面精度と星像評価のシミュレーション



望遠鏡の面精度とそれに対応したPSF(PointSpreadFunction=点像強度分布)をシミュレーションし、各面精度でどの程度の画質になるかをシミュレートしたページです。
面精度の評価にはアマチュアで広く使われているフーコーテストをシミュレートしました。それに対応した面精度のPSFを求め、最後にそのPSFを使って木星像をコンボリューションしたものです。


計算データ

望遠鏡のスペック
20cmF5.0ニュートン鏡
鏡計算分割数=50x50
面精度エラー 合成三角関数を完全面に乗せる
ピンホールサイズ 0.2mm&0.3mm径
基準波長500nm
PSF計算 波面を回折積分
計算時間 全部で3時間程(by Celron450)


フーコーテスト像(φ0.2mm)、左から1/4、1/8、1/16、1/32、1/64λの面精度エラー

フーコーテスト像(φ0.3mm)、左から1/4、1/8、1/16、1/32、1/64λの面精度エラー

上記の鏡に対応したPSF像、左から1/2、1/4、1/8、1/16、1/32λの波面エラー



反射の場合面精度の2倍の波面エラーが発生しますので、出力結果は1つずつずらしてレイアウトしています。
フーコーテストではピンホールの大きさを変えると、像のコントラストが変わってくることがわかります。シミュレーションから判断すると1/16λ位までエラーを検出できると思われます。

PSFを計算すると、星像が円形になるためには最低1/8λ程度の面精度が必要であることがわかります。できれば1/16λを下限値にしたいところです。

上で求めたPSFとHSTが撮影した木星像を使って、木星像がどのように見えるかをシミュレートすることにします。

左から、1/2、1/4、1/8、1/16の波面エラーをもった木星像
もしくは、1/4、1/8、1/16、1/32の面精度エラーをもった木星像


明らかに一番左の画像は不合格であることがわかります。この結果から判断すると、許容面精度は1/8λであることがわかります。シーイングがあると更に画像が悪くなり、許容範囲が変わってきそうに思いますが、シーイング+エラーと両者の劣化要素が重なり合うので、シーイングを考慮しなくても許容面精度は1/8λであります。


1999,8,7


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