情報コラム 2009年6月5日 ピクセルサイズとシステムサイズ


  ピクセルサイズを小さくすると分解能を落とさずにシステム全体を小さくすることが可能になる。 具体例を 出してみるとわかりやすい。 20cmF2.8の望遠鏡に5.6ミクロン画素のカメラを取り付けた場合と20cmF4.5の 望遠鏡に9ミクロン画素のカメラを取り付けた場合では、1ピクセルあたりに入射するフォトンレートは同じであり 1ピクセルあたりの解像度も同じである。 つまり理論的分解能が口径で決まることがこのケースで成り立っており、 画素数が同じであれば画角や写りはほとんど同じになる。

  ではどこが違うのだろうか? CCDのフルウェルキャパシティと光学系の収差・迷光が光学設計次第で 変わってくるのはもちろんであるが、一番大きく違うのは筒の長さである。 光学的・電気的ではなく機械的な違いがある。  筒が短くなると筒の持つモーメントが小さくなるため外部からの力の影響が小さくなり、また動かしやすいことから ガイド修正が行いやすくなる。 したがってピクセルを 小さくするとより小さな赤道儀でも同じガイド精度を達成できる確立が高くなるということである。 大型望遠鏡を得意とするアメリカに対し、小型化がお家芸とでもいえる日本では更なる高性能の小型 望遠鏡開発の意味があると言えよう。

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