情報コラム 2007年5月16日 色 その1


     分光器を使うと色の元がはっきりと見えとても神秘的である。 Hαと言えば天体写真を 撮る人なら誰でも知っている水素の輝線で、散光星雲や惑星状星雲そして超新星残骸のほとんどは この光を発している。

  波長で言うと656.28nmで、発光すると同時に吸収する現象も起きており、太陽を分光するとまず目に付く吸収線が このHαである。 太陽のスペクトルには他にも無数の吸収線がいくつも見えるが、Hαは群を抜いて 太い。 これには太陽の温度が関係している。

  太陽の温度は約6000K と言われており、温度が高いということはそこにある原子がたくさん 振動していることを表している。 温度とは原子・分子の速さで表されるからである。 太陽表面にある 水素は熱によって様々な方向に運動し、それと同時に光を吸収している。 したがってドップラー効果が 働くため、ある水素原子は近づきながら吸収し、またある原子は遠ざかりながら吸収する。 その結果統計的に とらえると、ガウス分布をした吸収線のプロファイルが描かれる。 それがこの太さである。

  太陽の温度を測る方法の1つとしてこの吸収線を利用することができ、これを応用すると他の恒星の 温度も推定できる。 ただ厳密に言うと、温度だけでなく圧力によっても幅が変わってくるのでそれも 考慮する。 では肝心の色はどんな色か? Hαはシンプルにも真っ赤である。 これ以上赤いものがない という位赤い。 赤は見ていると疲れやすい色なのでHαフィルタを使った太陽観察にはほどほどに。



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