コンサルタントの出勤簿11
*もぐもぐじぇーんちゃん
「袋には、300グラム入りって書いてあったの。なのに、これ、ほんとに300もある?せいぜい200じゃない? 近頃の菓子屋って嘘つきね」
リズボンが、事件が解決し、ほっとしているチームの皆にクッキーを勧めながら、顔を顰めている。
礼を言って、袋の中からチョウも一枚クッキーを掴みだした。
「誰から貰ったんです?」
「……え? ジェーンだけど、」
「だからですよ」
*罰金1000ドル
チョウが証人として裁判の席についていた。詰めよるように質問をぶつけているのは、若く美人の女性弁護士だ。
「それで、昨日の晩、あなたはどこで、何をしていたのですか?」
「はい。被害者の女性の部屋で話を聞いていました」
「では、今日の昼は、あなたはどこで、何をしていたのですか?」
「あそこにいる証人の女性と今日の打ち合わせをしていました」
「では、もうひとつ、これからのことなのですが」
「あ、だめだよ。チョウは、今晩、仕事で忙しいんだから」
ジェーンがいきなり割り込んだ。
「静粛に! 私語は慎みなさい。そこ!」
「……えーと、ええ、わかってます。黙ります。……罰金も了解。そんな、チョウも、そんなに睨まないでよ!」
*質問
あてがわれたホテルの部屋は、ありきたりで、もう見るべきところもなかった。
不眠症のジェーンは、暇を持て余している。
ドアがノックされた。
「おい、ジェーン」
チョウの声だった。
「どうしたんだい、チョウ?」
「……なぁ、一人で寂しくないか?」
人気もない夜中の廊下に響くのは、潜められたチョウの声だ。めずらしくも言い淀む様子に、ジェーンは心がドキリとする。
「……うん。まぁ……そうかもしれないね……どうしたの?」
ちらりとジェーンが青い目を上げる。
「リグスビーのいびきがうるさくて寝られない。お前が寂しいなら、調度いい」
*発砲してもいいですか?
事態は悪い局面になってしまっていた。
いかつい男は、ジェーンを睨みつけながら脅しをかける。
「おい、お前、俺は今から、3つ数える。そのうちに、俺の目の前からいなくなれ!」
リグスビーと、チョウは、銃を構えようと腰へと手を伸ばしかけていた。
「1、2」
「しょうがないなぁ。まだ、質問があるのに」
「……3」
ジェーンは、急いで男の背中へと回った。
「それで、あのさ、続きなんだけど」
*ハイタワーさん、いらっしゃい。
「ジェーン、明日、新しいボスが来るから」
ジェーンは、リズボンににこりと笑いかけた。
「僕、暇だし、階段を磨いとこうか?」