カジュアルセックス
良く鍛えられた太い腰が、腹の上でリズムをつけて動き始めた。自分のいいところに当たるよう、カレンは少し身体をそらすようにして、ペニスを咥え込んだ締まりのいい尻を小気味よく上下させる。舌舐めずりを繰り返す口元が卑猥だと前にも言ったのに、やめようとしない。カレンが自分の楽しむことを優先させたセックスは、確かに良かったが、また今日も、サムのプライドを軋ませる。
具合のいい道具のように扱われるのは、許せない。
サムが、自分の上の乗るカレンの股ぐらの間に手を伸ばすと、何をするんだと言いたげに、カレンが顔を顰める。
構わずサムは、手のひらの中にカレンのボールを握って軽く転がしてやりながら、自分の太いものを咥え込んでいるあの小さな穴から、まばらに毛の生えた道筋を辿ってペニスの裏側までの道のりをそろりと指先で撫でた。少し入れる力を強くしながら繰り返してやれば、リズムよく上下していたカレンの尻がペースを乱す。あっ、と声が上がって、サムは自分を見下ろすカレンの顔をにやりと見上げた。
「気持ちがいいだろ」
「まぁまぁだな」
少し漏らしかけていたとしても、決してサムのセックスをいいと認めないのがカレンの流儀だ。
「誰々と比べれば、いい方」これはかなり上等の褒め言葉で、だが、腹の上で、他にも男がいることを堂々と認められてうれしく思うなんて、ろくな男じゃない。
ぎちぎちの中を擦られながら、外からも感じるところを弄られるのは、カレンの気にいったようで、股の間にくぐる手を、よく肉のついた太股で挟み込んだまま、催促するようにゆらゆらと腰を揺する。触りながら、軽く押してやると、熱心に腰を上下させるカレンが、はふっと、何度も熱っぽく息を吐いた。だが、自分のペースに巻き込んでやろうと、サムが上下する腰を掴むと、つやつやとした目をいやらしく光らせて、顔を寄せてくる。
「ダメだ」
「なんでだよ?」
「お前みたいにでかいのに、上に乗っかられて押しつぶされたくなんてないね」
キスまで触れあわさずに音を立てるだけで、笑いながら逃げて行った。
「長くもたせろよ、サム」
「カレン、そんなことを言うと、泣きごと言うことになるぜ」
「望むところ」
カレンが笑う。
サムは、腹が立った。
END