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*伯爵様の頼み方
ライフルを片手に訓練着のままにこにこと笑顔で近づいてきたコニーがあまりに品のいい笑みを浮かべたものだから、銃器の使用依頼書へとサインをしていたデミアは思わず緊張した。
コニーは聞く。「なぁ、デミア、お前の今日の午前中の予定は?」
「絶対に嫌だぞ。コニー、お前は専門だから長距離射撃のコースだってすぐ取れるだろ。俺はやっと順番が回ってきたんだ。絶対に変わらない。絶対だ」
「やっぱりな」とコニーは後ろを振り返る。
「な、カスパー。デミアは午前中、射撃訓練だ。デミアのバイクが空いてるから乗ってけって。あそこは、車よりバイクの方が絶対に動きやすい」
持っていたライフルを置いて、コニーは手を出す。
「デミア。さっさとバイクの鍵を出せ」