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*ファイト、ファイト、隊長!
突入前の強い緊張を強いられたままで、もう何度も作戦は変更になっていた。
現場に設置された仮の作戦本部から戻ったゲープは、疲れた様子を隠すこともせず、ヘルメットを被ったままの顔を上げない不機嫌さで、机に地図を広げ、隊員たちに変更になった作戦を説明しはじめた。
しかし、変更されるたび、現場への負担の大きくしていく作戦の実行を命じようとも、地図を見つめる隊員たちは、熱心に聞き入る。
口の達者な2番、3番隊員のどちらも、いつものように説明中に口を差し挟み混ぜっ返しはしなかったし、そのおかげでいつも起こる、馬鹿馬鹿しいような小競り合いもおきなかった。普段から反応が薄く何を考えているのか分かりにくい4番隊員も大きく頷き理解を示す。返事はいいものの、本当にわかっているのかどうか不安な気持ちにさせる5番は、すぐさま目的に向かって行動しようと椅子を立つ。
きつい現場の現状を前に、まとまりよく任務に立ち向かおうとする隊員たちにゲープは、じんわりとした幸せを噛み締めた。
まるで夢でも見ているかのようだ。
「どうして、ゲープがうちのチームに指示してるんだ?」
遅れて本部から戻ったチーム20の隊長が、不思議そうな顔で、ゲープを見ていた。