デジタル時代になってからパソコンなくして天体写真を撮影することはほとんど 不可能になってきた。 天体写真におけるパソコンの役割は一体なんであろうか? 今一度 考え直してみると、パソコンとは撮影した生データをカラー画像に仕上げるための道具であることが わかる。 この工程において撮影者の意図がふんだんに取り入れられるのがデジタル画像の 特徴であろうが、本当にそれでよいのだろうか? 同じデジタルカメラでも大手メーカーが生産するデジカメは内部に映像エンジンが入っており 基本的処理をすべてこの中でやってくれる。 映像的見地からいってこれ以上正確な 処理方法は恐らくないだろう。 これに見習って考えてみるなら、天体写真の画像処理工程も 一意的な処理が行われるべきであって撮影者の意図は不要である。 天体を撮るからには少なからず科学的要素が入っていると信じていいとおもう。 恐らく 天体写真の目的の1つは地球外で何が起こっているかを映像で表現し伝えるところにあるので、 できるだけ再現性が高くまた普遍的な処理が望まれるであろう。 もちろん天体の美しさを 一般の人たちに伝えるためにできるだけ綺麗かつ大胆に処理したい気持ちがあるだろうが、 それは広告用の写真であってクリエイティブな作業にすぎない。 真の姿を見せたいのであれば 着飾ることなく謙虚であることが大事なような気がする。 TOP |