? マスター気持ちがいいですか?」

アナキンの指は、濡れた師匠のヘアーを撫でていた。

アナキンが触れるたびに、師匠の顔は、甘ったるく解放されていく。

「……っぅ……ん」

オビ=ワンは、小さくうなずいた。

オビ=ワンの体には、汗の玉が浮かんでいた。

頬がほんのりと赤い。

「もっと?」

アナキンは、すこし力を入れながら、ヘアーをかき回す。

師匠のそこはすっかりと濡れ、かき回すアナキンの指に、泡立っていた。

肌は、柔らかくアナキンを受け入れ、すっかり、オビ=ワンは、弟子に体を預けている。

最初にアナキンが垂らしたものは、すっかりと師のそこに馴染み、幾度もの刺激で泡まで含んで、でアナキンの指を濡らしていた。

アナキンは、師の顔を見つめながら、指を動かす。

オビ=ワンの唇が薄く開いていく。

あけられた唇からは、甘く満足度の高いため息が聞こえる。

濡れたオビ=ワンのヘアーは、柔らかく、アナキンの指にも心地よい。

「マスター。黙ってると、もっとやっちゃいますよ?」

オビ=ワンの重いまつげが、時折ぴくぴくと動いていた。

快感に身を任せた師の姿は、愛おしい。

心地良さそうな師の顔につられ、つい、アナキンは、力を入れた。

「……っぁっ!」

オビ=ワンがあわてたように唇を噛んだ。

アナキンは、濡れたそこから、はっと手を引く。

「痛かったですか?」

「……平気……だ」

オビ=ワンは、慌てて弟子を見上げる。

オビ=ワンが、唇を噛んだわけは、痛かったからではなかった。

実は、その反対だ。

そこを力強く、もっと……と、ちょうど望んでいた場所にアナキンの指が触れたのだ。

オビ=ワンの口からは、思わずはしたなくほどの、声が漏れそうだった。

「本当に平気ですか? マスター?」

恥知らずにも「もっと……」と弟子にねだってしまいそうになり、オビ=ワンは、強く唇を噛んだ。

しかし、見あげる師の目は、正直で、しっとりと濡れて、アナキンの指での刺激を望んでいる。

アナキンの指が、オビ=ワンの濡れて泡立つ部分へと戻った。

「平気? マスター?」

そろり、そろりと、弟子の指が、オビ=ワンの肌を刺激する。

もどかしい刺激に、オビ=ワンの腰が揺れる。

「……っ、う・うん……」

アナキンは、オビ=ワンの心地よさを伝えて、次第に口元が緩んでいくのを観察しながら、時折力を入れ、そこで指を動かした。

柔らかな肌を傷つけないよう、整えられたアナキンの爪は、オビ=ワンに心地よい刺激ばかりを与えた。

オビ=ワンは、恥ずかしそうに、目を伏せたまま、そっと小さな声を出す。

「……っぁ……アナキン、そこ、いいっ……」

オビ=ワンの太ももがすり合わせられた。

いつのまにか、心地よさのあまり開いてしまっていた足が恥ずかしくて、オビ=ワンは、腰をよじる。

アナキンは、顔まで隠そうとして首をひねった師匠にくすりと笑った。

「それは、良かった。マスターが俺のシャンプーにそんなに満足してくれて、俺、うれしいですよ」

 

 

弟子は、すっかりあわ立った師の髪をシャワーで流す。

師匠は、うっとりと目を閉じて、弟子にすべてを任せていた。

細かな泡がオビ=ワンの首筋に、胸元へと流れていく。

師の前を隠すタオルが、中からペニスに押し上げられ、ぷっくらと浮かんでいた。

格好よくも、気遣いのできるオビ=ワン最愛の弟子は、さりげなくそれに気づかない振りで、師の髪からすっかり泡を流し終える。

弟子は、師の美しい金色の髪をタオルに包んだ。

「はい。では、今日、任務の報告をマスターだけに押し付けた分のご奉仕は、終わりですからね」

アナキンは、どうせ何か文句を言われるに決まっているウインドゥへの報告をオビ=ワンに押しつけた。

雨のなか、仕方なく、報告に赴いた師匠は、アナキンのシャンプーを望んだのだ。

「……アナキン」

残念そうなオビ=ワン声が浴室に響いた。

髪を包んでいたタオルは、オビ=ワンの目の上をも覆った。

「マスター。ちょっとだけ、動かないで」

師の目をふさいだまま、弟子は、そっとオビ=ワンの唇に唇を押し付ける。

ヌードで甘える師匠を目の前に、耐えて見せる弟子が自ら決めた自分へのご褒美だ。

「っ! アナキン!!」

オビ=ワンは、自分の身に信じられない幸せが起こったような気がして、バスタブの中でおぼれてしまいそうなほど、慌てた。

だが、しれっとした、弟子は、真っ赤になったオビ=ワンの目の前には、泡のついた指を差し出す。

「マスター。お口に、泡がついてましたから、ぬぐっておきました」

「……アナキン……」

なんだか、残念そうなオビ=ワンの顔にくすりと笑いながら、自分がいる限り、バスルームから出られないだろう状態の師のために、弟子は、バスルームを後にする。

 

パダワンたちの憧れの的であるオビ=ワン・ケノービ。

実体は、アナキンの愛にも気づけないただの鈍感。

……師匠、いつまでも、バスタブのなかで、うっとりシャンプーの感触を反芻したら、ゆだっちゃいますが、大丈夫ですか?

 

END