アイアンマンAU
いれたてのコーヒー片手に、手間のかかるパスワード入力を経ないと入れない地下ラボへの入室を、何度やっても慣れないと思いながら、それでも、……多分……、ジュードの恩人である変人のために、ガラス戸が開くのを待って奥へ進めば、ジュードは、目の前のあまりのことに、あんぐりと口が開いてしまうのを止めることはできなかった。
やっとのことで軌道に乗り始めたカフェの、テイクアウト専門の客に、すらりとしたゴージャスな美女がいたことは、ジュードにとってもひそかな楽しみだった。その彼女の名が、かの有名なミス・ポッツであり、いつも二つ持ち帰るコーヒーの一つが、スターク・インダクトリーの社長室へと運ばれ、億万長者の喉を通り過ぎていたなんて、残念ながら、小さなカフェ屋のジュードの預かり知らぬことだ。
それを知ったのは、いつもの彼女が、いつもじゃない時間に、とても申し訳なさそうな顔をしながら、新店舗への移転を提案する事業計画書と、契約書を持参した時だ。
「……え?」
全く、寝耳に水の話に、ジュードが目を見開いているうちに、有能な彼女は、どれほどこのスターク社との契約が、ジュードにとってラッキーな話なのかを、短くわかりやすく説明した。
「この店は、賃貸でしょう? もし、こちらが用意した土地で店をやってくれるのであれば、土地と店の権利は、手続きが済み次第、あなたのものになります。あなたの移転に対しての保障費の用意もあります。事前リサーチで、新しい店舗での売り上げはこのグラフが示す程度が予想されており、飲食店が多いこの場所で店を続けるよりも収益率は上がると予想されています。この店のやり方は私も好き。営業時間の変更や、経営方針の変更を求めるつもりはありません。……ただし」
美しい彼女は、額に手をあて、深いため息を吐きだした。
「……申し訳ないんだけど、メニューにドーナツを加えて欲しいの。わが社のCEOが、どうしてもドーナツが食べたいって……」
「……はぁ」
あまりの話に、あっけにとられて、ただ頷くしかできないジュードを前に、美女は、悔しそうにぎゅっと細い指を握った。
「もう、あの人は! 何が、コーヒーにはドーナツだろよ。ごめんなさい。いつものコーヒーは?って言うから、あれは、本社ビルのそばの店ですって言ったら、だったら、店を自宅の側に移そうって、急に言い出して」
引き籠りがちなスターク社のCEOのために、ハイクラス住宅地域への店舗移転にさえ承諾すれば、新しい店は、資本もなしにジュードのものになるという若い経営者にとっては、まるで夢のような破格の申し出は、嘘でもなんでもなく、一月後には、屋根のてっぺんに大きなドーナツの看板のついた、ちょっと笑ってしまうような子供っぽいデザインの新店舗として、ジュードの前に差し出された。
だが、ミス・ポッツは立ち寄ってくれるものの、ジュードの店にドーナツをメニューに加えさせたスターク社のCEOは、どれだけジュードが待っても、一度も顔をみせることなく、(だって、アイアンマンなんだろう!?)最初はそれなりに緊張していたジュードも、なんとなく新しい土地での店に、集中し始めていたのだ。
あれは、本来なら、朝食を求める客たちが1分を惜しみながらも立ち寄る、店が混み始めるはずの時間帯のかなり迷惑な時間の貸し切りだった。
朝日の差し込む、ありきたりなカフェ屋の中で、アイアンマン姿のトニー・スタークと、アイ・パッチの男とのひとしきり、奇妙な会見が行われ、そして終わり、ジュードが、初めてTVでなく生で見たトニー・スタークを、恐るおそる遠巻きに見ていると、不意に、彼は大きな声を出した。
「なぁ、おい、さっきから、思ってたんだが、俺は、このコーヒーの味を知ってるぞ」
鋼鉄のバトル・スーツ姿で、ドーナツのために、小切手を切った時から、変人だとは思っていたが、店をここへと移転させたことを、すっかり忘れているらしい経営者に、ジュードはあきれ果てた。
「それにだ。この店は、ドーナツの看板を上げているくせに、パイの方が旨いってのは、どうなんだ?」
どうなんだと言われても、もともとジュードの店には、ドーナツなどなく、ジュードのカフェ屋は、コーヒーとパイが旨いと評判の店だったのだ。
文句を言いながらも、しっかりドーナツを3つと、パイをふた切れ平らげ、コーヒーも2杯飲んで赤と金でデザインざれたメットを片手に、スターク社の最高責任者は満足そうに引き上げて行った。
その後、今度は高級車にスーツ姿で、一番忙しいランチタイムに現れた時には、席が空くのを立ったまま待つ客を押しのけ、ずかずかと厨房スペースにまで入り込み、調理中のジュードの肩をいきなりぐいっと引き寄せた。
「こら、ペッパーに叱られる破目になっただろう。なんであの時、この店は俺が移転させたものだって言わなかったんだ」
「ごめん。フライパン、危ない!」
無理に顰めたようなスターク社の社長の大きな目は、ジュードから5センチと離れていなかった。わざとらしいしかめっ面をしたトニー・スタークのスーツは、もし、フライパンの中のソースがかかったとしても、ジュードが簡単に弁償できるような代物ではない。とっさに必死で身を引いたジュードに、トニー・スタークはにやにやと笑い、それから、あっけにとられるようないい笑顔を見せた。
「この店は、流行ってるようだし、悪くないじゃないか。無理矢理移転させたかもしれないが、君の腕なら、どこでも成功できる」
巨大企業の社長なんていう人を、ジュードは、他に知らなかったが、思わず、この目の前の人間の行儀の悪さには顔を顰めた。トニー・スタークは、ジュードが客に出そうと盛りつけた肉のソースを指先で味見している。
「味もいい」
「食べていかれるんですか?」
傍若無人なジュードの店のオーナーは、厨房から席待ち客の溢れるフロアーを覗くと、満足そうに眼を細める。
「ああ、そうだな。面倒なんだが、これから、会社にいかなくちゃならないんだ。お勧めは?」
つい、睨み、指の跡の残るソースの皿をつっけんどんに突き出した。
「これなんてどうです?」
どうして、あんな態度をとって、スターク社のCEOに気に入られたのかわからないが、それからたまに、トニー・スタークは、ジュードの店に立ち寄って、コーヒーとパイと、それから味に文句をつけながらもドーナツをぺろりと平らげ、投資の回収をするようになった。
それどころか、ジュードの店が営業していない水曜日には、すばらしい豪邸でコーヒーを入れるという経験をしてみないかという、実に厚顔な誘い方でもって自宅への出張まで言いつけるようになっていた。
だから、たかがカフェ屋のジュードが、スターク社のCEOの豪邸に出入りするのだ。
「ジュード、いいのよ。あなたがスターク社と取り交わした契約書の中身は、あなたにとても有利なものなの。たとえ、トニー・スタークの希望であろうと、休みの日に、自宅まで出張してコーヒーをいれてあげなくとも、それで、我儘なトニー・スタークが機嫌を損ねようと、あなたの店舗をトニー・スタークは取り上げることなんてできないんだから」
ミス・ポッツと、スターク・インダストリーの社長は、仲がいい。痩身の美人は、自分も座ったまま待っていて当然の立場なのに、キッチンのなかで、コーヒーを淹れるための準備をしているジュードの手伝いをしてくれる。そして、なぜか、大企業のCEOも、ジュードがこの家の豪華なキッチンに立てば、やたらと側をうろつきまわる。今も、スボンのポケットに両手を突っ込み、顰めっ面だが、広いリビングには戻ろうとしない。
「せっかく、人がジュードの無知に付け込んで、無料奉仕させてるというのに……」
「トニー、勿論サインしたあなたは知っているでしょうけど、あなたがあの店に持つ権利は、主に店舗デザインと、メニューのドーナツだけ。ジュードの店で食べるのなら、お金を払って帰りなさい」
「ジュード、ミス・ポッツは、今日はご機嫌斜めのようだ。うるさいから、コーヒーは地下で飲む。お前、地下のラボまでコーヒーを運んでこい」
こんな美女を捕まえて、まったく、大企業のCEOなんていう人種は、なんてわがままだと、ジュードは思っただけだったが、さっさと地下へと降りて行くトニーの背中を振り返りながら、ミス・ポッツはとても驚いた顔をしていた。
それは地下のラボが、トニーにとって特別の場所だからなのだとは、しばらくの間、ジュードは気がつかなかった。
「ミス・ポッツ。あなたのコーヒーは、どこに運ぼう?」
「これ……なに?」
コーヒーを運ぶため、地下ラボに入ったジュードは目を疑った。まるでSF映画のようなハイテク機器が高価な車とともに無造作に置かれた地下ラボは、何度入っても、常人との感覚の違いに視覚的混乱に陥る落ち着かなさだが、今日は、その比ではなかった。目の前では、非常にリアルな3D画像の自分と、トニー・スタークが、全裸で絡みあっているのだ。ジュードの腰を抱え込んで圧し掛かるトニーは、頬をへコませるほど、熱心にアレを咥え込み、フェラしている。
フェラに喘ぐ、自分の声まで聞こえそうだ。
「んー? 最初にお前がここに入った時、ジャーヴィスからチェックを受けただろう? あの時、スキャンしたデーターで作った3D映像だ。全サイズ、ばっちりのはずだぞ。なんだったら、内臓もリアルに再現してやれる。内臓関係で、何か心配事でもあるか? 腫瘍探しもできるぞ」
淹れたてのコーヒーのいい香りも、驚きのあまりひっくり返って縮みあがった胃をなだめてはくれない。
だが、立ちつくしたところでどうしようもなく、ジュードは、肩から息を吐き出し、コードのうねるラボの中を慎重に進んだ。とりあえず、このラボの住人から文句がでない位置にトレーを置く。
「こういうのが好きなの?」
こんなフランクな口調で話しかけられる程度の回数は、ジュードは、このCEOのためにコーヒーを淹れた。
「違う。これは、ジャーヴィスに勝手に作らせた」
『トニー様のお好みのポルノから、プレイや動きは拝借して、お二人の映像と差し替え、再構成しています』
しめった息の音さえしそうな程、リアルなくせに、向こうの景色が薄ボケて見える3D映像は、トニー・スタークが、透けて見えそうな白のビキニパンツを尻に食い込ませている代物だった。四つん這い姿の彼が動くたびに、密着した布が股の間の秘密の場所の淫微な盛り上がりを教える。
ジュードの身体に乳首を擦るようにして身を起こした3Dトニーは、挑発的に笑って、腰をよじりながら小さな布の中にそろそろと手を突っ込むと、大きく股を開いてしゃがみこんだまま、いつのまにか仁王立ちでいるジュードの物を口に咥え込んで、本物のジュードが思わず口を開けたままぼうぜんと見上げる前で、いやらしく舌を使って啜りあげはじめた。
それを難しそうに眉を寄せながら見ているスターク社の社長は、ジュードの隣に腰掛けたまま、なぜか、映像と同じだけ口を開いて、自分の口の中に指を突っ込んでいる。目の前の画像に比べれば、まるで色気を感じられないただの奇行にすぎないが、指に絡みついた舌は、思わず目を引くような健康的なピンクだった。
しばらく考え込むように眉間へと皺を寄せていたトニーは、ただ茫然と立ち尽くすジュードをその大きな目で不意に見上げると、
「なぁ、お前さ、アレ、やらないか?」
と、指差した。いやに、気軽にされた提案だが、宙に映し出されている映像は、透けて見えそうなパンツの中に、手を突っ込んで腰を揺すりながらオナニーするトニーが、うっとりとジュードのものに吸いついているのだ。
「は? アレを?」
「そう、あれを」
返答が気に入らないのか拗ねたように唇を突き出しているCEOが指差すのは、気のせいか、映像全体をというより、ねだるように腰を振る自分の映像だ。トニーは、親切にも、もう一度3D映像を指差し直す。やはり、指先が示すのは、フェラする自分だ。
「……え? もしかして、……俺に、アレをしろってって言ってる?」
トニーのコレクションポルノからこの画像が作られているのだというのだから、強情そうな大きな目でねだるように見上げているトニーが、フェラプレイに興奮する性質だとしても不思議ではないが、目の前の映像が映像なだけに、無意識にジュードは、トニーがそういうことのしたい人なのばかり思っていた。
だが、
トニーの目が、大きく動く。
「やっぱ、嫌だよなぁ」
じっくりとジュードの表情を観察した変人のトニー・スタークはふうっとため息を吐き出すと、今度はバックからファックしだした二人に、また、真剣に見入りはじめた。トニーの腰を押さえつけるように掴んだ、自分の腰の突き上げが、激し過ぎて、ジュードは情けないような恥ずかしいような複雑な気持ちで、思わず顔が歪む。固く勃起したペニスをドリルのように何度も捻じ込む腰の力強さは見上げたものだが、曲芸のような激しさだ。突き上げの度に、ガクガクと頭を揺らすトニーは、大きく口を開いて、いいとか、いくとか、恍惚とした表情で叫んでいる。トニーは、大きな目をじっと見開いて、映像に見入りながらも、トレーの上のカップに手を伸ばし、熱いコーヒーを慎重に啜りあげている。画像だけで、喘ぐ声や、いやらしい音が聞こえないは、せめてもの救いだ。身に覚えはないものの、まるで本物のセックスシーンを盗み見させられている気分になるこのリアルな映像が、唯一作り物めいて見える。
ふうむと、唸って思案にくれたように、トニー・スタークは何度か瞬きをした。
「なぁ、やっぱ、無理があるか?」
「……うん、……まぁ、……ちょっと」
遠慮がちなジュードの返事を、トニーは、ふっと笑った。
「違う、違う。これのソースのことだ。若いかわいこちゃんの仕草を、そのまま俺に当て嵌めてるのがなんだか気恥ずかしいというか、あの腰のよじり方とか、胸の突き出し方とか、やっぱり不自然過ぎるだろ」
ジャーヴィスと、トニーは声をかける。
「俺の動きをもう少し自然な感じに修正してくれ」
『わかりました』
ジュードに突き上げられる度、まるで弾むように悶えていたトニーの動きが、少しスローな物に変化する。抜かれたものを欲しがるように尻を突き出す仕草一つでも、年相応のらしい媚態は、映像をよりリアルなものへと変えた。いままでは唖然とばかりに見ていたジュードも、急に目の前で見上げてくる人と、腰を掴まれ、自分に揺さぶられる人とがダブって見えて、困惑した。だが、トニー・スタークは、まだ考え込むように眉を顰めたまま、じっと見入ったままだ。
ものすごく、変人だとは思ったが、とにかく、ジュードは、この天才が、どうやら自分とセックスしてみたいという興味を抱いているのだということだけは理解した。
すると、トニー・スタークは、ジュードの小さな頭の中で考えつくことなどお見通しだとばかりに、口を開く。
「違うぞ。ジュード。俺が、興味があるのは、お前とのセックスじゃない。これはただの検討用の材料で、興味があるのはお前という人間だ」
ジュードは驚いた。
「なんで?」
トニーは、机の上の画面を指差す。
「脈拍、体温、呼吸数、筋肉の弛緩状態。身体状態から、多少の心理は読みとれる。お前の数値は、全部ジャーヴィスがチェックしてここに出してる」
種明かしをすると、トニーは、はぁっと、ため息を吐きだした。
「正直に言って、確かに、お前とのセックスにも興味はある。多分、顔が好みなんだ。だが、……、一番問題なのは、たかがカフェ屋の経営で頭が一杯のお前が気になってしようがないことだ。好きなんだ。だから、困っている」
途方にくれたような潤んだ目で見上げられて、動揺のあまりジュードは、言葉を失った。
変人の天才は、足を開いて、自分のあそこを弄りながら、またジュードのものを舐め始めた自分の映像を、じっと見つめ始めた。時折、映像を真似て指をしゃぶる。
「こうやすやすと目の前でやられたら、出来そうな気にはなるんだが……」
実地の前に、シュミレーションしてみようというところが、頭の良さだと言えなくもないが、トニーがまごうことなき天才なのだとジュードに呆れさせたのは、セックスできるかどうかよりもまだ、二人の間では、告白一つ行われていない点だ。ジュードは、このCEOとの間に、友情すら育っているのかどうか、確信が持っていなかった。そんな全てのことをすっとばして、さすが天才は、いち早くゴールを目指している。
だが、ジュードは、懸命に生きるあまり、周りが見えなくなるタイプは嫌いじゃなかった。昔から、頭のいいタイプにも弱かった。
「あ、あのさ……、ちょっと、あの真似は、まだできそうもないんだけど」
ジュードは、またフェラシーンに変わった3D映像の色を頬に反射させるトニーへと顔を寄せると、まずは口の中へと突っ込まれたままの指を引き抜き、短く唇を触れ合わせた。
トニー・スタークの唇は温かく、柔らかかった。ジュードは、彼の唇の感触を想像したこともなかったが、それを、なんだか、とても意外に感じた。
「好きかどうかって聞かれると、まだ、答えられないんだけど、キス位は、出来る程度には、あなたのことに興味がある……っていうか、あの、どうかした? もしかして、気を悪くした? 本当に、キスしたら、気分が悪くなったとか、そういう……」
トニーが、目を見開いたまま動かず、あと、2秒もそのままだったら、ジュードは自分の行動を悔やんでいたはずだ。
ばさりと音をたてるような勢いで、瞬きをしたトニーは、口元だけに無理矢理作ったとすぐわかるわざとらしいビジネススマイルを二コリと浮かべると、急に立ち上がった。背中を向けて2歩ほど歩き、止まる。くるりと振りかえり、じいーっとジュードを見つめる。
「……あの?」
じいーっと、それそこ、ジュードの身体に穴が開きそうなほど、じっと見つめ続けると、トニーは、もう一度大きく瞬きした。
「ジュード、もう一度」
この行動の読めなさは、天才故なのか、変人故の為なのか、全くわからないと思いながら、ジュードは、自分からは決して近づこうとしないスターク社の最高責任者を抱き寄せ、やわらかな唇に、もう一度そっと唇を触れ合わせた。
唇が離れると、今度は、トニーから唇を合わせてくる。
遠慮がちだったのは、最初の一回で、それをジュードが拒まなかったら、キスは10回を数えるまで続けられた。
やられたと、ジュードは思った。ゴシップを賑わす、スターク社の社長の華麗な遍歴は、マスコミが作り上げた虚構なんてものじゃなかった。離れていく舌は、敏感な唇の内側を舐めるようにして、ジュードの腰をぞわりとさせる。
「……できそうな気がする」
うっとりとした目付きで、ジュードを見つめていたトニーがちらりと見た先にあるのは、広げたトニーの足の間に激しく腰を打ち付けるジュードの3D画像だ。パチりとトニーが指を鳴らすと、いく、いい!と、大声で喚くトニー・スタークの声まで付加された。本人の行動理論を反映させたはずなのに、声は大きく、乱れ方を激しい。
「なぁ?」
大きな目で、同意を求められ、ジュードはどぎまぎしながら、とりあえず、引き攣る顔で精一杯の笑顔を返した。
END
マイ・ブルーベリー・ナイツのジュードと、社長のクロスオーバーというとんでもないシロモノです……。