ハワイのらくがき19
*38
「身体の方が素直だからな……」な定番台詞でチャレンジ!
「どうしても言わないつもりか?」
こわい顔をして見下ろしてくるスティーヴに、チンは顔を強張らせたまま首を横に振った。
「そうか、じゃぁ、体に聞くとするか、チンは、体の方が素直だからな……」
長い腕が伸び、一瞬後には、チンはスティーヴに捕えられる。
そして、そのまま擽られた。
器用な指に、わき腹を擽られ翻弄されるチンは真っ赤になって身悶えている。
「ダメだって!……あははっ! やめろって、スティーヴ! もうっ! ダメっ、ごめんっ!……盗ったのは、ダニーだっ!」
「おいっ! チン、そう簡単に裏切るな!」
(昼休み、ランチ盗難事件 終)
*39
チンさんの喉元にあるほくろがエロくていいよね!
ソファーの隣に座ると、さっそく抱きすくめてきたスティーヴの腕の中でチンは激しく抵抗した。
腕を曲げてガードする顔は不機嫌に歪められている。
「お前っ! だから、いつも、なんでそこなんだよ。やめろって! もう、やめろって、うっとうしいっ!」
「なんで、嫌がるんだよ。いいだろ、舐めたいだけなんだから」
だが、チンの抵抗をものともしないスティーヴは、顎を上げさせると、まだ喉元へと舌を伸ばす。そして、舐めるのはチンの首にあるほくろだ。
「痛くも、かゆくもないんだろ?」
チンをソファーへと押さえ込み、圧し掛かったスティーヴの長い舌がべろりと首の皮膚を舐めていく。
「だからって、なんで、そこばっかり舐めるんだよ!」
「ん? かわいいからか?」
「……どこがなんだ? お前、頭がおかしいだろ、スティーヴ! おい、こら、もう、本当にやめろっ!」
(終)
*40
舐めるなら、ついでに他のとこも!
柔らかで肉厚の舌が、ペニスの先端を包みこんで舐め上げてくる。唇で雁首の括れを締めあげながら、しつこく剥き出しの肉頭を舐めてくる舌の動きに、チンの腰は揺れてしまう。気持ちがよくて、喉元に声が溜まり、思わずスティーヴの短い髪を強く掴んでいる。
そうやっていい気持ちにさせてくれているだけならいいのに、たまらなくいいフェラに、息が浅くなり、せわしなく腹をへこませたり膨らませたりするチンを、スティーヴは長い睫毛の間から、自信ありげに見上げてくるのだ。自分のテクを「どうだ?」とばかりに見上げてくるのが嫌だった。
聞くなら、答えは「YES」だ。
どうしようもなく、すごくいい。
(終)
*41
髪を固めてないチンさんがカチューシャしてたらかわいいねv
ブザーを押して、スティーヴはドアが開くのを待った。
「おい、チン、早くしろよ」
「……あんた、早いね、まだ約束の30分も前だぞ」
開いたドアから顔を見せたチンに、スティーヴは目を奪われた。目を見開き、つられて思わず口も開いてしまう。
「お前っ、……」
珍しくチンの髪が固められていない。
柔らかくカールして広がった髪は、それだけならここまでスティーヴを動揺させなかっただろうが、黄色のカチューシャがその頭に留まっている。
スティーヴにとって髪留めは、かわいい女の子のするものだった。
チンが使っているは、意外過ぎて、とっさにどんな反応もとれない。
「何? ……あ、これか。髪が邪魔だろ? 普段家だと、こんな感じだよ」
入れと言って、先に奥へと進んでしまうチンは、カチューシャを外すと、髪をかきあげながら、バスルームへ向かおうとしている。
「ちょっと待て。もう、いつものようにするつもりなのか?」
呼び止められたことを不思議そうにチンは振り返った。
「これが、グレイスので、これがコノの。で、これが俺の」
差し出された揃いのカチューシャを前に、コノもダニーも瞬きをしている。
「私と、グレイスのってのはわかるわ。でも、なんでチンのまで?」
「スティーヴが買ったんだよ」
「なんで奴が買うわけ?」
勿論その説明だけでは納得できないダニーが口を挟む。
「ん? 彼氏、グレイスに何かプレゼントしたかったらしいよ。で、今朝、俺の家に寄った時、俺が髪をカチューシャで留めてるのを見て、これだって思ったらしい。だから俺と、コノはついでかな?」
「いやいやいや!」
ダニーが大きく首を振る。
「今、チンはさらっと流したけど、……チン、普段、家でカチューシャなんかで髪を留めてるのか? もうそりゃぁ、それ見たスティーヴが、とち狂って買い込んだに違いないだろ!」
「そうなのか? ……まぁ、かわいいとかなんだとか、ネチネチからかわれはしたけど」
きょとんと見返してくるチンに、ダニーは震える。
「それ、からかってたわけじゃないから! あんたさ、グレイスにって名目で、こんなピンクの花柄のカチューシャを付けさせれる自分にもっと危機感を持て! なぁ、頼むよ!」
(終)