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なぜアメリカが狙われるのか

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アメリカにつくかテロにつくか

ブッシュ米大統領は、世界各国には「アメリカ側につくか、それともテロの側につくか」と二者択一を迫る演説を行っている。
また、米本土を今までマトモに攻撃されたことがないアメリカ国民の怒りはブッシュ政権の支持率90%という数字になって表れている。
もちろんごく一部ではあるが、反戦を訴え報復を思いとどまるようデモ行進をするグループもあるが、90%の支持の前ではデモ中に歌われるジョン・レノンの「平和を我等に」も色あせて見えてしまう。

国家vsテロ組織

この「国家vsテロ組織」の戦争がどうなるかはわからない。専門家は、たとえアメリカがビンラディン氏を捕らえるか殺害し、タリバン政権を倒すことが出来たとしても、テロがなくなることなどあり得ないと言っている。
この戦争にアメリカの勝利などはどこにもないと言うのである。そもそも、なぜアメリカがテロリストの標的にされるのか、その理由を考えることなく報復をしても、報復が再び第2のテロを呼ぶだけである。

アメリカが狙われるワケ

ビンラディン氏はアメリカが91年の湾岸戦争時にイスラム教の聖地メッカなどがあるサウジアラビア国内に米軍を駐留させていることが、イスラム世界では許しがたいことであり、そのことがアメリカを悪魔と言わしめるほど敵視する存在であり、テロの標的にし続けている理由の一つであるとしているが、彼の主張以外にもアメリカがテロに狙われるような理由は山のようにある。
特にブッシュ政権になって以降アメリカの国益優先主義的な外交政策には目を覆うばかりである。中東和平では露骨にイスラエルよりであったり、国内の企業の利益を優先したエネルギー政策とそれに伴う京都議定書からの離脱、包括的核実験禁止条約(CTBT)、生物兵器禁止条約にも離脱の意向を示し、小型武器の規制に対しても反対を表明、世界各国が懸念を示しているにもかかわらず、ミサイル防衛構想を推進するなど数えあげたらきりがない。
こういった行為を他の小国がすれば、間違いなくアメリカは経済制裁を課し、経済的にまず追い込もうとするだろう。しかし、当のアメリカがこのような政策を打ち出してもどの国もアメリカに制裁を加えるようなことは出来ないのが現実なのである。

もう一度よく考えろ! アメリカ国民よ

ある意味、このテロ行為はアメリカに対する制裁なのではないだろうか。テロ行為自体はどのような形であっても正当化することなど出来ないし、非難されてしかるべき行為であるが、第3世界の国々の人たちにとって、この禁断の行為を取らざるを得なかった背景をアメリカはなぜ今も考えようとはしないのか。
ブッシュ大統領が発言した「アメリカ側につくか、それともテロの側につくか」は、アメリカの報復行動を支持しなければテロ支持とみなし攻撃することもあり得るということであり(テロは支持しないがアメリカの軍事報復も支持しない国もあるはず)、こういった自分たちが常に正しいという傲慢な態度がテロを誘発するといったことになぜまったく気付かないのか不思議でならない。


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