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*お手伝い
「ああ……これは、残念だがあんた、これはただの風邪じゃない。この影が見えるか?どうやらあんたは、肺に問題があるようだ。その重い咳の具合からすると、結核も疑った方がよさそうだし、肺化膿症、肺真菌症、顔色が随分悪いな。肺腫瘍も検査してみた方がいいだろう」
珍しくハウスが真面目に外来診察をしている。
「そんなっ! そんなのは困る。仕事が忙しいんだ! 検査なんか受けている暇はない! あんた、名医なんだろ? そんな影、すぐ消してくれ!」
だが、ハウスだからこそ、見付けられたといっても過言ではない病変を、患者は残酷な仕打ちだと言って喚き立てる。そのうちには、男泣きに泣き始める。
「そんな、仕事がやっと軌道にのったばかりなんだ。……借金だってたくさんあるのに」
「わかった、泣くな」
ハウスはティッシュをボックスごと患者に差し出した。盛大に鼻がかまれる。鬱陶しいことこの上ない。
「じゃぁ、そのレントゲン写真を修整してやる」