クエーサの見つけ方



天体観望の中でもっとも難しいのが、冥王星とクエーサだと思います。もっとも明るいクエーサは3C273と呼ばれるもので、このクエーサの見つけ方は一度覚えると比較的簡単に見つけることができます。

まずはおおよその位置を見てみましょう。しし座のしっぽの隣の乙女座の中に位置しています。星の数が比較的少ないので、見つけやすいことが想像できると思います。
まずはじめに望遠鏡の低倍率で、乙女座のη星に向けましょう。2つの星がファインダーで見つかると思います。

獅子座から乙女座のあたり


ここからはゆっくりと落ち着いてクエーサを見つけていきましょう。望遠鏡の視野が逆さになっているのでマップも逆さにしながら見比べていくといいでしょう。
η星から少し北東にいくと奇妙な並びをした星たちが見えます。図を参考にしてください。そのうちの1つは赤色巨星で非常に真っ赤になっていてかなり目立ちます。これほど赤い星はなかなか見ません。この奇妙な並びは比較的簡単に見つかります。

奇妙な並びをした星たち


更に同じ位だけ北東に進むと、4つの星がほぼ直線にならんだのを見つけることができます。その中の2つの星と更に北東の星を取って、三角形を作ることができます。このとき三角の頂点に小さな星が1つあることに気づくと思います。

4つの星が作る直線と、三角形


もうここまでくるとほとんどクエーサまで届いたことになります。先の三角形の頂点に1つ小さな星がありますが、そこを延長していくとクエーサを含む5つの星が作り出す、W型の並びがあります。これは非常に暗いので、5つの星のうち1つだけを最初に見るかもしれません。もしくはW型の星の並びを飛び越えて、10等級ほどの比較的見やすい星があります。その星と最初の三角形の頂点の間にW型の並びが見えます。そのW型の星の真中がクエーサです。クエーサのすぐ隣に15等級くらいの星がありますが、これはまず見えません。


W型の星の並び(番号は等級)、画面視野は約1度くらい


30cmくらいの望遠鏡があるとようやく見える程度の物なので、かなり条件をよくしないと見えません。
やっとの思いで見つけた星が、20億光年もかなたにあるクエーサです。宇宙の果てまでの約1/7までの距離を見たことになります。

どれくらい遠いかを実感できないのですが、いつもわれわれが見ている星を自宅の庭の中にあるとすると、クエーサの距離はアメリカと日本の距離に匹敵します。かなり遠いですね。

20cm望遠鏡で捕らえたクーエサ

March 28, 2000


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