藻豆
*今、なんて言った?
「ヴィゴの髭には笑っちゃうよね」
たまたまプレミアで行き会わせたイライジャが、懐かしいショーンに声を掛けた。
「そうだな。くすぐったいからな」
血豆
*じゃじゃ馬め!
「ショーン、現場で顔を合わせなかったとは言え、どうして、俺に飲み代の請求をしないんだ? あの時、全部あんたが持ち出したんだろう?」
相変わらず膝の上に広げていたサッカー雑誌から目を上げたショーンは、にやりとブラッドに笑った。
「俺は、金持ちの紳士対して、そんな失礼な請求をしない」
「でも、俺が忘れてしまったらどうする気なんだ?」
ショーンの笑みがますます深くなった。
「べつに。……しばらく待ってみて、それでも払わなかったら、お前をくそったれのケチ野郎だと認定して、ケツを蹴り飛ばして請求するだけだ。何の問題もない」
「わかった。ショーン、今すぐ払う。なんだったら、今晩のディナー分も先に払わせていただこうか?」
花豆
*許可がいる。
「ダメって言ったらダメなんだ」
ショーンはオーランドを怒鳴った。
「俺が旅行に出かける時は、必ずエージェントに相談して許可を貰うんだ。今すぐなんて返事は出来ない。とりあえず、話をしてみる。さっきそう言ってるだろう? キャンキャンうるさいぞ、お前」
「ほんと?ショーン。本当にちゃんとエージェントに話をしてくれる?」
オーランドは、小首を傾げ、大きな目でけなげにショーンを見た。
「じゃぁ、エージェントが許可をくれたら、一緒に旅行にいってくれるってことだよね」
「勿論、約束する」
ショーンは機嫌悪く宣言した。
「もし、スカイタイビングするなんてプランの入った旅行を俺に許可するエージェントだったら、すぐさまクビにして、次のを探すがな」
狩豆
*もしかして、夢……?
「この柔らかい肉、白い肌。気持ちのいいキス。……最悪だ!」
がっくりとうなだれるカールに、ベッドの中のショーンは顔を顰めた。
「人をここまで引きずり込んでおきながら、なに寝言言ってるんだ。カール。さっさと始めろよ」
「でも、ショーン。俺、こんな幸せ、本当のことだって、どうしても信じられないんだ……」
襟豆
*何のだ?
エリックは、ベッドに上がるショーンの背中を抱いて耳を噛んだ。
「ショーン、初めてっぽいのをしようか」
「エリック……」
ショーンは、おもしろがりで、テクニシャンな恋人に眉をひそめた。
「何の初めてだ? キスか? セックスか? それとも縛りのなのか?」
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