彗星発見のための分析




彗星は発見者本人の名前がつくことから、アマチュア天文家であればだれしも自分で発見したいと望んでいるものでしょう。毎年いくつもの彗星が発見されていますが、これらは激しい競争と長年の根気の賜物だと思います。コメットハンターの経験談を聞いていると、どうも精神力がものをいうみたいです。ハンターの体格をみていると体力も必要かと思われるくらいがっちりした人が多いです。
しかしながら発見確立が低いために一歩足がでないのは否めないと思います。発見の報酬作られたことで少しはハンターの数も増えたでしょうか。

何をはじめるにしても、状況がわかっていないと動きがとれないものです。そこでひとつアマチュアとプロでどう違うかと分析することにします。

96〜98年にかけて発見された彗星の状況をプロットすることにして視覚的に分析してみましょう。
アマチュアとプロを区別し、横軸に発見時間、縦軸に発見光度をとってみます。次のグラフがそれです。

緑:アマチュアによる発見、青:プロによる発見(SOHOによる発見を除く)


一見してわかることは、プロの発見光度が16〜20等級に集中していて、アマチュアによる発見はそれ以下であることがわかります。アマチュアでもプロ並に暗い彗星を発見しているのはCCDのためです。
よくみると分布に偏りがあることがわかります。11〜15等級までが空いているようにみえます。これは眼視発見の限界が11,12等級くらいであり、さらに、プロが明るい彗星を発見するほど広範囲を捜索していないためです。

従って、11〜15等級を狙う捜索が1つの糸口だと思います。



1999,9,11

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