メンタリストでなんちゃって童話 5

 

 

*スリーピング・ビューティー

 

その年、ジェーン王子は、もう何年も眠り続けたままの姫が森にいると聞いたのです。

「そんなの、ありえないよ。僕を怖がらせようとしてる?」

おもしろがりながらも、眠り続ける美しい姫をどこかうっとりと想像していそうな隣国のリグスビー王子をジェーンは笑います。

「ちがうよ。俺の婚約者の……ほら、その、」

リグスビーは真っ赤です。

「ヴァンペルト? ……ねぇ、君、いつになったら、ヴァンペルトの名前をまともに呼べるようになるの? 政略結婚の相手が、すごく美人だったってのは、確かに、素敵なことだけど、いつまでも君がそんな態度だと、尻に敷かれるのが、君だけじゃなくて、君の国もになっちゃうよ? 君の国は確かに大国だけど、でも、今なら、僕、ヴァンペルト姫の国を攻めて、姫を人質に君の国に降服を要求するよ。君、従うでしょ?」

「お前、怖いこと、さらっと言うなよ!」

「まぁ、君のとことは、友好同盟を組んでるし、しないけどさ、でも、君の領地の、豊富な鉱山が手に入るのかと思うと、ちょっと魅力的な手ではあるよね」

 

そんなこんな話で、おもにリグスビーが半べそにさせられてばかりの昼下がりでしたが、ヴァンペルト姫からの情報だという、『怪奇 眠り続ける美人姫、彼女が目覚める年、世界に何が起こる!?』の三文怪談を聞かされたジェーン王子は、近頃、あまり面白いことも身近になく、暇だったこともあり、噂の眠り姫を探してみようかなと思いつきました。

幸い、探し物は、ジェーン王子の特技です。

「あのさ、美人の眠り姫がいるって聞いたんだけど、居場所を知ってる?」

姫探しの道中で、何度か、こう尋ねる度、どうやら、自分が知らなかっただけで、森の中で眠り続ける姫が有名だということはわかったのですが、どうしたことか、尋ねる度、人々の態度が微妙です。

「ねっ、美人だって噂だけど、本当?」

人々がさりげなく、視線を外します。

けれども、まぁ、美人じゃなくても、どうやら、魔女の呪いで10年以上も眠り続けているらしい姫は、話のネタにひと目見てみるだけの価値はあると、暇なジェーン王子は気楽に森をいきます。

「おっ、どうやら、あそこらしいな」

 

そのガラスの棺の周りには、美しい花々が咲き乱れていました。

姫のドレスは初々しくもかわいいピンクなようです。

その装いにちょっと期待した王子は、王子は、馬を止め、草を踏みながら、ゆっくりと姫へと近付きます。

さぁ、姫との初対面です。

「……あ、……ええっと、……そうだね。……」

つい期待しすぎたジェーン王子は、そっと姫から目を反らします。目を反らした先には、墓標のようなものがありました。

「なになに? 永遠に呪われよ、プリンセス・チョウ。魔女は存在する。我が力を思い知れ。タムジン・ドウヴ。へぇ、姫ってば、この魔女と、何かもめて、眠らされてるのか。全く、女の諍いって怖いね」

肩を竦めた王子は、もう一度、プリンセス・チョウへと目を移しました。愛らしいピンクのドレスのせいで、期待しすぎていたせいか、ひと目見た時には、姫の胸板の厚さに思わずがっかりしてしまったジェーンでしたが、じろじろとチョウの身体を眺めているうちに、考えが代わってきました。

「マニア好みかもしれないけど……これは、……ねぇ……うん。……なんていうか」

おもわず、チョウ姫の側へと膝をつきます。

そして、手を伸ばします。姫が眠っていることをいいことに、まず、剥き出しの太い二の腕を撫で回し、その硬い感触にうっとりと目を潤ませると、がっちりとした肩に触れ、盛り上がった胸にも手は移っていきます。

「すごい。……あ、なんだか、この身体でこんなの着てるのも、……。なんか、結構くるものがあるかも」

ジェーンが筋肉で盛り上がった姫の胸を撫で回すうちに、ドレスの下では、小さな乳首がぴくりと頭をもたげはじめています。それを手のひらで感じたジェーンは一人赤くなります。

「うわ。かわいい……」

そして、男らしい姫の目がしっかり閉じているのを確かめると、いそいそと、ジェーンは立ちあがり、姫の下半身に場所を移しました。ふわふわで、不必要にも思えるほどすごい量のドレスのスカートをそろそろと捲っていきます。

「ドキドキするね。姫のドレスの下は、どんなかな?」

ジェーンの目には、むっちりと筋肉質な太い足が、ばーん!と、飛び込んできました。いかにも逞しげです。けれど、思わず吸い寄せられるように、ジェーンは、チョウ姫の足を撫でています。

「……ふう。なんて、滑らかな肌なんだろう。どうしよう。マニア好みなんて言っちゃったけど、……違う。この姫は、すごく魅力的だ。この取り合わせにも抵抗できないものがある。……ある意味、すごい美人なのかも」

そして、膝より上の姫の秘密ゾーンに興味を隠せなくなったジェーン王子は、とうとう、もこもこと鬱陶しいほどのドレスの裾を豪快に捲ってしまいました。

「え!? うわ ……これは、すごいね!」

ドレスの下から現れた、赤いリボンのついた腹までの白パンティから、ジェーン王子は目が離せません。ふわふわのすごい量だったドレスのスカートは、きっとこれを隠していたのでしょう。ある意味、危険物です。

逞しい股間が隆々と天を衝いています。しっかりへそまで覆う白パンティは、押し上げる中のものに、今にも破けそうな勢いです。

「……姫ってば、こんなすごいのをスカートの中に隠してるなんて……」

ソレのあまりの勃起力と大きさに、怖いものみたさというか、日に燦々と照らされた姫の股間に、ジェーン王子の顔は次第に近づいています。

「うわ。また、大きくなった」

じろじろと見つめる王子の息のかかるのが、刺激になるのか、また、むくりと姫の股間は大きくなりました。

「ここのサイズだけ見てると、どんな魔女の呪いにだって、打ち勝てそうな気がするんだけど」

それほど、姫のパンティを押し上げ、盛り上がる股間は迫力です。

けれども、そこは、やはり女同士の戦いだったのでしょう。どんなキャットファイトがあったのか知りませんが、股間のサイズだけでは勝てない熾烈な戦いがあったのかもしれないと、魔女対姫の、恐ろしくもいやらしい戦いぶりを妄想し、夢見るジェーン王子はうっとりです。

まぁ、実際は、強がってみたものの、魔女の呪いが怖くて仕方のなかったチョウ姫が、一方的に敗走したのですが。

「だけど、さぁ、どうしようかな。こんなに大きくなっちゃったし……このままってわけにはいかないよね?」

ジェーン王子は、まだ、しげしげと姫の迫力あるイチモツを、眺めまわしながら、肩を竦めます。

「ねぇ、姫、僕が君の身体を撫で回したせいで、こんなに大きくなっちゃったのかい?」

ジェーン王子が、ちょっぴり姫の逞しい股間に触れてみると、ビクンとそれは震え、まるで頷いたようです。

「困っちゃったな……だからって、眠っている相手に悪戯して犯ちゃうなんて、僕の倫理に反するし……」

白々しくも、嘘っぽい健やかな笑顔を浮かべたジェーンは、また、姫の隆々とした股間を一撫でし、かわいくも素直に反応するそれに、にっこりと笑います。

「そうだね、じゃぁ、姫を起こしちゃおうかな。僕、王子だもんね。こんな魔法、王子のキスで目覚めるのが定番だし。それで、起きなきゃ、まぁ、……ね、一応努力はしたんだし、不慮の事故っていうか」

姫の顔の側に膝をつきなおしたジェーンは、王子らしく、優雅に、まるでバラの花びらにでも触れるようにそっと姫の唇にキスしました。

「姫、さぁ、目を覚まして」

キスされる姫の迫力ある股間は、パンティに包まれているとはいえ、太陽の下にさらけ出されたままでしたが。

 

まるで魔法のように姫の目が、静かに開き始めました。

ジェーンは姫に甘く微笑みます。

「やぁ、君の目は、まるでダイヤモンドのように、硬く美しい色と輝きなんだね」

まるで砂糖菓子のように甘く囁きます。けれども、姫は、そんな囁きなどまるで聞えていないように、ジェーンを突き飛ばしました。

「やめてくれー! 助けてくれ! 俺はもう金輪際、魔女には逆らわない!!」

「え!?」

「いやだー!! やめろー!!」

這って戻ったジェーンは、まだ、魔女の呪いで兇暴に暴れる姫を、王子の面子にかけて格好よく抱きしめます。

「大丈夫。姫、大丈夫だから、君は、今、呪いから解けたところなんだよ」

「え?」

「本当なんだ。美しい姫。僕が、君の呪いを解いたんだ。……実は、僕も半信半疑だったんだけど、君に呪いをかけた魔女はロマンチストだね」

にこりと甘くジェーンは怯えるチョウに微笑みかけました。チョウは、また、ドレスの中でいかつい身体をがたがたと震わせています。よほど怖い思いをしたようです。

「大丈夫」

ジェーンは、自分が一番魅力的に見える角度で微笑むと、安心させるようにもう一度、そっと姫へとキスしました。ピンクのドレスのチョイスはどうかと思う程、姫は大層男らしいですが、唇はとても柔らかく、いい感触です。

チョウ姫の黒い瞳が、信じられないとばかりに、じっとジェーンを見つめ、それから、魔女の呪いにかかっていた自分の身体の状態を確かめるように全身を見つめます。そして、もう一度、茫然とジェーンを見つめます。

「悪い魔女からは、僕が守ってあげる。君のためだったら、何でもしてあげるから、安心して」

乱れたままドレスの裾がチョウ姫の目に入ったのが居心地悪く、口のうまいジェーン王子は誤魔化すために思わずぺろっと言っていました。

「本当に、……何でもしてくれるのか?」

尋ねてくる姫の声が低くて、姫の逞しい腕に、今すぐ殴られるんじゃないかと、王子としては情けないほど腕に自信のないジェーンはドキドキです。

「……え? うん。ひと目で、君に恋に落ちちゃったから、勿論だよ!」

「じゃぁ、お前、今すぐ、犯らせろ。目が覚めた時に、勃ってたら、5分以内に嵌めないと、一生そのままになる呪いも、俺はかけられてるんだ」

「は!? なんて、下品な呪いを魔女はかけたんだ! どういう意味なの、それ?」

「知るか。だから、魔女は呪われてるんだ。つべこべ言ってる暇はない。どうせ、俺のアレがこうなてるのだって、どうせ、お前が触ったせいだろ!」

「え? ……それは、その、色々あって……姫! 姫っ! ダメだって、それじゃ、役割が逆!!」

「うるさい。お前、俺に惚れたんだろ?」

「だけどさ!」

「魔女の呪いは絶対なんだ!」

「……え? えっ!? うそっ……!!」

 

 

そうして、ずぶっとチョウ姫のものを嵌められたジェーン王子でしたが、何がどうなったのか、多分、チョウ姫のが思いのほか、よかったせいだと思うのですが、姫を妃に迎え、末永く幸せに暮らしたということです。

 

めでたし、めでたしv

 

 

END