リベンジ2 カスコニでうまくいかなかったので、デミコニでリベンジ(実は1は羞恥プレイのつもりでした……一応続いてます)

 

「ほら、伯爵様、ちゃんと持ち上げててくれねぇと」

にやにや笑うデミアは、ベッドの端に一人腰掛け、コニーを見ている。

「見えねぇじゃん。隠さなきゃならねぇほど、お粗末なの、お前の?」

それこそお粗末な挑発だと十分承知なのだが、コニーは、強く奥歯を噛んで掴んでいるシャツの裾をもっと上へと上げた。

足元には、自分で脱いだスラックスと下着が落ちている。下半身だけ晒したこんなバカげた状態で、デミアの前に立っている自分があまりに馬鹿で、コニーの頬には血が上っている。

何度も来たことのデミアの部屋の、散らかり具合がいまさらながら気に障った。

しかし、今日は、コニーが『お願い』したのだ。

「よーし。じゃ、そのままここまで来い。へぇ、なんか、いいな。こんなにお前を好き勝手できるのも」

デミアは楽しげに笑っている。

その顔を見ていると、いまさらながらに、デミアの前でこんな自分を晒そうとする自分は馬鹿だとコンスタンティン・フォン・ブレンドープ伯爵は、強い怒りを感じずにはいられなかった。

しかし、

「勃ってねぇじゃん、伯爵様。こういう時は、大きくてサービスするのが当然なんじゃねぇの?」

指先でパチンと萎えたものを弾かれ、コニーの目には涙が湧くのだ。

しかし、コニーは泣くつもりなど、決してないから、奥歯を強く噛みこらえる。

「待てって! お前、泣く気かよ! お前がこうしろって言ったんだろ!」

 

バカげた願いを自分で頼んできた男が泣こうとするのに、デミアは驚いた。

やり過ぎたかと、慌ててベッドから立ったデミアは、白くなるほど力のこめられた手で握りしめ持ち上げているシャツの裾を下ろそうとする。

しかし、コニーがシャツを握ったままの手をもう一度上げようとするのだ。

「ダメ、だ。デミア。……ダメなんだ」

涙こそ零さないが、コニーの声はすっかり鼻声だ。青い目はすっかり潤み、長いまつ毛も重たく濡れている。

「このまま、なんだ」

大抵の場合、コニーは馬鹿だとデミアも思っているが、この意地の張り方には情けのない顔しかできない。

「その、コニー、お前、そんな、泣くほど嫌なこと、する必要ねぇじゃん。こんなんされても、普通、勃たねぇって」

「このあと、お前が舐めてくれたら、たぶん、勃つ。……そしたら、ベッドに行って」

すっかり潤ませた目で、コニーはデミアを睨むように見ている。

「……漏らしちまうほど、ジェル入れろってんだろ?」

 

そんな趣味のないデミアは、コニーを、デミアは、あきれた目でみるしかできなかった。

大体がまず、コニーは、カスパーのセックスについていけないと思った時点で、殴りつけて、やめにすればよかったのだ。

それなのに、この馬鹿は、いまだカスパーに執着したままで、確かに、4番は頼りになるいい奴だが、コニーの執着は、異常だ。

 

「悪ぃけど、もうやめにしねぇ? 嫌がってるのに、いうこときくお前のこと見てるのは、確かに、ちょっとくるものあるけど」

 

しかし、コニーは、諾とは言わなかった。

仕方なく、コニーの足元に膝をついて、腰を抱くようにするデミアは、少し硬くなったものを舐めてやりながら、後ろの穴を弄っている。コニーがカスパーにどんな風にされたのかまでは知らないが、デミアは、指だけとはいえ、唾液のみの挿入だから、深いところまでは入れず、入口付近で、そこを広げるように指先を動かしていた。

厚ぼったい肉壁の中で擦るように指を前後させ、鍵型に曲げたまま入口付近でぐりぐりと回す。

からかうように、前立腺には軽く触れるだけだから、コニーの腰は、切なそうによじれる。

「なぁ、コニー、お前、こんなとこで立たされて、舐められてるってのに、気持よさそうじゃん」

だが、このバカげたプレイに伯爵様は相当心理的な抵抗があるようで、コニーはすぐ腕を下ろそうとするから、シャツの裾が頭に触れるたび、デミアは小さく舌を鳴らして注意していた。

音がすると、コニーは肩にぎゅっと力を入れて、もう一度シャツの裾を持ち上げていく。そうされると、コニーがきれいな男だけに、さすがにエロい。

負担を承知で、指を二本に増やして、入口を大きく開くようにしながら、大きくなったものを口から出して、舌先だけで舐めていると、触れるたび、ひくつくそれは、かなりの大きさになっていた。

「何に、そんなに興奮したんだ、コニー?」

デミアが見上げると、火照って、少しはれぼったくなった唇を隠そうとする。

「コニー、手」

短く鋭い声で指摘すれば、コニーはちゃんと覆った唇から手を離し、シャツを掴んだ。

持ち上げられた裾の下では、ペニスの先がカウパーをこぼしている。

「なんだよ。お前、才能ある?」

 

お前だと思うと、平気なんだ。

後ろの浅い部分を指で弄り回されているだけで、いく寸前まで追い詰められてしまった伯爵様が、はぁはぁ喘ぐ口でした言い訳はこれだ。

まるで愛の告白だなと笑うと、違う。怖くないんだと、気まずげにコニーは目をそらした。

だが、何が違ったところで、コニーがこのセックスを最後までやり遂げようとしている気持ちは変わらず、デミアはコニーにベッドに寝るように言うと、太いジェルのボトルを取った。同じものだというそれは、かなりの量だ。これを一本全部、飲ませるのかと思うと、無意識にデミアの喉は鳴る。

ちょっとばかり、カスパーの気持ちがわからないでもなくなってきているのだ。

懸命に足を持ち上げるコニーは、注ぎ込まれるジェルを少しもこぼしたくはないらしく、尻へとしっかり力をいれていて耐えている。

苦しそうに眉を寄せた顔が歪んでいる。

こんな健気な表情をコニーができるとは思わなかった。

一本分流し込んだデミアが、手順どおり、ペニスを挿入しようとコニーの足首を持ち、少し位置を動かしただけで、かかった腹圧に中のジェルは漏れ出した。コニーの努力など無視し、溢れ出すそれは、みっともなく尻の間を伝っていき、伯爵様を真っ赤にさせる。

普段、無様なところを何としてもみせようとしない男なだけに、こうやって失態を晒す様は、なにやらいとおしさすら感じる。

デミアがじろじろとその様子を眺めていると、コニーは、落ち着きなく息をする合間に、悔しそうにぐずりと鼻を鳴らし、真っ赤な顔で睨んできた。

けれど伯爵様のものが勃ったままで、デミアは苦笑する。

「お前、結構派手に漏らしてるんだけど、こんなのも見られるのが俺だったら、平気なんだ?」

「……違う!」

恥ずかしさに身もだえ、今度はぶちゅりとかわいい音までたてて漏らしてしまい、伯爵様の真っ赤な顔の中の揺れる目は泣きそうだ。

「違わねぇじゃん。俺にじゃなく、カスパーに、そういう風にしてやれば?」

つい、煽られる気持に急かされ、デミアは掴んだ足を大きく開かせると、中に詰め込まれたもののせいで盛り上がる入口にペニスの先を押し当てた。それでも心配で、ひきつる顔の様子を見守りながらずぶりと押し込めば、コニーがうめいた。

「悪ぃ、大丈夫か?」

「……好きすぎてカスパーにはみせるのが怖い」

ただでさえジェルで一杯の腸内にペニスをねじ込まれ、しがみついて苦しさに耐えようとしているコニーは、ほとんど聞こえない声で言う。

「ん? なぁ、大丈夫かよ? 実はさ、すっげぇ、お前ん中、気持いいって言ったら、俺、酷い奴か?」

「最低だ」

言うことは相変わらずいきついが、しがみついて耐えようとするコニーがあまりにかわいらしく、デミアは驚いていた。

「そうかよ。でも、このまま動いていいんだよな? そうやって締めてられるとすげぇいいんだけど、でも、苦しいんだったら、力んで出してもいいぞ。……ただし、入れたままだけどな」

これでは確かに、カスパーでなくとも、苛めてみたくもなるとデミアも思ったが、カスパーがかわいいと思ったコニーの顔は、ただ、青ざめ強張っているだけのものだ。

そんなのは絶対に嫌だと、コニーが懸命に顔を振るから、デミアは聞いた。

「じゃ、一旦俺が抜いてやって、お前が自分で出すとこ見てて欲しいわけ?」

すげぇ、マニアックと笑って顔を覗き込んでいると、いきなりデミアの肩を、コニーが噛んだ。

「痛ぇって、……お前さぁ、こんなとこ、噛み後つけてどうやってゲープに言い訳させるつもりだ?」

パンパンに詰め込まれた腹の中は苦しく、後どれだけ耐えられるだろうという不安に、コニーの噛む力はつい強くなった。

「俺が噛んだって言え」

「……ああ、もう、これは、全部、お前の『お願い』なんだからな。よし、じゃぁ、掻き出してやるよ。漏らしたくなかったら、必死で締めてろ」

 

散々指で弄られたいい場所を焦らすことなく力強く擦り上げていくデミアの挿入は、コニーの口から悲鳴に近い喘ぎを上げさせた。

「……っ、んっ、んっ、……あ、っあ!!!」

深く入れられたものが、引き抜かれるとき、中からジェルを掻き出していくのがわかっていても、それを留めておくことは無理だ。

たまらなく恥ずかしい。けれど、あふれだしたもので、尻がべとべとに濡れていっても、コニーは、しがみついたデミアの首から腕を外すことができなかった。

鋭く、力強く突き刺されるのに、口からは声がどうしても声が出てしまう。

腰を抱くように持ち上げられ、強制的に上向きになっている尻は、漏らしたものをデミアの下腹に塗り広げている。

「いやだ……も、う、……っ、……っ、ん」

「いきそう? いきそうだろ。伯爵様」

 

キスをするのだ。デミアは。もう、我慢できなくて、出したくてたまらないばっかりで、もう、コニーが他のことなど構っていられない時に。必ず。

 

いつだって迷惑でしかないバカげた甘い癖だと思うのに、今日ばかりは、縋りつきたかった。

最悪な状態でいくところを、冷たく観察されるのは、嫌だ。

デミアは自分もずいぶん興奮している。

 

「……んっ、んんっ……! ……っ!!」

 

あちこちべっとりとジェルに濡れたシーツの上に座るデミアはちょっと頭を抱えている。

「くそっ、変態チックな燃え方しちまった……」

しかし、急に顔を起し、コニーを見つめる。

「あのプレイであんだけ、派手にいけるんだったら、これからカスパーに何されようが、付き合っていける。うん。お前、実は結構才能あるんじゃん」

「……ありがとうな。付き合ってくれて、デミア」

確かに、どこかで少し安心していたが、コニーは思い切りデミアを蹴った。

 

END

今頃になって、伯爵様の設定は身持ちの固い方がよかったかなと、悩んでます(もー、どうでもいい)

デミコニを書いてみたいばかりに、無理無理な話で申し訳ありません。