Fans' Boards Around The World (海外掲示板より)



主な掲示板紹介
心霊写真!
誤解された歌詞
あの人は今 (John Rutsey編)
あの人は今 (B-Man編)
Live In 2112


 海の向こうのRushファンサイトは、大規模な掲示板を持っていることが多く、 というより、メインコンテンツが掲示板だったりするところも多々あります。 母集団の数の違い、それに文化的背景もあるのでしょうが、あちらのメジャーな 掲示板は、ともかく書き込みの量が凄い。Newsgroup(alt.music.rush)などは、 もう20万スレッド以上立っていますし、まだ発足して1年たっていない (2003年5月現在)オフィシャルサイト、Rush.netも総ポストが五万をはるかに超えて、 日本では本当に考えられないような盛況ぶりです。
 それぞれの掲示板には、数百から千ポスト(投稿)以上の常連さんが大勢いて、それぞれに サークルを作っているようなので、その中に入ろうと思ったら、自分も千ポストを目指すつもりで、 投稿しまくらなければならないです。そこまで根性ないので、私は見ているだけ。 こういうのは、Lurkerと言いまして、おそらく投稿している人の数倍はいるでしょう。

 私が海外ファンサイトの掲示板を見始めた理由は、この書き込みの量と濃さゆえで、 まさに「ネタと情報の宝庫」。地元北米のファンたちの視点が興味深くもありました。 それに、サイトによって微妙に個性が出ているのが、面白いです。



alt.music.rush(Newsgroup)

 掲示板としての規模は最大。ただ、Rushとはなんの関係もないトピック(Off-Topic:OT)が半分近くあります。特に規制がなく、なんでもありゆえだと思います。 さらに、荒らしさんも、けっこういます。玉石混合という感じですね。



Rush.net

 オフィシャルですね。それゆえ、ある程度規制がありまして、宗教、政治、個人攻撃、ブートの話はタブーです。時たま 辛口の意見もでますが。トピックは多岐にわたり、ある意味Rush掲示板のモデルケースとも言えそう。その分、個性に欠けるといえば、 確かにそうかな。
 ちなみにここの管理人さん、ハンドル名はBig Alですが、Alex本人では(絶対)ないようです。誰??

2004年4月、残念ながら、閉鎖してしまいました。(涙)



geddylee.net

 こちらもRushではないにせよ、オフィシャルです。なので、Rush.netと同じような規制があります。でもね〜、ここはね〜、 なんと言うか、ミーハー度が最大です。(^^;) 真面目な投稿もかなりありますが。というか、意見は真面目だけれど、 全体に流れる雰囲気はミーハーという不思議なサイトです。メンバー間の議論もあまり見かけず、 後述のTri-netに近い雰囲気も。
 ちなみに、GeddyはAdmin(管理人)ではありません。会員No602(だと思った)です。(なんでそんな番号なの、本人なのに??)

ここもRush.netとほぼ同時期に閉鎖。今はトップだけが生きています。



RushTour2112

 会員限定サイト。もとはRushTour2002だったのですが、2003年にはツアーやっていないので、改名。うーむ、2112ですか。 次のツアーが始まったら、2005になるのかな??
 名前の通り、ツアー情報の交換から始まったサイトのようですが、Rush.netを上回る投稿数を誇る、結構大きな掲示板に 成長してまして、トピックも多岐にわたっています。ただツアーが終わったので、ツアーセクションは閉鎖されました。
   ここは・・「Neilファンが多いかな・・」と言う印象をとりわけ受けるほかは、突出した特徴は感じないです。



Tri-net

 ここは老舗で、一回閉鎖され、すぐカムバックしました。Rush.netやGL.netと同じサーバー、管理システムのようで、両オフィシャルサイト同様、規制やbann(投稿禁止)も行われているようです。
 ここは・・なんというかな、「仲良しサイト」と言うと言い過ぎですが、オフィシャルサイト以上に、真っ向からの議論やネガティヴな意見を嫌う傾向にあるようで、安心して読める反面、刺激はちょっと足りないかな、という感じです。その体質が、良く他のサイトから攻撃対象になるようですが、日本だとこれが標準だったりするわけで、この辺、文化背景の違いというものを感じさせますね。

時々サーバーダウンあり。



Counterparts

 わりと辛口、言いかえれば、とても正直な意見の交換が聞ける、かなり大手の掲示板。Rushconの主催者や、バンドに近い人もメンバーにいたりして、 Alexへの突撃インタビューや、インサイド・インフォメーション的なものが、結構拾えます。情報価値は、かなり大。
 ただし、Jokerというか、掻き回し屋さんもいるので、注意が必要。(VTツアー大嘘リストの前科あり)

2004年6月21日現在、ダウン中。



Test For Echo

 ブラジルのファンサイト。 北米サイトほどではないにせよ、かなりの書きこみがあります。 日本人、がんばれ。。と思いつつ、ブラジルのファンベースも、かなり大きいのでした。
 ここは、ブラジルツアーの写真のみ、利用。だってポルトガル語、わかりませんから。(^^;)



The National Middy Sun

 ん、TNMS??と思いきや、頭文字だけ同じの、こちらはヨーロッパ限定ファンサイト。ヨーロッパのファンの人たちも、日本と似たような状況にあるようで、「今年も来ない!!」 「来てくれ!!」「なぜこっちでは、北米ほどの人気が出ないんだろう?」「マーケット戦略が悪いんだ!」などなど、 私たちと同じような叫びを上げております。
 でもこの掲示板も、日本よりはるかに 書きこみ多いんですよね。そして・・思いっきり遠慮会釈ない意見を繰り広げております。 その口の悪さに、「本当にファンなの?」と、初めはびっくりすることでしょう。これもお国柄?



The Hemisphere Mailing List

 通称THML。TNMS(↑に出てきたヨーロッパのサイトではありません)なきあと、最大のメーリング・リストとなっております。
 アルゼンチンに本拠を置くサイトですが、メーリングリストそのものは英語。サイトのほうは、スペイン語と英語のバイリンガルです。 Sign-upすると、投稿が全部メールの形で送られてきます。AMRのように、トピックごとに整理された形では来ないので、 系統立てて読むには不向きかな。でも、情報量は多いです。



 大半のトピックである、「ある時期/アルバム/曲/アティテュード/マネージメントその他に関する議論」 「ある時期/アルバム/曲/楽器/メンバーに対する好み」に関しては、紹介しているときりがなく、 「写真/音源/インタビュー/記事の紹介」も多すぎるのでパス、Off Topicや、特定のメンバー(バンドではなく、掲示板の投稿者)に 当てた個人的なもの、あと、各種のゲーム(しりとり、クロスワード、歌詞あてなど)も、ここでは紹介はしません。
 では何を、というと、「ちょっと面白かったネタ」を紹介します。






☆ 心霊写真!?


 上の写真、実はe-bay(世界最大規模のオークションサイト)に出てきた、「メンバー3人の直筆サイン入り『Archives』」の 写真に軽く添えられた形で、掲載されたもの。もとはかなり小さく、目立たないです。なので、一見3人のグループショットに 見えますが、目ざといファンが「何か変だぞ」と目をつけ、拡大して投稿してきたのが、それです。
 Neilの周りに謎の黒いもや・・それに、Neilって、こんなに体格良かったっけ・・??(失礼!)

 そう、お気づきのように、これはPhotoshopかなにかの、写真加工ソフトを使って作った、合成写真なんです。
 もとは、きっとMeet&Greetか、プロモーション写真だと思います。GeddyとAlexの間に映っているのは、たぶん関係者かファン。で、それを消し、 その上から、Alexの画像をコピー、さらに首から上を消して、何処かから持ってきた(たぶんコンサートショット)Neilの 首から上を張りつけたもの。

 この胡散臭い写真のおかげで、もと商品、「サイン入りArchives」も、怪しさ爆発。「きっとサインも偽造だ!」 と、決めつけられてしまいました。まあ、本当にそうかもしれませんね。しかし、なんでこんなバレバレの写真、 添付したんでしょう。それさえなければ、もっともらしかったのに。

 この怪しい写真、ファンたちに非常にウケまして、Tri-net(ここが発信元)から、あっというまに、Counterparts、Rushtour2002へ 広がって行きました。そして面白がって、キャプションや台詞をつけたりしたのですが、もっとも私的に面白かったのがこれ。

Geddy:「アレックス、僕ら、誰と写真撮ってるんだ?」
Alex :「さあ――? まあ、とにかくカメラに向かって、笑おうや」
真中の誰か:「やったぞ! ついにNeilのお面をつけて、GeddyとAlexと一緒に写真が撮れた!

Happy Haloween!!
(ちょっと季節はずれですが・・)

(From  Tri-net)







☆ 誤解された歌詞

 ネイティヴでも、英語を聞き間違えることはある。それは、ネイティヴによる聞き取り歌詞にパーフェクトが ないことからも、容易に察せられるでしょう。私たちも、日本語の歌、完全に一言一句わかるということは少なく、 適当に歌ってしまうこと、あります。それは英語圏の人たちも同じこと。ブックレットなどで、歌詞を確認する前に 曲を聴いた場合、実際とは違う歌詞に聞こえてしまう場合も。

 このトピックは、どの掲示板も1度は登場する、わりとポピュラーなスレッドです。「まあこの程度はありがちかな」 というものから、「おいおい、どう言う風に聞けばこう聞こえるわけ?」と、かなり変なケースまで、多々ありますが、 モノによっては、複数の人が同じ聞き間違いをするのが、興味深かったりします。

 複数の人が同じ聞き間違いをして、なおかつ、意味がちょっと笑えるものを、いくつか紹介します。

・Today's Tom Sawyer, he's got by on you, the Spacy Invader gets by on you..(Tom Sawyer)
 スペース・インベーダー、海外でも流行りました。でもって、この後に続くシンセの「♪ピロピロピロ〜」が、 よけいそれらしく聞こえたりして。

・Living in the Fish Islands (Limelight)
 すみません、フィッシュ・アイランズって、どこでしょう。おさかな天国?

・There's no bread, Lemoney Cake..(Bastille Day)
 昔、レモン・ケーキってあったなぁ。あれのことかしら・・
(子供の頃大好きなおやつだったです。滅多に出ませんでしたが)

そして、「Vapor Trails」から2連発。
・Silence all the songbirds, stilled by the killing frogs (Vapor Trail)
 小鳥を襲う殺人ガエル!?

・Sometime I freeze, sometime I fry....(Freeze )(最後の部分です)
 冷凍食品ですか? コロッケとか・・
(ちなみに私もこれ、fightには聞こえません・・(^^;))

おお、そうそう、こんなのもありました。「One Little Victory」
4歳の娘さんに聞かせたら、ノリノリで踊っていたが、突然笑って手を叩いた。 どうしたの? と聞いたら、「キャンディって言った!」
「One little victory, the greatest candy...」
勝ったごほうびに、特大キャンディが貰える、と解釈したのでしょうか・・

――こんな数々の聞き間違い、Neilが知ったら、苦笑するでしょうか、嘆くでしょうか? 
ただ、まあ、Geddyの名誉のために一言付け加えれば、彼の発音は比較的はっきりしているので、 他のバンドに比べて、聞き間違いはそう多くない、らしいです。

(From Tri-net/Rush.net)







☆ あの人は今 (その1 John Rustey)

 John Rustey――Rushのオリジナル&創立メンバーでありながら、あまりにも後任者が素晴らしかったために、 すっかり忘れ去られ、もしくは「やめて良かった」と見られている、かわいそうな人。(まあ、もっとも、私もそう思いますが)

「John RusteyがRushをやめなかったら、その後バンドはどうなっていたか?」というトピックが、Rush.netを初めとする いくつかの掲示板に立っていたことがありましたが、大半の意見は同じでした。
「GeddyとAlexが才能あるミュージシャンなのは、認める。彼らだけでも、ある程度はやれるだろう。しかし、Neilという 触媒なしでは、二人の才能も今ほど花開かなかったに違いない。それは、本人たちも認めていることだ。もしRutseyがやめず、 オリジナルRushのままだったら、彼らは'80年頃にはシーンから消え去っていたに違いない」
中には、こんなことを言う人もいました。
「もしオリジナルRushのままだったら、自分はこんなファンボードに書きこんでなんていない。 Rushファンには、なっていないだろう。タイムマシンに乗って、74年に行って、John Rutseyの指を折ってきてやる」

――ひどっ、とは思いますが、Neilなしでは今のRushたり得ないことは、また事実。歴史に「もし」はないわけで、 Johnはファーストだけで脱退し、代わりにNeilが加入、そしてRushの歴史は今にいたる、という事実は不変なわけです。
 そしてファンから「疫病神」扱いされた、かわいそうなJohn Rutseyさんは、 「John Rutsey's Rush」を立ち上げたとか、「俺がNeilにドラムを教えたんだぜ」などという大法螺ふかしたインタビューなど、 どうもジョークくさいネタはときおり出てくるのですが、本当のところはどうしているのか。

 実は今年(2003年)の1月に、そのトピックがCounterpartsに立ち、図らずもその後のJohnのことが話題になりました。

まずは80年代初め頃の、Alexのインタビューより。
「Johnは今は音楽を止めていて、プロのボディビルダーになっているよ。僕も時々会って、一緒にジムで汗を流したりしているんだ」
しかし、90年代半ばには、
「どうしているのかな? もう10年くらい会っていないから、わからないな」と、言っています。
「Johnは結構気分屋で、気難しいところもある奴だから、付き合うのは大変だよ」と言う発言も見かけました。

 JohnとNeilは直接面識がないことと思いますし、Geddyとはバンド仲間ではあったけれど、そんなに凄く気が合っていたわけではない、 という印象を受けるので(あくまで個人的な印象ですが)、Johnと最後まで接点を持っていたのは、たぶんAlex。AlexとJohnとは、 幼友達ですしね。そのAlexでさえ、80年代後半には、もう接触が切れていたわけです。

   Counterpartsの管理人さんが、直接Anthemの人に聞いた話では、「わからない。毎年ファーストアルバムの印税を 小切手にして、Johnに送っていたのだけれど、97年からずっと、宛先人不明で戻ってきている」ということでした。 つまり、今は完全にもう音信不通。Johnが今どう言う状態なのかは、知るすべがありません。

 そのCounterpartsのスレッドに、一つ気になる書きこみが。90年ごろの話だそうですが、その人がトロントへ行った時、 トロント市の電話帳にJohnのお母さんらしき人の電話番号が載っていたので、かけてみたとか。しかもその人は、自分を Alexだと名乗ったと言います。そうしたら、Johnのお母さんは、強い東欧なまりで「あなたなの、アレックス!!」と叫んだとか。 そして、Johnは今仕事に行っていていないが、ぜひ夜に電話をかけなおしてくれ。何年も連絡がなくて、Johnはあなた(Alex)と とても話したがっている、と言ったそうです。その人は、かけなおさなかったそうですが。
 これ、もし事実だとしたら、結構ひどい話で、イタズラ電話以上にとんでもないですね。Alexのインタビューから察するに、 90年当時は確かにもう数年音沙汰がない状態だったわけですから、Johnにしてみれば久々にAlexからコンタクトがあったと喜んだら、 イタズラだったわけですから。もしくは、「裏切られた」と思ったかもしれません。
 その人は「40過ぎて(当時)まだ母親と住んでいるなんて」と、 軽蔑したような口調で書き込んでいましたが、(欧米では、自立できる年齢の人がまだ親と住んでいるのは、恥ずかしい事とされるらしいです) あなたも人のこと言えない、と思ったものです。
 ただ、これがもし事実なら、Johnは90年初頭には仕事をしていて、母親と一緒に住んでいて、そしてたぶん結婚はまだしていない。 結婚していたら、日本と違って、よほど事情がない限り、親の家には住んでいないでしょうから。

「Rushのオリジナルメンバー」という事実が、その後のJohnにどう言う影響を与えてきたのか、それは想像するしかありません。 自分が離れた後に、ビッグネームになったバンド。そのファンの中には心無い、興味本位の人も一握りいて、上の電話のように、 生活に干渉してくることも、そう稀ではなかったのかもしれません。それに、ファーストアルバムの印税は支払われていたわけですが、 バンドが大きくなるに連れ、最後にはゴールドディスクになった。その印税として、トータル数千万のお金が入ってくるわけです。 心中、ちょっと複雑だったに違いありません。

 バンドのファンとして、ともかくにも創立メンバーであり、Alexの幼馴染でもあり、Rushがデビューするまでの苦労をともに した人でもあるのですから、平凡でも良いですから、幸せな満ち足りた生活を送っていて欲しいなぁ、そしてAlexを初めとする バンドのメンバー全員とも、まだ友達でいてくれたら――そう思ってしまうのですが、今のところラインは切れているようです。

でも、いつか、現Rushの3人とJohnがまた出会って、一杯飲んで話す機会でもあったら良いですね。昔話に花を咲かせたりして。 (あっ、でもJohnって、酒癖あまりよくないんでしたっけ・・それに糖尿病だし、まずいかな)

(From Counterparts)







☆ あの人は今 (その2 B-man)

 B-Man こと、Bill Banasiewicz氏。オフィシャル・バイオグラフィー「Visions」の作者。もとはラジオ曲のDJで、熱心な Rushファンだったことから、やがてバンドの友人となり、「Visions」を書くわけです。B-manというニックネームの由来は、 ツアー同行中にメンバーやクルーと一緒にボウリングをした時、スコアカードに書かれた名前からきたそうです。Banasiewicz というスペルがややこしくて、めんどくさかったので、B-manと書かれたとか。

 このB-manさん、80年代初めからHYFが出るあたりくらいまでは、Rushのメンバーたちの良き友人でした。「Visions」は今までに出た バンドのバイオグラフィーとしては最も詳しく、具体的で、バンドの近くにいて見守っている人間ならではという、感じでした。 でも今は、バンドと絶縁状態なのだそうです。

 ことの起こりは、Hold Your Fireリリース前、Geddyと一緒に野球の試合を見に行ったB-manさんが、HYFのデモテープ(ファイナルミックス段階のもの) をGeddyにもらったことが発端だそうです。B-manさんは喜んだのですが、喜んだあまり、自分の番組でオンエアしちゃったんですね。 まだRushが著作権登録してないアルバムを。これって、とってもマズい――バンド側もマネージメントも、青くなったそうですが、 まあ幸いHYFは無事にリリースされ、B-manさんも「勇み足」と言うことで、許してもらったわけです。
 ところが! その後のA Show Of Hands で、またやってしまった。リリース前のデモテープをオンエア。もっともこちらはライヴ盤であり、 著作権うんぬんは関係ないのですが、しかし、同じことを2度やるとは! ということで、バンドの信頼を完全に失ってしまったのでした。
 まあ確かに、1度の失敗は、誰にでもある過ちで、許される。しかし二度続けてやるとなると、それはもう過ちではない。許されない。 確信犯だ、ということになってしまうわけです。Rush側としては、「信頼していたのに、裏切られた」と言う気分が強かったのでしょう。 それ以来、B-manさんとは付き合いを止めてしまったのだそうです。

 B-manさんはその後もラジオ局の仕事を続け、またRushのファンも止めてはいないようです。Vapor Trails Tourの会場で、 見に来ている彼を何度か見かけたという目撃情報もあり、実際話した人もいるようです。「気さくで良い人みたいだけれど」と言うのが、 彼に会ったファンたちの大方の感想でした。
 ただ、もうバンドの友人には戻れない――悲しいかな、今はそのようです。Counterparts期のRockline(ファンの公開電話インタビュー)で 「B-manさんとはその後も付き合ってますか?」と言う質問に、Alexはたった一言、「No!」 GeddyとはMy Favorate Headacheの プロモーション時に、1度会っているそうですが、「腐ったものでも食べたみたいな顔で」完全無視された、という話でした。

 どうしてなのだろう――Counterpartsの掲示板でB-manさんのその後が話題になったとき、複数の人がそう書き込んでいました。
「家族の輪に引きこんでくれるほど親密に付き合って、最大限の信頼を寄せてくれたのに、どうしてそれをいとも簡単に裏切れるのだ、B-man。 あなたの本は好きだ。でも、どうしてそれほど考えなしになれたんだ。それが残念だ」
 同感です。会った人の話では、彼は良い人らしい。実際そうでなければ、Rushのメンバーも親しい友達になろうとは考えないに違いない。 だけれど、残念ながら、彼は軽率だった。思慮が足りなかった。たぶんに、彼は長年憧れのバンドの内側に飛び込むことができて、親しい友人になれて、 有頂天だったに違いない。それは、「Visions」の筆致からも伺えます。有頂天ゆえに勇み足をしてしまったのか、舞い上がってしまって、 深い思慮を忘れたのか、それにしても、2度同じことを繰り返すとは――もしかしたら、Rushのメンバーは何処まで自分を許してくれるのか、 彼らの信頼はどのくらいのものなのか、それを試そうとしたのかも――推測することはできますが、真実のほどはわかりません。

「どうしてだ、B-man。なぜ、信頼を裏切った。なぜ、それほど考えなしになれたんだ。それが残念だ――」
ファンの書きこみは、Rushの心情そのものかもしれません。

(From Counterparts)







☆ ちょっとホラーな、"Rush Live in 2112"

 ちょっと前に、Rush.netで、「Rushの未来はどうなるだろう?」というスレッドが立ちました。
「しばらくは、まだ現役でいてくれるに違いない」 「あと1回か2回ツアーして、引退か?」――そんな常識的な投稿の中に、一人、とてもぶっ飛んだ書きこみが。それが、以下に引用する 「Rush Live In 2112」です。
(RushToMeさん作。訳:筆者)

 年は2112年。そう、偉大な「Rush メガドニアン記念ツアー」の年だ。医学分野での科学は飛躍的に進歩し、今や人間の寿命は167歳に延びていた。私は(コンサートの)群衆の只中に立ち、ショウが始まるのを、 今か今かと、じりじりしながら待っていた。私は128歳、年のわりに元気だ。ちょっとだけ耳が不自由になっていたが、 それは長年Rushの音楽をフルボリュームで聞きつづけていたせいだろう。それ以外は、何処も悪いところはない。

 ステージには、楽器がセットされていた。でも、誰も生ある人間はいない。3台の小さなホログラム映写機が、 それぞれの楽器のちょうど真下にセットされていた。

突然、ステージ上に作業員が現れた。3枚の皿を載せた、金属製のカートを押している。どの皿の上にも、 培養液に漬けられた脳がのせてあった。作業員は青いコードと赤いコードをそれぞれの脳につなぎ、そのコードの先端を ホログラム映写機に接続した。3台のプロジェクターに、一つずつ対応する形で、脳が接続された。
 作業員はステージから降り、ステージクルーの一人に向かって、OKサインを出した。クルーはスイッチを入れた。 映写機にしばし、緑のランプが点滅する・・と、それぞれの担当楽器の背後に、Geddy、Alex、Neilのホログラム映像が浮かび上がった。
 オーディエンスは熱狂した・・

 Geddy:「Hello Philly!! また戻ってこられて、まったく素晴らしい限りだよ! おかしなものだね。50年前、僕らが死んだ時には、もうこれですべて終わりだと思ったのに」

 Alex:「でも、現代科学の奇跡のおかげで、僕らの脳は死んだあと取り去られ、小さなガラスビンにずっと保存されつづけた。 だから、僕らはこうしてロックしつづけていられるんだ。永遠に!!!」

 (聴衆は熱狂し、叫んでいる)

 Neil:(ドラムセットから、つと立ちあがり)
「君たち、何か間違っていないか?! なぜ、僕らを死なせてくれないんだ! 僕らはいつも君たちの気紛れに振り回されて 一時の休みも許されないのか? 僕らは先に逝った愛する人たちといっしょに、眠りにつくことは決してできないのか?  いったいいつまで待てば良いんだ。僕らはもう・・」

 作業員がステージに上がり、脳の一つを調教棒で軽く突ついた。Neilのホログラム映像は激しく乱れ、そのあとすぐに復旧した。
 Neilは再びドラムセットの後ろに座り、イントロを叩き始めた。「The Body Electric」だ。
 オーディエンスは、熱狂を取り戻し、叫び始める。バンドは夜通しロックしつづけた。


 ――私的には、「Hemispheres」のジャケットを思い出してしまった――

 SFはともかくとして、現実にRushの未来というのは、当然2112年までは続かないわけで(当たり前だわ!)、 「今、終わりに近づいている」というのが、悲しいかな、ファンたちのだいたいの見解のようです。 「いつ終わっても不思議ではない段階」、星で言えば、赤色巨星のような感じでしょうか。まあ、30年近く 現役でやっているわけですから、当然といえば当然なのでしょうが。
「Vapor Trails」とそれに続くツアーで、バンドは続けて行くエネルギーを得、次までは確約されそうですが、はたして これからあと3枚スタジオアルバムを出して、第5期を完結できるか、は未知数です。

「too old to rock'n'roll , too young to die」――
「ロックンロールをやるにはトシだが、死ぬにはちょいと早すぎる」
ロックミュージシャンというのも、スポーツ選手と同じで、30台半ばから40くらいになったら、引退するんだろう―― 70年代の頃は、そう考えていました。ところが今や、Rolling StonesやPaul MaCarthonyなど、60に手が届こうとする 人たちも、まだ現役。The Who、Yes、King Crimsonなどなど、Rushより先輩の方たちも、まだまだ現役。
まあ、70や80になってまだ現役というのは、さすがに考えにくいですが、ぜひぜひがんばってくださいませ。 「脳だけになってまで」とは言いません。でも、「Endlessly Rocking!」――この言葉、信じていますよ!

(From Rush.net)







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