コブタさんとオオカミさん 12
弟たちが、ドアの向こうで盛り上がっていることは知らなかったのですが、こちらも激しい息使いの漏れるベッドの上の兄さんコブタは、夢見がちなくせに、腰使いだけは確かな腕を誇るオオカミさんのテクニックに次第に追い詰められてしまっていました。
気持ちはいいのです。
それは本当なのですが、腰を掴まれているせいで、お尻を高く突き出すような体勢で、後ろから中を突き上げられるゲープは、懸命に枕を掴んで快感を堪えていました。
「あっ、あ!」
本当に、気持ちがいいのですが、初めてのゲープには、命がけのデミアの愛情は凄すぎだったのです。
「いくっ、もう、いくっ!」
大きなお尻に自然と力が入り、たらたらと先走りを垂らすペニスを突き出すようにしてぴくぴくさせても、デミアは、「もうちょっと、ゲープ」と、囁いて、わざといいところを外してきます。
昨日、痛い思いをさせた分も、お前を気持ちよくしてやりたいと言うデミアだって、はぁはぁと苦しそうな息使いをゲープの背中に吐きかけているというのに、ゲープにとって、もう、出して終りで十分なセックスを決してやめようとしません。
デミアに尻の中を硬いもので何度も、何度も擦られるうちに、楽しんでいられる快感のレベルなど、とうに超えてしまって、ゲープは、下腹の奥から次々とこみ上げてくる熱いかたまりに、自分の体がこれからどうなってしまうのかと怖くなっていました。
デミアのサイズに開ききっているだろう尻の穴を、ずりずりと擦りながら、大きなペニスが出入りするたび、腹の奥底から熱く快感が蕩けでてくるのです。
目には涙がにじんできます。
「んんー! んー!」
はぁはぁと、喘ぐしかできない口からは、とめどもなく、ああっや、うーという、声が出てしまいます。
ぶるぶる震える太腿は、デミアが腰を掴んでいなければ、とっくに体を支える役目を放棄しています。
「っ、ゲープ。好き、だっ」
貧血のせいか、本当に苦しそうに胸を喘がしながらも、深く勢いをつけて何度も突き上げるデミアに、体を揺さぶられるゲープの目からは、枕を掴む指へとぽたぽたと涙が落ちていきます。
「あっ、嫌、だ! もう、無理っ、い、やだっ、デミアっ!」
ずるりと鬼頭の先まで引き抜かれ、大きな先端の出っ張りをもう一度ねじ込まれるゲープの腰が、ぶるりとよじれました。
「やっ! やっ、だ! ダメ、だっ! もう、ダっ、メ!!」
「ゲー、プ、すげぇっ、好、きっ」
がくがくと尻を揺するゲープの股間からは、とろとろと途切れなく透明な体液がフランクのシーツへと零れ続けています。
ひくひくと、しゃくりあげるゲープの汗をかいた尻の小さな穴は、力強い快感を与えるデミアのペニスをがっちり咥え込むように締めつけています。
デミアは、その光景に息を飲むようにしながら、無理やり広げられているゲープの穴の縁に自分の陰毛が擦れるほど、濡れる熱い肉の穴の中へと深く突きいれ、たっぷりとした尻を掴んで、ゲープの体を揺さぶりました。
「あー!あ、あっ! んんっ!!」
フランクの腰の上へと自重で深く突き刺さるように落とされ、フレディの顔が激しく左右に振られました。
思わず上げてしまった大きな声が、恥ずかしく、悔しくて、目に涙を浮かべる二番目のコブタは、弟を馬鹿ばかと打ちますが、一番下のコブタはセックスの最中は夢中ですし、おまけに、体力も持続力も、三兄弟の中で一番です。
はかないフレディの抵抗など、物ともしません。
「フレディ、お前、すげぇ、いい」
壁に背をつけ、抱き抱えられたまま反り返るように抵抗するフレディの汗が伝う喉を、フランクは舐めます。
「なんか、今日、エロくって、たまらねぇ……」
フレディは、今だ真っ赤にした顔で苦しそうに喘ぐだけで、噛みしめられた唇からは、声を出そうとしませんが、それを補うかのように寝室の中からは、エロ声が漏れています。
『も、や、だっ! 無理っ、……んーっ、! んっ、ぁ、あ、あっ!』
『だ、めっ、だ!……くそっ、……もうっ、もうっ!』
「なっ、どうせ、ゲープには聞こえてないんだ。声、出せよ。フレディ」
「や、だっ、……絶対に、嫌だっ!」
「中、あんななんだぜ。お前だって、興奮してるだろ」
『嫌だっ、嫌だっ!、嫌だっ、もうっ、もう、デミアっ!』
聞いたこともない、兄さんコブタの派手な鳴き声がしています。
フランクは、喉を舐め下ろしていた舌で、今度はフレディの顎から唇にかけて舐め上げ始めした。
繋がっている腰を小刻みに突きあげます。
自分の腹と、フランクの腹でぎゅっと押しつぶされ擦られるフレディのものは、べとりと先端を濡らし、両方の腹を汚しています。
後頭部を壁へと押しつけられるように顔を上げさせられたフレディは、強くフランクに見つめられ、先に目をそらしてしまいました。
弟の唇がぎゅっと押しあてられます。
「声、出せって」
口の中へと侵入した舌が、フレディの歯を舐め、口内の奥深くへと我がもの顔で押し入ってきます。
「んっ、んんっ!」
「も、いくっ! いかせろっ! デミアっ!」
涙でぐずぐずのゲープは、枕を必死に掴みながら、尻を掴むデミアに喚いていました。
触りっこ程度の経験しかもたないゲープは、溶けて溜まった腹一杯の快感に、体が焼けるような思いで、汗に濡れる体は、さっきからのたうつように動いています。
それなのに、デミアの指が、ぴくんと立った小さな乳首をつまんできゅっと引っ張ります。
「やっ! あ!!」
「いきてぇの、ゲープ?」
「さっき、から、そう、あっ、も、いい、もう、や、めろっ!」
ねじるように腰を動かしながら、内壁を押し広げられる感覚に、ゲープの体はガタガタと震えます。
摘まれる乳首は痛いのです。
それなのに、
「んんっ!……ぁ、あ! あああ!」
「や、だっ! もう、だめ、だっ! ん、ぁっ、あ……あ、……っ!」
「どうしても、いきたいのか、ゲープ……?」
「いきたいっ、もう、無理っ、っ、ん!! いきたい、デミアっ!」
恥ずかしげもなく、いきたい、いきたいとねだるゲープの姿に、デミアも、もう限界でした。
「いくっ、いくっ、!!」
「俺、も……!」
ところが。
オオカミさんの限界は、射精だけではなく、気力の方でもあったようで、コブタさんのお尻の中へと本懐を遂げると同時に、激しく胸を喘がせるゲープの背中にはどさりと重みが掛かりました。
「おいっ!? デミアっ!?」
しかし、オオカミさんが気を失ったのは、一瞬だけだったようです。
慌てて体を起こそうとしたゲープのお尻からオオカミさんのペニスが抜け落ちてしまう前には、照れくさそうに顔を上げ、頭を掻きました。
「ごめん、ゲープ」
あっ、頭に巻いた包帯の血に染まり具合が大変なことになっています。
けれども、オオカミさんは、ちっともそんなこと気にせず、一生懸命コブタさんの肩にキスをし始め、甘い後戯へと移ります。
「……大丈夫なのか、お前……?」
「平、気」
ワンセンテンスを話すのにも、苦しそうなオオカミさんの顔の白さに本当に平気なのかどうか、コブタさんは疑っていましたが、疲れた体に甘い愛撫は心地よく、さっきまではなんて意地悪なオオカミなんだと大嫌いだと思っていたデミアのセックステクすら、いった今では、満足感にすり替わってしまいます。
さて、一方、ねちっこいオオカミさんのテクニックと違い、若さもあって回数勝負のフランクとフレディは、3回戦目に突入していました。
「ぬるぬるで、すげぇ、お前ん中、突きあげやすい」
「言う、なっ、っ、! この、馬鹿、……っ、ん、っ」
「なん、で? 本当のことだろ?」
こんなことがあっても、フランクのレンガのおうちは、壊れることはありませんでした。二組の、ゆさゆさや、ギシギシにも全くびくともしません。さすが、藁や、木のおうちとは違います。
しかし。
ノック、ノック。
「おーい。フランク、ゲープんちも、フレディんちも跡形もないけど、どういうことだ? あいつらお前の家にいるのか?」
あっ、ファルクが、いつも早めに出勤するゲープを来ないのを心配してレンガのおうちの玄関に現れました。
ファルクは、ずかずかと家の中へと入ってきます。
「おい、ゲープ! ゲープ! 遅刻するぞ!」
廊下を歩く足音は、次第に寝室に近づきます。
「ちょっ、ちょっと、待ってくれ、今、行く。今、行くから、ファルク!」
寝室の廊下でまだエッチ中だった下二人のコブタは、真っ青になりながら慌てて結合していた自分たちの部分を離して、短パンをずり上げはじめました。
ファルクの足音は遠慮なく近づきます。
「なんだよ。どこなんだ? お前ら、今だに、兄弟3人そろって一つのベッドで寝るのか? ゲープは起きてんのか?」
いいえ、兄弟三人だけでなく、オオカミも参加で寝ているのです。
初エッチなのに、オオカミさんのテクニックでいいようにされてしまった長男コブタは、瀕死のくせに男気をみせるオオカミのしっぽで撫でられながら艶々の満足げな寝顔で二度寝中です。
「よう。おはよう。フレディ。フランク」
ファルクが寝室の前に辿り着いたとき、なんとか、下二人は短パンを履き終えていました。
けれども、
「ゲープは、まだ中なのか? よし。俺が起こしてやるか」
あっ、今度こそ、フランクのレンガのおうちも、崩壊の危機なのかもしれません。
おわりv