桐壺の更衣 きりつぼのこうい




「限りとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり」






本名: ?  あだ名: ?   登場時 ? 歳、結婚時 ? 歳、没 ? 歳(数え年)
:桐壺帝   :光源氏   :按擦大納言   :北の方   いとこ:明石の入道


●呼称の由来
   「御局は桐壺なり」と「桐壺の更衣」(ともに『桐壺』原文)から。
   源氏が生まれた後は「御息所」とも呼ばれた。


●どんな人? ―紫式部の人物設定(人の目にどう映るか)―
   美人。可愛い。優しい。穏やか。はかなげ。か弱い。上流っぽい。


   ・「おぼえいとやむごとなく、上衆めかし」
   ・「わが身はか弱くものはかなきありさまにて、なかなかなるもの思ひをぞしたまふ」
   ・「いと匂ひやかに美しげなる人
   ・「まみなどもいとたゆげにて、いとどなよなよと」(病気の時)
   ・「さま、容貌などのめでたかりしこと、心ばせのなだらかにめやすく、憎みがたかりしこと」
   ・「人柄のあはれに情けありし御心
   ・「心ことなる物の音を掻き鳴らし、はかなく聞こえ出づる言の葉も、人よりはことなりし気配、容貌」
   ・「なつかしうらうたげなりしを思し出づるに、花鳥の色にも音にもよそふべき方ぞなき



●出身(実家)
   二条院。


●和歌
   1首のみ。


   ・限りとて 別るる道の 悲しきに いかまほしきは 命なりけり


光源氏の生母。
父大納言の死後、遺言で桐壺帝に入内する。しっかりした後見がないのを更衣の母は心配していた。身分の低い更衣は帝に大いに溺愛されたため、周囲の恨みを買ってしまう。
数々のいじめに遭い、もともと病気がちだった更衣は身も心も衰弱。光源氏が3歳の夏、急に容態が悪化し夜中過ぎに亡くなる。その直前に、「生き延びたい」という和歌を帝に詠みかけた。