テーブルの上のカード。そして、テーブルの下のカード

 

ライリーは、3度目、このソファーの前に立っていた。

人を呼びつけておいて、にやにやと楽しげに笑う金髪は、ソファーの上にだらしなく寝そべっている。

ライリーは、眼鏡の奥から、イアンを見下げた。

「オフィスにいる時と随分態度が違うんじゃない?」

「お互い様だろう?ライリー。お前なんか、5秒前とだって違う。ショーが姿を消す前なんて、借りてきた猫みたいだったじゃないか」

イアンは、機嫌が良さそうに緑の目を動かした。

ショーが立ち去ったドアは、まだ、閉められたばかりだ。

「ショーを呼び戻してやろうか?ライリー?」

「やめろよ。イアン。俺、丸腰なんだぞ。あいつ、今にでも銃を抜きそうだったじゃないか。いつも、いつも、玄関であいつの顔見て、どのくらい俺の心臓が悲鳴を上げてるか、知ってる?あんた、性格が悪いにもほどがあるんじゃない?あいつになんか罰でも与えてる最中なの?どうして、こう毎回、あいつをここに居させてるんだよ」

ライリーは小さな声で毒づいた。

イアンが目を見開いた。

「ライリー。お前のレポートを読ませて貰っている時にもたびたび思ってはいたんだが、お前、ゲイツが気に入るだけあって、割合、ゲイツと同じ思考パターンだよな。ゲイツに比べれば、思考の飛躍距離は短いが、正解に近いところへと、助走もなしにいきなりジャンプする」

イアンは、楽しそうにライリーを見上げた。

ライリーは、眉を顰めた。

「・・・何が言いたいの?」

「ここに必ず、ショーを居させていることが、罰だとよくわかったなと」

「ああ、あの人。ベンのこと嫌いそうだもんね」

ライリーは、小さな笑いと供に肩をすくめた。

「もっとも、俺のことなんて、もっと大嫌いだろうけど」

と、付け足している。

イアンは、満足そうにライリーへと手を伸ばした。

「その通りだ。だが、不思議だな。ライリー。ベンが言えばどんな突拍子もないことだろうとそれなりに頷けるというのに、お前が言うと、どうしてもすぐには信じられない」

「なんでさ。どうせあの人あんたの足だってべろべろ舐めるくらいメロメロにされてるんだろう?ベンが、あんたのこと、べたべた触りたがるから、拗ねてるんだ」

ライリーはしたり顔で説明した。

ライリーの手を握りながら、イアンはくすりと笑った。

「ほら、ライリー、やはりお前は、正解を出すくせに、そこに行き着くまでの思考方法が間違っている。ベンがべたべた触って怒っているのは、ライリー、お前だ。ショーは、俺が、ベンにしたいようにさせているのが、気に入らないんだ。部下としてそれは、許される態度じゃない。だから、毎回ここに居させて、あいつに自分の立場というものを思い出させてやってるんだ」

イアンは平気でそういうと、ライリーの指に指を絡めた。

「なんて、酷い上司なんだ」

「道筋は違うのに、必ず正解にたどり着く、ライリー、お前の脳みその方が酷い作りだと思うが?」

ライリーは、イアンの指を振り払った。

誘いかけるように微笑む、金髪の誘惑を振り切り、ライリーは眼鏡を押し上げた。

「結果さえ抑えておけば、大抵のことは、オーケーだ」

イアンは面白そうな顔で、プライドに傷のついたライリーを見上げていた。

「なぁ、イアン。毎回、俺のセックスに散々けちをつけるくせに、何で俺のことを呼ぶんだよ」

イアンは、ソファーの上で寝返りを打ち、特別ライリーの質問を気にしていない様子だった。

だが、頬杖を付き、振り返った顔が、ライリーににやりと笑う。

「ライリーが考える答えは?」

ライリーは、憮然と答えた。

「面白がってるんだ」

「やっぱり、それで正解だな。さて、で、そこに行き着いた理由なんだが。きっとお前が考えているのと、俺が思っているのは、違うと思う。ライリーがそう思った理由は?」

「俺のことなら、いいように扱えるからだろう?」

「そうか?お前、ベンといる時と、セックスの時じゃ、随分、性格が違うだろう?我が強くて、そんなに簡単じゃない」

「じゃぁ、なんで?」

ライリーは、シャツのボタンまで外して、すっかりその気になっている美人を前に、自分は何をしているのか、と思いながら、イアンの横に突っ立っていた。

イアンと、セックスをするために、ライリーは、ここに呼ばれた。

イアンの性格は、どうしても好きになれないが、この体が気持ちのいいことを、ライリーはよく知っていた。

イアンは、髪をかき上げ、面白そうに目を細めた。

「俺が、何度もここへお前を呼びつける理由は、ライリー坊やの純情を踏みにじるのが、楽しいからだ。どう?今日は、ベン、お前がどこに行くか、尋ねてくれた?オフィスで、お前のことだけ呼び止めたこと、なにか聞かれたか?」

ライリーは、床の上で地団太を踏んだ。

ライリーがベンを狙っていることをこの金髪は一発で見抜いた。

そして、それをネタに、ライリーに脅しをかけた。

「畜生!あんたが、そういう奴だってわかってたのに!」

「その様子だと、今日もベンはお前のことに興味を持ってくれなったようだな。俺の携帯には、今日、会えて嬉しかったと、用もないのに電話をくれたよ。あの先生」

「それは、あんたが、オフィスでベンがケツを触るのを黙認したからだ!」

ライリーは、怒鳴った。

イアンが肩をすくめた。

「そうだとも。あの先生は、セクハラが過ぎるな。だが、どうしてだか、ライリーの尻には触ったりしないみたいじゃないか」

「いいんだよ!俺がベンを狙ってるんだ」

「で、どう?ベンはライリーのものになりそう?」

また、寝返りを打ったイアンは、はだけた胸元をライリーに見せ付けるように、悠然と微笑んだ。

ライリーの視線は、薄いピンクをしたイアンの乳首へと吸い寄せられた。

よく発達した大胸筋。

引き締まるというほどではないが、だらしなくはない腹。大きく張り出した腰。

大きなイアンの体は、全くもって、ライリーの好みだ。

目を逸らそうとしたライリーの手首を、イアンは掴んだ。

今度は、指の時のように、簡単に振り払うことも出来ない。

「いっそ、俺が、お前と、ベンの仲を取り持ってやろうか?」

まるでその気などないくせに、イアンは、優しげな顔で、ライリーへと近づいた。

下から見上げたままに、目を閉じ、キスを待っている。

「・・・いつもキスからって、一体あんたの最初の相手は、どんなロマンティストだったんだよ?」

ひねくれたことを言いながらも、ライリーはふらふらと小さな唇に吸い寄せられていた。

突然、瞼が開いた。

「知りたいか?」

息のかかるほどの間近で、美しいグリーンアイが、意地悪く微笑む。

ライリーは、イアンの顔を両手で強く挟みこむと、強引に唇を重ねた。

舌をねじ込み、遊ぶようにひらひらと逃げ回るイアンの舌を捕まえる。

たっぷりと、自分の思い通りにすると、ライリーは、イアンの上にのしかかった。

「あんたの過去なんて、興味ない」

ライリーは、ぜいぜい冷たい声を出した。

イアンは、ライリーのキスに満足した様子で、ぺろりと濡れた唇を舐めるとライリーの背中へと腕を回した。

「・・・大抵の男は、最初にそうやって言うんだよ」

揶揄するように、ライリーの耳元で甘く囁いた。

強がりを笑われたと知ったライリーは、イアンの上から、退こうした。

イアンの手は、ライリーを離しはしなかった。

「ライリー・プール。お前は、ここにいる理由を思い出すべきだ。お前は、ベンに惚れている限り、あの天才に金を出してもいいと思うパトロンを大事にしなくちゃならない。そうだろう?」

イアンの緑の目が、ライリーの黒目に威圧をかけた。

「ライリー。俺は、お前のセックスが気に入っている。さぁ、ベンのために俺のご機嫌を取れ」

イアンは、ライリーの手に、自分の腰を抱かせた。

肉付きのいい腰は、ライリーの心を弾ませた。

しかし、まだプライドに引っかかりを感じているライリーは、イアンのジーンズの中へと強引に手を突っ込みながら聞いた。

「イアン、俺にめちゃくちゃにして欲しいってこと?」

ライリーのセックス嗜好は、自分より大きい男を乱暴に扱うことだった。

イアンは、自分から、ジーンズのボタンを外し、ジッパーを下げた。

「俺に悲鳴でも上げさせてみろ。間違いなく、お前の大事な頭に穴が開くぞ」

「・・・最悪だ」

ライリーは、舌打ちをした。

するとイアンは、くるりとライリーを体の下へと押さえ込んだ。

腹の上に乗り上げ、ライリーのパーカーのフードについているヒモを引っ張る。

舌なめずりするような顔でライリーを見下ろしたイアンは、そのヒモを首の前で交差させ、ぐいっと手首に力を入れた。

ライリーの首が絞まった。

「こんなに簡単に絞め殺されるような奴が、よくベンを狙うな」

イアンは、容赦なくライリーの首を締め上げた。

じたばたとライリーの足がソファーを蹴った。

イアンの腕へと爪を立てる。

暴れるライリーの眼鏡がずれた。

「もうすこし、体を鍛えた方がいいんじゃないか?坊や」

しかし、太腿でライリーを拘束するイアンに揺るぎはなかった。

蒼白な顔をして、空気を求めるため大きく開かれたライリーの唇をイアンは塞いだ。

「やめっ!・・・・やめて・・・やめてくれ!!」

ライリーは、唇が離れるたび、必死になって助けを求めた。

しかし、イアンは、離さない。

気の済むまで自分のリードするキスをしたイアンは、やっと紐から手を離した。

「ライリー、ドキドキしてる?命の危機だったもんな。恋に落ちそうだろう?」

イアンは本当に舌なめずりをした。

ライリーは、激しく咳き込み、上から見下ろすイアンを押しのけた。

「てめーの口座から、全額金を引き出してやる!!」

「盗みはしないんだろう?天才ハッカー?・・・」

イアンは、ライリーの力などにはびくともせず、こんな状況だというのに勃ち上がったライリーのものに尻を押し付けた。

「そんなことすると、ベンが、悲しむぞ」

柔らかな尻でこね回すような動きをされて、まだ胸が苦しいにも関わらず、ライリーのペニスはますます大きくなった。

「イアン!」

「ライリー、俺は、お前とこうなってから、対ハッカー用の用心するようになった。俺の口座をある人物の管理下に入れ、管理してもらうようにしている。あそこの金に手をつけたら、いくらお前でも、生きてはいられないんじゃないかな?あっちも、凄腕のハッカーを飼ってるからな」

イアンは、誰でもが黒だと知っている名士の名前を口にした。

ライリーは、そこで飼われているハッカーの名も知っていた。

噂によると家族の命と引き換えに契約を結んでいるというそのハッカーは、ライリーでは全く歯が立たないブロックも破った。

ライリーのしでかした悪戯など、すぐ痕跡を追ってくるだろう。

イアンは、自分を満足させるだけの大きさになったライリーのものに、うっとりと満足そうに目を細め、口を開いた。

「そこまで対策を俺に取らせて、プライドが擽られるだろう?ライリー」

イアンの言葉は、確かに、そのとおりだった。

あの男がいる組織へと金をプールさせなければ、ライリーから財産を守れないとイアンが考えたのだとしたら、それは、ハッカーとしてのライリーのプライドを満足させた。

ライリーは、イアンへと手を伸ばした。

開いているジッパーの中へと指を忍び込ませる。

イアンは、目を瞑った。

相変わらず、尻の動きは止まらないが、ライリーの手を喜んでいる。

ライリーは、イアンのペニスを引きずり出し、乱暴に擦り上げると、尻を叩いた。

「ケツを上げろ。イアン。このまんまじゃ、俺のだって出せやしない」

「坊や、言葉を慎め。俺は、言葉遣いにうるさいんだ」

そうやって睨みながらも、イアンは、尻を上げた。

ライリーは、イアンの尻から、ジーンズを摺り下ろし、肉付きのいい白い尻を手の中に握りこんだ。

柔らかな肉に、ライリーの指が沈み込む。

「多分、この尻のさわり心地は、ベンよりも、ずっと上等だろうな」

「いいのか?そんなこと言って?ライリー?」

くすくす笑うイアンが、ライリーのジーンズの前を開いた。

飛び出したライリーのペニスに指を絡め、楽しげに扱く。

ライリーは、イアンの尻をこね回すのをやめ、割れ目にそって、指を下ろしていった。

「なぁ、イアン・・・」

しっとりとすばらしい手触りの肌は、気持ちのいい窪みを持っていた。

柔らかなそこを押すと、指は簡単に飲み込まれていく。

すでに準備され、ぐっしょりと濡れている穴の中を、ライリーは、指で探った。

イアンは、物足りなそうな顔だ。

「すぐで構わないのに・・・」

「あんたのペースばかりは嫌だ」

ライリーは、ペニスを入れてしまってからでは、イアンに敵わないのを知っていた。

終わりのない指を使って、ライリーは、イアンの中を注意深く探っていく。

イアンは、ライリーに抱きつくように体を倒し、ふと思いついたようにソファーの下を探った。

イアンが小さなウインクをする。

ライリーは、イアンが手にしたものを見て驚いた。

それは、小型の盗聴器だった。

「すまないね。部下への躾が行き届いてなくて」

気にした様子もなく、イアンは、盗聴器をテーブルの上へと投げ捨てた。

しかし、まだ気になるのか、イアンは、今度、ソファーのクッションの下へと手を入れた。

今度は、ゴムの包みが出てきた。

「・・・やっぱり隠してあった。都合よく出てくると思っていたんだ」

最初からこれを探していたらしいイアンは、歯で、パッケージを破り、ゴムを取り出した。

ライリーは、イアンを見上げながら、これに聞き耳を立てている人物がかわいそうになった。

あのスキンヘッドは、ライリーの指を締め付ける部分の心地よさを知っているに違いないのだ。

こんな扱いをされているというのに、この淫乱を心の底から愛し、受信機の前で聞き耳を立てている。

イアンは、ピンクのゴムを手に出すと、口に咥えた。

「ライリー・・・」

腰の位置をずらしたイアンが、ライリーのペニスを頬張った。

ゴムがくるくるとライリーのペニスへと被せられ、イアンは、にっこりと笑った。

何かを待っていた。

ライリーは、ため息を付いた。

「・・イアン。実況中継しろって言うの?すごい。こんなの初めてだ。口でゴムを被せるなんて、イアンはなんていやらしいんだ。・・・って言えばいい?」

ライリーは体を起こすとイアンを引き寄せ、がっしりと腰を掴んで固定した。

「お望みなら・・・」

ライリーは、イアンの穴の中へと指を突き入れた。

「すごく濡れてる。ぐちゅぐちゅだ。そんなに指を締め付けないでよ。ああ、もう、イアン、そんなに腰を振らないで」

ライリーは、イアンの穴の中で、指を動かしながら、途切れなく口を開き続けた。

「ここ?この辺りだったよね?ああ、ここだ。すこし膨らんでる。触るよ。ほら、最初は、そっとだ。ダメだよ。そんなに力を入れないで」

「・・・っつあ・・」

「イアン、ほら、尻の力を抜いて、まだ、指なんだよ。そんなに締め付けたら、動かせないじゃん。気持ちいいの?ああ、気持ち良さそうな顔をしてる」

イアンのいいところばかりをライリーが攻めると、イアンは唇を噛んだ。

自分から、このゲームに誘ったくせに、イアンは、声を噛んでしまった。

「声を聞かせてよ。イアン。あんたの声を聞きたがってる人が、俺のほかにもいるんでしょ?」

ライリーは、3本束ねた指で、前立腺を擦るようにしながら、イアンの中を突き上げた。

「ああっ!!・・・・ああう・・・っあ・・あああ!」

イアンが喉をのけぞらせて、声を上げた。

ライリーが突き上げるたび、ピンクの唇が解ける。

「・・・っはぁ・・・ああ・・・ライリー・・・ライリー・・・」

貪欲に腰をうごめかすイアンの姿はいやらしかった。

イアンは、ライリーのペニスに指を絡めた。

「・・・ライリー・・・こっちで・・・」

もっとイアンを追い詰めたかったライリーだった。

だが、ライリーにも我慢がきかなかった。

ゴム越しとはいえ、イアンの手がライリーのペニスを求め、しきりと扱いた。

恥知らずな金髪は、ライリーの性感を煽るため、大きく腰を振り、ライリーの体の至るところに触った。

ライリーは、イアンの尻からジェルにまみれた指を引き抜いた。

「こっちに尻を向けろ。イアン」

ライリーは、盗聴器の向こうを意識して、命令口調を使った。

ライリーのペニスのためなら、イアンが命令に従うと知ったら、あのスキンヘッドは、どれほど悔しがるだろう?

しかし、イアンは、首を振った。

「ノー。ライリー。このまま下から突き上げてくれ」

イアンは、尻をライリーのペニスの上へと移動させ、窪みへとペニスの先を擦り付けた。

先端を包み込まれる快感は、ライリーを、イアンに従わせた。

せめて、強がりを言って、ライリーはイアンを突き上げた。

「イアン、泣くなよ!」

「あああっっっ!!・・・」

イアンが、大きくのけぞる。

その背中を支えながら、ライリーは、何度も何度も気持ちのいい穴の中を突き上げた。

「・・・いいっ、・・・ライリー・・お前・・セックスは最高だ・・・」

「・・・セックス、も、だよ。・・・畜生。イアンっ!・・・」

ぐずぐずと溶けてしまいたくなるような快感に耐えながら、ライリーは、イアンの柔らかな尻へと腰を打ちつけた。

イアンの締め付けは強烈だ。

柔らかいくせに、きゅっと締まった穴は、ライリーに他では味わったことのない天国を見せた。

「・・・畜生、なんだって、こんなに気持ちいいんだよっ!」

「・・・んっ・・・っあ・・・っふぁ・・あっ・・・」

休もうとすると、イアンが、ライリーの腹へと手を付き、腰を蠢かせた。

絶え間なく締め付けてくる肉の甘さに、ライリーの方が先に弱音を吐いてしまう。

「・・・イアン・・・ちょっと、手加減しろ・・・」

「ノー。ライリー。・・・もっと俺にくれ・・・」

イアンは、髪を額に張り付かせて、大きく口を開いていた。

腰の動きは止まらない。

「だったら、少しは、緩めろ!」

ライリーは、いつもの癖で、ぴたんと一つ大きな音を立て、イアンの尻を張った。

切羽詰まった欲望に押され、手加減などしていられなかった。

イアンの尻が強く強張った。

「あああっ!!!!」

イアンは、ものすごい力で、ライリーのペニスを締め付け、派手に精液を飛び散らせた。

イアンのペニスは、十分に硬くなっていたが、それはあまりにも唐突だった。

ライリーは、きつく目を瞑って、その衝撃をやり過ごした。

だが、顔にまで飛んだイアンの精液を拭うと、にやりと笑った。

「なんだかんだ言って、やっぱり俺にこういうことを求めてたんじゃないか・・・」

ライリーのセックスは、嗜好がそうである以上、どんなに命令されようと、どこかに暴力的な部分がにじみ出た。

それを嫌うくせに、何度も誘いかけるイアンを不可思議だとライリーは思っていたのだ。

イアンの目はとろりと頂点の満足さに潤んでいた。

手形を残して、真っ赤になった尻が、愛しい。

「ベンのことを言って、俺をからかうのは、ちょっとだけ、ひどい目にあわせて欲しかったからだろう?イアン」

ライリーは、すぐそこにある自分の頂点を見据えながら、腰を大きく突き上げた。

しかし、イアンの口が大きく叫んだ。

「・・ライリー、もっと、もっと動いてくれ!・・・」

また、自分から腰を使い始めたイアンの動きを止めるため、ライリーはイアンに抱きついた。

このまま動かれては、面目など保てそうになかった。

「・・・・ちょっと、勘弁してよ。・・・もう!・・」

潤んだままのイアンの目が笑った。

「・・・坊や、誰がお前のルールを採用するって言った?・・・」

それでも、頂点を迎えたイアンの息は甘かった。

ライリーは、がむしゃらにイアンを揺さぶった。

「叩かれて、気持ちよくいったくせに!!」

「・・・帰りにっ、お前の尻に・・・銃弾が打ち込まれないといいなっ・・・」

息を弾ませながら、イアンは、盗聴器に向かって顎をしゃくった。

イアンのからかいは、ライリーのペニスを少し冷静にした。

イアンが笑った。

「・・・もっと、頑張れそうだな?」

「・・・くそっ!どうぜあんたには敵わない」

「上手くできたら、ベンに電話でデートに誘われた時、断ってやるよ」

「ああっ!クソ!」

ライリーは、イアンの気が澄むまで、セックスに付き合わされた。

そして、また、セックスが終わると、イアンは、ショーを呼んだのだ。

ライリーは、大慌てで服を着ながら、怠惰に寝そべったままの熟れた体を見下ろした。

「俺の頭は、この世に一つっきりの、すごく大切なもんだからね!ぶち抜かないようにちゃんと言ってよ!」

イアンの体は、ピンクに色づき、性感の満足で、解放されていた。

それは、目の毒としか言いようがなかった。

イアンは、慌てるライリーをだるそうに見上げた。

「こうやっている時のお前は、本当にただの弱虫にしかみえないんだがな」

そして、ちょうど部屋へと入ってきたショーに手を伸ばした。

イアンは、罰を与えている最中だという部下の首へと腕を回し、肩に顔をうずめる。

「部屋で休みたい」

「・・・はい。ボス」

ショーは手に持っていたタオルでイアンの体を拭うと、軽々とイアンの体を抱き上げた。

逃げ出しそびれていたライリーは、両手が塞がったショーのため、部屋のドアを開けた。

「サンキュー。ライリー」

ショーに抱かれたまま、イアンが、にっこりと笑った。

ショーの目は、獰猛な光を宿したまま、沈黙を保ち、じっとライリーを睨みつけた。

ライリーは、そのすぐ後について部屋を出ると、廊下を曲がった。

「・・・恐ぇ・・・・」

ライリーは、一目散に玄関から逃げ出した。

 

END

 

 

頂いた絵が、あまりに素敵だったので・・・v

oyajiroomのともえ様から頂いたハウたん絵v
誘い受けフェロモンだだ漏れのハウたんが素敵です〜〜v