フランクと、隊長と。 1.5
「で、フランクのこと、ずっと苛めてたのかよ?」
とうとう、デミアは新人に意地の悪い真似ばかりをする隊長を問い詰めることに成功したのだ。
デミアは苦笑する。
ゲープは、目をそらしたままだ。
けれど、居心地悪げに座る様子に、やりすぎだったという反省の心も透けて見えていた。
だが、フランクが災難にあってから、もう二週間が過ぎている。当然といえば、当然だ。
「やきもちか、ゲープ?」
「違う」
即座に顔を赤くし、反発した隊長が、デミアはたまらなく愛しかった。
「で、フランクを苛めて、お前の、早いは、解決したのか?」
していないことを十分承知で、デミアはにやにやと笑った。
「……もう、もうっ!」
自分のペニスの根元をしっかりと握らされているゲープが、もう何度目かの懇願を繰り返した。
溢れ出たローションでぐちょりと濡れるゲープの白い尻には、デミアのものが突き立てられている。
むっちりと肉をつけたその尻を膝の上に乗せるようにして、デミアはゲープを揺すっているのだ。ゲープの両足は、デミアの肩の上だ。開いた股の間を、また、突き上げられて、ゲープの背が反り返る。
「だめ、だ。っ、ん、……もう、イくっ!」
だが、何度もそこまで追い詰めながら、デミアは、ゲープの尻を掘削する動きをぴたりと止めてしまうのだ。
ほとんどいけそうだった快感に、膝の上から浮き上がるほど力の込められた尻はぶるぶると震えた。
しかし、あと少しが足りなくて、いけず、ゲープの首が、苦しげに振られる。射精を引き伸ばすために、握られているはずのものを、ゲープの手が扱こうとする。
「ゲープ。我慢するんだろ? 早いの、いやなんだろ?」
デミアは、ペニスを擦りあがるゲープの手を握り込むようにして、動きを邪魔した。身を折り、汗をかくゲープの顔にキスをする。
デミアは優しげな顔をして、キスを繰り返していた。
だが、何度も射精を阻まれ、苦しいばかりのゲープは、きつく手を掴んで離さないデミアを涙目で恨みがましく睨んだ。
「もう、いい。……、いく。もう、十分だ。……もう、我慢なんてしたくない」
懇願するゲープの息は、はぁはぁと荒い。
握り込んだ手も、隙あらば自分のものを扱こうと、じりじりと動いている。
「そんなに簡単に諦めると、後悔するぞ、ゲープ?」
くすりと笑うデミアは、赤いゲープの顔の中で、潤む目をじっとみつめながら、ゆっくりと腰を動かし始めた。
膝の上に乗せた尻は、むっちりと重く肉をつけ、それが、掘削の動きを歓迎するように揺れる。
だが、その揺れが、喜びだけだったのは、ほんの僅かの間だった。
「なっ、……デミア……」
乾く唇を舐めるゲープは、恥も外聞もなく、いつもの通り、もっといいところを擦って欲しいのだと、切なく顔を歪ませた。
ゲープのペニスは、先走りだけで、もうべとべとだ。だが、いけないのだ。
デミアが、わざとタイミングを外したり、的外れなところを突いてみたり、いつものようには、動かない。
それも、いいには、いいのだが、もっと確実にいいやり方を、デミアはいくつも知っているはずだった。
ゲープも一つは、わかっていた。四つん這いの格好で、腹を狙うように鋭く短い間隔で突き上げられれば、間違いなく、ゲープはいけた。
そうして欲しくて、ゲープは、懸命に身を返そうとするのだが、デミアがそれを阻止する。
「早く、いかないようにするんだろ? ゲープ?」
いきたいばかりで疼く下腹の重みに、ゲープの顔はもう真っ赤になって、泣き出しそうだった。
見上げるデミアの顔がにやにやと余裕なのが、むかついてしょうがない。
「お前、いま、すげぇ、やらしい顔してんの。わかってるか?」
「やらしい、のは、お前、だっ! いきたい、……いきたい、デミアっ!」
「今日は、早く、いかないんだろ? 俺、いかせてからいくんだって啖呵切ったのは誰だった? ゲープ?」
デミアは、ゲープをからかったが、口の中で動くゲープの赤い舌があまりに懸命で、自分のものを扱こうとするいやらしい手の動きを、少しだけ、認めた。
だが、くちゅくちゅと、はしたない音をさせて動かしていた小さな手の動きだけは満足出来ず、ゲープは腰も揺すって、快感を味わおうとしだす。
むずむずと動く尻は、少しでも、デミアのペニスを抜き挿しし、快感を味わおうと、振られる。
「……っ、んっ、んっ」
目を瞑ったゲープが懸命に腰を動かし、しだいに、漏らす息を熱くしていく。それは、とても、いやらしくて、デミアを満足させる眺めだったが、恋人の当初の計画とはまるで違う方向だ。
「我慢はどうしたんだよ、お前?」
「……っ、んっもう、いくっ! イくっ!」
だが、今度もデミアは腰を掴んで、動きを邪魔し、ゲープの射精を阻んだ。
ゲープは、デミア、いく。いきたい。いきたいと、恥も外聞もなくわめきたてた。
デミアの手に爪を立てる。
射精の欲求を果たせず、もやもやするゲープの体は、突き刺さるデミアのペニスを痛いほど、締め上げている。
いかせてもらえない恨みもあって、ゲープは更に意識して尻を締めてくる。
「痛ぇって、ゲープ、」
本気で怒ってしまったゲープは、もう手をつけられる状態ではなく、デミアは苦笑した。
「じゃぁ、もう早いで、いいんだな。隊長さん?」
「よっ、俺のこと、好みなんだって? フランク?」
にやにや笑う3番隊員に、思い切り背中を叩かれ、フランクは、前のめりになった。
チームのサブリーダーであるコニーが、じろりとフランクを見据える。
隣で着替えるカスパーは、小さく息を吐き出す。
「……なる程、ゲープがイラついてる原因はそれか……」
フランクは、とんでもない誤解なんだと、わめきたかった。
END
頂いたネタで、書いてみました。ありがとうございますv