情報コラム 2009年5月10日 赤道儀のカウンターウェイト


  赤道儀のカウンターウェイトをセットするとき、重くするか遠ざけるかの自由度を誰もが気づく。 バランスを取る ということは望遠鏡側のトルク(モーメント)とウェイト側のトルクを合わせることを意味する。 トルクとは 質量×中心からの距離で表され、ウェイトを重くしなくてもウェイトの位置を遠くにすればトルクが上がって バランスが取れる。 てこの原理と同じである。

  静止状態では確かにこれで良いのだが、実際にはガイドを行うため赤道儀が敏感に反応してくれないことには ガイドがうまくいかない。 そこで考えないといけないのが慣性モーメントで、動きやすさを表す物理量である。  慣性モーメントとはウェイトの質量×(中心からの距離)の二乗であらわされ、先ほどのトルクでは中心からの距離が1乗であったのに ここでは2乗になりウェイトの位置が非常に重要になってくる。

  どういうことかと言うと、ウェイトを遠くすると動きにくくなりガイドしにくくなるのである。  ウェイトの個数を増やし中心付近に寄せて慣性モーメントを低くするとガイド精度が向上しやすくなる。 望遠鏡を どんどん重くするとウェイトが足りなくなって位置を遠ざけることを行うが、これは一種限界を超えた 状態なのでワンランク上の赤道儀を使うのが良いだろう。

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