ついーとのわっほむ 2

 

「抜かないでっ……くれ、……もっと突いて」

観察眼には長けているが、人と親しく交わることを苦手とするホームズは、社会の通念や、常識というものを身につける機会がないせいか、時々、自分だけの規範で動くことが多く、この医者の眉を顰めさせた。

尻にめりめりと押し入る硬いものに、肉の中をめちゃくちゃにかき回され、潤滑油かわりの塗薬がぬるぬるとあふれ出た尻穴を、医者の指で大きく押し広げられているというのに、大きく開けた口から、あえぎを漏らし、潤みを増した目で見上げねだる。さっき、もっとと強請るように振られる尻に、医者が、もう、いきそうだと漏らした途端だった。

「いやだ、ワトスン……、もっと、……ぁ、もっと、してくれ」

引きよせるように、両足をワトスンの腰に絡め大きな尻をこすりつけてくるホームズは、ぱんぱんに腫れ、先を濡らすペニスがワトスンの下腹で擦られるのに、ああっと、大きく声をあげた。

「いやだ。っ、いやだ。……ワトスン、もっと、突いてくれ」

はしたない強請りは、身を起こし、胸を擦り合わせてきたホームズからの口づけのせいで、途中で曖昧になった。熱心に口づけるホームズは、むずりむずりと腰を動かしている。

ワトスンは、強くホームズの腰肉を掴んだ。

「……ホームズ」

舌を絡ませながら、ホームズが目を開く。

「まだ、突いてくれ……ぁ、お願いだ……」

煽られる射精感を堪えるワトスンには、苛立ちが募る。首へと巻き付いていた腕を手荒く解くと、身もだえている体をベッドへと押し戻し、お望み通り、奥をきつく突きあげた。

「あっ!……ああ!……あ!」

「ホームズ、普段もそのくらい素直でかわいい態度をみせていれば、もっと人に好かれるぞ」

「んんっ、いいっ! ワトスン、ぁ、そこ、あっ、そこ、ぁいい!」

「もっと尻の穴を締めて、さっさといけ、そろそろわたしもいかせろ、ほら、いけ、さぁ!」

「あ、あ、あっ!」

せつなく甘えるような鼻声を合間に挟みながら、ホームズは汗のにじんだ腰を捩る。

「ああ! いい、ワトスン、いいっ!」

きつく掴まれた腰をびくびくと突きあげ、ホームズは激しく射精した。ワトスンも熱く蕩けているホームズの尻の中に堪えていたものを撃ち込む。奥にかけられたものに、ホームズはまたびくびくと体を大きく震わせる。

「……ホームズ、ねだりがましいのは、好きじゃないと言っただろう」

大きく吐き出す息とともに、ワトスンはホームズを見下ろした。

ホームズは汗に濡れ乱れた髪を、けだるげにかきあげる。

「いいや、ドクター、君は下品なのが実はお好みだ」

そして、緩く笑った。

「そして、残念なことに、そういう君を僕が好きらしくてね」

笑われたとこに、気を悪くした医者は、中に出された精液で滑りのよくなった尻のなかから、ずるりとペニスを引きぬきにかかった。だが、ホームズの足がワトスンの腰に絡みついたままだ。

「ホームズ、足を離せ」

「冷たい君も、とても魅力的だよ、ワトスン」

くすりと笑われたことに、更に気を悪くしたワトスンのペニスは、笑われる程度の仕事しかできないと思われるのが嫌だというように、また力を取り戻し始めていた。それをにやりと探偵が笑う。

「さぁ、ワトスン」

ワトスンは、プライベートな場所では、嫌になるほど正直な同居人の顎を捕えて、きつく口付けた。

「ホームズ、今度君は、もういい、やめてくれと言うぞ」

「ぜひ、言わせてくれ」

ワトスンは、もう無言で探偵の腿を大きく割り開き、掴みあげた。

 

END