妄想企画(豆ちゃんのおっぱいから、ミルクがでたら)1
ここ、三日ばかり、大層機嫌が悪く、ショーンは、オーランドを全く寄せ付けなかった。二人は、一緒に暮らしている。この二人、愛し合って暮らしているのかといえば、完全にそうだ。とは、言い切れない。だが、オーランドは、過分にショーンを愛していたし、ショーンも、オーランド以外の人間と一緒に暮らすくらいなら、ここにいるのがずっとマシだと思っていた。
実は、長い間すばらしい俳優として努力を重ねてきたショーンだったが、奇妙な病気にかかってしまったのだ。そのせいで、オーランドとの同居(同棲?)を余儀なくされている。
その病気は何かというと、立派な男性体であるはずのショーンの胸からおっぱいがでるのだ。あの赤ん坊が飲む、白くて、いいにおいのする、ぴちゃぴちゃとした液体。
ある日、急に痛みだした胸に、ショーンは、眉間に皺を寄せていた。昨日までまるでなんともなかった両胸が痛い。すこし、張っているような感じがする。筋肉痛に似たような、しかし、今、ショーンは過度なトレーニングなど全くしていなくて、
「働きすぎか?」
飲み過ぎ、遊びすぎ、どっかのチームを応援しすぎ、多分、4番目くらいに、働きすぎという、原因が該当しそうなのだが、不惑といわれるような年頃にどっぷりと足を突っ込んでいるショーンは、近頃詰めすぎの感がある仕事のスケジュールについてすこしばかり憂慮した。「年」だとは、思いたくない。今、自分は、これまでの努力を正当に収穫している最中だ。しかし、胸が痛い。触ると更に痛い。
「やはり、体はいたわってやらないとなぁ」
動機も、めまいも、息切れも全くしていなかったが、心筋梗塞の心配をして痛む胸をそっと撫でたショーンは、今日の予定をキャンセルしようとした。今日は、ショーンは、オーランドとの約束があった。誰にも内緒だが、デートだ。もう、約束の時間はとっくに過ぎているというのに、ショーンは、のんびりと電話をかける。
「すまない。オーランド。すこしからだの調子が悪いから、今日の約束はなかったことにしてくれないか?」
疑問形をとってはいるが、これは、ショーンからの命令だった。電話を受けたオーランドは沈黙している。
そして、久々に会うオーランドとの約束を破棄して、では、ショーンが向かうのが検査のための病院かといえば、そうではなかった。天気もいいし、すこし庭の手入れをして、その後は、のんびりテレビでも見て体を休めて、などと、ショーンは思っている。
「やだよ。ショーン。調子悪いんだったら、俺、これから、そっち行くし」
「んー。散らかってるしな。お前がこんなとこほっつき歩いてたら、周りが煩いから、来て欲しくない」
「家のまん前で、車、止めるし。見つかんないように、家の中から一歩もでないし」
すげないショーンの断り文句に、慣れてしまっているオーランドは、めげもせず、上手くショーンの気持ちに入り込もうと次々に言葉を発した。
「調子悪いんだったら、看病する人が必要でしょ? 俺、うるさくしないし、ショーンのために、食事の用意してあげるよ」
昼飯を食べるために、家から外に出なくてもいい。しかも、座っていれば、暖かな料理が目の前に用意される。と、いう提案は、今日一日をすっかり家に居つくつもりになったショーンにとって魅力的な提案に思えた。
「わずらわしいことを言い出したら、追い出すぞ」
「うん。わかった。すぐ、行くから」
オーランドは、本当にすぐ、ショーンの前に現れた。電話を切って、一人、ダイニングのテーブルに座り、「やはり、胸が痛い」と、自分の不調に不機嫌になりかけていたショーンは、甘い笑顔を浮かべて、玄関で立っているオーランドに、まず、愚痴をいった。
「なぁ、オーリ。心臓病について何か知ってるか?」
ショーンは、本当に心配しているわけではない。ただ、痛くてイライラしているから、当り散らしているだけだ。
「えっ? 何?」
「なんだか、胸が痛いんだよ。俺……」
そう言ってショーンは、目を伏せた。睫が瞳に暗い色を落とし、ショーンの表情を深刻にした。だが、実際のところ、ショーンはそこまで心配はしていない。ただ、ショーンは、自分の見せ方を知っているだけだ。俳優なのだ。自分がどうすれば、相手にどう見えるのかわかっている。自分ひとりだけが、不安を抱いているのに不条理を感じたショーンは、オーランドを巻き込んでやるつもりだった。
「ええっ? ちょっと大丈夫なの?ねぇ、ショーン!」
オーランドは、途端に顔色を変えて、ショーンに駆け寄った。オーランドは、ショーンが言い出した体調不良を、家に居たいがための言い訳程度にしか考えていなかったのだ。それが、痛いというのが、胸。もしかしたら、心臓。
オーランドは、余程自分の方が心臓をバクバクさせながら、労わる様にショーンの腰を抱き、大好きな恋人をそっとソファーへと連れて行った。
「大丈夫? ショーン。医者には行った?」
「いや、今朝起きた時に、すこし変だな。と、思った程度で、だんだん痛くなってきたんだ。でも、平気だろ。すこし様子を見ようと思う」
「ええっ? ねぇ、ほんと、大丈夫かな。検査受けた方がいいんじゃないかな?」
おろおろとするばかりのオーランドは、全く役に立たず、しかし、これほど自分のために顔色を変える相手がいることは、少しばかりショーンを幸せにした。
ショーンは、痛む胸に、なんとなく手を伸ばした。
やはり触ると痛い。
顔を顰めたショーンに、オーランドが心配そうに手を伸ばした。
「ねぇ、ショーン、俺が触ったって、どうにかなるものじゃないけど、触ってもいい? どこが痛いの?」
そろそろと伸ばされる手は、痛みを与えるかもしれなくて、ショーンは、すこしばかり警戒した。だが、それでも、オーランドの手を拒みはしなかった。
オーランドは、首の伸びたTシャツを着ているショーンの胸にそっと指先で触る。ショーンの胸は、いつもより硬い気がする。
とても気を使いながら触るオーランドの手の感触は、優しいばかりで、ショーンは、緊張していた体から力を抜いた。
オーランドが、ショーンの顔を心配げに見つめている。
「ショーン、痛い?」
「その程度なら、痛くない」
「ねぇ、触ると、すこし硬い感じがするんだけど……」
「……そうか? やっぱ」
オーランドの手が、そっとショーンの胸を手で覆った。手の温かみが、ショーンの胸に伝わるまでじっと待ち、オーランドがそっと胸を掴む。そこはとても硬かった。
「痛い!」
「ごめんっ! この程度でもう痛いの? ねぇ、なんで? なんか、特別な筋トレでもした?」
質問したオーランドも、ショーンのワークアウト嫌いは十分承知で、それは、ありえない。と、わかっていた。
痛みを感じたショーンは、不機嫌な目をしてオーランドを見ている。
オーランドは、覆うだけにした手で、そっとショーンの胸を撫で、じっとショーンの表情を観察した。
ショーンは、眉を寄せている。また、いつ痛みが襲ってくるかと、無意識に身構えている。
ショーンが痛がっているのは、本当だ。この程度の接触で痛がるなんて、様子をみているなんて悠長なことを言っていていいのか、オーランドは不安になる。
「ねぇ、ショーン。あの、……できたら、胸まくってくれない? あのさ、直接見て、確かめたいんだけど……」
オーランドの控えめな欲求は、顔に浮かんだ表情が心からの献身をだったためか、すんなりとショーンに受理された。いや、本当のことを言えば、ショーンもすこしばかり自分の胸の様子を確かめてみたかったのだ。しかし、一人で確かめるのは、ちょっと恐い。もし、胸をめくって、そこに、嫌な感じの変色や、そうでなくとも湿疹などがあったりしたら、今後が面倒だ。
「なんか、ただ触ると痛い、って感じだから、多分、心臓とか、肺とか、そういうことではないと思うんだけど……」
ショーンも、勿論、心臓病などということは、端から想定しておらず、一応心配の候補に挙げてみただけだ。けれども、理由がわからない痛みだから、とりあえず、大げさに受け止め、それで、本当の不安を打ち払っていた。
そろそろと、ショーンがTシャツをめくり、胸をあらわにしていく。
体重を落としたにしては、胸は、太っていたときと同じ位に張っていた。
小さな乳首が、ぴんっと、立っていた。勿論、オーランドの手が、ずっと触っていたせいもあるだろう。
オーランドは、真剣な目をしてショーンのきめ細かな肌で出来上がっている胸を見つめていた。いつもだったら、すぐに口を寄せるピンクの乳首にもただ、視線を這わせるだけだった。
色の変色はない。湿疹もない。それどころか、色艶はいつもよりいいくらいだったし、体重を落としたときに失ったはずの筋肉が、なぜだか、戻っている。胸に張りがあるのだ。
難しい顔をしたオーランドが、ショーンに尋ねる。オーランドの指は、ショーンの胸に触れようとしている。
「ごめん。ショーン。すこしだけ、触ってもいい?」
あまりに、オーランドが真剣な顔をしているので、ショーンは、わざとそっけなく頷いた。オーランドが心配しすぎるせいで、ショーンも少しばかり不安になってきている。
「痛かったら、ごめん」
オーランドは、そういいながら、そっとショーンの胸に触れた。
本当に優しく指は触っていくものだから、ショーンには痛みはない。しかし、くすぐったかった。ショーンは、激しく身をよじった。
「痛!」
身をよじった拍子に、驚くような痛みが、ショーンを襲い、ショーンは、大きな悲鳴を上げて、胸を抱え込んだ。
「大丈夫!? ショーン!」
オーランドが懸命にショーンの背をさする。
痛みは、一瞬だったが、ショーンは、あまりの驚きで、何度か激しく息を吐き出し、ぎゅっと胸を掴んでうつむいていた。本当に、胸が取れそうなほど、痛かったのだ。なにか、硬いものが胸に詰まっていて、身を捩った拍子にその部分だけをとり残して、体を動かしたような感じ。体の一部が自分のものでないような、別の重たいものが胸にあるような感じ。
やがて、その驚きも過ぎ去り、ショーンは目を上げた。心配そうに見下ろしていたオーランドは、顔を上げたショーンにさらに、驚いた表情をした。
「ショーン。泣くほど痛いの?」
痛かったのだ。本当に泣くほど痛かったのだが、自分が泣いているとは、ショーンも思ってなかった。
「かわいそうに、ショーン!」
自分が泣き出しそうに眉を寄せたオーランドは、ショーンの足元に跪き、そっとショーンに手を伸ばした。
痛む場所を庇い、クロスさせた両腕で胸を覆っているショーンの手の上から、そっとオーランドはショーンの胸をなでる。
「かわいそうに。一体どうしちゃったんだろう。……どうしたらいいんだろう」
途方に暮れた声を出すオーランドは、ずいぶん長いこと、そうしていた。
ショーンも、本気で病院に行くべきかと、心配になっていたので、そのままでいた。
二人分の手の温度が、ショーンの胸を温めていた。
「ねぇ……?」
じっと、ショーンの胸を眺めながら、どうやってこの恋人に病院へと行かせ、検査を受けさせるべきか、考えていたオーランドは、ショーンの指の間から、液体がこぼれだしたことに気が付いた。乳首の辺りが、じんわりと濡れている。少量だから、よくわからないが、なんとなく、薄白いような。
「ねぇ、ショーン、ちょっと、それ、」
オーランドの声に、ショーンは、自分の身にまた何か起きたのかと、慌てて指の間を見た。
わずかに濡れた感触が指の股にある。
ショーンは何故、自分の手が濡れるのか、わけがわからず、慌てて胸から手を離した。
代わりに好奇心に取り付かれたような顔をしたオーランドが、そっとショーンの胸に触れる。
「えっと……。ショーン、なんか、乳首から、これ、出てきてるみたいなんだけど……」
オーランドは、胸を濡らすものに指先で触れた。
「痛い?」
濡れた手を恐いものでもみるように見つめていたショーンだったが、痛みはなかったので、オーランドの質問には首を振った。
オーランドは、ショーンの胸から漏れ出している謎の液体に触れた自分の指を鼻に近づける。
「匂いは、ない……あっ、でも、なんか、すこしいい匂いがする。えっと、……なんだっけ、こういう匂いに覚えがあるんだけど……う〜んと」
ショーンも自分の手の匂いを嗅いだ。二人とも、実は、思い当たる匂いがあった。
しかし、それは、あまりな答えなので、口に出し難い。
オーランドは、しばらく悩んでいたが、思い切って、ショーンの胸をそっと覆った。
「痛い?」
「いや、平気……」
「あのさ、すこし触ってもいい?」
「……ああ」
オーランドは遠慮がちにだったが、ある思い付きを実証するために、ショーンの胸に触れていった。女性ばかりに囲まれて育ったオーランドは、家族のように親しい集まりの場では、女性たちが様々なことをあけすけに語るのを聞いて育った。
その中の一つを披露すれば、おっぱいが出ない。と悩む若い母親に、オーランドの母親が、授けたマッサージ法などだ。そして、それは、たくさんミルクが溜まりすぎて、痛い乳房にも効くと言う。
「ええっと、たしか……」
母乳を溜めたおっぱいに行われるマッサージは、普通かなり痛いらしいのだが、オーランドの母親は、魔法の手を持っていた。オーランドがいる前で、行われていたマッサージは、(ママという存在は、赤ん坊のためなら、少年の一人や、二人、視界から消せるらしい)かなり力を入れているように見えたのだが、彼女は決して痛がってはいなかった。
オーランドは、キッチンに走る。途中タオルを一本失敬し、それを濡らしてレンジで暖める。
なんとか、人肌よりも多少暖かい程度にまで冷めたタオルを手に戻ったオーランドは、それをショーンの胸に当てた。
「熱い? 痛い?」
「いや、……どっちかっていえば、気持ちがいい」
オーランドは、ショーンにそのままソファーに横になるようにと言った。ショーンが、わずかに警戒する。
「何をする気だ?」
「うん。……わかんないけど、マッサージ……」
自分が突拍子もないことを考えていることは間違いなくて、オーランドは、自信なく言葉を返した。しかし、ショーンのほうも、先ほど匂いを嗅いで、その答えをかわいい娘たちのあどけなかった寝顔と共に思い出したことを、どう捉えたらいいのかわらないため、オーランドを止められずにいる。
とりあえず、今、オーランドがしていることは、痛む胸に心地良かった。なんだか、胸の筋肉が柔らかくなっていくような気がする。
「あのさ、もし、痛かったら言って。俺も実践するのは始めてだから」
そう言ったオーランドが、ショーンの胸に当てたタオルを取ると、ショーンの胸は、オーランドのマッサージを必要しなくなっていた。つまり、暖められた胸は、もう白いミルクをあふれ出していた。
どうやら、ショーンは、母乳が出なくて困るタイプではないらしい。ショーンがもし女性だったとしたら、なんとなく貧乳タイプのような気がしていたオーランドには、意外だった。ああ、そういえば、胸の大きさは、おっぱいの出に関係がないと、あの時、ママが言ってたっけ。
「おい!?」
どくどくと。と、言うほどではないが、じんわりじんわり乳首からあふれ出すミルクは、ショーンの胸を白く濡らしていった。信じられないものを見るように、ショーンは呆然と目を見開いている。ついでに口も開いている。
ショーンが慌てて身を起こした。ミルクは垂れて、ショーンの腹まで濡らしていく。
「暖っためたから、出が良くなったみたいだね……」
おっぱいが、と、言う勇気はなくて、オーランドは、主語をぼかしたまま、口にした。ショーンは、自分の胸からこぼれている液体を信じられない目をして見つめている。
「なぁ……これ……」
「うん。……えっと、……ショーン、胸、痛い?」
ショーンは、呆然としたまま、自分の胸へと手を伸ばした。そこに触れることは恐かったのだが、だが、胸からあふれ出す液体についてオーランドとじっくり語り合うのも嫌だった。
多分、これは……。
いや、間違いなく、これは……。
「痛!」
さきほどまでの加減を忘れて、つい、ぎゅっと胸を掴んだショーンは顔を顰めた。タオルで暖めるまでの爪の先が触っても痛い。と、いうほどの過敏さはないのだが、やはり、胸は痛い。
「ごめん。触るよ。ショーン」
すると、オーランドは、手が白い液体で濡れることも厭わず、ショーンの胸に触れた。そこは、さっきまでと変わりなく張っているが、すこし柔らかくなったような気がする。
オーランドの触り方は、あくまでソフトなので、途方に暮れたような顔をして、自分の胸を見下ろしているショーンに苦痛の表情はない。
オーランドは、たったこれだけのタッチで、白く濡れた指に苦笑した。乳首を濡らし、下へと伝っているミルクは、もう、ショーンのジーンズを濡らしている。
「えっと、ね。ショーン」
だから、オーランドは、いろいろ余計な知識を身につけながら育ってきた。
「多分、ショーンの胸が痛いのは、溜まっちゃってるてるからだと思うんだ」
主語は、「おっぱいが」だ。オーランドは、言わなかったし、ショーンの耳にも聞こえなかったが、二人とも、はっきりとわかっていた。
胸からもれ出ている液体は、幸福そうな赤ん坊の寝顔と一緒に思い起こされる匂いをたっぷりとさせていたし、第一、乳首からもれ出る液体といえば、それだ。大抵は、女性の乳房からなのだが。いや、もしかしたら、男性だってでるのかもしれないが。
「なぁ、オーリ……」
ショーンが助けを求めるようにオーランドを見た。
オーランドも、ショーンの窮状を助けたかったが、ショーンの胸からおっぱいが出なくするというような方法には心当たりがなかった。
でも、とりあえず、こんなときの痛みをなくす方法なら知っている。
「あのさ、ショーン。これをどうにかする方法は、後で考えることにして……」
オーランドは、ジーンズの前を白い液体でべとべとにしているショーンをソファーに寝かせた。
ショーンは、どうしていいのかわからず、頼りない顔をして呆然とオーランドを見上げていた。
ショーンの乳首からは、小さなミルクの盛り上がりが、いくつも出来ている。それが、乳首を伝い降り、途中幾つかの流れを作って、胸の上を流れていく。
おっぱいには油分が含まれているため、乳首は、いつもよりもずっと艶めいている。
オーランドは、ショーンに抵抗されることがわかっていたので、安心させるようににっこりと笑いかけると、説明もなしに、ぱくりと乳首に吸い付いた。
「オーリ!!!」
「痛! ごめん。ショーン。ごめんってば。でも、我慢。我慢して、ショーン! 多分、これで、ショーンの痛いのはなくなるから。お願い。ちょっとだけ、ショーン、我慢して!」
髪を頭皮から毟り取るつもりなのか。というほど、ショーンは、オーランドの髪を引っ張り、オーランドはすっかり涙目になった。それでも、オーランドは、ショーンの乳首を吸い続けた。
オーランドの頬が痛くなるほど力を入れて吸い上げると、口の中に、勢いよくミルクがあふれ出す。
それは、飲みなれが牛乳に比べると、不思議な味のする飲み物だ。
美味しい。と、一言でいうのには、すこし抵抗がある。牛乳などより、もっと水っぽい気がする。味が薄い。
しかし、まずくはないのだ。
もっと飲んでみたい気がしなくもない。
「痛いってるだろうが!」
ショーンが、オーランドの頭を張り飛ばした。小さな乳首を思い切り吸い上げられたショーンは涙目になっている。
「ごめん。こう? この位?」
オーランドの口の回りが、ショーンの乳首からあふれ出るミルクで真っ白になっている。
オーランドは、ショーンの胸を吸う力を加減した。
どれほど、ショーンが怒鳴り散らそうが、オーランドは、乳首から離れない。
チュウチュウと、オーランドがショーンの胸を吸い続けると、唸り声を上げるほど、怒っていたショーンの息が落ち着いてきた。オーランドの髪を掴んでいた力も弱まっている。
ショーンの体からは、ぐったりと体から力が抜けていた。
手も、今は、もう、オーランドの頭に手を添えているだけだ。
オーランドは、ショーンのおっぱいを吸いながら、そっと目を上げた。
ショーンの目が閉じられていた。
口が、ほんのりと開いている。口から漏れる息は、穏やかだ。
なんだか、ショーンの顔は微笑んでいるような顔にも見えなくもなかった。
その顔に満足したオーランドは、自分が吸い上げていた方の胸をそっと揉んだ。胸は、すっかり柔らかくなっている。ショーンも全く痛がらない。
オーランドは、自分の考えが当っていたことにほっとした。
やはり、ショーンは、おっぱいが溜まりすぎて、痛かったのだ。
オーランドもよくは知らないが、そんな感じのことを家のテーブルで聞いた覚えがある。……ような。
オーランドは、吸い上げていた乳首からちゅぽんと、口を離した。
「あっ」
ショーンの口が思いもかけないかわいらしい声を漏らす。
乳首は、オーランドが懸命に吸い上げていたせいで、いつよりすこし伸びていた。だが、普段のショーンの乳首は小さすぎるくらいだから、本当はこの位突起していてくれると、ひっかかりがあっていいなぁ。などと、オーランドは眺めてしまう。
「ショーン。右の胸触ってみて」
オーランドは、左の胸に吸い付く準備をしながら、ショーンに声をかけた。
眠っていたかのように、ゆっくりと目を開いたショーンが、操られるかのようにのろのろと手で自分の胸に触った。自分の胸を揉む。
長い指が、しきりに自分の胸を揉みしだいた。
別の場面でみせて貰ったとしたら、かなり扇情的な眺めだ。
「痛い? ショーン? 大丈夫でしょ?」
オーランドがたっぷりと吸ったせいで、ショーンがいくら触ろうと、もう、そちらの胸からは、ミルクがこぼれ出たりはしなかった。
しかし、右胸を吸われていた反射で、左胸は、すっかりミルクがあふれ出し、白くなっている。
オーランドは、ショーンの左胸をそっと拭きながら、ついでに、そのタオルで、自分の汗もぬぐった。すっかり汗をかいていた。
おっぱいを吸うのは、意外に重労働だ。
どこか、うっとりとした目をして自分の胸を揉んでいるショーンに微笑みかけながら、オーランドは、また、労働に戻った。
ショーンの乳首を口に含む。
どうやら、その感触は、悪くないものらしく、ショーンの腕が、オーランドの頭を抱いた。
二人は、諸問題を棚上げし、とりあえず、至福の時間を共に過ごす。
そして、ショーンは、おっぱいの出る男の人になったのだ。
いや、なったと、いうよりも、知らないうちになってしまったという方が正しいか。
その本人であるショーンは、自分が、世にも珍しい人になってしまったことが、とても嫌だった。よく調べれば、世の中には、ショーンのほかにもおっぱいの出る男性はいたかもしれないし、それは、それほど珍しいことでもなかったのかもしれないが、ショーンは、誰かに知られるのなんか、真っ平ごめんだった。
オーランドに胸が空っぽになるまで、おっぱいを吸われ、その後、思わず、二人してそのまま寝入ってしまったりまでしたショーンは、目が覚めるなり、オーランドの頭を一つぶっ叩いた。
眠りながらも、オーランドが乳首に吸い付いていたのにむかついたのだ。
「えっ? あ、ショーン。ごめん。俺、寝ちゃってた?」
口の周りをショーンのミルクで、がぴがぴにしたオーランドをショーンは睨んだ。
いい大人が、二人して、すっかりミルク臭い匂いをさせている。
「えっと、……。ショーンの胸から出るミルクのこと、どうしたらいいのか、俺にもよくわかんないけど、でも、絶対に、俺、ショーンの助けになるから」
オーランドは、有言実行した。いや、本当のことを言えば、させられた。
だが、それは、オーランドにとって、幸福だから、問題ないのだ。
そして、冒頭の、機嫌の悪いショーンがもう3日もオーランドを側に寄せ付けないという話しに戻るわけだが。
続く(多分、次で終わり)
(告白)っていうか、「懺悔」
某豆サイトさまにお邪魔いたしまして、「乳牛」っていう豆に出会ってしまい、
もう、それの発想にイチコロだったわけです。
豆のおっぱいから、白いミルクが絞れる……(うっかり、昇天)
とまぁ、すっかり興奮しちゃって、はぁはぁしてたんですが、
……ごめんなさい。我慢ができませんでした。
人様が書かれたネタをパクってきちゃってごめんなさい。
……ううぅ。意地汚い奴でごめんなさい。
でも!でも、たまんないです。最高です。作者様!!
(3回分の連載、ものすごく楽しく読ませていただきました。
ご連絡する方法がわかりませんでしたので、
こんなところをみていらっしゃるとは思ってませんが、でも、言わせてください。
本当にお疲れ様でした。
そして、モーモーさんの耳までついた豆の話、読ませてくださって、ありがとうございました。
乳牛ちゃんな豆、最高にかわいかったですw)
(メルヘンでした!)
……そして、私は、本物におっぱいを出させる女……