情報コラム 2007年2月22日 熱伝導


     暖かいとか冷たいと感じる熱のやり取りには二通りあって、1つは赤外線が空間を飛来して 物質を出入りする放射熱と、直接物質同士がこすれあって伝わる 接触熱がある。 地上にいる限り自分の周囲下半分からは地球の熱約300Kの放射熱が やってきていて、上半分の空からは天気次第で状況がかわる。 晴れていれば放射冷却で寒くなるし 曇っていれば地上からの赤外線を反射して暖かくしてくれる。 冬の晴れた日は放射冷却で 気温が下がると同時に自分の体温も放射熱として宇宙へ飛んでいくので気温 以上に寒い。

  接触熱では直接熱のやり取りがそこで行われるが、物質に応じてそのやり取りの速度が 異なる。 いわゆる熱伝導であるが、最も熱を伝えやすい物質は銀でその次に銅やアルミニウムが あげられ、料理で使う鍋に銅製やアルミニウム製が多いのはそのためである。 意外に鉄は それらに比べ約1/10程度の熱伝導率しかなく、ガラスになるとさらにその1/10となる。  望遠鏡が 外部の気温に馴染むのに時間がかかるのはガラスの熱伝導率が低いからである。 ついでに言うと、 木材になれば熱伝導率はガラスの1/10となって温度を伝えにくいことから家などに用いられることが多い。

  望遠鏡を見てみるとミラーはガラス、チューブはアルミニウムか鉄、接眼部はアルミニウムが多く、 それぞれの熱伝導率が違うだけでなく熱膨張係数も異なり、鉄はガラスの3倍、アルミは鉄の 2倍も膨張率が違う。 つまり温度変化が起きるとまず始めに熱伝導率の高いアルミニウムが温度に馴染むと 同時に最も膨張・収縮し、その次に鉄、ガラスと続く。 もちろん形状によっても温度の伝わり方は 変わるが望遠鏡のパーツすべてが同時に変化することはないので急激な温度変化がないような状態で 使うのが良い。

TOP
mail