夜
「じゃぁ、帰るから」
「・・・なんでだ?」
ソファーから、立ち上がったエリックの手を、ショーンは思わず握っていた。
エリックは、口元に、笑いを浮かべ、目がなくなるようなくしゃくしゃの顔で笑った。
「なんでって・・・じゃぁ、俺、いつまでここに居よう?」
エリックの手が、ショーンの手をからかうようにぴたぴたと叩いた。
「ちょうど、テレビも終わったし、ここに残ってどうするんだ?一緒に、天気予報でも見るのか?」
自分の膝に乗せていたクッションの上に腰を下ろしなおしたエリックは、ショーンの顔を覗き込んだ。
「どうした?ショーン。ニュース番組にするどく切り込む、俺の語りが聞きたいってわけ?」
緑の目は、戸惑いがちに、そらされた。
「なに?ショーン。寂しいから、もう少し、居てくれとでも、言う気か?」
エリックは、笑いながら、自分手を掴んだままのショーンの指を優しく噛んだ。
ショーンは、痛そうに目を瞑った。
エリックの歯は、ただ、ショーンの指に当たっているだけだった。
痛いはずがなかった。
「・・・エリック。こういうのも、何かの遊びなのか?」
ショーンは、目を瞑ったまま、小さく唇を開いた。
エリックは、ショーンを噛んでいた歯を開いた。
「そう。よくわかったな。ショーン」
エリックは小さな音を立てたキスをすると、そっけなくショーンから、唇を離した。
「不満そうだな。ショーン」
エリックの声が笑っていた。
腕を掴むショーンの手を離させ、座りの悪いクッションをどかすと、エリックは、ショーンから、距離をとって座りなおした。
クッションが二人の間に境界線のように置かれた。
エリックは、ソファーの肘掛にもたれるようにして、ショーンの表情を伺った。
「・・・エリック」
「なに?ショーン」
「・・・エリック」
「うん。だから、なに?」
「・・・・・・・・エリック」
ショーンは、悔しそうにエリックの名を呼んだ。
エリックは、にやにやと笑う表情を隠そうともせず、曲げた足を二人の間に置かれたクッションに載せた。
「名前を呼ぶだけで、思い道理になる相手かな?俺は。ショーン?」
ショーンは、エリックの足を思い切り叩いた。
「痛て」
エリックは、伸ばした足で、ショーンの膝を蹴り返した。
「ショーン。用がないようなら、俺、帰ってもいい?」
ショーンは、組んだ手の上に額を乗せて、下を向いていた。
目は閉じられ、仕切りと舌が、唇を舐めた。
エリックは、その顔を満足げにみて、にやにやと笑った。
「ショーン、あと、30秒だけ待ってやる。今言えなかったら、どうせ、朝まで言えないだろうから、俺、帰るから」
エリックは、腕にはめた時計を見て、容赦なくカウントし始めた。
ショーンは、握りしてめていた手に力をこめた。
「残り、25秒」
ショーンの背中が、強くこわばった。
だが、ショーンは顔だって上げることが出来ずにいた。
「あと、15秒」
エリックの声は、楽しげだった。
ショーンは、悔しそうに唇を噛んだ。
「10秒。ショーン、今、考えてることは何だ?」
「お前をどうやって、殴るかだ」
ショーンの目が、エリックを見た。
エリックは意地悪く笑う。
「あっそ。あと、5秒。どうする?もう、いい?ショーン」
エリックは、また、立ち上がろうとした。
ショーンは顔を上げ、頼りない目のままで、エリックの名を呼んだ。
「・・・エリック」
組んでいた手が、悩みの中にあるかのように、中途半端に伸ばされた。
「・・・・・・・ずるいなぁ。ショーンは」
エリックは、一つ大きく舌打ちし、ドスンとソファーに座りなおした。
今度は、ショーンの真横へだった。
「はい。はい。残ります。残るけどな。でも、ショーンがちゃんと言うまで、このまま、お預けだ」
エリックは、ショーンの体を抱きしめ、肩へと鼻をうずめた。
「いい匂いさせやがって」
ショーンの手が、エリックの腰に回った。
そろそろと伸ばされた手は、しかし、エリックのジーンズの尻にまで及んだ。
それを、エリックは捕らえた。
「お預け。ショーン。今、ショーンの頭の中にあることを、ちゃんと俺に話すまで、上手いこと誤魔化そうったって、ダメだ」
エリックは、ショーンの体を反転させ、背中から、抱きこんだ。
ショーンの手は、懲りず、自分の体を挟みこむエリックの太ももを撫でた。
エリックは、ショーンの手を叩いた。
「ショーン。俺、帰るぞ」
エリックは、ショーンの手を一まとめにして捕まえると、ショーンの首筋にキスをした。
「・・・夜になると、あのことばかり考えるんだ」
ショーンが、ため息のような声を出した。
首筋に落ちるエリックのキスは続いていた。
ショーンは、エリックに抱きこまれたまま、伏せた目で、自分の膝を見た。
仕切りと舌を舐め、言いづらそうに口を開いた。
「わかるだろう?・・・その・・・エリック。俺が何が言いたいのかなんて・・・」
首筋をエリックに占領されているショーンは、振り返ることも出来ず、前を向いたまま、低い声でぼそぼそと告白した。
「・・・わかるよ。ショーン」
エリックは、くすくすと笑った。
「でも、もっと、聞かせてくれ」
「・・・エリック」
ショーンは、ため息をついた。
しばらく、そのままでじっとしていたが、伏せていた顔を上げ、エリックの肩へと頭を乗せた。
エリックは、簡単に、ショーンの腕を掴んでいただけだった。
ショーンは、その手から、腕を取り返した。
それで何をするかといえば、エリックの腕を、自分の腹へと回させた。
ショーンは、エリックの腕をそっと撫でた。
「撮影を終えて、十分疲れて帰ってくるのに、ベッドに入ると、あのことを思い出すんだ。・・・眠れなくなるよ。エリック」
「ショーン。あのことって、何?」
「・・・わかるだろう?」
「ショーンに聞きたい」
エリックは、ショーンの首筋にいくつものついばむキスを繰り返し、腹を抱いていた腕で、シャツの胸の形をなぞった。
ショーンの胸には、小さな尖りが出来ていた。
エリックは、その周りをゆっくりと撫でた
ショーンは、舌打ちした。
「・・・そうやって、エリックは、肝心なところを触らない」
「肝心なとこって、どこだ?」
エリックは、ショーンの耳元でささやいた。
ショーンは、唇を噛んだ。
エリックの手を捕まえ、自分の乳首の上に置いた。
胸が酷い音を立てていた。
「ここだ。俺が、ここに触って欲しがってるのなんか、わかってただろう?」
「ショーン」
エリックは、とがめるような声で、ショーンを呼び、強い力で、ショーンの手を振り払った。
「すぐ、楽をしようとするのは、ショーンの悪い癖だ」
エリックは、決して、ショーンの乳首に触れようとしなかった。
その周りをじらすように触れ、ショーンの耳にささやいた。
「ショーン。今、何を、考えてる?」
エリックは、ショーンの耳を舐めた。
ショーンが、小さく首をすくめた。
「エリックは、なんて、意地の悪い男なんだと思ってる」
「本当に、そんなこと?」
エリックは、鼓動の早いショーンの胸に円を描くように撫でた。
ショーンを挟む太ももの力を強くした。
ショーンが、エリックの腕の中で身じろぎした。
「・・・どうしたら、エリックが、触ってくれるのか、考えている」
「触って欲しいのか?」
「・・・ずっとそう言ってる」
ショーンは、悔しそうに唇を噛んだ。
「触られるのは、どんな感じがするか言える?」
エリックは、ショーンの乳輪の形を思い出しつつ、乳首のすぐ側に小さな丸を描いた。
ショーンの唇が、解けた。
小さな声が、あっと、いう音を作った。
エリックは、ショーンの口を手で覆った。
「まだ、早いよ。ショーン。そういう、声を出す前に、俺にちゃんと話をしてくれ。この半月、どうだったのか?」
エリックの指が、ショーンの口の中へと進入し、きれいに並んだ歯を撫でた。
「結構、楽しかっただろう?」
エリックは、歯を開いて、舐めようとするショーンから、指を取り上げた。
「ショーン、この半月、あんたを寝苦しくさせてた原因を聞かせて?」
ショーンは、エリックの指を追って、指先にキスを贈った。
エリックは、ショーンの唇を撫でた。
「どうだった?昼間は、結構平気そうな顔をしてたから、どのくらいしたいって思ってるのか、わかりにくくて、実は、俺、困ってたんだけど」
ショーンは、すこしだけ、満足そうに笑った。
「笑ったな」
撫でていた唇の形でショーンが笑ったことのわかったエリックは、ショーンの唇をつねった。
「エリック、俺に、昼真っから盛りのついた顔してろってのか?」
「してたら、もう少し、早く、いい思いができたぞ?」
「・・・エリック、お前、本当に意地が悪いな」
ショーンは、どきどきと音を立てる胸を落ち着けるように、何度か深呼吸した。
エリックは、いい匂いのするショーンの首筋に額を置いて、丸みのある肩にキスをした。
「さぁ、聞かせろ。この半月、十分ショーンも楽しんだだろう?ショーンの想像してた俺は、どうやって、ショーンに触るんだ?」
エリックは、ショーンを引き寄せ、自分の高ぶりをショーンの尻にこすりつけた。
「・・・・あっ」
「半月も間があったんだ。想像しなかったはずはないよな?教えろよ。ショーン」
エリックは、強くショーンの腰を抱いた。
しかし、そうする必要は、あまりなかった。
ショーンは、自ら、尻を動かし、エリックのペニスの感触を楽しんだ。
「言いなって」
エリックは、ショーンの太もものきわどいところを何度か撫でた。
ショーンの足は開かれている。
エリックは、太ももの内側を、膝からゆっくりと何度も撫でた。
ショーンは、目を瞑り、その感触を味わうように、繰り返し唇を舐めた。
「さっき、言ってただろう?ベッドに入ると、俺のことを思い出すんだろう?俺の何を思い出してくれるってわけ?」
口を開こうとしないショーンに、エリックは太ももから手を引き上げた。
また、ショーンの腹へと腕を回し、ただ、体の中に抱き込んだ。
「これも、楽しみうちだって、わかってるんだろう?ショーン」
「・・・エリック」
楽しみを奪われたショーンは、振り返ってエリックを見た。
「さぁ、ショーン」
エリックの黒目が、ショーンを促した。
「・・・エリック、趣味の悪い遊びだ」
「まぁね。でも、結構楽しいだろ?」
「素直に楽しんだほうが、もっと楽しい」
悔しそうに唇を噛んだショーンに、エリックは笑った。
「じゃぁ、ショーンが素直になればいい。ちゃんと俺に言うだけだ。毎晩、眠る前に、エリックのペニスを思い出してました。あれで、中を擦られてるときを思い出して、自分でやってました。って」
エリックは、この半月、ショーンに指一本触れなかった。
自分の思いついた楽しみを完遂するためなら、エリックは、今からだって、帰ると言い張るだろう。
ショーンは、自分が、性質の悪いのにひっかかったのだと、わかっていた。
「毎晩、ベッドに入って、なんで、今日もエリックが俺を誘わなかったのかと、まず、思うんだ」
「それで?」
エリックは、先を促した。
「前にしたのが、何日前だったか、考えた」
「前にしたのは、確か、トレーラーの中だったよな」
「あの時、お前の機嫌を損ねることでもしたのかと、思った」
「ショーン、もっと正直に」
エリックは、ショーンの肩で、笑っていた。
笑いの振動は、ぴったりと張り付いている背中越しにも伝わった。
「・・・欲しいと、思った」
ショーンは、小さな声を出した。
「何を?」
「・・・エリックのペニスがだよ。中を埋めて欲しいと思った。されてるときのことを思い出して、体が熱くなった」
ショーンの首筋は、赤くなった。
エリックは、ショーンの太ももを撫でた。
「毎晩?」
「夜、考えることと言えば、そんなことばかりだった」
「それは、楽しそうだ」
「・・・エリック」
咎めるような声を出したショーンに、エリックは、機嫌をとるように、太ももに置いた手を、もっと股間へと近づけた。
ショーンの鼻から、甘えたような息が漏れた。
「・・・もう、しよう。エリック」
ショーンは、自分の手をエリックに重ねた。
エリックの手をジーンズ越しのペニスへと導いた。
ショーンのペニスは、硬くなり、ジーンズを前に押し出していた。
ショーンは、自分から腰を押し上げるようにして、エリックの手にペニスを擦りつけた。
ショーンが甘い声を出した。
鼻から抜ける声は、仕切りと、エリックを誘った。
「せっかく、ショーンに新しい遊びを教えてやろうと思ってたのに、・・・」
エリックは、固くなっているショーンのペニスを撫でてやった。
ショーンは、嬉しげに唇から、ため息を漏らす。
「・・・俺も、甘いね」
エリックは、ショーンのジッパーを下ろした。
仰向けで大きく足を開いたショーンの間に体を入れたエリックは、閉じた肉の間に指を押し込んだ。
指は、ぬるぬると、クリームがついていた。
ぐいぐいと押し込まれる指先に、ショーンが眉の間に皺を寄せる。
「自分が、何をされているか、言って。ショーン」
指は、ショーンの肉を押し広げながら、内部に侵入していた。
小さな痛みを伴う、外部からの重い圧力に、ショーンは、下腹に、力を入れた。
エリックは、小さな舌打ちの音をさせ、ショーンに力を抜くよう、指示した。
また、ショーンに自分の状態を口にすることを要求した。
ショーンの息は早かった。
まだ、腹の中が、落ち着かなかった。
「・・・エリックの指が入っている」
「どこに?」
エリックは、ぐるりと、ショーンの中の指を動かした。
内部は、エリックの指につられてねじれた。
違和感があった。
しかし、そこに、かすかな期待感が潜んでいた。
「尻のなか・・・」
「どういう感じ?」
「まだ、あまり・・・」
言いよどむショーンに、エリックは、にやりと笑った。
「良くない?」
エリックは、ゆっくりと指を抜き差し始めた。
たっぷりとついたクリームのせいで、指は、スムーズに動く。
「でも、良くなりそうな予感がするんだろう?ショーン。経験上、ショーンは、そうなることを知ってるもんな」
エリックは、長い指を、小刻みに動かす。
ショーンは、頼りない目のまま、エリックを見上げた。
「・・・エリック」
「なに?」
「・・・もっと、奥へ・・・」
ショーンの唇は、声の形に、緩く解けたままだった。
エリックは、満足そうに笑った。
「そう。その調子。何がして欲しいか、よく考えるんだ。頭を使って。ショーン。そのほうが、セックスはずっと気持ちがいい」
エリックは、声に出して、ショーンを褒め、ショーンの奥へと指を忍び込ませた。
節の高い男の指が、ショーンの尻穴を大きく広げた。
「・・・エリック、お前、俺を馬鹿にしてるのか?」
ショーンは、奥を探るエリックの指に、体を揺らしながら文句を言った。
こすれる粘膜が、にゅちゃりといやらしい音を立てた。
中をこする指は、ショーンに快感を与えた。
粘膜が、擦られるたびに、ショーンの体は、甘い痺れを拾い上げた。
ショーンは、鼻から甘い息を漏らした。
「なんでだ?ショーンは、半月で、学習してくれたんじゃないのか?」
「エリックの、性格が悪いということは、学習した・・・」
エリックは、指を増やして、一気に奥を突いた。
「違う。そういうことじゃなく、・・・飢えるって感覚を味わってもらう気だったんだが・・・」
エリックの指が届いたところに、どうしようもなく、ショーンの感じるポイントがあった。
ショーンは、首を晒して、のけぞった。
太ももが、エリックの腰を締め上げた。
ショーンの太ももは、たっぷりと肉をつけ、エリックの腰に柔らかな弾力を伝えた。
エリックは、ショーンの太ももを撫で、ゆっくりと足を開かせた。
「十分にショーンに楽しんでもらうために、これでも頭を使ったつもりなんだが」
エリックは、ショーンの中の指をぐりぐりと動かした。
ショーンのペニスは、完全に勃起していた。
中からの、刺激だけで、ぴくぴくと揺れていた。
柔らかな肉は、エリックの指を締め付け、指の形を、ショーンに伝えた。
それは、ショーンにとって、たまらなく欲しい形ものに近かった。
ショーンは、自分の唇を舐めた。
「エリック・・・」
「何?ショーン」
「・・・したい」
エリックは、どうやって?と、目の表情だけで聞いた。
「エリックのペニスを、尻に入れて、いっぱい・・・してほしい」
「いい調子」
「このまま、入れてくれ。エリックのペニスを入れて欲しい」
ショーンは、エリックの腰を強くはさんで、自分から尻を持ち上げた。
「このままって?」
「・・・このまま、だよ。もう、入るはずだ・・・」
ショーンは、せかすように、エリックへと手を伸ばし、キスをしたがった。
「よし。ショーンの要求は、よくわかった。じゃぁ、俺のやりたいやり方で、やろう」
キスが終わると、エリックは、にやりと笑った。
「・・・ちくしょう!」
ショーンは、悔しそうに毒づいた。
エリックの腰に回していた足をぎゅっと絡め、力いっぱい締め上げた。
「情熱的」
エリックは、腰をゆすりながら、笑った。
ショーンの髪を額からかきあげ、皺の寄っている眉間にキスをした。
「ショーン、言え、とは、言ったけど、その通りにしてやるなんて、一言もいってないだろう?」
エリックは、笑いながら眉間へのキスを繰り返した。
緑の目は、機嫌の悪いままだった。
「・・・でも、期待するだろう・・・」
エリックは、ショーンの唇にもキスをした。
機嫌が直るまで、何度もキスを繰り返した。
ショーンが、舌を伸ばして、エリックのキスに応えだした。
どちらかといえば、せっかちな舌が、エリックの舌を絡めとろうとする。
エリックは、するりと逃げ出すと、自分のジッパーを下ろした。
ショーンが、体を起こして、じっとエリックのペニスを見つめた。
エリックは、見せ付けるように、腰を前に突き出す。
ショーンの喉がごくりと鳴った。
エリックは、ショーンに、首へと腕を回すよう、要求した。
ショーンは、ためらいも見せず、エリックの首へと手を回した。
エリックは、ショーンの尻を抱いた。
遠慮なく、ショーンの尻を割り、ペニスの先をショーンの中へと埋めた。
特に、技巧もなく、ぐいっと、奥まで、ペニスをねじ込む。
ショーンは、奥まで突き上げられると、止めていた息を吐き出した。
「ちゃんと、つかまってろよ」
エリックは、ショーンをベッドから持ち上げた。
ふわりと、ショーンの体が持ち上がった。
自重で、ショーンの体は、エリックのペニスに深く串刺しにされた。
「んんっ!エリック」
「しっかり掴まってないと、落とすぞ」
のけぞったショーンを抱えなおしながら、エリックは、ショーンを揺さぶった。
ショーンは、自分の中を支配する大きなものに、浅い息を繰り返した。
不安定な体勢に、ショーンの足は、自然とエリックに強く絡みついた。
「これは、嫌い・・・だ・・・」
そんなことを言うくせに、ショーンは、自分から、尻を押し付けるように、エリックを求めた。
揺さぶられ、緩む足を巻きつけるたびに、エリックのペニスが、ショーンを擦った。
エリックのリズムで力強く中を擦られる以外でも、ショーンは、甘い声を上げた。
ショーンの胸に、汗が浮かんだ。
「尻は、締めなくても、落ちないぞ」
エリックは、笑いながら、ショーンの腰を持ったまま、何度も腰を突き上げた。
ショーンは、強く後ろにのけぞる。
大きくふる顔に、髪が、何度もショーンの顔を打った。
「これが、欲しかった?」
エリックは、かすれた声で、ショーンに聞いた。
じらし続けたショーンの体は、エリックを離そうとはしなかった。
しっとりと、エリックを包み込み、熱く締め付けた。
柔らかい尻の肉は、エリックが、腰を打ち付けるたびに、ぷるんと揺れた。
「・・・欲しかった。んんっ・・・エリック、いいっ・・・」
ショーンは、汗で滑る手で、エリックの首にすがりつきながら、快感をむさぼった。
自分を支える腕の太さや、腰の力強さに酔っていた。
股の間を刷り上げる縮れ毛に、大きく足を開いた。
もっと、中を擦って欲しくて、尻を擦りつけた。
中を占領するエリックのものは、大きかった。
自分の中を押し広げられ、何度も擦られ、ショーンは、頭の先まで、しびれるような甘い刺激を受け止めた。
「んっ、いい!」
ずりずりと狭いショーンの直腸をエリックのペニスが擦っていった。
ショーンは、中からこみ上げる痺れに、腰をよじった。
むずかるように腰をよじるショーンは、自分が、今、エリックに抱き上げられていることをあまり覚えていないようだった。
暴れるショーンに、エリックの手が、たっぷりと肉の付いたショーンの腰を強く掴んだ。
汗とは違うぬめりが、ショーンの腿を濡らしていた。
「あっ、あっ、あっ!」
ずっぽりと、抜かれ、また、突き入れられる動きに、ショーンは、大きな声を上げた。
エリックは、今までの焦らしが、嘘のように、ショーンを情熱的に追い上げた。
「いい!いい!エリック!!」
ぱんぱんと、大きな音を立て、ショーンの尻が、エリックの腰を打った。
「あんっ!エリック!・・・エリック!!」
ショーンは、エリックの腰を強く挟んで、射精した。
精液が、エリックの胸に飛び散った。
射精の振動で、ショーンのペニスが、ぴくぴくと跳ねる。
あまりの快感に、ずるりと力の抜けたショーンが、エリックの首から手を離した。
エリックは、ショーンを抱き直した。
腰を挟む足の力も抜けてしまったショーンの尻を持ち上げ、自分に向かって凭れ掛からせた。
「重っ」
そんなことをいうわりに、平気そうなエリックは、小さくショーンを揺さぶり、ちゅぷちゅぷと、尻に音を立てさせた。
まだ、あわただしい息をするショーンは、エリックに縋り付いた。
中で動く、エリックのペニスに、眉の間に甘い皺を寄せた。
「やっと、すこし、緩くなった。このくらいでないと」
エリックは、汗の滴るショーンの頬にキスをして、にやりと笑った。
「食い意地の張ったショーン相手だと、締まり過ぎで、動きづらいったらない」
エリックは、ショーンを抱き上げたまま、また、腰を突き上げ始めた。
ショーンは、エリックに足を絡めたまま、甘いため息を吐き出した。
その晩、エリックが、ショーンのベッドから帰ることはなかった。
エリックは、ショーンの隣で、横になっていた。
「・・・どうも、ショーンに誤魔化されてしまった気がする」
エリックは、タバコを吸いながら、ぼやいた。
「半月もかけた遊びにしては、ショーンから、殆ど、何も聞き出せなかった」
エリックの吐き出した煙が、天井へと広がった。
ショーンは、シーツの中で、面倒くさそうに目を開いた。
「俺は、お前みたいに、頭を使った遊びで楽しめる性質じゃないんだ。焦らされると、腹が立つだけだ」
エリックは、ショーンの顔を覗き込んだ。
「でも、夜になると、俺のこと思い出してたんだろう?」
エリックは、ショーンの髪を撫でた。
「思い出した。確かに、そのことばっかり考えた。でも、ついでに、そんなことを考えさせるお前に、腹が立った」
ショーンは、エリックの手の動きに、満足そうに目を瞑った。
エリックは、笑いながら、ショーンの髪にキスをした。
「恐っ。半月で、やめといてよかった」
エリックの笑いの振動が、ショーンの体を揺すった。
エリックは、腕を伸ばして、タバコを消した。
「明日からは、じゃぁ、また、毎日のようにしようか?ショーン」
エリックは、ショーンの頬にキスをした。
ショーンは、目を瞑ったまま、エリックに返事をした。
「もう、満足したから、明日はいい」
「日中も、俺のことを考えてくれるようになったら、ショーンの言うとおりにしてやるよ」
エリックは、ショーンの肩にキスをすると、ショーンの体を抱きこんで、目を瞑った。
END
焦らしプレイに、こっちが焦れてしまった(苦笑)