情報コラム 2007年6月1日 アナログとデジタル


  最近の電子製品はデジタルで設計されているものが多いが、一体アナログとどこが違うのだろうか?  カメラを例に取って考えてみよう。

  冷却CCDカメラになってから光1個を捉えることがでそれを確認できるようになってきた。 望遠鏡に 入ってきた光は毎秒何個という具合でカウントでき、光はデジタル化された存在である。  当然これがCCDに入射して電子に置き換わっても 電子がいくつあるかを強度を表現しこの時点でも実はデジタルである。 にもかかわらず、カメラ内部では CCDから出てきた電子をA/D変換(アナログ−デジタルコンバータ)にかけてデジタル化する。

  電子1つ2つという情報がCCD上にあるにもかかわらずA/D変換を行うのは、情報を電荷という物理量から 数値という数量に置き換えるためである。 CCD上に電荷という形で存在してもパソコンは電荷を 取扱うことができない。 そのため数値化してパソコンが読めるようにするのがA/D変換である。

  つまり、アナログとは次元を持った物理量であるのに対し、デジタルとは無次元の数量である。 物理的に 動作する機械があればそれをアナログと呼び、数学的に動く機械があればそれをデジタルと呼んでいるのに 過ぎないのである。 

  では以前の銀塩フィルムを使ったカメラはどうであろうか? フィルム上に乳剤と呼ばれる光を感じる 化学物質が塗布されており、光があたった部分だけが化学変化を起こし濃淡を記録する。 顕微鏡で見れば 粒子1つ1つが確認できこれも何個と数えることができるがデジタルとは言わない。

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