暗コンポジット


 2つの画像をコンポジットするとき、S/Nは1.4倍向上します。 では2つの画像のうち暗い画素を選んでコンポジットした場合にはどうなるでしょうか? 
 まず、シミュレーションでCCDに一様な照射を与えます。 このとき光の性質として、各画素の強度の統計をみるとあるばらつきをもっていることがわかります。 このばらつきの幅をノイズ(フォトンノイズ)と呼び、S/Nとは分布の平均値をこの幅で割った値になります。 もしどの画素も完全に同じ値をもったとしたら、画面は完全一様な絵になりS/Nは無限大になります。
 分布の様子と画像を見てみましょう。

ノイズが多い画像=分布の幅が広い

ノイズが少ない画像=分布の幅が狭い


次に、1枚画像と通常コンポジット画像、そして暗コンポジット画像の分布をみてみましょう。

赤:1枚画像、緑:通常コンポジット、青:暗コンポジット

通常コンポジットの分布(緑)は1枚画像の分布(赤)よりも細くしまってますので、その分ノイズが少ないことを意味します。 S/Nの改善度は約1.4倍。 一方、暗コンポジット分布(青)はそれらの中間でSNRが約1.2倍になります。

2000,5,24

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