金曜、夜

 

ヴィゴは、広くなったベッドの気配に目を覚ました。

まだ、夜中だ。

さっき眠ったばかりな気がしていた。

ショーンを腕の中に抱きしめて、そのまま眠った。

寝苦しそうにしていたが、離さなかった。

ヴィゴは、目を瞑ったまま、ベッドの上を手で探った。

温かなぬくみの丸い身体は無い。

ヴィゴは、シーツの中で、しばらく、眠気と戦い、唸ってみた。

だが、やはり、いない恋人のことが気にかかり、ベッドから起きた。

廊下にでて、トイレの明かりを確かめても、暗いままだ。

 

「ショーン。なにしてるんだ?」

ショーンを探して、家の中を歩き回ったヴィゴは、キッチンに明かりが漏れているのを見つけた。

ぼんやりとした光は、冷蔵庫のものだ。

それ以外は、真っ暗で、モーター音だけが、低く唸っていた。

「…驚いた。急に声をかけるなよ」

びくりっと、大きな背中を強張らせ、ショーンは振り返った。

冷蔵庫の光で照らし出されるヴィゴの見て、胸を押さえ、大きな息を吐き出した。

「急にって…じゃぁ、どうやって、声をかけたらいいんだ?」

「…まぁ、確かに、そうだが…」

ヴィゴは、あくびをしながら、ショーンに近づいた。

ショーンは、背中から、冷蔵庫の光に照らされ、照れ笑いを浮かべた。

「…腹がすいてさ」

「う〜ん。でも、何かあったか?」

ヴィゴへと向き直ったショーンを抱きしめながら、空いたままの冷蔵庫を覗き込んだ。

冷蔵庫の中は、煌々と電気がついている。

ものがないから、余計に明るい。

「見事に、空っぽだな。夕べ、買い物した時も、朝飯の心配するだけで、一杯、一杯だったからなぁ」

撮影は、深夜までかかることが多くなった。

上手く、営業時間中に店に寄れたということだけで、ありがたかった。

ヴィゴが顎を乗せているショーンの肩が、笑った。

「なぁ、ヴィゴ。あの籠に載ってるパン。食ってもいい?」

「俺が、来なきゃ、勝手に食おうとしてたくせに」

それだけじゃ、つまらないと、ショーンは、冷蔵庫も漁っていたのだろう。

だが、冷蔵庫の中はろくなものがない。

「だって、腹が減ってさ」

ヴィゴは、抱きしめていた手をするすると尻へと落とし、ショーンの肉をたぷたぷと揺すった。

ショーンは、嫌がって、前に進んで逃げようとした。

それはちょうど、ヴィゴに向かって進むことと同じで、ヴィゴは、押しやられるように後ろへと下がりながら、たっぷりと肉のついた尻をもみつづけた。

ショーンは、口を曲げたまま、じろりとヴィゴを睨んだ。

「何が言いたい?」

「別に?ここんとこ、撮影がハードだから、ちょっと落ちてきてたし、ちょうどいいんじゃないか?」

ヴィゴは、曲がった口にチュウっと、キスをした。

「ショーンは、何を、探してたんだ?」

「パンにつけるもの…かな?」

ショーンは、それ以外のものだって、探していたはずなのに、ヴィゴがからかうせいで、少しだけ見栄を張った。

ヴィゴは、それだけだって、からかう種にしてしまう。

「やっぱり!ショーンは、俺に内緒で、せっかく買っておいた明日の飯を平らげちまう気だったんだな」

ショーンが、ますます口を曲げた。

ヴィゴは、手を伸ばして、冷蔵庫を閉めた。

蜂蜜も、マーマレードも、冷蔵庫には入れていなかった。

部屋の中は真っ暗になってしまう。

ヴィゴは、もう一度、ショーンにキスしようとした。

「なぁ、ヴィゴ。卵も食っていい?」

ショーンは、近づいて来る顔に気付いているはずなのに、そんなことを言った。

「…ショーン。暗い部屋で、恋人と抱き合って、言う事はそれ?」

「ゆで卵が食べたくなったんだ」

暗闇になれたヴィゴの目には、ショーンがにやりと笑うのが見えた。

からかったせいで、キスはお預けのようだ。

「…わかった。作ってやるから、明かりをつけて、テーブルに座れ」

からかいすぎたか、と、ヴィゴは、もう一度、冷蔵庫を開けて、中から卵を取り出した。

 

「おい…」

ショーンは、勝手にパンを千切った。

ヴィゴが止める間もなかった。

ヴィゴの家に、ナイフがあることだってショーンは知っていたはずだった。

「だめか?」

とても大味に切り分けられたパンは、そのままショーンの口に入った。

一口食べて、ショーンは、ヴィゴが棚から取り出した蜂蜜の壜を取り上げた。

鼻歌まじりに、壜の蓋を回している。

この真夜中に、ショーンに対し、テーブルマナーを求めることをヴィゴは諦めた。

やかんをコンロにかけたまま、もう一度、棚を覗いていたヴィゴは、小さな壜を手に振り返った。

「ちょっと待った。ショーン。もうちょっと変わったものがあった」

だが、もう、遅かった。

ショーンは、スプーンも使わず、壜を傾け、蜂蜜をパンに垂らしている最中だった。

たっぷりと蜜を垂らしている。

「…ショーン。そんなに腹が減ってるのか?」

ヴィゴは、コーヒーが沸くのも待てないショーンに呆れた声を出した。

ショーンは、ヴィゴの手の中のものを見て、興味を引かれた顔をした。

「メイプルシロップ?でも、2枚は無理かなぁ…ヴィゴ。半分ずつにしないか?」

ヴィゴは、机の上に壜を置き、待ち切れなさそうなショーンのために、インスタントのコーヒーを入れた。

自分の分にも湯を注ぎ、ショーンの向かいにカップを置く。

「俺は、コーヒーだけでいいよ」

「…そうか…残念だ」

ショーンは、メイプルシロップ壜の蓋を開け、くんくんと匂いを嗅いだ。

台所に、蜂蜜と、メイプルシロップの匂いが混じり、強烈に空気が甘くなる。

コーヒーの匂いが、負けていた。

ショーンはその匂いの中で、幸せそうだ。

「甘そうな、いい匂いだな」

「あんたの匂いにはまけるけどな」

ショーンは、ヴィゴの言葉など鼻で笑って、蜂蜜のべったりと付いたパンに齧り付いた。

パンから零れる蜂蜜を指先で拭い、舐っている。

「おいしい?」

「食べたいのか?」

ヴィゴは、ショーンが食べ終わるのを待って、コーヒーに甘味を貰うため、ショーンに口付けた。

 

舌が、くたびれるほど、ショーンにキスをしたヴィゴは、テーブルの上に、力の抜けたショーンを乗せた。

ショーンは、口の中の甘味を、ほぼヴィゴに嘗め尽くされてしまったが、自身が甘くなっていた。

ヴィゴは、コンロにかけていた卵の火を消した。

ショーンは、今のところ、ゆで卵を食べなくとも、満腹そうだ。

戻ってきたヴィゴがショーンを抱きしめようとすると、ショーンが緩くヴィゴを押した。

「…ヴィゴ。さっき、したばっかりだ」

「知ってるよ。でも、ショーンだって、したいだろ?」

ヴィゴと、ショーンは、このキッチンに辿りつく前、ベッドの上で愛し合った。

ヴィゴは、ショーンの耳にキスをした。

「俺は、ショーンの食事姿に、欲情したけど、ショーンは、俺がコーヒーを飲む姿に欲情しなかった?」

「そんなのするもんか」

もう一度、抱きしめると、ショーンは、ヴィゴにもたれかかるようにして、体を預けた。

ヴィゴは、ショーンの耳を甘噛みした。

「でも、ショーン、してもいいって顔してるけど」

「ヴィゴが、勝手にそう思ってるだけだ」

「嘘だよ。あんた、乗り気な顔してる」

「……そう思うなら、さっさとすればいいじゃないか」

ショーンは、ヴィゴの髪を掴んで、乱暴に撫でた。

 

ヴィゴは、ショーンの頬に何度もキスをしてから、ショーンをテーブルの上へと押し倒した。

テーブルの上は、ショーンがパンを千切ったときに落ちたパン屑で汚れていた。

「…ベッドに戻らないのか?」

「そういう野暮なことを言うのは、焦らしたいからか?ショーン」

ヴィゴは、ショーンの言葉に取り合わず、さっさとショーンを脱がしにかかった。

足から短パンを抜かせ、下着の上から、ペニスを撫でた。

ペニスは、少し、大きくなっていた。

「どこが、さっきやったばっかり?」

ヴィゴは、もっと大きくするために、布の上から、撫で摩った。

尻まで、テーブルに載せられているショーンは、床につかない足を、ヴィゴの腿に絡めた。

「だって、本当に、さっきやったじゃないか」

「満足してないみたいだけど?」

ヴィゴの手の中で、ショーンのものは、むくむくと大きくなっていた。

「だから、さっき、もっと?って、聞いただろう?ショーン?」

「ヴィゴは?」

ショーンは、横になったまま、手を伸ばして、ヴィゴの股間を触ろうとした。

話題を反らすショーンに、ヴィゴは、体を引いて、ショーンの手を避けた。

ヴィゴは、ショーンの下着に指をかけ、ずるりと、下ろしてしまう。

テーブルの上に、蜂蜜よりも、まだ、つややかなショーンの金色の陰毛が照明を受け、光った。

ヴィゴは、大きくショーンの足を開いて、まだ、柔らかいはずの穴をしげしげと見た。

さっきまで、ヴィゴが、ペニスを出し入れしていたせいで、少し赤くなっていた。

窪んだそこは、セックスの後、シャワーを浴びに消えてしまったショーンのせいで、すっかり清潔な匂いをさせていた。

短い産毛で、うっすらと覆われていた。

ショーンは、ヴィゴに、そこを、見られたり、触られたりすることは諦め、受け入れていた。

けれど、恥かしいのか、そういうことをすると、必ず、顔を隠してしまった。

今も、目の上に腕を置き、ヴィゴの視線に耐えている。

ヴィゴは、そんなショーンを見下ろした。

「今度は、ショーンの指を入れてみようか」

「え?」

「だって、ここに触るのいつも、俺ばっかりだろ?」

ヴィゴが弄りだすのを待っていたショーンは、驚いた。

あまりに、驚いたのか、腕をずらし、ヴィゴを見上げていたショーンは、ヴィゴと目が合った途端、慌てて目を反らした。

ヴィゴは、片手で、ショーンの腿を押さえて、大きく開かせたままにし、もう片手でショーンの手を取ると、チュッと音を立ててキスをした。

「ショーン。こっちを向いて」

「…なんでだ?」

「そんなの、ショーンの顔が見たいからに決まってるだろ?」

ヴィゴは、ショーンの腿を撫でながら、ショーンの甲に舌を這わせた。

「いつでも、俺は、ショーンの顔が見ていたいよ」

口説き文句に、ショーンは舌打ちした。

決まりの悪そうな顔をしながら、ショーンは、ヴィゴを見上げた。

ヴィゴは、ショーンの指を口に含んだ。

爪の間の柔らかいところも、丁寧に舐め、ショーンの官能を擽った。

ショーンの目が、僅かに細められた。

いいと、感じている顔だった。

「ショーン。気持ちいい?」

ショーンは、ただ、じっとヴィゴの顔を見ていた。

細められた目の色に、ヴィゴは、ショーンが心地よく感じていることなど、わかっていた。

だが、口に出して同意して欲しかった。

ショーンの唇は、開かない。

「ショーン。この指、中に入れてみよう。俺に、ショーンが一番感じるところを教えてくれ」

ヴィゴは、もう一度、ショーンにして欲しいことを言った。

ショーンは、少し睨むようにして、ぷいっと顔を反らした。

ヴィゴは、指を軽く噛んだ。

「ショーン。あんた、どうして、そんな初心な真似ばかりするんだ?俺が、そういうの、好みだと思ってる?」

「恥かしいこと、言うな」

「別に、恥かしくなんかない。あんたの体のことだ。一番よくわかるだろう?教えてくれよ」

ショーンは、顔を反らしたまま、ヴィゴと視線を合わせようとしなかった。

ヴィゴは、ショーンの手を取り、太腿の付け根を触らせた。

「ちょっ、…ヴィゴ!」

ショーンは、そこは、ただの足でしかないのに、慌てたように手を引こうとした。

腰を捩って、ヴィゴの押さえていない方の足をぱたりと倒し、何もかもを隠そうとした。

ヴィゴの手と、ショーンの手は、腿の間に挟まれた。

ショーンは、テーブルの上で、半身になった。

足も引き上げ、狭い場所で、丸くなろうとしていた。

やっと、ヴィゴを見たが、その視線は、きついものだった。

ヴィゴは、一旦ショーンに強要するのを止め、大きく腿を開いた。

ショーンは、また、顔を腕で覆った。

足の力を抜き、ヴィゴが広げるままに、大きく足を開いた。

ショーンは、セックスに同意していた。

だが、自分から、積極的に関わろうとはしなかった。

「ショーン。もっと、正直になってくれていいんだぞ?」

ヴィゴは、ショーンの膝にキスをした。

ショーンが匂いを嗅いでいた、メイプルシロップの壜を取った。

ショーは、シロップの匂いに鼻をぴくぴくとさせた。

腕を持ち上げかけたが、ヴィゴの視線に掴まるのが嫌なのか、結局、目を開けなかった。

しきりに、あまいシロップの匂いに反応して鼻を動かしている。

「俺と、やれない時は、自分で弄ったりするだろう?」

ヴィゴは、指先に、シロップを垂らし、ショーンの穴に擦りこんだ。

ショーンは、指が潜り込んでくることを待っている。

返事は返さない。

ヴィゴは、綺麗に切りそろえ、角まで取った爪の先で、寄っている皺を弄った。

「ショーン。俺は、あんたのこと、感じさせてやるために、手間を惜しむつもりはないけどな。でも、もっと、俺にいろんなこと教えてくれたら、きっと、あんたの好きなこと、沢山してやれると思うぞ」

ヴィゴは、ショーンの穴の中に指を潜りこませた。

 

 

「ちょっ、まて、お前!なにして!」

ヴィゴは、這いずって、逃げだそうとしたショーンを捕まえた。

ショーンは、ヴィゴのペニスで体内を擦り上げられ、精液を吐き出した後だった。

ヴィゴもショーンの腹の上に精液を出した。

それを、綺麗に拭ってやり、テーブルの足にもたれかかって、床に座り、ショーンを胸の中に抱き込んでいた。

ヴィゴの手には、卵が握られていた。

ショーンの体を拭うため、タオルを絞った時に、ついでに、鍋の中から取り出して、殻をむいた。

ショーンは、ヴィゴが食べるのかとでも、思っていただろう。

ヴィゴは、ショーンの腰を強く抱き、片膝をついた自分の膝の上にショーンの腹を載せた。

手に握った卵の先をショーンの穴に擦り付けた。

真っ白な卵が、黄金色に汚れた。

「やめっ!こらっ!」

大きな尻の間は、先ほどのメイプルシロップで、甘い匂いをさせながら、ぬちゃぬちゃと濡れていた。

先ほど、ヴィゴは、わざとここを拭わなかった。

ショーンは、自分から、拭ってくれと言い出しはしなかった。

いつも、そうだ。

ショーンは、あまり、多くの要求をしない。

口にするのは、ヴィゴが望むなら、という同意ばかりだ。

ショーンの尻は、甘ったるいいい匂いをさせていた。

ヴィゴは、ショーンから、正直な欲求を引き出したかった。

四つん這いにさせたショーンの尻を、ヴィゴはくんくん嗅ぎまわった。

シロップの匂いは、暴力的なまでに甘い。

「何、考えてるんだ!」

ヴィゴが、卵の先で、メイプルシロップを塗り広げていくと、ショーンの足が、何度も床を蹴った。

ヴィゴの腕の中で、派手に暴れる。

「考えてることなんて、ショーンのことくらいだ」

ヴィゴは、顔を引っかかれながらも、なんとかショーンを押さえ込んだ。

片手では、無理だったので、卵は、一旦床に置いた。

ショーンは、盛り上がった尻を、突き出した格好で、激しく左右に揺さ振った。

今のヴィゴには、ショーンの格好を笑ってやれるほどの余裕はなかった。

だが、ショーンの姿は、子供がむずかっているようで、かわいらしかった。

ショーンは、噛み付きそうな顔をして、ヴィゴを睨んでいた。

四つん這いのまま、載せられたヴィゴの足に爪を立てた。

ヴィゴは、ショーンの背中にキスをした。

突き出している丸い尻にもキスをして、ショーンを丸め込みにかかった。

ショーンが、強く床を叩いて、抗議するので、尻から顔を上げて、しきりに首を振っている頬にキスをした。

「ショーン…」

ショーンの頬は、先ほどまで蕩けていたとは思えないほど、強張っていた。

ヴィゴに対して、怒っていた。

そして、させられるかもしれないことに、怯えていた。

一個卵が、ショーンを激しく怯えさせていた。

「嫌?」

「当たり前!」

「なんで?」

ヴィゴは、ショーンの顔じゅうにキスを降らせた。

「大丈夫だよ。間違いなく入るから」

床の上に置いたゆで卵をじっとみて、ヴィゴは言った。

ショーンの体に押しつぶされている自分のものと比べて、直径だって、それほど大きすぎるということはない。

「違う!そういう心配をしてるわけじゃない!」

ショーンは、両手で、ヴィゴの顔を押し戻そうとした。

「なんで?すごくそそるじゃないか」

「変態!」

ヴィゴの頬を、ショーンは打った。

体勢が悪いせいで、それほどの威力はないが、痛い。

ヴィゴは、顔を顰めながら、ショーンの両手を床に押し付けた。

逃げられないよう、膝と腹で、ショーンを挟んでしまう。

「卵を産んでくれってお願いは、そんなに嫌?」

ヴィゴは、ショーンの耳を噛みながら、囁いた。

「嫌に決まってるだろう!」

「大したことじゃないだろ?ちょっといれて、出してくれればいい」

「絶対に嫌だ!」

ショーンは、何度も勢いをつけて、ヴィゴの拘束から抜け出そうとした。

ヴィゴは、そのたびに、ショーンを強く拘束した。

「大丈夫。ちょっとの間のことだから」

「何が、ちょっとの間だ!嫌だって言ってるんだ!」

「でも…」

ヴィゴは、片手で、ショーンの手を押さえ、もう、片手を尻穴へと伸ばした。

甘く濡れているそこをくちゅくちゅとかき回す。

「きっと、おいしく食べられると思うんだ」

ヴィゴに散々かき回され、緩くなっている穴は、2本の指など、簡単に飲み込んだ。

ヴィゴは、ショーンを中から懐柔しようとした。

甘ったるい穴を指で広げながら、ぐっ、ぐっと、指を押し込んだ。

ショーンは、激しく尻を振って抵抗した。

だが、繰り返すと、ショーンの尻が、反射のように、ヴィゴの指を強く締めた。

ヴィゴは、ぐるりと周囲をなぞるようにして、奥で指をめぐらし、ショーンを焦らした。

一度は行き過ぎた部分に戻ると、そこで、小刻みに指を動かした。

そこが、いいのは、わかっていた。

ヴィゴの足に押し付けられているショーンのペニスが、硬くなった。

さっき、一回いったばかりだというのに、じわじわと血を集めている。

悔しそうなショーンは、顔を上げようとしないが、それほど力を入れていなくとも、逃げなくなった。

小さく、長く刺激した部分から、指を抜こうとすると、ショーンが尻を突き出す。

「気持ちいい?」

「……」

「もっと?」

ショーンは答えなかったが、ヴィゴは、もう一度指を戻し、強く、中から押した。

ショーンの体が、膝の上で跳ねる。

ヴィゴは、金色の髪から覗く形のいい耳に唇を寄せた。

「ショーン。もっといいもので、ここ、して欲しいだろ?」

ショーンは、いやいやと、首を振った。

ヴィゴはショーンの耳を甘噛みしながら、強く、緩く、刺激を続けた。

ショーンのペニスは、もうすっかり硬くなって、ヴィゴの足に触っていた。

「いいだろ?ショーン。卵、入れても?」

ショーンは、まだ横に首を振りつづけていたが、ヴィゴは、床から卵を取った。

 

ヴィゴは、出しやすいようにと考え、卵の先の尖ったほうを後から入れることにした。

指で、大きくショーンの尻を割り、メイプルシロップが溢れ出している部分に、卵をぐりぐりと押し付ける。

穴が大きく口を開いた。

白い卵をピンクの肉が飲み込んでいく。

ヴィゴは、その部分に顔を寄せ、甘いメイプルシロップの匂いを胸一杯に吸い込むと、ショーンの陰毛をべたつかせている液体をペロリと舐めた。

「あっ…」

屈辱に震えながら、きつく閉じていたショーンの唇が開いた。

ヴィゴは、そのまま、捲れあがっている粘膜のピンクを舐めた。

白い卵を飲んでいる様子は、下品なまでに、淫猥な眺めた。

ヴィゴは、ゆっくりと卵を押し込んでいった。

中太りになる卵に、なかなか、簡単に飲み込むということができない。

せっかくの卵が壊れないように、ヴィゴは慎重に、作業を続けた。

V字にした指先で、穴の淵を両方へ引っ張り、少しでも手助けをする。

「ショーン。力を抜いて。まだ、締めちゃだめだぞ」

「ヴィゴ…いやだ…」

「平気だ。大丈夫だよ。ショーン」

ヴィゴは、ショーンの尻を撫でた。

尻は、酷く力が入っていた。

「嫌だ…気持ち悪い…」

ヴィゴは、ショーンの顔を見た。

ショーンは、きつく眉を寄せていた。

「この位、大丈夫だろ?」

「いや…だ」

「なんで?痛い?」

「………食べ物は…嫌だ」

ショーンは、強く手を握りこんで、床に四つん這いになっていた。

卵は、もう、一番太い部分を通過していた。

ヴィゴは、少し膨らみ加減になっている尻穴の上を、力を入れ押した。

「ヴィゴ!!」

こんもりと膨らんだ状態で、ショーンの穴は閉じてしまった。

あの卵の白さは、すっかり肌色に隠されている。

ヴィゴは、労わるように、ショーンの項にキスをした。

「ごめんな。そうか、食べ物だから、気持ちが悪かったんだ。出していいよ」

白々しい言葉だ。

だが、入れたものは、出さなければならない。

ショーンは、ぎろりとヴィゴを睨んだ。

「嫌だって言った!」

「だから、出していいよって」

「俺は、嫌だって言った!」

「だから、いいって言ってるだろ。卵を産んでみな。ショーン」

ヴィゴを睨み上げるため、身体を捩ったショーンの尻の間から、卵の白身が顔を出した。

先が尖っているせいで、ショーンの尻から生えた小さな尻尾のようだ。

ヴィゴは、すかさず、そこに触った。

広がってしまった穴の円周を撫で、もっと、卵が出てくるように、指先で皮膚を引っ張った。

卵の白身が、肌色の中から、顔を出す。

メイプルシロップにコーティングされて、艶々と光っているのが、やたらと淫らだ。

「ほら、ショーン、力を入れて」

「ヴィゴ!」

大きな声を出すショーンに、卵は、また、すこし体外へと押し出された。

その動く感触に怯えたショーンが、尻を床に下ろそうともがく。

ヴィゴは、ショーンの腰を抱きしめ、そうすることを許さなかった。

ショーンは、尻を床に下ろそうと、片足だけ、足の裏を床についた中途半端な状態で、懸命に卵を落とさないよう締め付けようとしていた。

「ショーン、入れてるの苦しいだろ?」

ヴィゴは、親切ごかしにショーンの腹を撫でた。

こんな状況なのに、ショーンのペニスは勃っていた。

肛門を刺激されることに、ショーンは、慣れ初めていた。

そこで、快感を拾うことが出来た。

「ショーン、卵、産んでご覧」

ヴィゴは、ショーンのペニスを握って、ゆっくりと動かした。

ショーンは、ヴィゴの膝に腕がひっかかっているような状態だった。

酷く体勢が不安定だ。

「ヴィゴ。お前、絶対おかしい」

ショーンは、ヴィゴを睨んでいた。

涙目になりながら、ショーンは、ヴィゴに文句を言った。

「わかってる。ショーンにしか言わない」

俯き加減に唇を噛んでいたショーンは、はっきりと顔を上げ、ヴィゴを睨んだ。

「俺にも言うな!」

「でも、ショーン。あんたに言わないで、どうやって俺はこの欲求を満たしたらいいんだ?」

ヴィゴは、ペニスを扱きつづけた。

ショーンは、顔を真っ赤にしていた。

自分が、卵を産み落としてしまうかもしれない羞恥に、怒り狂い、動揺していた。

「そんな欲求、自分の中に、しまっとけ!変態!」

「できないね」

床から少し浮いているショーンの尻の間からは、卵が、半分ほど見えていた。

あと、少し、力を入れれば、一番太いところが出てしまう。

そうしたら、もう、産卵を止められない。

ショーンは、何度も、体を捩って、自分の尻を気にしていた。

どこまで、出てしまったのか、恐怖のまなざしで見つめている。

盛り上がった涙は、頬へと零れそうだ。

「ショーン。つるつるしてるから、本当は、生まないでいることのほうが、ずっと大変なんだろう?」

「…大馬鹿野郎!お前なんか、大嫌いだ!」

「そのままで、いてくれても、すごくキュートだけどね。でも、そろそろ雌鳥さんのそこ、空っぽにしてくれないかな?俺が、使いたいんだけど」

「…死ね!」

「ほら、ショーン」

ヴィゴは、ショーンを抱き上げ、自分に抱きつくように腕を首に回させると、ショーンの尻を揉みしだいた。

刺激に、じわじわと卵が押し出されてくる。

ショーンは、顔を真っ赤にして、何度も何度も首を振った。

嫌だ。嫌だと、小さく繰り返していた。

「かわいいよ。ショーン」

ヴィゴは、ショーンに囁いた。

ショーンは、ヴィゴの背中を強く叩いた。

顔を真っ赤にして、唇を噛んだ。

「ほら、少しだけだ。少しだけ、腹に力を入れて、卵を産み落としてくれ」

「嫌だ」

「俺は、そんなショーンが見たいよ」

「……嫌だ」

ヴィゴは、ショーンの頬へとキスを繰り返した。

「何で、嫌?見られるのが恥かしいのか?どんな風なショーンだって、全部見たいって思ってるのに?」

「最悪だ。お前、最悪!」

ショーンは、キスを嫌がって、顔を振りながら、きつくヴィゴの肩を掴んだ。

体中に力をいれて、締めていないと、卵が落ちてしまうのだ。

ヴィゴの手の中の尻も硬い。

ヴィゴは、尻の肉を左右に開き、その間から覗いている白い卵を何度も眺めた。

すこしづつ、すこしづつ、卵は押し出されている。

メイプルシロップで、どろどろの卵は、下向きになったショーンの尻では、じっとしていられない。

「じゃぁ、もう、力をぬくだけでもいい」

ヴィゴは、ショーンの腹を撫でた。

ショーンは、ヴィゴの肩を噛んだ。

だが、本気ではない。

甘噛よりは、かなりきつく噛んでいるが、跡が残るほどではなかった。

これが、愛されているということだ。

こんな場合だというのに、ショーンは、本気でヴィゴを噛めない。

じわじわ、じわじわと、ショーンの穴を大きく広げ、とうとう、一番太いところを通りすぎてしまった。

つるりと、卵は、産み落とされた。

「あっ!」

ショーンが、悲しそうな声をだした。

ぎゅっとヴィゴの首にしがみつき、顔を伏せた。

ショーンの足の間に、白く光る卵が一つ。

ショーンは、ヴィゴの肩で、しゃくり上げ始めた。

悔しそうに、泣いた。

「ショーン。おいで」

ヴィゴは、ショーンの腰を引き寄せ、ショーンの姿にすっかりそそり立っているペニスの上へと導いた。

もう、慎ましく口を閉じてしまった穴に、ペニスを擦りつける。

「すごく良かった。ショーン」

「…よく…ない」

ショーンは、しゃくりあげながら、唸るように言った。

「そんなことない。すごく、そそるよ。ショーン」

ヴィゴが、ショーンの髪に触っても、ショーンは、決して顔を上げようとしなかった。

ヴィゴの肩は、ショーンの涙で濡れた。

ヴィゴは、しがみついて顔を見せないショーンの頭にキスをしながら、ペニスを入れた。

ペニスの先で、卵では触れられなかったに違いない部分をつつく。

「ショーン。愛してるよ」

ショーンは、その刺激に体を震わせて、きつくヴィゴを抱きしめた。

「…ヴィゴなんか、嫌いだ」

「でも、俺は、ショーンのこと愛してるよ」

ヴィゴは、ショーンを、ゆっくり、ゆっくり、突き上げた。

ショーンの体の奥深いところを、じっくりと探る。

ショーンは、決して、後ろを振り返らなかった。

ショーンから産み落とされた卵は、床に落ちている。

ショーンは、傷付いたように、ヴィゴの肩に顔を埋めている。

「ショーン。酷いことされたと、思ってる?」

「…当たり前だ」

「でも、ショーン。あれは、俺が、すごくショーンにして貰いたかったことだよ」

「…だからって」

ヴィゴは、突き上げるだけでなく、ショーンを抱き上げるようにして、何度も尻に、ペニスを突き刺した。

ショーンの中は、とろとろに蕩けている。

「ショーン。できたら、俺は、もっと、いろんな事をショーンとしたいよ。そういうのは、…ダメなのか?」

「もっと?もっとって、何を?!あんなこともう、絶対に嫌だ!」

ショーンは、ヴィゴの腕の中で、もがき、逃げ出そうとした。

ヴィゴは、強く抱きしめた。

ショーンは、ヴィゴの胸を手で打った。

足は、床を踏み、半分くらい、ペニスが抜け落ちてしまった。

涙のせいで、赤くなった目が、ヴィゴをきつく睨んだ。

ヴィゴは、ショーンを腕ごと抱きしめ、逃げられないようにして、顎に、肩にとキスを降らせた。

「なぁ、ショーン。そうやって、あんたが逃げ出したくなるくらい、俺は、あんたにいろんな欲望を覚えてる」

ヴィゴは、盛大に顰められている顔にもキスをした。

「あんたが、持ってる欲求なんて、きっと俺の足もとにも及ばない」

ショーンの鼻の上には、ヴィゴに対する不信感のあまり皺が寄っていた。

ヴィゴは、ショーンの腰を落とし、伸び上がって、皺にキスした。

「ショーン。俺に呆れただろう?でも、それでも、俺のこと好きだろう?」

「…ヴィゴ。何が言いたい?」

まだ、おかしなことをさせられるのではないかと、ショーンは、きつい目をしてヴィゴを睨んでいた。

ヴィゴは、ショーンに笑った。

「ショーン。あんたのしたいことや、されたいことを、ちゃんと俺に教えてくれ。あんたが、俺にして欲しいことなんて、卵を生めなんて、言われるよりも、ずっと、ずっと、普通のことなんだろ?」

ショーンは、しばらく何を言われたのか、わからず、じっとヴィゴを見ていた。

その間も、ヴィゴは、ゆっくりと、ショーンの中で、ペニスを動かした。

「ここが、好き?ショーン」

「……ヴィゴ…」

わかったのか、ショーンは、驚いた顔で、ヴィゴを見た。

それから、恥かしそうに目を伏せた。

「なぁ、そうだろ?ショーン…」

実は、ショーンがヴィゴからのセックスを物足りないと感じていることをヴィゴは知っていた。

まだ、ショーンは、肛門を使って性交することに、慣れていない。

だから、ヴィゴは、十分に手加減していた。

だが、もうそろそろ、それを止めても良かった。

ヴィゴが、心を込めてする愛撫に、ショーンは感じることができるようになっていた。

ショーンは、もう少しほしいと、感じていた。

それが、言えなかった。

わかっていたが、ヴィゴは、それを、自分ひとりでなんとかしたくなかった。

ショーンの口から、ヴィゴが欲しいと言って欲しかった。

「……ヴィゴ…」

「もっと、して欲しいは教えて。ショーン。俺は、そりゃ、あんたのことちゃんと見てるつもりだけど、でも、あんたのサインを読み間違えるミスをするかもしれない。もっと、もっと、あんたのこと気持ちよくしてやれる方法があるのに、見逃してしまうかもしれないだろ」

ヴィゴは、ショーンの瞳を見ながら、唇を合わせた。

ショーンが、目を瞑り、舌を絡めてきた。

お互いの頭を抱きこんで、激しく舌を貪りあう。

「…ヴィゴ」

ショーンは、自分から、腰を使い始めた。

ヴィゴのペニスを包み込んだまま、上下に体を揺すり出す。

「…それを言わせたくて、あんなことを?」

ヴィゴは、ショーンに合わせて、突き上げた。

ショーンは、ヴィゴと上手くタイミングを合わせた。

突き刺さるペニスは、今までで、一番奥深いところを掠め、ショーンは、小さくうめいた。

熱い息を吐き出すショーンが、キスと一緒にヴィゴに聞く。

「俺が、したいセックスを要求してもいいのか?」

「当たり前だ。もう、出来ないってくらい。欲しがってくれればいい」

ショーンは、そんなには…と、照れたように目を伏せたが、もう一度ヴィゴを見つめた。

目が優しかった。

だが、すっかり潤んでいた。

開き気味の唇と同じように、ヴィゴが欲しくて、欲望を提示していた。

「…ショーン。変に感激しないでくれ。俺は、あんたのエッチな姿だったら、どんなのでも見たいってのが、本音だし。ここに、いろんなものをいれて、あんたのこと感じさせたいって思ってるのも、本当なんだから」

ヴィゴは、ショーンの尻を掴んだ。

ショーンが、ヴィゴの口をキスで塞いだ。

「…俺は、ヴィゴのだけがいい…」

ヴィゴの告白に、すこし鼻白んだらしいショーンが、甘えるようなキスで、ヴィゴを懐柔しようとした。

だが、ヴィゴは、ショーンの尻から手を伸ばし、広がっている穴を触った。

「嬉しいこと、言ってくれるけど、ダメだね。あんなかわいいショーンを、これからも、見たいんだ」

「嫌だ」

ショーンの眉間に皺が寄った。

「ショーンのお願いも、勿論、ちゃんと聞いてやるから」

「…触るな」

ヴィゴは、ペニスにつられて捲れあがる粘膜に触れた。

「ショーン、正直に。ここを触られるのは、「気持ちいい」だろ」

ショーンは、ヴィゴの腕を掴んだ。

ヴィゴの行動を規制しようとした。

「ショーン。邪魔しない。本当のことをちゃんと、俺に言って」

ヴィゴは、ショーンの穴の中に、指先を潜り込ませようとした。

ショーンが、ヴィゴの腕を叩いた。

「無理だ!」

「どうかな?やってみたら、できるかも」

「お前、親切そうなこと言ってるけど、ただ、単に、バリエーションを増やそうとしてるだけじゃないのか?」

「そうだったとして…でも、ショーンは、俺のこと好きだろ?」

ショーンは、ヴィゴの首を両手で締めた。

大きな手は、ヴィゴの首を一周する。

ショーンは、ヴィゴが息苦しくなる程度に力を入れた。

とりあえず、ヴィゴは、ショーンを怯えさせている指の挿入を止めた。

ショーンは、ヴィゴの首を締めたまま、冷たくヴィゴを見下ろした。

「…こういうの、すっごく硬くなっていいんだってさ。ヴィゴ」

「……ショーン。それは、上級者向きすぎる」

ヴィゴは、にやにや笑いながら、ショーンのことを、また、揺すり出した。

 

 

END

 

 

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欲望のままに…(笑)

こういうのも、大好きなんで、嫌って方は、すみませんが私の作品の方はスルーしてくださいね。

ごめんなさい。