散開星団の年齢


星団の年齢を決定することは宇宙論において重要な役割を担っています。たとえば、宇宙の年齢は 球状星団や散開星団以下の年齢であるはずがないということがいえます。
ここでは星団の年齢の求め方を説明してから、それを用いて、二つの星団の年齢を比較 することにします。

まず、HRダイアグラムを説明することにします。
これは、星の明るさと温度をグラフにしたものです。下の図をみてみましょう。


横軸に星の温度、縦軸に星の明るさをとると、ほとんどの恒星は青い星ほど明るく、赤い星ほど暗いという特徴を持っています。グラフ中央を走る帯のことを、主系列星といいます。星の一生を人間にたとえると、赤ちゃんの時から、定年になるまで星は主系列星に属します。

次に、星の進化について説明します。
重い星ほど、重力が強いので温度が高くなり、燃料を早く使い果たします。つまり、青い星ほど寿命が短く、赤い星ほど寿命が長いのです。
星が進化していくにつれ、HRダイアグラム上ではどのように変わっていくのでしょうか?どの星も年と伴に巨星に進化していくので、右上に移動することになります。従って、青い星から順々に右上へ移動するのです。
つぎのグラフは時間とともに、HRダイアグラムの変化を表しています。

       
右にいくにつれ、時間が経過したダイアグラム


以上の性質を使って星団のHRダイアグラムをみえれば、星団の年齢を決定することができます。年をとった星団ほど下のほうまで曲がっていて、若い星団ほどほとんどの星が主系列星にいるというわけです。


実際の観測では、Color-Magnitude-Diagram(CMD)と呼ばれるグラフを使います。これは、横軸の温度の変わりに、色指数をつかったものです。
たとえば横軸に、Red-Greenという値をとれば、値が大きいほど星の色が赤いことを示し、その星が低温であることがわかります。また縦軸は絶対等級のかわりに、見かけの等級を使います。地球からある星団の中の1つ1つの星までの距離は、どれもほぼ同じだからです。
ですから、2色の星団画像をとるだけで、CMDを作ることができ、簡単に年齢を決定することができるというわけです。



この理論を元に散開星団の観測結果を見てみましょう。

1999,10,7

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