Message From Geddy Lee 04/17/2003

GL.netに1年ぶりに出たGeddyのメッセージ、全訳版(拙訳・筆者)です。
日本がアウト・オブ・眼中なのは、ご愛嬌? (で、すませられるのも、ちょっと悲しかったりもしますが)


 おーい、もう春じゃないのかい?

 わぉ、ここ大いなる白き北の大地は、すさまじい冬に見舞われてるんだ。4月だというのに、 うちの裏庭にはまだ雪袋が積みあがっているし、(訳注:トロントでは、冬場雪かきした雪を袋に詰めて 回収する、と言う話を聞いたことがあります。未確認ですが) 最悪なことに、ブルージェイズの ゲームがスカイドームでもう5試合も行われたというのに、全然屋根が開く気配もないんだよ。

   サイトの更新を、こんなに長いことやっていなくて、ごめん。去年は僕らにとって竜巻のような年で、 終わったら、しばらく家族の中へ消え去ることが、僕にはどうしても必要だったんだ。

 14ヶ月かけて「Vapor Trails」を作り上げてからのことを、改めてもう一度補足すると、(知らない人のためにね) そのあと、僕らは北アメリカツアーを始めることにした。最後のツアーからずいぶんな年月が経っているし、 (ちょうど5年だ)その間に僕らには、本当に多くのことが起こった。思いきり正直に言うと、はたして上手くいくかどうか、 誰も確信は持てなかった。つまり、こんな長いブランクのあと、カムバックできるだろうか、上手く演奏できるだろうか、 ニール、アレックス、それに僕自身も(みんな理由は違うけれど)ロードの苛酷さに耐えていけるだろうか、 そして一番重要なことは、はたしてファンたちが戻ってきてくれて、僕らの提供するものを喜んでくれるだろうか、 と言うことに。

 何も保証がないので、僕らはあまり先までプランを立てることを、躊躇していた。まず数週間やってみよう、そう思っていたんだ。 もちろん、そのために僕らのマネージメントはちょっと大変だったし、北アメリカを離れて(のツアー)なんて、 考えもしなかった。
 そうして僕らはリハーサルに入り、いくつかの曲の流れを組みたてていったけれど、作業が進んで行くに連れ、 ショウをデザインし、組みたて、セットリストに入れるのに適当な曲を決めることが、どんなに大変なことかを、 改めて気づかされたものだった。
 僕らが集まって作業を進めて8週間が過ぎ、コネティカット州ハートフォードで、最初のコンサートが開かれた。 僕は、それがある種感動的な体験だったことを、喜んで認めよう。

 ステージに出た時、ファンたちはみな満面の笑みを浮かべて僕らを迎えてくれた。世界中から、僕らが戻ってきたことを 歓迎するために、集まってきてくれたようだった。「トム・ソーヤー」の最初のコードにとりかかる前に、僕らは お互いをチラッと見、ちょっとためらいがちに笑みを交わした。
 そして最初の数分間の間に、時々お互いを見やって、僕らは2つのことを確認した。一つには、僕らはまだ恋しく思われていたこと (本当にありがたいことだ!)、二つ目は、僕ら自身もこの時を、恋しく思っていたことを。これが、僕らの仕事なのだ!  音楽を演奏し、生き生きと、陶酔しながら、できる限り良いショウをするために、一生懸命にやることが! すべてが 上手く行くような気がした。

 僕らにとって、素晴らしい夜だった。そしてその夜の余韻のおかげで、近年稀に見るような、満足のいくツアーにすることができた。 僕らは順調に日程をこなした。観客たちはずっと来つづけてくれ、ずっと笑顔を見せてくれた、それは僕らをも、微笑ませてくれた。 そして僕らは燃え立ち、毎晩プレイをするたびに、より良い演奏ができていく、そして結果的に、ツアー日程を延ばしていくことに なったんだ。

 僕らはちょっと冒険心を出して、今まで行ったことのないところに足を伸ばしてみようとさえ、決心した。 ラテンアメリカや南米に来て演奏してくれないか、と過去何度か要請があったけれど、今までは実現する機会がなかった。 まあいい――全然ないより、遅れる方がまだましだ。

 そんなわけで、最初はメキシコシティに行き、次はブラジルへ、そこで僕らは膨大な数のファンたちから歓迎を受けた。 彼らは、僕らが彼らのお気に入りの曲を演奏するのを見る機会を25年間も待っていてくれていた。

 なんという歓迎だっただろう! あの地の観客たちは驚異的で、僕らはすっかり驚いてしまった。英語は話さなくとも、 一言一語にいたるまで一緒に歌ってくれるし、微笑を浮かべ、歓声を上げて、来てくれて嬉しいと言ってくれる。なぜ僕らは かの地を訪れるのに、こんなに時間がかかってしまったのだろう。わからない・・いろんな理由があったと思う・・その時には、 それが適当だと思えた・・だけど今思うと・・ちょっとばかり、馬鹿げていたような気がする。

 幸運なことに、僕らは、あそこでのショウの一つをフィルム撮りしようと言うセンス(と、本当に運もあるだろう)があった。 ブラジル、リオ・デジャネイロでの最後のショウだ。そこでも観客たちは信じられないほど素晴らしくて、 僕らもなんとかかなり良い出来のパフォーマンスをすることが出来た。この時の映像の編集を仕上げて、何ヶ月か先にDVDとして リリースしようと思う。いくつか、面白い付加映像をつけて。たとえば、自宅でパジャマ姿のビッグ・アルとか、ブラジルツアーの ドキュメントとか、ほかにも、そう・・ちょっと変わった物を、何処かに隠しておくよ。

 去年、唯一心残りだったことは、ヨーロッパに行って、長いこと待たせてしまったファンたちの前で演奏する機会を 失ってしまったことだった。このことは、本当に申し訳なく思っている。そこでどのくらい上手くやれるか わからなかったし、新しい場所へ行きたいという僕らの要望の狭間で、僕らは時間配分の計算違いをして、そこへ行きつくまでに、 精魂尽き果ててしまったのだと思う。
 もう一度ツアーをすることがあったら、その時には、ヨーロッパに行くことを優先させると、約束するよ。

 未来には、何が起こるだろう。僕らには、何が待っていると思う? さあ、今はともかく、オフを楽しんでいるよ。個人的には、 本当に必要としていたものだったからね。「My Favourate Headache」を制作して、すぐに「Vapor Trails」の制作に入って、 それからすぐにVapor Trails Tourだったから、ほとんど4年連続でかかりっきりになったおかげで、妻や子供たちが、 僕のことを忘れてしまっているんだよ!
 そんなわけで、適当な時間のオフが終わったら、きっと僕らはスタジオにふらふらと舞い戻って、またわかりにくくて、 しょうこりもなく大げさなロックの小唄コレクションを、もう一つ作ろうとするだろうと思う。それとも、まあ、どっちにしても、 それに類した効果を及ぼすようなものをね。それが終わったら、(もちろん、上手くいったらと仮定してだけれど) たぶん僕らはまたロードに戻ってきて、僕たちと君たちとで、お互い十分受ける価値のある悪癖を、やり取りすることに なるのだろうね。

 ともかく、来てくれてありがとう、そして僕らがいない間も支持してくれて、ありがとう。おかげで、 時が来てもう一度やってみようとした時、ずっと楽に出来たよ。

 君たちみなの幸せと平和を祈って

Geddy Lee


原文は、こちら




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