ツイートのCJ11

 

*魔女っ子ジェーンちゃん

 

マハリークマハーリカヤンバラヤンヤンヤン マハリークマハーリカヤンバラヤンヤンヤン魔法の国からやって来た ちょっとチャームな男の子(?) じぇーん、じぇーん。魔法の呪文を唱えると〜♪ 

「チョウ、君は今日もさっさと容疑者に自白させちゃったね。僕の出番がなくなっちゃったじゃないか。せっかく、君と同席で容疑者を追い詰めるのを楽しみにしてるのに。そんな悪いチョウには、お仕置きで魔法をかけちゃうぞ」

「げっ、魔法っ!?」

「チョウは、雄牛になぁれ。えいっ」

(催眠術。催眠術)

「ふうぉぉー! ふぉぉー!」

チョウは唸りを上げると、ジェーンに向かって突進してきた。

「えっ!? ちょっ、チョウ!?」

その勢いにリグスビーも驚いて声を上げる。

「おい、ジェーン!?」

ない角でもって突き刺すつもりなのか、チョウは頭からジェーンに突っ込み、そのまま押してゆく。

「リグスビー、ちょっと、助けてっ!」

ジェーンはコピー機にはぶつかったし、押される勢いのままにお尻で人を二人も付き飛ばした。

「やめて、チョウっ! 暴れるなら外でやって、いくらそのコンサルタントがむかつくからって、二人して壁に激突されたんじゃ、建物が壊れるわ」

腕で、いや、前足で掴み上げられ、壁に押し付けられているジェーンは必死に抗った。

「ちがうって、リズボン! チョウが押さえつけて放してくれないんだって。僕の足、床についてないんだ!」

普段澄ましているだけに、バタバタと足を動かす窮地のコンサルタントは笑いを誘う。リグスビーの顔は半分が大きく笑った口だ。

「なんだ? お前、チョウの獲物か? しとめられたのか?」

「笑い事じゃないんだって、リグスビー!!」

吊るし上げられ、振り解くこともできず、その痛みと苦しさで顔を真っ赤にし半泣きのジェーンは、面白半分でチョウに催眠術をかけたことを十分反省した。

 

 

*ジェーンの寝顔見ながら一人エッチする先輩は喘ぐかもしれない。

(あと、先輩は開いてるジェーンの唇に先っぽを押しつけたりする。これは、間違いなくやる。笑)

 

近頃、自分の寝た後に、ジェーンが一人何かを見ているようだとは思っていたのだ。喉が渇いて目が覚めたチョウは、明りを落とした薄暗い部屋の中で、テレビの画面に見入っているジェーンの真面目腐った顔に映るぼんやりとした光にあくびをした。

「何を見てるんだ?」

「うん? 大したものじゃないよ」

画面の声はぼそぼそと聞き取りがたい。深夜向きの湿っぽいドラマかと特に興味もなく、キッチンに向かうついでに、ふと振り返り、チョウは顔をしかめた。

「……お前、それって」

普段の不眠の疲れが一気に噴き出したように、極たまにジェーンは気絶しているかのように深く眠りこむ。何をされても起きない。そんな時、チョウは一人で勝手にジェーンを楽しむのだ。だが、それを逆手に取られて、眠りこんでいる相手に無体を働くところを撮られた。

「うん。こないだの。ねぇ、チョウ、君ってさ、乗り気で自分から吸いついてくるような相手より、言いなりで上手にできないような相手の方が興奮するの? だとしたら、僕、」

チョウは、腹が立った。

「これは、こないだ俺のやったことを責めるためにやってるのか?」

だが、ジェーンはチョウの不機嫌な声を怪訝そうに振り返る。

「え? 違うよ。純粋に研究のため。どうしたら、君のこともっと気持ちよくしてあげられるかなと思って」

ちかちかと画面の光を跳ね返す青い目は、まるでどこにも棘など隠し持っていないと楽しげに笑っている。チョウは驚きを顔にのせたその顔の無邪気さに馬鹿馬鹿しくなった。

「……そうか。じゃぁ、勝手に続けろ。俺は寝る」

「質問に答えてくれないの?」

背を向けたチョウを声が追ってくる。

「そんな馬鹿げた質問には答えたくない」

「なるほど、質問自体が馬鹿げてるんだ? チョウは僕ならなんでも好きってこと?」

水を飲み干し、そっけなくチョウは寝室のドアをバタンと閉める。まだ声は追ってくる。

「ねぇ! 僕、起きてる時でも、チョウの喘ぐ声が聞きたいよ!」

(おねだりじぇーんちゃん、おわり)