エイヴリーの前立腺をグリグリ☆
ジェルで濡れそぼった奥のいいところを、しつこくグレイスミスの指が弄りまわすのに、エイヴリーの身体は疼き、記者は掴んだシーツに顔を擦りつけ、ぶるぶると腿を震わせていた。
「すごい、感じてる。そんなにここ、いいの?」
エイヴリーの尻の穴に突っ込まれた長いグレイスミスの指は、わずかに盛り上がる肉の丘を、緩やかに、何度も撫でているだけだ。だが、それが、エイヴリーには、たまらなかった。もともと、そこを埋めてくれる太いものに飢えを感じて、無様な秋波を送って来るグレイスミスの誘いを許したというのに、空洞は埋められず、ただひたすら、指の腹で前立腺を弄られている。だが、それが、気持ち良くてたまらない。
奥歯を噛んでいるだけでは、腰に重く溜まり続けて燻る熱に耐えられなくなり、尻を揺すりながら、手繰り寄せ、ぐちゃぐちゃにしたシーツに歯を立てる。啜り泣くような自分の声が、唾液と共に、シーツに吸いこまれるのに、少しだけ安心したが、グレイスミスがその顔を覗き込んでくる。
「真っ赤。泣いてる。力が入り過ぎて、顔に皺が寄ってるのに気付いている? すごくセクシー」
こんな場面でなければ、エイヴリーは、決して、こんな口のきき方をグレイスミスに許しはしない。けれども、性感の高ぶりに赤く色づく裸の腰を掴まれた今、グレイスミスの無駄に大きな身体は、エイヴリーに抵抗を許さなかった。もう入れろと怒鳴ったのには、むかつく顔でにやつかれた。あらがえるはずはないと自分で尻を広げて見せた腕は、強く掴まれ、シーツへと戻された。粘着質なグレイスミスがこのまま当分楽しむ気なのは、予想ができたが、それは、エイヴリーにとって、耐えられないほど長い時間に思われた。いますぐ、尻の穴に太いものを捻じ込んでほしいのだ。じんじんと痺れ、疼いている肉の襞の中を、いっぱいに埋められ、硬いペニスで擦って欲しい。弄られ過ぎて肥大しているアソコだって、指なんかで、いつまでもネチネチと弄られるのではなく、太くて硬いアレを出し入れする力強さで押し潰してほしい。息もできない強さで揺さぶられたい。
「グレイスミスっ!」
何度、怒鳴っても、ぐずぐずに腰の砕けた涙声の迫力では、いつも気の弱いグレイスミスさえ従いはせず、風采のあがらない漫画家は、欲求を持て余し身悶えるエイヴリーを楽しむように目を細めている。もう、エイヴリーは耐えられなかった。股間でたらたらとカウパーを漏らす自分のものへと手を伸ばすと、グレイスミスに見られていることも構わず、自慰を始める。ぬめるものを手の中に握っただけで、声が漏れた。はぁはぁと口から洩れる熱い息は、ぐしゃぐしゃのシーツの皺に跳ね返り、エイヴリーの周りに溜まっていく。くちゃくちゃと粘ついた水音を立てる自分のペニスが恥ずかしく、だが、エイヴリーはそれを弄る手を止めることもできなかった。グレイスミスは、まだしつこく、尻の穴から前立腺を攻めてくる。ビクビクと腰を揺らして、尻の穴に指を突っ込まれたまま、オナニーするエイヴリーが真っ赤にした額をシーツに擦りつけていると、グレイスミスの大きな手がエイヴリーの手に重なった。耳元に熱い息が吹きかけられる。
「……ボールも弄るんだ」
竿を扱きながら、ボールを弄るエイヴリーの手を包み込み、グレイスミスの手がやわやわと玉を揉み込む。そして、やっと、指先を動かし、ずっと前立腺を嬲るだけだった指が、奥への掘削を開始した。濡れた肉の襞を突き広げられる重苦しさに、エイヴリーは甘く呻く。二本に増えた指でしつこく拡張されると、欲しいもののサイズには、まるで足りないものに犯されているだけだというのに、尻にしっかりと指を咥え込んだまま、射精してしまった。
「あっ! あっ! あ!」
ビクビクと揺れるペニスを握るエイヴリーの手は、恥ずかしさでたまらなく顔が熱いのに、勢いよく発射されたもの汚れ、ぬるぬるだ。しかも、まだ、太いものを咥え込んでいない場所は、指を咥え込んだまま疼いてみせる。落ち着かない胸から、はぁはぁと湿った息を吐き出すエイヴリーが悔しさに、舌打ちすると、他人の指をずっぽりと咥え込んだまま、まだひくついている尻に唇を寄せてきたグレイスミスが、小さなキスをし、そのままかぷりと歯を立てた。思わず、きゅっと、尻の穴が締まる。
「いやらしいなぁ。エイヴリーは……」
「やめろ!」
怒鳴れば、グレイスミスが笑っている。
「ほんとに?」
男が背後でジッパーを下ろす音に、エイヴリーの尻の奥がじくじくと熱く疼いた。
能天気なグレイスミスの声には、後で、絶対に仕返しをしてやると決めた。
「だめだ。入れろ」
くすくすと笑いながら、シーツを踏んだグレイスミスの大きな身体が、エイヴリーの背後に立った。尻へとあてがわれた切っ先の硬さに、いま、いったばかりだというのに、ごくりとエイヴリーの喉が鳴る。ぐっと押しつけられ、めりめりと押し入ってくるものに、エイヴリーは、何振り構わず、大きな声をあげた。
「ああぁぁあっ!」
「エイヴリー、君、最高っ!」
こいつの、コレが、こんなによくなければ、こんなこと絶対に許しはしないのにと、エイヴリーは、汚れたシーツの上で、また歯噛みした。いつもするように、まただ。
だが、一旦、尻が満たされれば、次の飢えまでは、また、エイヴリーの方が、ずっとグレイスミスより優位だ。射精後、図々しくもうとうとし始めたグレイスミスを、エイヴリーはベッドから蹴りだす。
「うわっ。酷いな」
尻もちをつき、見上げてくるグレイスミスはいい気味だ。
「俺の財布から、金を抜いて、先にチェックアウトしておけ」
不満顔を浮かべながらも、グレイスミスが頷く。だが、いつの間にか、次第に図太くなり、絶対に許しはしないが、去り際にエイヴリーの髪へとキスしていこうとするところが、近頃、エイヴリーをイラつかせている。
END