情報コラム 2009年12月6日 バイアスフレーム


  冷却能力が高くダークカレントが非常に小さい場合ダークフレームを撮影しなくても良い という考え方がある。 ある意味正しいが間違っていると思っていたほうが良い。 冷却CCDカメラ の特徴の1つが線形性が非常に優れている点である。 どういうことかというと、入射光量と 出力信号が1:1に対応し厳密な測定が行える。 冷却CCDカメラの場合 映像用のデバイス+測定機器としての能力を兼ね備えていることになりデジカメとは 大きな違いである。

 線形性が優れているのであれば y = x という関係が成り立っているのだが、実は正確には y = x + b という風にある一定値が加わった上での線形性である。 このbのことをバイアスと呼び、 A/D変換を行うアナログでは負の物理量を取り扱えないためわざとこのようにしてある。 

  ということは、撮影した画像には必ずバイアスが含まれており、これを引き算しておかないと フラット処理のときにうまく行かなくなる。 ダークカレントが非常に小さいということは ダークフレーム=バイアスフレームであるが、どんなに小さくてもバイアスがゼロにはならい。 したがって フラット処理するにはバイアス成分を引かなければならないことを覚えておくと良い。

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