どの望遠鏡も設計性能は素晴らしいがその性能を引き出すには各パーツの アライメントが完全に調整されていなければならない。 このアライメントの誤差を 公差というが、メーカーはある一定の公差を設けて望遠鏡を作る。 つまり ある一定の性能を満たすようであれば完全にアライメントが調整されていなくても 公差内に収まっていれば良しとしている。 なぜ公差を設けるかというと完全にアライメントを調整することが不可能であるからである。 つまりアライメントが良好なものもあれば不良に近いものもあるわけである。 せっかく買った 新品の望遠鏡も使っているうちにあちこちぶつければ公差が大きくなっていつかは 見えなくなってくるのが普通である。 中古品で出回る望遠鏡はそれなりの理由があってのことだろう。 もし恐ろしく シャープに見える望遠鏡があればそれを手放すユーザはそうそういないのではなかろうか。 アライメントを調整するだけで性能が引き出せるなら良いが、ミラーの面精度や ガラスの不均質性からくる不良がある場合もある。 特に昔のシュミカセは青板が 使われていておそらくアニールされていないであろう。 アニールされていないと どんなに研磨が良好でもおかしな屈折を起こすことがある。 ことわざに安物買いの銭失いというのがあるが、うまく表現したものだと感心する。 安いものはそれなりの品質でしかないため理想の性能には遠く及ばない。 安いから あれもこれもと買っているうちに、結局新品の高性能の望遠鏡やカメラを最初から 買えば良かったということがある。 本当に良いものはそれを1つ持っているだけで 十分満足するものである。 TOP |