ついーとのCJ 2

 

濡れた中を掻いていく指に、ジェーンは、真っ赤になり目尻にきつく皺を寄せて目を瞑るしかできない。

……まだ?」

ベッドの上で、剥き出しの尻を突き出して、四つん這いだ。

しかも、その尻は、欲しがるように上を向いた形で突きだしているわけでなく、排泄する時のように、シーツに近く、折り曲げた足のかかとの上近くに落とされている。その尻に真下から差し込まれたチョウの指が、さっきまでの激しい性向で緩んだ穴の縁を遠慮なく広げ、ぬかるんで、やわらかい肉筒のなかを、奥から中のものを掻き出すようにゆっくりと動いている。

さっきまでの、もっと破廉恥だった大きく足を開いてしてもらっていたその恥ずかしい場所への舌での愛撫や、その後の、激しい挿入を思えば、今されていることなど、まったくたいしたことじゃないはずなのに、ジェーンは、中に出されたものをチョウに掻き出されているこの今の自分が、たまらなく恥ずかしく、その羞恥でどうにかなってしまいそうだった。

チョウの指が、深く、緩く、肉の襞を押し開き、奥への道を開いている。

また、どろりとしたものが、チョウの指を使って、尻の中から漏れ出し、ジェーンは頼りなく、金色の睫毛を何度も震わせ瞬きしながら、ぶるりと体を震わせる。

「まだだ。それより、ジェーン、もう少し力を緩めろ」

チョウの声はいつも通り短い。

「っ、ぁ……もう、やだ、……ねっ」

チョウは、中出しした精液を自分の指を伝わせるように、入り口付近まで誘導し、窄まろうとする穴の口を大きく開いている。

そして、予告もなしに、指を、ずるりと奥へと突き入れる。

「奥が、まだぐちょぐちょだ。緩めないといつまでも出てこないぞ」

そう言うとチョウは屈みこみ、ジェーンの尻を覗きこむようにするが、それは、ただ、指を咥え込んだそこの状態がどうなっているか確かめているだけだ。

いつもよりずっと緩んだそこを覗きこまれるのに、さっきから緩めろと言われているのにもかかわらず、思わず、力を入れて強く窄めてしまうのは、ジェーンの感じた激しい羞恥のせいだった。

ぐっと指を咥え込み窄まったそこに、チョウは、小さくため息を吐き出したようだ。

多少の強引さをみせながら、指がぬるぬるの中で動き出す。

その指を、また、ジェーンは締めつけてしまう。

「……ジェーン」

「……ごめん……」

だが、そんな場所の後始末をされるのはたまらなく恥ずかしくて、どうしても、ジェーンは落ち着かないのだ。

勃ってさえいれば、魅力的でもなんでもないそこをチョウに、見られることも、弄られることも、興奮でためらいが吹き飛んだが、事後の今、性的に魅力などないに等しいアナルなんていう部分を、チョウの手で弄られていることに感じる動揺をジェーンは、どうやり過ごせばいいのか、戸惑が隠せない。

手をついた枕を皺が寄るほど強く握りしめてしまう。

「ね、……まだ、終わらない、チョウ……?」

「あんたが、協力的じゃないからな」

熱の篭った体の奥深いところを動きづらそうにチョウの指が掻いている。

覚悟を決めて、ジェーンは強く目を瞑り、長く息を吐いた。

締めつけの緩くなった肉襞の奥を、チョウの指先がぐっと押し広げる。

「そうだ、ジェーン。そうして、力を抜いて、緩めてろ」

何度か掻きだすように濡れた襞の中で指が抜き差しされると、指の太さに広げられた穴の縁からじわじわと漏れ出していくものは、足の付け根を濡らしていった。

その羞恥に、どうしても、ジェーンの頬には血が上った。まだ、チョウの指は、身体の深い場所にいる。

「ねぇ、チョウ、もう終わりにできないかな?」

チョウは、嫌がっていたジェーンの中で出した以上、このくらいのことはしてやっておかないと不味いだろうという配慮から、ジェーンの後始末をはじめただけだった。

だが、はっ、はっと、浅い息を繰り返し、酷く赤い顔をしてぎゅっと目を瞑っているジェーンの様子に思わずにやりと笑いたくなるような面白さを感じていた。

枕を掴んでふくよかな腰を捩っているジェーンは、やりすごせずにいる羞恥を隠すこともできずに、尻を開こうと懸命だ。

「ねぇ、まだ、だめ?」

かわいらしいというのが、もしかすると、この食えない男に今、一番似合う言葉かもしれない。

ぐちゃりとチョウが指で奥を開くように突きいれると、どろりと溜まっていたものが、指の広げた柔襞の間に広げた道を伝い落ち、ジェーンがぶるりと身体を震わせた。

「……ぁ、っ」

ほっとしたような、けれども恥ずかしさの滲んだ短い声をジェーンが漏らす。

チョウは、もう終わりなのかと、惜しく感じた。

もう一度、今、広げている穴の中に、自身のペニスを捻じ込み、汚してやりたい気持ちになる。

だが、その時、ジェーンが、真っ赤な顔で振り向いた。

「も、いい、よね? チョウ?」

目を潤ませた情けないほどの真っ赤なその顔は、どれほど今の行為が、ジェーンにとって、恥ずかしいことだったのかをチョウに伝え、チョウは、軽く肩を竦めると、深く体内へと埋め込んだ指をずるりと引き抜いた。

ほっと長い睫毛を伏せてジェーンが息を吐く。

肩に入っていた力も抜けた。

チョウは、濡れた指をティッシュで拭い、もう一枚、箱から引き出し、ジェーンの汚れた尻を拭おうとした。

すると急に、ジェーンはベッドの上を這って逃げる。

「チョウ、もう、いいっ! 今ので、君が僕のこと心底愛してくれてるのは、十分伝わったから!」

必死にシーツを手繰り寄せ拒否するジェーンは引きつる顔で無理矢理、にやりと笑っている。

チョウはぎしりとベッドを軋ませ、ジェーンに近づくと足首を付かんだ。

「嘘! ごめん。やっぱり、僕が君にべた惚れで、いい」

「だな」

チョウは、まだ何かいい募ろうとしているジェーンの口を塞いでやった。

 

END