狩豆

 

*命がけの恋

 

カールとショーンは、一戦を交えて、ベッドの上でまどろんでいた。

そこに、ドンドンとドアを叩く音がする。

「ヴィゴだ!」

青ざめたショーンは慌ててカールに隠れるよう言った。

「どこに?」

「窓から外に逃げろ!」

ショーンがカールの背を押した。

カールは必死になって窓枠にしがみついた。

「ショーン! ここは13階なんだ!」

「何言ってるんだ、カール! 縁起なんか担いでる場合じゃないだろう!」

 

 

藻豆

 

*馬鹿っぷる。

 

撮影はずっと待ちの状態だった。

ヴィゴとショーンは、隣同士に座り、お互いに肘で突き合いながらくすくすと笑っていた。

「ショーン、俺は、あんたのこと、このくらい愛してるんだ」

ショーンの頬に口づけるのではないかというほど耳元に唇を寄せ囁いたヴィゴは、腕をのばせる限り一杯に広げ、ショーンの口元をほころばせた。

「ヴィゴ……」

ショーンは、照れくさそうに頬を染め、

「俺は、もっと愛してる……」

ちらりと目の前に積まれた段ボールの箱に視線を投げかけると、スタッフに指示を出すのに忙しいPJの背中まで視線の位置を素早く動かし、口元を押さえた。

「この位だ……」

「ショーン……」

感激したヴィゴは、照れ隠しのようにタバコをくわえたショーンの唇からまだ火もついていないそれを奪うと幸せそうに笑い、スタジオの端まで走っていった。

「ショーン、俺はなぁ!」

マントの裾を翻してヴィゴは疾走し始めた。

ドミニクが仁王立ちで立ちふさがった。

「なぁ、おっさん。あんた達の歳を大声で怒鳴ってやろうか? こっちはいい加減待ち時間の長さにいらいらしてるんだ。これ以上、いらつかせるような事をするなら、スタジオから放り出すぞ!」

 

花豆

 

*決意表明

 

「ショーン、今晩のデートの件なんだけど……」

オーランドの言葉を、ショーンは遮った。

「俺は、禁欲することに決めたんだ」

「へぇ。そう。じゃぁ、レストランの予約、来週に変えとくね」

 

ピアース豆

 

*本命ですから。

 

「やぁ、ショーン」

パーティー会場でショーンを見つけたピアースは、腰を抱くようにして金髪の視線を自分へと注目させた。

「久しぶり、じゃないか。ピアース、そちらの美人は?」

「こんばんは。Mr。私、彼の妻なんです」

「ご夫婦仲がよくって羨ましいことです」

「いえいえ、そうでもないのよ」

婦人は、上品な笑みを浮かべながら、困った夫の行状を口にした。

「私、彼の共演者の金髪美人と一戦を交えているところなの」

「それは、また……」

ショーンは、ピアースを見上げ、苦笑を浮かべた。

「ダメじゃないか。こんな綺麗な奥さんを困らせては」

「彼女ね、なかなか手強いの。素敵な緑の目をしていてね。それが、彼のお気に召しちゃったみたい。……あら、Mr。あなたも、綺麗な金髪に、すばらしいグリーンの目ね」

 

 

AU設定の百合ハム豆

 

*仲良し兄弟

 

「兄さん、それ、俺の服……」

寝ぼけ眼のデイビットが、ベッドのなかから、ショーンの背中に声を掛けた。

「ああ……そうか。でも、サイズは同じだ、着てもいいだろう?」

返すショーンの声も寝ぼけている。

「うん……。構わないけど……」

枕に吸い寄せられているデイビットは、あくび混じりに返事をした。

ショーンもあくびを連発している。

「うわっ!」

大きな声がデイビットのまどろみを邪魔した。

朝食を知らせに来たカールが、目をつむったままモーニングキスをしてきたショーンに真っ赤になっていた。

「……兄さん、それ、俺の男」

「……悪い、デイジー。あ、あの、カール、すまない寝ぼけてて」

目を開けたショーンも、真っ赤になり慌てていた。

「確かにさぁ、アレのサイズは変わらないけど、兄さん、それも貸して欲しいの?」

 

二週目にアプしてました。

AU設定のハム豆は続きを書いてみたい。