葵の上 あおいのうえ




「問はぬはつらきものにやあらむ」






本名:藤原 ?  あだ名:?   登場時16歳、結婚時16歳、没26歳(数え年)
:源氏の君(4歳年下、いとこ)   :夕霧   :左大臣   :大宮(桐壺帝の妹)   :頭の中将   異母兄弟:左中弁など
:柏木、紅梅少将   :玉鬘、弘徽殿の女御、雲居の雁、近江の君   女房など:中納言の君、中務の君、あてき


●呼称の由来
   原文には「葵の上」という記述がなく、後世の源氏ファンによって作られた呼び名。
   →『葵』で、葵祭(賀茂祭)の日、前東宮妃・六条の御息所と車争いを起こしたことから、「葵の上」。
   原文での記述には、左大臣の姫君という意味の「大殿の君」などが多い。


●どんな人? ―紫式部の人物設定(人の目にどう映るか)―
   真面目。落ち着いている。冷静。美人。上品。プライドが高い。髪がとても長く量も多い。


   ・「人の気配も、けざやかに気高く、乱れたるところまじらず
   ・「あまり麗しき御ありさまの、解けがたく恥づかしげに思ひ静まりたまへる」
   ・「絵に描きたるものの姫君のやうに、し据ゑられて、うちみじろきたまふこともかたく、麗しう」
   ・「後目に見おこせたまへるまみ(目元)、いと恥づかしげに、気高う美しげなる御容貌なり」
   ・「麗しうよそほしき御さまにて、心うつくしき御気色もなく」
   ・「四年ばかりがこの上におはすれば、うち過ぐし、恥づかしげに、盛りに整ほりて見えたまふ」
   ・「いつきかしづきたまふ御心おごり、いとこよなく」
   ・「あたら重りかにおはする人の、ものに情けおくれ、すくすくしきところつきたまへる」
   ・「白き御衣に、色あひいとはなやかにて、御髪のいと長うこちたき」(出産の時)
   ・「例はいと煩わしう恥づかしげなる御まみ(目元)」
   ・「いとをかしげなる人
   ・「御髪の乱れたる筋もなく、はらはらとかかれる枕のほど、ありがたきまで見ゆ」



●出身(実家)
   左大臣邸。


●和歌
   なし。
   葵の上の台詞、「問はぬはつらきものにやあらむ」(問わぬのはつらいものなのでしょうか?)があるだけ。



光源氏の最初の正妻。
本来は源氏の兄の東宮(後の朱雀帝)と結婚して東宮妃になる予定だったはずが、源氏の父帝が源氏に後見を立ててあげたいとの一心から、4つ年下の臣下の源氏と結婚することに。しかし、肝心の源氏は好きな人がいるから、なかなか葵の上のところに来ようとしない。
葵の上も年の差や東宮妃候補だったというプライドなどを気にして、源氏と打ち解けようともしない。たまに源氏が葵の父の左大臣を気遣い、仲良く夫婦らしくしようと会いに来ても、部屋に隠れて会いたがらない。源氏もそんな葵の上にウンザリして、さらに通わなくなる・・・という悪循環。
2人の心は互いに冷えてすれ違ったまま、仮面夫婦状態にある。
4/10、更新